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人狼物語 三日月国


47 【半再演RP】Give my regards to Jack-o'-Lantern【R18】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


――夜・酒場近く――


[ まだ寝室にいる間に掛けてもらってた防御魔法
 膝をつけて歩いても平気なように。
 手のひらも足の裏も全然痛くなかった。汚れてもないみたい。]


 ……ご主人さま、これ、私にしてくれてたの?
  痛くないようにって。


[ リードの綱の先を見上げて、小さくお尻を振る。
 尻尾が揺れて、身体の中でこりこりとした感触。]


 ………… わんっ。


[ いまの気持ちをなんて言ったらいいか分からなくなってしまって、
 ひと声吠えるマネをして、黒いローブをかぷりと甘噛みした。]*

 
  ── 
一人、霧に包まれた森の中で
 ──


   はっ……はぁ……っ……!


[ 一人、霧で覆われた森の中を走る。
  懸命に、脇目も振らず、ただひたすら走る。

  日が落ち始めた森の中は只でさえ暗く
  その上、霧に覆われては視界が効かない。

  心細い事この上なかった。]
 

 
[ がさり。ぱきり。
  踏み付けた落ち葉が、枯れ枝が音を立てる。

  この世のものとは思えない、
  不気味な鳴き声があちこち木霊する。

  ざっと、木々の間を冷気を孕んだ風が走る。

  風に攫われ、木の葉が宙に舞い踊る。


  日が陰るにつれ、木々は闇に覆われ始めて
  がさがさと、葉擦れの音が辺りに虚しく響いた。]
 

 
[ 足が何かに躓く。身体が前に傾いだ。

  どうやら木の根に足を引っ掛けたようだ。]


   っ…! きゃぁっ…!


[ どさっと音を立て、身体が地面に倒れ伏す。

  触れた地面は冷たい。
  温もりは何も感じられなかった。]
 

 
[ 今すぐ帰りたい。彼の元に。

  傍に行って、
  抱きしめたい、抱きしめられたい。
  声が聞きたい。顔がみたい。


  ───心細くて堪らない。

  彼に何かあったら。

  そう思えば、それだけで心が震える。
  涙が出そうになる。]
 

 



[ ────それでも。]   


 

 
[ 拳をぎゅっと握る。

  身体を両手で支えながら起き上がる。

  はぁっと深呼吸を一度。
  そしてすぐに駆け出すのであった。]
 

 
[ 彼だって頑張ってるのだ。
   姿が見えなくたって、それぐらいは分かる。


    何時だって、私を大事にしてくれた。
    守ってくれた。

    …───だから。]
 

 

   
( だから……! )


 

── 修道院 ──

[焼き立てのパンを食べる物の横で、古く硬いパンを食べる

 それは嫌味にしか見えない行動であり、どう考えても優れた選択ではない。
 不快に思われて当然な行動、何らかの罰を受け
てもおかしくはない。
 それでも、ご機嫌伺いに彼女に合わせるのは嫌だったのだ。

 他の人相手なら、その場その場で合わせもする。
 ただ、彼女に対してだけはそれをしたくない。
 頻繁に見る夢のせいなのか、その他の要因があるのか、どちらにしろ不思議だと自分でも思いながら]


  ──餌付け、ですか?

  もっと浅く持っていただかないと
  指ごと齧るかもしれませんよ


[友人ではない、まだ彼女の持ち物でもない。
 態度でそう示したはずだけれど、効果は今一つ薄かったよう。
 口元に差し出されたパンに、きょとんと目を見張り]

[じっと彼女の瞳を覗き込みながら唇を開く。

 身分の低いものにする行動ではないと嗜めようにも、そもそも自分の行動が原因。
 不毛な言い争いをするよりもしたがった方が得策だろうと、差し出されたパンを咥え]
 

  ──────  。


[次いでにあかぎれのない指に唇を。
 せめてもの反抗に自分で満足すると、パンを飲み込み]


  そうですか?
  てっきり、ペットをお望みかと

  でも、それなら良いのです
  飼われるのは此処だけで充分ですから
  
  
[わざとらしく驚いたフリを。
 とはいえ暇つぶしのためだろうが、身分が違う以上は上下の問題はついて回る。
 貴方は何を望むのだろうかと、パンを食べる口元に首を傾げ*]

 
[ 懸命に前へと足を進める。
  どこまでも、希望を求めて、前へ、前へと。


  そうしてどれぐらい進んだだろうか。

  ある時、ふと、耳に響く声があった。]
 

 

   …………誰?


[ それは声無き声だった。

  優しく暖かく、
  懸命に何かを伝えようとしている。

  恐ろしい筈なのに恐ろしくなかった。

  聞いた事がないのに
  私はその声を知っている気がした。]
 

 

   ……何? こっち……?


[ その声に誘われるまま前へと進む。

  躓かないように、木の根を跨ぎ
  腰まで伸びる低木の茂みを掻き分けて。

  すると、ぽかりと
  何もない広場のような場所へと出た。]
 

──夜の街──


  嫌なのに?
  違うわ。
  アリアは
「したくて、おしっこするの」



[いやなのに、という彼女を
私は否定するように力を重ね掛けする。
けれどその必要も無かったかもしれない。
彼女の限界は直ぐに訪れたから。]


  ふふ。我慢、しなくていーのよ。

  アリアは私の犬よ、可愛い可愛い私の飼い犬。
  ほら、がんばれ、がんばれ♡


[彼女の自意識が既に自分を人間だと理解し始めている。
それでも屈してしまう様がなんとも嗜虐心を満たす。]



  えぇ、勿論。
  ちゃんと見ててあげる。


[ついて来て、と言う犬の可愛いらしいおねだりを
ちゃんと聞いてあげる。

外にいた数人の男達は驚いたり、引いていたり。
笑ったりする人も居た。

触れるのだけは、
「触るな」

命令して退けている。
彼女を視姦したり罵倒したりは良いけれど
触れるのだけは私の特権だから。]


  焦らなくて良いわよ。
  ずーっと待っててあげるから。


[彼女が片足をあげて、あられもない姿を晒す。
なんて格好だろう。
はしたない、けれど私はその姿を見ると
ゾクゾクとしたものを覚える。

そしてついに彼女の綺麗な股下から
ちょろちょろとした黄色の水がこぼれ落ちていく。
独特の匂いと共に、酒樽に染みを作っていった。]



  ふふふ!
  おしっこ出来たわね。
  ちゃーんと出来るじゃない。
  
  上手よぅ?


[私はおしっこが上手くできた彼女の頭を撫でてやる。
歪んだ笑みを隠すことはしない。

そして愛らしくも私の雌犬は駆け寄り
私の足にしがみ付く。]


  勿論……たっぷり可愛がってあげる。

  ────皆の前でね?


