【人】 狐娘 レイ[耳も尻尾も感情の揺れ動きで飛び出すもので。 驚いたり、酷く感情を乱されれば意図せず現れる。 飛び出してしまえば、一定の時間が経たなければ消えることはなかった。 だから耳を抑えても、なかなか消えることはないのだけれど。 感情を表すように揺れる耳は、少し恥ずかしく隠したくなってしまう。 笑われたことに素直に謝罪を返されれば、あまつさえ代わりに探してくれるという。 けじめ、というのならそうなのだろう。 ロンとの最後の繋がりを望んだのかもしれない。 一族のためを思う婚儀と、自身の強い願いである思いに揺れ動きながら、結局は一族のためを取った。 これはロンとの別れの儀式なのかもしれない。] ……指輪、なの。 透明な石に白い花が嵌め込まれた、子供の指輪。 [それを付けたのは一度きり。 でも鮮明に覚えている、彼が作ってくれた大切なものだから。] (216) 2021/12/04(Sat) 1:20:07 |
【人】 狐娘 レイまっ……、 [思わず手を伸ばした。 赤が消えない内にと。 その一瞬の光はすぐに掻き消えて、今は黒髪が揺れる。 まるでロンを望んだわたしが見せた幻かと思う程の間。] ひゃんッ……!! [言葉にならずに戸惑っていれば、尻尾に違和感を覚えてピンと背筋が伸びた。 びっくりして変な声が上がる。 振り返って、揺れた尻尾を見ればそこには花冠が掛けられていて、――ロンと花冠を作った記憶が鮮明に蘇る。] (218) 2021/12/04(Sat) 1:21:32 |
【人】 狐娘 レイ[伸ばした手は今度こそ、彼の腕を掴んだ。] ……待って! この花冠、シャオロンが作ったのっ? 髪、髪は……っ、赤い髪…… 名前……っ、そう、名前っ……ロンって…… シャオロンって…… [掴んだ手の力がぎゅうと強くなる。 確かに捕まえかけた記憶の端。 消えかけてしまいそうで離したくなかった。 自分でも説明がつかず、戸惑いに脈絡のない言葉が紡がれる。 ヴィス族にいるはずのロンの代わりにいたのはシャオロンで。 でも、だったら、どうして。 私のことを覚えていないの? という考えまでには至らずに―――。**] (219) 2021/12/04(Sat) 1:22:40 |
【人】 狐娘 レイ……見たことあるのっ、その赤い髪。 わたしに、「ロン」って名乗ってくれた ヴィス族の男の子っ。 ずっと髪が赤いのだと思ってたけど、 そうじゃないのならっ……、 花冠だって、作り方を教えたわ。 この泉で会って、 魔物に襲われたところを助けてくれて……っ、 [握り込む腕が縋るようなものに変わる。 まるで、そうであって欲しいと願うように。 ずっと探し続けていた彼が、もし見つかったのなら。] (251) 2021/12/04(Sat) 18:41:21 |
【人】 狐娘 レイ[手を重ねられて、自身の手に力が籠もっていたことをようやく知った。>>245 じわりと感極まって瞳が潤む。 違うかもしれない。 ううん、でも多分きっとそうだ。 だって名前を呼ばれた時に、懐かしいと感じた。>>189 だから、重ねられた手を振り解いて、彼の胸に向かって身体ごと飛び込んだ。] ロン……ッ! ずっと探したわ……! [勢いよく飛び込んだから、彼を押し倒す勢いで地面に倒れ込んだ。 花の上に二人の身体が重なって、風圧で花が揺らめいた。 思い込みの強い女は考えに至るのも早い。 確信めいたものに近いとはいえ、話半ばに胸に飛び込む程には、舞い上がっていた。**] (252) 2021/12/04(Sat) 18:44:29 |
【人】 狐娘 レイ…………え、 [シャオロンを押し倒したまま、ぽつりと音が落ちる。 赤い髪も、瞳も、名前も似ていた。 なのに彼は違うという。 確信めいたものはガラガラと意図も簡単に崩れ去っていく。] 違う、の……? うそ、だって……、確かに、 赤い、髪で……、 [ぶんぶんと喜色に揺れていた尾がへたりと下がっていく。 本当にシャオロンは何も知らなさそうで。 ぽとり、と堪えきれない雫が彼の胸元へ落ちた。 シャオロンの気遣うような声は聞こえるのに、 それが尚更別の人物であることを如実に伝える。 一度落ちた涙は、壊れたようにぽろぽろと転がり落ちた。] (262) 2021/12/04(Sat) 21:48:33 |