[ローブに噛み付く彼女の頭を再び撫でてあげて。
それから首のリードを引くと
私は堂々と酒場の中に入っていく。]


  
「身体を動かすこと、喋ることを禁ず。」


  あんた達が出来るのは私の可愛い犬の
  愛らしい痴態を見つめることだけ。


[酒場の人間に強制の力を放つと
湧き上がっていた酒場は途端に鎮まり
そして注目が集まったまま止まる。
目線だけは動ける筈だ。

ついて来たアリアの方を振り返ると
私は自分のローブの裾をたくし上げる。]


  私は女だと思う?アリア。

  ……その通り。
  でもね、見て分からないことは、あるのよ?


[たくし上げた下。
素肌が見えて本来女の下半身であるはずの場所に
男性器がその形をはっきりとさせていた。]



  ──ご褒美に皆の前で交尾してあげる♡


[夜の散歩の間に身体を作り変えていた。
彼女はどんな反応をするんだろう。

応えてくれるなら嬉しいけれど
拒否をしても違った楽しみがある。

どちらにしても彼女以上に
私の方が我慢出来ないことは
固くそそり立つものが雄弁に語っていた筈だ。]*

 

   ここは……?


[ 視線を前へと向ければ
  そこは人気がない場所だというのに
  何故か蛍火のような光に囲まれていた。

  それらはひとつひとつは小さな光だが
  この場所を優しく明るく照らしており
  今、自分は森の奥深くにいるのだという事を
  忘れそうになる。

  ……不思議な場所であった。]
 

 
[ ここが目的地なのだろうか。

  戸惑いながらも視線を周囲に這わせる。


  初めてきた場所だというのに
  何処となく懐かしい気持ちになる。


  風がひゅうっと吹く。木の葉がひらりと落ちる。

  ハッとし、視線をさらに奥へと差し向ける。

  そこには、ひっそりと隠れるように
  小さな祠が建っていた。]
 

 
[ 一歩、二歩、祠へと足を進める。

  その時、一際強い風が吹き付けた。

  思わず、その吹き付けの激しさに目を閉じれば、
  ふと、眼裏に待っている人の姿が過る。]


   そうだ、時見様……急がなくちゃ…!


[ ───今、こうしている間にも彼は。

  そう思えば時間を無駄にはしていられない。

  急いで駆け出し、祠に近付こう。
  そう思った…───次の瞬間。]
 

 
[ 周囲の、あちこちに浮かぶ小さな光。
  その一部が祠に集まり眩い光を放つ。]


   …え、な……何っ!?


[ その明るさに一瞬だけ目を瞑る。

  ぱちり、瞼を持ち上げれば、目と鼻の先に
  小さなかぼちゃ型の角灯が燐光を放ちながら
  ふわりと浮かんでいたのであった。

  まるで自分を待っていたというように。]
 

 
  ── 
そうして
 ──


[ 急いで来た道を戻ってくれば
  ふらつき、片膝を付いた
  彼の姿が目に飛び込んできた。

  彼の前には大勢の異形の影。

  最早一刻の猶予もない。]


   
( 時見様───っ! )



[ 急ぎ、駆け寄り身を挺して彼を守ろう。

  そう思い、彼に走り寄るその最中。
  手にした角灯が眩い光を放ち始めた。]
 

 
[ 角灯の光が霧を掻き消していく。

  それと共に異形の影が彼を素通りし、
  こちらへ向かってくるのが見えた。


  何時の間にか身体を震わせるような
  悍ましさは鳴りを潜めていた。

  彼らが近付いてくるというにも関わらず
  逃げる気すら起きない。]
 

 

   時見様……。


[ 近付いてきた死霊たちは角灯の光に照らされ、
  その形を無くしていく。


  一体何が起きているのか。
  詳しい事は分からない。けど……。

  少なくとも、彼を失う事態は避けられたのだと。

  …そう思えば安堵の吐息が零れ落ちた。]
 

 
[ しかし、安心しているのも束の間の事。

  小さく呟く彼の声が聞こえ、視線を其方に向ければ
  前のめりに倒れていく彼の姿が目に映った。

  角灯をその場に放り出し
  彼の元へと駆け出す。

  頭は真っ白で何も考えられない。

  最早、自分に何が出来るというのだろう。
  分からない。分からない……けれど。

  ボロボロになった彼の身体を抱きしめる。
  胸元に彼の頭を引き寄せ、お疲れ様と労うように。]
 

 
[ そうして暫し抱きしめた後。
  彼の頬を両手で優しく包み込む。

  間近で見る彼の顔は、こんな時だというのに
  それはもう愛おしくて愛おしくて。

  貴方が夫で良かったと。
  そして、これからもずっと貴方と共にありたい。
  だから……元気になってください、と。]
 


[ そう必死に願いながら
  彼の唇に己のものを重ね合わした。

  頭の角度を変えながら、
  一度だけでなく、何度も。

  彼が目を覚ますまで。ずっと……。]*
 

―― 修道院 ――

[...はゆるく首を横に振る。
 餌付けであればもっと餌付けらしくする。
 これはそうではないからと視線を伏せた。
 やや経過してから頭をあげる]


  そうではないと分かっているわよね。


[...は向けられる瞳を見つめたままに、
 擽ったそうに笑い声を漏らした。
 指に触れる唇の感触に目を細めるとパンが無くなった手を手元へと]


  まるで猫ちゃんみたいね。
  指への口づけの意味は知らないでしょうし。


[...は口元で笑みを浮かべると濡れた指先に唇で触れた。
 指先を舐め綺麗にしてから布で拭き自分の分のパンを千切った]

  ペットなら従順な方が良いもの。
  いいえ、ペットだから従順な方が良いものよ。
  でも貴女はね、カザリ。
  ペットでも従者でもないって目をしてる。


[嗚呼、と唇で小さく漏らす。
 夢の中で見る家の猫もそう。
 猫なのに自分が主であるかのように振る舞うのだ。

 ...はそれを思い出して笑みを深めた]


  私は普通にお話できたら良いのよ。
  でもね、それは難しいの。
  みんな、みんな。
  最初から心が屈服しているのですもの。


[...はパンを口にすると咀嚼し始めた。
 柔らかいパンは美味である]


  ねぇ、そっちのパンはどうなのかしら。
  やっぱり固いのかしら?


[知識では知っている。
 けれども実際に試したことはない。
 そんなこと誰も許しはしないからである*]



 ────ぅ……


[柔らかく、優しく。

砂漠の如く乾ききった全身に、暖かな何かが流れ込んでくる]

[いや……

何か、など。

このぬくもりは。
このやさしさは。


 ────いつだって俺を癒やしてくれたではないか]



 おはよう、だ……


[やれやれ格好悪い所を見せてしまったと、
少しばかり困ったように薄く笑い。

猫耳ごと琴羽の頭を軽く撫でる。

よく、がんばってくれたなと。
自慢の妻を労うようにゆっくりと。


そうこうしていれば、周囲の状況も目に入ってきて]

[琴羽の霊力で灯った明かりなのだろう。

落ち葉の中に置かれた角灯を中心に、
無数の御霊が一つ一つ、天へと還っていく]


 これは……
 すごいな……


[その儚くも幻想的な魂送りの光景を、
琴羽に抱きかかえられながらしばし見詰めていたが。

流石にそろそろ重いだろうと身を起こす。

本当はこのもふもふにずっと包まれていたかったのは内緒だ]

―初めての―

[平日の夜、小包が届いた。
近々荷物が来る予定ではあったけど、
見知らぬ発送元からだと気付いたのは受け取った後で。

そう言えばカードの記載と発送先はフェイクが入ると
HPに書いてあったような、なかったような…
曖昧な記憶で早速開封してみる事にいた。

記憶は正しかったようで、
段ボールの中には納品書とさらに小さな箱があった。
露骨なシルエットのデザインされたパッケージ。
いわゆる大人のおもちゃである。

お手頃な値段で安っぽい物を想像していたけれど
露骨とは言え、全体的なデザインは洗練されていて
中の梱包も丁寧で関心して眺めてしまう。

中身――ディルド自体も細かい皺まで造形され
無駄と言っては何だが製作者のこだわりを感じる。
あまりに気合入れて作られているものだから
肌色の商品を選んだ事をちょっと後悔した。

ちょっとどころか、結構生々しい。]

[折角だから早速試してみるかとすぐに風呂を沸かし
一応ネットで情報を収集しておく。
使い慣れてはいるが道具使うのは初めてだし。

入浴してリラックスした状態でベッドに上がる。
ディルドと一緒に買ったローションを脇に置いて
まずは固くなった尻の周りの筋肉を指で解していく。

大股開いて指でふにふにと自分の尻穴を押していると
俺、何やってんだろって不意に正気に戻ってしまう。
目を開けてたってシュールな景色しか見えないし
心を無にして目を閉じてみたら何とか柔らかくなってきた。

セックスの時こんな面倒な事してたかな。
キスから終わりまで勢いでやってたから覚えてない。
そもそも見ているサイトが初心者向けなのだが
検索して一番上に出たのを開いただけなので気付く事はなく。]

…っ、ん

[箱から出しただけのディルドにローションをかけて
尻穴に押し当てたらずるりと簡単に先っぽがめり込む。
人肌とは違う冷たさに背筋が震えた。

久しぶりな割には案外簡単に入るもんだと
押し込んでいくけど頭は理性で支配されたままで
男とヤってる時の高揚感は全くない。
当然と言えば当然なのだけど、
圧迫感の方が強くて気持ちいいには達さなかった。

動かしたら何とかなるかって
ゆるゆると動かしてみるけど全然良くなくて、
最後に抱かれた時はどうだったかと思い出してみる。
髪の短い、逞しい身体の男だった、気がする。
顔ははっきり覚えていない。
何かスポーツをしていると言っていた気がする。

前立腺を探りながらディルドを抜き差しするけど
自分で腰を振るのと手を動かすのじゃ勝手が違い過ぎて
なかなかそこを見つける事が出来なくて段々焦れてくる。]

[手でやるより腰振った方が早いんじゃねーの。
何のためにこんな事やってんだって正気に戻りつつ
一旦ディルドを抜いて身体を起こしたら
それを上向きに立てて右手で根元を支えてみた。
これだったら騎乗位の感覚で出来るかも知れない。]

あ、は…っ こう、か。

[どうやら作戦は正解だったらしく
さっきより深く食い込んだ生々しいシリコンが
腰を動かせば容易に望んでいた場所へと触れた。

ベッドスプリングの反動を使って腰を揺すり
内壁を擦り上げながら前立腺を的確に抉っていく。
下半身に集まった熱が徐々に陰茎にも伝わり始めた。

少しずつ息が乱れ初めて、気持ちいいが強くなって
盛り上がってきたはずなのにそれでも何かが違う。
やっぱり生身と道具じゃ違うのか。
集中しようとして男の顔を思い出そうとしたけど
代わりに出てきたのはあの人の顔だったから
途端に血の気が引くような気がしてグラインドが止まった。]



 ……そういえば。


[とは言え、まだまだ全身の消耗は激しく。
琴羽を見やってにやりと笑った。

自らの口元を人差し指で引き上げて]


 この、衣装の。
 吸血鬼とやらは……

 美しい娘を捕らえ、その生き血を啜るらしいぞ?


[おやこんな所に美しい娘がと。

己の身体で、漆黒のマントで。
琴羽の身体を包み込む。

普段とは違うふわもこの感触を、全身で楽しんで。
悪戯な指先は、背筋からしっぽの付け根へと降りていこうか。


そうしてぺろりと彼女の細い首筋を舐めた次の瞬間────…]

[何だか急に悪い事をしているような気がして…って
男遊びするのが後ろめたくて道具買ったってのに
何で他の男の顔思い出しながらオナニーしてんだって
当たり前の事に気付いて、萎えた。

バカか。何やってんだ。

その後、ディルドはしばらく封印され
どうにも溜まって我慢が出来なかった頃
心を無にしてゲイビデオと併用する形で役目を全うするに至ったのだった。

この時はまだあの人を抱きたい一心だけだったから
尻のオナニーに使うネタを彼にする発想もなく。]*




   
…………!?



 

[何か、強烈な視線を感じた様な気がして
慌てて身を離したのだった。


まぁ、確かに。
よくよく周囲を見渡してみれば、
つい先程まで憑依されていたらしき
気絶した人々の姿があちらこちらに散見され。

そうでなくとも昇天待機中の死者の魂が
こちらを見ている気配もあって]



 琴羽の、母上が。

 予め幼い頃から角灯を与えていなかったのは……


[こほん、と、それなりにソーシャルディスタンスを保って
乱れかけていた上着のボタンを留め直す。

いやまぁ、俺自身は誰に見られていても平気なんだがな?]


 琴羽に、お化けと言えど
 必ずしも悪いものばかりではないと───…

 それを教えたかったのかも知れないな。

  琴羽と一緒で、優しい、母上だ。


[まぁ、俺自身も。
人からすればお化けの一種と言っても過言ではなく。

琴羽からお化けを遠ざけなかった、
忌むべきものとして教えなかったその教えに
感謝しなければならないだろう]

[────故に]


 ……帰り道を、探してくる。

 琴羽。
 そなたは俺が、一生大事にするから。
 安心して……、任せてくれ。


[そう告げると、地面を蹴って樹上へと飛翔する。

辺りを覆っていた霧は、
いつの間にやら随分と薄くなっていて。


そうして温泉街へ向かう方向を確認してしばらく。
別れを告げるには十分な程の時間の後に、
俺は琴羽の元へと戻っただろうか*]

――夜の街――


 ぅ、うぅ……。言っちゃ、だめぇ……
 もっと、したく、なっちゃう……っ。


[ ご主人さまが重ねる命令で排泄欲がかき立てられてしまう。
 がんばれ、って囃されてぶるぶる背筋を震わせながら先に立つ。
 私に気づいて取り巻くように眺める街の人達。
 でもご主人さまが命じてくれたおかげで手出しはされなかった。]


 はぁ……はぁ……っ……


[ 数回、試みる。欲求はあるのに出てこない。
 ご主人さまだけじゃなく他の人たちにも見られてるのに。
 視線をきょろきょろと動かして辺りを見回す。
 焦る気持ちと一緒に、見世物になっちゃってるって感覚が生まれる。
 きらきらとした蜜が零れ出てしまってるのに気づかれただろうか。
 そう自覚した一瞬後には、理性の枷を越えてしまってたのだけれど。]

[ 笑う声にきつく瞼を閉じた。
 恥ずかしくて情けないのに、達成感のような満足感が
 生まれてしまってるのを少しでも気づかれないようにしようと。
 頭を撫でられれば嬉しそうな表情を返してしまうのは止められず、
 それで悟られてしまったかもしれないけれど。]


 ……ぇ? 皆の前で……?