【人】 狐娘 レイ[涙が幾筋も零れていく。 まるで此処数日我慢していたものが一気に流れていくように。 謝るシャオロンに彼のせいじゃないと分かって。 緩く首を振り揺らしても、涙は止まらなかった。 彼のせいではない。 責めているような申し訳なさに嗚咽を引きつらせて、 違うと言おうとしても、溢れ出す涙が邪魔をする。 暫くの間、ただただ涙を流して。 背を撫でる手の温かさに甘えた。] (274) 2021/12/04(Sat) 22:41:16 |
【人】 狐娘 レイ[どれくらいの時間が経っただろう。 泣き腫らした眼でぐずついていればシャオロンが口を開いた。 ロンを一緒に探してくれるという。] ……でも、でも。 そうしたら、シャオロンはどうなるの……? [すん、と鼻をすすりながら問いかける。 一度婚儀を結んだ後、村に帰れるのだろうか。 ロンが見つかるかもわからない。 見つかれば嬉しいことだけれど、 此処まで協力的に接してくれるシャオロンのことが、 今度は気になり始めてしまう。] (275) 2021/12/04(Sat) 22:41:39 |
【人】 狐娘 レイなにも、しない……、 [一瞬、何のことを言われているのか分からずぽかんとしてしまった。 そうしてようやく今の状況に気づく。 勢い余って押し倒すほどに密着していたことに。] ……ぁ、……あっ、あっ、 ご、ごめんなさいっ、 わたしっ……、あ、あのっ…… 勘違いして……っ……! じゃなくて、人違い……っ!? [かああと赤面して、ようやく彼の身体の上から身体を離した。 何もしないというのも、今なら意味が分かる。 両手で頬を抑えて、あわあわと慌てながら身じろぎをする。 優しく撫でてくれていた大きな手を思い出して、きゅうと胸が潰れるような感覚を覚えた。] (276) 2021/12/04(Sat) 22:46:42 |
【人】 狐娘 レイ[好きなのはロンなのに、シャオロンにもドキドキしてしまう。 ただ男性に慣れていないからなのか、相手がシャオロンだからなのか。 これではロンにもシャオロンにも申し訳なくなる。 ぐるぐると眼が回りそうになる動揺を抑えて、上目遣いに問い掛けた。] ……シャオロンは、本当に「ロン」じゃない? [なんて質問を重ねても、きっと答えは同じだろうけれど。 彼が本当に「ロン」ならば、どれほど良かっただろう。 そう思う気持ちは、捨てきれなかった。*] (277) 2021/12/04(Sat) 22:47:41 |
【人】 狐娘 レイ ……両親は居ないの? [一人暮らしだという彼に質問を重ねる。>>282 そういえば、ロンも家族は居なかったという話を思い出す。 人違いだと言われてもまた重なるロンとの接点に困惑した。 シャオロンにとって元の暮らしに戻れるのなら、 その方がいいのかもしれない。 想い人のいる嫁と共に暮らすよりは真っ当な考えだろう。] そっか……。 そう、よね、シャオロンだって、 望んで結婚しにきた訳じゃないものね……。 ……ごめんなさい。 相手がわたしで……、 [せっかく結婚するならば、可愛くて想い人の居ない相手の方が彼も納得しただろう。 申し訳無さにしおしおと獣耳がへたりと沈んだ。] (291) 2021/12/04(Sat) 23:52:17 |
【人】 狐娘 レイう、うん……、 [シャオロンの声に頷いて、すうはあと深呼吸を一つ。 驚いたり喜んだり泣いたりして、未だ獣耳は消えることはなかった。 ぽふぽふと土を叩く尻尾はスリットの間を通り、隠れた腿を見せる。 起き上がる彼に、自身のことよりも先に汚れを払い落とすのを手伝って、しゅんとしおらしく俯く。] ……うん……、 [返す言葉もない。 頷くことしか出来ずにお礼を告げて手巾を受け取った。 目の辺りを指摘されて、目元をなぞれば指の腹に化粧の名残がつく。 みっともないところを見られて、恥ずかしさに慌てて手巾で目元を拭った。] (293) 2021/12/04(Sat) 23:53:00 |
【人】 狐娘 レイ[指輪の話になれば、こくりと頷いて。] 10年以上前の話なの……、 もしかしたら、 もう底深くに埋もれてしまっているかも……。 [泉に視線を移して湖面を見つめる。 大事な思い出、初恋の人が底に沈んでいる。 そろそろ婚礼の儀も始まる頃だろう。 落ちてしまった化粧も直さなければいけない。 でも、シャオロンが探してくれるというのならば見届けたかった。] シャオロンが探してくれるなら、見てる。 [彼が木の枝で泉を突付くのを傍らに、座り込んで陣を取る。*] (297) 2021/12/04(Sat) 23:54:04 |
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