[ 命令は果たしたのだから散歩の続きに戻るものだと思っていた。
 そのどこかで可愛いがって貰えたら、って。
 けれどリードを引いてご主人さまが進んでいくのは酒場の中。
 私も連れられてついて行くしかなかった。]


 あぅ、ううぅ……っ。


[ 酒場の中、此方を見る客達の視線。
 目を逸らしてご主人さまを見ると、唐突に問われた言葉
 ぱちりと目を瞬かせた。]

 
 お、女、じゃない、の……?


[ 少なくとも私の知ってる範囲では。
 ふたなりにされたり自分で生やしたりすることはあっても、
 この世界のメイベルは女性体だと思っていた。
 でも眼前に現れたのは男性器そのもので。]


 ……あ……。っ、こく。


[ 知らず、唾を呑んでしまっていた。
 はぁっ、と吐いた息はあきらめでも後悔でもなくて期待からのもの。
 横に振ってしまいそうになる首を自らの意志で止めて、
 ゆっくりと頷いた。]


 
 はい……交尾……して、ほしい、です。
 皆の見てる前で、ご主人さまにだけ、
 私と……犬みたいな、ご褒美の交尾♡



[ たらり、腿を伝って愛液が滲み出る。
 物欲しげに口を開いて、床面に座ったままご主人さまと、
 その硬くそそりたった逸物を見上げた。
 辺りを視線で少し見回す。
 このままでというなら否やはないけど、
 テーブルか何処かに上がれと言われてもすぐに応じられるように。]*

 
[ 目が覚めた彼に頭を撫でられる。

  ああ、良かったと。
  少しばかり泣きそうな顔になりながらも
  ふにゃりと笑顔を作って。]


   おはようございます……あなた。


[ おはようという彼に優しく言葉を返し。

  彼を抱きしめ、暫し、角灯の灯りと
  天へと還っていく無数の御霊を見守っていた。]
 

 
[ ふと、彼が身を起こせば]


   もう、大丈夫なんですか……?


[ 不安げな顔をしながら彼の顔を覗き込む。

  にやりと笑う顔を見て、
  無理をしてはいないかと首を傾げつつ。

  口元を引き上げ、尖った歯を見せる仕草に
  一体何をしているのだろうと、目をぱちぱち。

  すると、彼の口から紡がれたのは
  何故か西洋の、吸血鬼と言う妖怪の説明。

  ぽけっと不思議そうな表情をしていれば
  身体が彼の身体とマントに包み込まれた。]
 

 
[ その温かさに、服を挟んで伝わってくる鼓動に
  胸にじーんとしたものが溢れつつ]


   もう……何言ってるの……。


[ 口では不満そうな言葉を並べつつ。
  浮かぶ表情は喜びに満ちていて。

  彼の手がしっぽの付け根に
  舌が首筋をぺろりと舐めれば]


   やんっ……。


[ 艶めかしい声が、ぽつり零れ
  思わず上半身をぴくりと震わせてしまった。]
 

 
[ そんな時。急に何かあったのか。
  彼は慌てて此方から身体を離す。

  どうやら周囲に何かを感じた模様。


  彼の視線の先には、気絶した人々。
  それに無数の御霊。

  ───そういえばそうだった。

  恥かしい。頬が熱を帯びてる気がする。
  堪らず、顔が下を向いてしまう。]
 

 
[ 小さく唇を尖らせて。

  文句の一つや二つでも言ってしまおうか。

  そんな事を考えていれば、
  角灯と、母の話が彼の口から飛び出す。

  そんな事を話した所ではぐらかされません!

  ムッとした表情を浮かべ、面を上げる。

  けれど、自分と一緒で、
  優しい母だなんて言われたら
  苦情なんて告げる気になれなくって。]
 

 
[ 眉尻を下げながら]


   えぇ……とっても優しくて、
    綺麗で……私の自慢の母でした。


[ 瞳を潤ませて、
  それだけを口にしたのだった。]
 

−恋人にはなり得ない彼女−


 「今度の彼女、嫉妬深いの。
  プライベートの連絡先、全部消されちゃって」


[それはもう束縛の域ではないだろうか。
そう思ったが口を挟むのも馬鹿馬鹿しい位
脂下がった顔をしていたから放っておいた。

昼間のファストフード店なんて場違いな場所に
突然拉致されて途端にのろけが始まったので
適当に頼んだ珈琲が不味い。
何時ものインスタントよりは余程旨い筈なのに。

きっと顔が良いんだろうな。
彼女は女に対してはクソ程面食いだ。
俺の姉も身内贔屓抜きに顔だけは良い。
男は若さ以外拘らないので
姉とは似ても似つかない俺に声が掛かった訳だが]



 「だから、連絡がなければ上手くいってると思って。
  祝福してくれるでしょ?」


[座席も絶妙な距離を保ったまま
それだけ一方的に言われて別れた。
YESともNOとも俺は答えなかったが
特に答えなんて必要としていなかったようだ。

店の外で待ち伏せていた若そうな女と腕を組んで……
というより、引っ張られるようにして
雑踏に紛れて行くのを
なんか犬みたいだと思いながら見送った。

ぼんやりと、自分の犬を思い浮かべて重ねてみたら
さっき見たのと同じくらい脂下がった顔で
引き摺られる男の顔が想像できて、少しだけ笑った*]

 

   時見、さま……?


[ 一体どうしたのだろう。
  任せてくれ、とは?

  疑問に対し、問いを投げ掛けるその前に
  彼はその背の大きな翼を羽ばたかせ
  天へと飛び立っていく。

  まるで、誰かに話し掛けているようだった。
  けれどそれは誰なのだろう。


  首を傾げ、思案に暮れていれば
  ふと、傍に近付く御霊があった。


    それは────……]
 

 


   おかあ、さん……?


 

 
[ それは夢で見たものとは違い
  はっきりとした姿だった。

  けれども向こう側が透き通っており
  この世の存在ではないのは確かだ。

  でも、そんな事はどうでもいい。

  ずっと会いたいと思っていた。
  その母が、今、目の前にいる。]
 

 
[ 胸に熱いものが込み上げる。
  目に薄い膜が張る。

  母の姿を目に焼き付けたいというのに
  視界が涙で滲んでしまう。

  泣いている場合じゃないのに。


  指先で涙を拭い取る。

  懸命に、震える唇を動かして
  伝える言葉を紡いでいく。]
 

 

   お母さん……私…、
   今、とっても幸せだから…。

   だから……心配しないで……!


[ 涙でくしゃくしゃになった顔を
  笑顔の形にして、震える声で思いを伝える。

  何時までも娘を心配して天へと旅立てない。
  そんな事にならないように。]
 

 
[ 天へと還る御霊は今やもう、残り少ない。
  もうじき母の番も来るだろう。

  ふと、よく見れば一人の男が
  此方を見守っている事に気が付いた。

  ……それは父だった。]
 

   お父さん……。


[ 母は父に近付き、
  それから二人で角灯の方へと向かっていき。

  そうして角灯の傍までくれば
  放たれる光に全身を包まれ、
  次第に姿が薄くなっていく。]
 

 

   お父さん、お母さん……ありがとう。


[ 天へと還っていく二人へ。
  笑顔と共に感謝の言葉を告げて。

  蛍火のような光が天へと昇り
  それが見えなくなるまで、ずっと
  顔を上に向け、空を眺め続けていた。]*
 

―その後―

[名前で呼ぶ事が許された日から一週間ほどして
突然友人からショートメッセージが届いた。

「おい!どうなったんだ」と苛立ちの滲む文字に
何を怒ってんだと一時考えてから
協力してもらいながら一切報告してなかった事を思い出し。簡単に返せる内容でもなかったので
直接話すべくいつものバーに呼び出した。

真っ先に作戦が全く役に立たなかった事を知らせておく。
その上でどんな事を話し合ったか説明した。
俺のフィルターを通しているので半分はノロケだったが。

あの人にどんな印象を持っていたのか
すごい真剣に考えてくれてんじゃんと驚く友人に
自分の事でないながら、そうだろうと誇らしくなる。
彼はすごく真面目で真摯で素敵な人なのだ。

けれど、関係が進展するかは別の話って
余計な茶々も入れてきたので
腹いせにきつい酒を強引に飲ませてやった。
蛙が潰れたような声を出しただけで然程堪えてないから
これは決してアルハラではないと主張しておく。]*

── 修道院 ──

[指への口付けの意味など知らない。
 否、それ以外の箇所のことも。

 ただ単に親愛を示す行動だと、自分の中では理解していた。
 恋人同士のそれもありはするけれど、この建物に飼われる限り自分にはそれは無縁だろうから。

 だから彼女の言葉の意味を、さして考える事もなく]

  
  口付けなど、していませんよ?
  食べ物の一部かと思っただけです

  多くの猫は、人とは違い
  舌で食べ物を掬って食べますから


[猫に例えられたことを受け、一言。

 自分が汚した指をそのまま舐めとる姿に、なぜ拭かないのだろうかと怪訝に思いながら、またパンを新たに一口]

  ペットでも従者でもない……
  それはまぁ、私は私でしかありませんから
  私の主人は私自身
  その方が気が楽で良いのです。

  
[そういう意味では、自分は犬より猫に近い。
 だからこそ夢に見るのだろうかと、ぼんやりと思いながら]


  普通にお話しというと
  お望みは友人関係でしょうか?
  残念ながらそれは、ペットよりも難しいかと
  友人という存在がいたことがないので……
  あとはそうですね、愛人──とか?


[それ自体は別に珍しくないもの。
 身分の違いはそのままに、対等に話すことはできる。
 意見を言うことのできるものとして、その役職を掲げてみせ]


  固くてパサパサしていますよ
  気をつけなくては口の中が切れるかと
  実際、先ほど少し傷つきましたし……


[それでも良いのなら、と
 自分の分のパンを一欠片ちぎり彼女の方へ。
 彼女が試すなら、水もどうぞと渡そうか*]

 
[ 空を眺め暫く経った頃。

  天から、風を切り
  翼が羽ばたく音が響いてくる。

  はらり、木の葉が舞っては地に落ちる。

  何時の間にか辺りを覆っていた霧は薄らいで。

  黄昏時の茜色の空が
  木々の枝の合間から顔を覗かせていた。]
 

 
[ 風がそよぎ、身体の横を通り抜けていく。
  黒髪がはらりはらりと風に靡く。

  ───ああ、私はなんて幸せなのだろう。

  胸に湧き出すは言葉にならない温かな気持ち。

  居ても立っても居られず
  羽ばたきの音がする方向へ駆け出した。


  足を向けた先には、地面へと降り立とうとする
  彼の姿が見えただろうか。

  彼が地面へと着陸する、それよりも早く。
  地を蹴っては彼の胸へと飛び込んで、
  両腕で彼を抱きしめよう。]
 

 

   時見様……時見様……!


[ 再び涙がぽろぽろと零れ出す。

  甘える子供のように、
  何度となく彼の名を呼ぼう。

  腕に力を込めて、彼のぬくもりを、
  生命の鼓動を、確かめるように。]*
 

 
[ その後。特に何もなければ
  宿に二人で戻っただろう。

  到着し、正面入口から中へ入れば
  ボロボロになった彼の衣装に、宿のご主人は驚いて
  一体何があったのかと問い詰められたりしたか。

  爪で切り刻まれた吸血鬼の衣装は
  それはもう無惨な状態で、縫い直したり
  修理するのは不可能としか言いようがなく
  当然ながら弁償する流れとなったか。

  正直、衣装を
  台無しにしてしまったのは申し訳ないけど
  彼がこうして無事に傍にいてくれる。

  その事実に比べれば、衣装の弁償など
  私にとっては大した問題ではなかった。]*
 

 
  
―― 夕食前に ――



[ それは部屋に戻り、浴衣に着替えた後だったか。
  夕食前の暫しの休憩。

  この宿には部屋に足湯があるらしく。]


   あのっ……せっかくだから、
   足湯、入ってみませんか?


[ 疲れた身体に効くのではないか。

  そう思い、彼に提案してみたが
  反応はどうだっただろう。]
 

 
[ もし、承諾が得られたのなら
  彼と一緒に足湯のある場所へと向かう。

  そして彼の隣に腰を下ろし]


  あったかくて気持ちいいですね……。


[ 目を細めながら、そう呟いて。
  頭を彼の肩口の方へとこてり。

  ついでに、彼の手を
  包み込むように握っただろう。

  少し湯の温かさを味わってから
  今度は顔を風呂のある方へと向けて。]
 

 
[ 束の間、視線を彷徨わせ。

  あの、とか、えと、とか
  もごもごと何かを呟いた後。

  頬を淡く染めながら、
  ぱくぱくと口を動かして]


   夕食後に……一緒にお風呂、入りませんかっ!


[ 足湯ではなく、お風呂の誘いを投げ掛ける。
  さて、彼は何と答えただろう。]
 

 
[ どのような反応であっても。

  挙動不審に、
  あちこちきょろきょろとしては
  最終的には下を向いて。]


   やっぱり、その……私たち夫婦ですし…。

   それに、一緒に入ってあったまった方が
   色々楽しいし、いいと思うんです……。


[ 消え入りそうな声で懸命に彼に伝える。

  その言葉を口にしている最中、
  足湯のせいかは分からないけど、
  頬が熱くて熱くて堪らなかった。

  誘いは受けて貰えただろうか…。]*
 

―― 修道院 ――


  それこそ猫のように?


[...はカザリの瞳を見つめた。
 自己を持つ割りにそうした真似を平気でする。
 お道化ているのか戯れているのかはわからないが、
 彼女なりの反応なのだろう]


  貴女は貴女。
  私は私。
  私は貴女ではないし、貴女は私ではない。
  私も変に合わせられるよりも余程楽よ。


[...は小首を傾げる。
 でもそうした考えを持っているかはわからないけれど、
 夢の中の猫はその考えを持っている感じがして、
 尚且つやたらと反抗的だった。
 あれは本当に自身の夢なのかと疑いたくなるときもある]


  私も居ないわよ、友人なんて。
  そもそも対等である者がいないもの。

  でも――。


[...は言葉を区切る。
 視線を細め、先までの笑みが凍てついてしまったかのように、
 冷気すら帯びたかのような表情を浮かべた]


  
愛人はいけないわ。



[そう、愛人はいけない。
 特に胸の大きな者はいけない。

 ...の視線は自然と鋭くなる。
 陰鬱と言うよりは苛立たしい過去を思い出し、
 差しだされたパンを手繰ると口に放り込んだ]


  …………カザリ。


[差し出された水を飲む。
 ただの水だ、季節柄冷たいだけでただの水だ。
 少しばかりふやけたパンをもにゅもにゅして、
 漸く飲み込んだ時には表情は常に戻っていた]

  至極不味いわ、これ。


[...は口直しに自分のパンを食べて、
 一欠けら千切ってカザリに差し出した]


  あと、もう一度言うけれど愛人なんていけないわ。
  なるなら私の愛妻になさい。


[妻は一人、実にそれで良い。
 ...は満足そうに頷いていた*]

──酒場──


  あら、女よ。
  私の裸は何度か見たでしょう。


[まだ日は浅いが
彼女と共に寝室で寝たことはあるし
その際には裸だった筈だから。

だからこの身体の変化は私がフードを被ってから。
アリアの痴態を見てたら、こうしたい、って
思ったから。]


  アリアも嬉しそうで
  ……安心したわ?

  
[彼女が小さく唾を飲み込む姿。
溢れた吐息と頷いた姿に
私はにんまりと笑みを浮かべた。

無理やりでも悪くなかったけど
彼女が望んでくれるなら、きちんとした
ご褒美になるのだし。]


  ……よく言えました♡
  可愛いわね、アリア。
  従順な子は大好き。


  ……ほら、そこのテーブルに手を付いて
  そう、二本足で立ってみなさい。


[彼女の応えに満足すると
私自身も知らず、我慢が出来なくなっていたのだと思う。
四つん這いだった彼女の手を持つと
6人がけのテーブルに手を置かせて
こちらにお尻を向けるように立たせた。

テーブルには人間が6人。
勿論動けないけど、彼らの瞳はこちらを見ている。
泥酔しているからか
彼らは真っ当な理性も働かずに、夢現のように
今の状況を見ているだろう。

テーブルから上半身裸の姿を晒すアリア。
私はその背中に回り込むと
屹立を彼女の股下に当てる。]



  ほら、形が分かるでしょう。
  今からこれで後ろから突いてあげるから。

  
「沢山気持ち良くなりなさい」


  ……私、あんたみたいな子だったら
  ずっと側に置きたいわ。


[それは歪んだ思いだったけれど
私は素直に思ったことを口にする。

それから股下に添えていた雄の象徴を
秘所にあてがうと
遠慮せずに奥まで腰を押し付けた。

彼女の小さな身体を
内側から広げるようにして楔が奥に入り込んでいく。]*

── 修道院 ──

[差し出したパンは彼女の口には、合わないようだった
 それもそうだろう、食べなれている自分ですら美味しいと思ったことはない。

 水を飲み口直しに焼き立ての方のパンを食べる。
 その様子に、やはりとめておけば良かったかと思いはするけれど]


  そうですね、そのパンは
  焼き立てパンが美味しくなる味、でしょう?
  
  
[先の言葉のように、選んだのは彼女自身
 それならば、自分が罪悪感を感じる必要はないのだろう。

 自分の胸へと向けられた視線も、その理由も知らず固いパンと水を交互に口へと運び]

――酒場――



 ……ぅ、嬉しそう、なんて……


[
メイベル
ご主人さまが言うのに、
 つい、口答えしかけたのだけど。
 その声はちいさくなって、うつむき、こくりと
 頭を下に動かしてしまった。]


 ……はい……♡


[ とくとくと胸が鳴っている。
 周囲から視線を感じながら、首輪だけ着けた裸のままで、交尾。
 言われるままに二本の足で立上がり、
 よろめく身体を支えるように机へ手を掛けた。]


  ────?


[そうしていれば
 また新たに差し出された一欠片。
 手を伸ばしかけ、はたと思いとどまり]

 
  分ければ、そちらの分が減ってしまうかと

  ……こちらの固いパンとは違い
  お嬢様の方は、おかわりの保証はできませんよ?


[それでも良いのかと問いながら彼女を見つめ]


  あぁ、そうでした

  愛妻──私が妻でしたら
  お嬢様は旦那様、でしたね


[自分なりの冗談。
 此処以外を知らない身では
 夫婦も愛人も友人も、名称だけ。

 愛人ではなく、愛妻とされたところで
 どのように違うかもわからないけれど*]

 
 ……ひぅ……!


[ あそこに触れた塊は熱く硬くなっていて、濡れた柔肉をすぐにも
 押し割って入って来そうだった。
 その印象は想像や妄想というより、私の願望。
 言い聞かせられる言葉にこくこくと頭を振った。]


 ずっと、側に……置いてくれる?


[ だったら沢山、沢山気持ち良くなろう。
 立ち上がり、首元から垂れたリード。ご主人さまの手の中にあるそれが
 彼女の手から離れてしまわないように。]

[ 突き入れられる感覚はぬるりと中を押し広げて快感を生んでいく。
 大きなものに圧迫されて満たされていく。
 潤んだ瞳で振り返るようにしつつ、唇からは吐息が洩れた。]


 はぁ、っ……ぁ、ご主人、さま、の……
 おっきい……よ、っ、んっ、……っ!


[ 奥深くまで満たされれば内側がひくりと蠢くようにして
 雄の形を抱き締める。彼女が動きを止めたままでも無意識に、
 腰を揺らして快感を与え味わおうとしていった。]


 ご主人さまも……気持ち、良く……なって、ね?


[ 小柄な身体には少し負担が掛かってしまうけど、
 それ以上に人前での交わりに昂りを感じていた。
 雄肉を咥えこんだ肉襞を蜜で潤わせ前後に動き始めていく。]*


[ ────魔王を倒す程の力の代償は大きかった。

 魔王領に入った頃には仲間は全員喪い、
 ただでさえ大きすぎる力を絶え間なく使い続けなければならない勇者は
 痛ましく悍ましく、二人のまま一人へとなっていたのだ。

 最後の最後に双子の勇者を生んだ教会は、焦りでもあったのか?
 はたまた、遂に念願を果たせる予感を覚えていたのだろうか。

 分かるのはその所業の報いは、確かに返ってきたということだ。 ]


[ この都が最初に戦場になったのは、
 魔王を討ち帰ってきた勇者の暴走を止める為のものであった。

 侵入は容易いものだった。
 何しろ、今更魔族が数人入ってきたところで気にするものでもない。
 背信者が顔を隠して紛れ込んだことなど、尚更気づけはしまい。

 最初に見つけたあの額の御印の魔物を想起させられた。
 城に現れた時よりも、人の名残が擦り減っていた。
 それは即ち、思考も獣へと変質しているということに違いない。

 なけなしの理性を聖都へと帰る為に使ったのだろう。
 誇らしく報告したかったのか、家族に会いたかったのか。
 悲しい程に、最期まで従順で望まれた形で有り続けた勇者だった。 ]



[ だからこそ、我々と都を守る人類達によって
 多くの犠牲を生みながらも、勇者を倒すことが出来た。

 躯の御印を突き付け、自分達魔族も襲われ都の人類を守ったことを示し
 背信者達が口々に教会を糾弾すれば、その威光は翳りを迎えた。

 最後に残った勇者だった者の証言により、
 都の騎士団が教会に立ち入り、多くの証拠を見つけた。** ]


[ 殺められることは無く、しかし辿り着くことも出来ず
 器となるには未熟だった身体を、魔物へと化身させた者。

 多くを殺め、教会の念願を果たし
 完成した勇者から、厄災の如く異形へと成り果てた者。

 彼らの辿った道は悲劇であれど、
 勇者になってしまった者の正しい末路でもある。
 だから、間違ってしまったのは俺の方。 ]



っ、ぐ……ううぅ ッ

[ 胸の真ん中に当てた手は何かを掴み五指を丸め、
 一気にそれを、慣れ親しんだ形の得物を引き抜く。

 気づかれないよう潜める声は、悲鳴の全てを呑み込めはしない。
 複数の敵に囲まれながらこの能力を使用すると、
 実在化する武器の大きさに比例した隙が生まれる。

 人狼族の登場で場を離れられたお陰で使えた。
 これでもう少し、戦いやすくなるだろう。 ]


[先程まで彼が携えていた剣を受け取り、
複雑な面持ちで“発動”を見守った。盗んだあの紙片が、脳裏を過ぎる。

命を狙われることと同じく、その行為を目撃するのは初めてではない。
しかし、それだけでは────]

 行こう、フォルクス。
 恐らくもう少しだ。あっちから音がするよ

[割り切れないものを語る資格が、無い。** ]

―― 修道院 ――


  比べると美味しく感じるけれども。
  そもそも食べ方の問題よね。


[そう、確か夢の中では古くなったパンは粉にして、
 お肉に塗して油で揚げていた。
 固くなったパンには固くなったパンの食べ方があるのだ。

 それに食料は足りないわけではないはずで、
 この差はどうして生まれたのかと言えば――]


  別段に一食くらい構わないわ。


[...は見つめてくる視線をまっすぐ見つめ返した。
 口元には微笑みを浮かべて果実水を口に含む]

  私が旦那様になって、貴女が妻となる。
  それならば食事も同等のものが必要よね。

  それにしても旦那様……。
  そちらの方が良いわね。


[...は口の中で一人愚痴る。
 誰かに嫁ぐよりも嫁がせた方が心穏やかである。

 そうこうしている間に食事は終わる。
 パンはなくなりシチューは空となった。

 ...は手に紐を持つとカザリを見つめた]


  それでは採寸しましょうか。
  上着とか、脱いで?


[服があっては正しいサイズは分からないからと催促をした**]

[別れは無事に済んだかと
琴羽の元へと降り立てば。

言葉など交わさずとも、
その晴れやかな表情に全ては集約されていた。

つられ、ついこちらも表情が緩む。


斜陽の光が木立へと差し込むただ中を
ぱたぱたと駆け寄るその姿を
両腕を拡げ、迎え入れようか。


昔と同じ黄昏時のこの一時を、
二人、強く強く抱き締め合って]

─宿屋に戻りて─


 いやその……
 ついはしゃいで藪の中に突っ込んでしまってな……


[苦しい言い訳の後に衣装を弁償し、
部屋に戻ってようやくのんびりとした時間を過ごす。

猫の衣装も愛らしかったが、
やはり琴羽には和装がよく似合って。

自らも浴衣に着替え、
くぁ…、と欠伸などしていると]


 ふむ。足湯か。
 良いかもしれないな。


[実のところ、
足湯なるものに入るのは初めてであるし
そもそもどんなものかすら詳しくは知らなかったのだが……]



 悪くないな……


[それどころか、非常に良いものであった。

なにより琴羽と隣り合って入れるのが大変良い。
足元からだけでなく、肩口と手のひらに
やわらかなぬくもりを感じ。

随分心配をかけてしまったのだなと苦笑する。


しかして、幸運はそれだけでなく]


 
な……!?



[ごくり。
つばきを飲み込み目を見開いた]

 
[キス。その文字を見て

 口吻どころか
 回し飲みの間接キスすらしたことがないまま
 26年間 生きてきて
 残りの人生を貴方に狂って過ごす男は

 顔を上げ、貴方の口許を見つめた。]
 

[あの、琴羽が。
恥ずかしがり屋で、かつては頑なに
風呂を覗かせてくれなかった琴羽が。


 
誘ってくれているだと……!?



思わぬ幸運にマジマジと彼女を見詰めれば
彼女は恥ずかしそうに俯いて]


 あぁ、もちろんだ。
 別に後でと言わず、今でも良いのだぞ?


[くすりと笑い腕を伸ばす。

そうして、油断大敵とばかりに琴羽を抱き上げ。
己の膝の上に座らせると]

 
[そこで触れ合うと、どんな感覚なのだろう。
 想像すれば無意識に淡色のあわいが
 微かに開いて、閉じる。
 自分の感触しか知らない。
 胸が高鳴り、頬の赤みが一層増す。

 貴方は嫌じゃないかな。]


   えっと……これも、する……?


[嫌なら拒めるように訊ねるくせに
 貴方の瞳、くちびるを交互に見つめてしまう。
 僕はしたいって気持ちを隠せずに。**]
 

[とぷり。

俺の両脚の間から、
膝に座らせた琴羽の細い足が足湯に浸かる]


 そうだな。
 我らは夫婦だし……

 ──実に色々と、愉しい。


[潜めた俺の吐息混じりの笑みが、
琴羽の首筋をくすぐって。

浴衣というものはこういう場合、
腕を差し込むのに随分と便利であると
実践的に知ったのだった。

外気に触れていたひやりとした指先が
彼女の胸元を弄って。
ぬくもりを求め、やわやわと揉みしだいてみただろうか*]

──夜の街──


  ふふ、大きいかしら?
  よく形を覚えるのよ、アリア。


[彼女の中を貫くと
ぬらりとした柔らかさと滑りが下腹から伝わってくる。
彼女の中に浸かっているだけでも気持ちいいけれど
それだけで終わらせるつもりもないし

もうアリアも動き始めてる。
その姿を見てるとゾクゾクとしたものが背筋を駆け上がる。]

  
  偉い、えらい。
  ちゃんと私の事も考えられるのね。


[私は手の中のリードを手に巻き
短く持つと後ろにぐい、と引く。
彼女は身体を弓なりに反るようになるだろう。
もう片方の手をアリアの腰に当てながら
ゆっくりと腰を動かしていく。

にゅる、にゅるとした感覚はとっても気持ちいい。]

 

  ん、っ……
  気持ちいいわ、アリア。
  ほら、っ、もっと皆に見てもらいなさい?


[後ろから突き上げるスピードを上げながら
酒場に居る物言わず、動かないギャラリーの方を意識させる。
彼らの目だけがきょろきょろと動いたり、じっと見つめている筈。]


  アリアがご褒美を入れてもらって
  気持ち良くなってる顔をよく見せるの。


[がた、がたとテーブルが揺れる音を立てるぐらいに
私は彼女の体を押し付け、自らの身体をぶつけるようにして
前後に抽送を繰り返していく。

ぐちゅ、ぐちゅといつしか水音も立っていくか。
隘路の往来を繰り返せば、私のものを受け入れて
アリアの身体を開拓していく。]



  ほら、
「鳴きなさい!」


  可愛らしい声を聞かせて……!


[腰を掴んでいた手を離すと
ぱちん!とアリアの小振りなお尻を叩いては
楽しそうに笑った。]*

── 修道院 ──

  食べ方の問題……ですか?
  それを言うなら、クッキーのようなもので
  それだけで一食分が賄えるもの

  甘いものではなく
  肉や魚の味があるものなどがあれば
  保存も利いて、洗い物も少ないのですが


[夢の中の自分はそのようなものを食べていた。
 干した魚や肉とは違い、小粒のクッキーのような食品。
 固いパンを食べるより、あちらの方が余程飽きなくて良いと最後の一欠片を飲み込み]


  そうですか
  では、お腹が空いたら仰って下さい
  固いパンをお持ちしますから


[要らないだろうとは思いながらも減らず口。
 言われるまま自身の服のボタンへ手をかけ]

[恥じらうこともなく、上着を脱ぎ床へと落とす。

 下は裾の長い木綿のシャツ一枚、ショーツは穿いているものの胸を押さえるような下着はない。
 もちろん、体系を整えるようなコルセットもない]
 

  こちらも脱ぐべきでしょうか?
  このままでも測ることはできますが


[触れれば体の輪郭は容易に分かるだろう。
 否、触れなくとも見るだけでも、シャツを押し上げる豊かな胸とそのサイズはきっと分かるはず。
 それでも全て脱いだ方が良いのだろうか、と不思議そうな口調で*]

―― 修道院 ――


  ……カザリ、それはクッキーに失礼よ?
  でもそうしたものがあれば糧食に良いかしら。


[...は眉間を指先で幾度か叩く。
 味の改善をしつつコストを押さえて運びやすくする。
 糧食は美味しい方が士気も上がりやすいだろう。

 でもその様なものは夢の中にも無かったと思う。
 ...はカザリへと視線を向けた]


  保存が利くというのが難関だけれど、
  試してみるのは良いと思うわ。

  でも私はもう固いパンは要らないわ。
  貴女も明日からは普通のパンになさい。
  私の妻なのですからね。


[...は笑い声を漏らしてから席を立った。
 紐を手繰り、木の板とペンを用意する]

  もう少し恥じらいがあると良かったのだけれど……。


何事もないかのように服を脱ぐカザリを見て、
 ...の笑い声は苦笑へと変わった]


  シャツはそのままでも構わないわ。
  でも……
何これ!

  うわぁ……ほんと、すごいのね。


[...は紐を持った手を、そして紐を持っていない方の手もあげた。
 手の向かう先はシャツを押し上げる主張の大きな胸だ。
 豊かな胸に手を触れてもみもみと手を動かした。

 ...は真顔であった。
 まじまじと視線を胸へと向ける]


  ……背丈は同じくらい。
  でもこの胸の差は一体……。
  食べ物、違うわ、うんん……。


[胸囲は驚異の格差が此処にある。
 一面の平原とと峻峰では戦いにすらならない。
 ...はぐぐぐと奥歯を噛んでいた**]

 
[ 少し疲れ、眠たそうにしている彼だったが
  足湯への誘いは興味を持ってくれたようで。

  早速場所を移動しては足湯を楽しむ。


  足湯とやらは初めて味わうものだった。

  最初はどんなものか。足先だけお湯に浸ける。
  それがそんなにいいものなのか。
  体験するまで全く理解できなかったけれど。

  中々心地良く、穏やかな気持ちになれるもので
  疲れがすーっと癒されていくような気がする。]
 

 
[ 少ししてから、お風呂への誘い。

  突然の事であったので
  驚かせてしまっただろうか。

  さらに頬の熱が増す気がした。

  俯いていれば嬉しそうな彼の声。
  小さく笑う声が聞こえたかと思えば]
 

 

   ひゃっ……!?


[ 突然腕が伸びてきて抱き上げられた。

  そのまま彼の膝の上に座らされれば
  足先が再度足湯に浸かる。

  先ほどよりも近い距離。
  思わずどきまぎしてしまう。]
 


[ 彼の吐息が首筋に触れれば
  擽ったくて身を微かに震わせて。

  急に彼の大きな手が隙間から滑り込んでくれば
  びくりと背筋を震わせてしまった。]


   きゃっ……ちょっと、
    そんな、急に……んっ。


[ 少しばかりひやりとした指先。
  その動きは止まることはなく。

  胸の先にある二つの膨らみ、
  その片方を探り当てれば
  やわやわと揉みしだいていく。

  足先をお湯に浸けていたので
  多少は温かくぬくもっていた身体であったが、
  彼との近い距離に、その動きに
  更に芯から温まっていく気がする。]
 

 
[ 浴衣の下、肌からじわりと汗が浮かび出す。

  彼の弄る動きに感じてしまい
  吐く息が、熱い。

  暫し、視線を彷徨わせながら逡巡。
  迷いながらも口を開いては。]


   時見様……あの、今日は……その……。

 

 
[ 彼が愛おしくて。恋しくて。

  もっと傍に感じたいと、
  触れ合いたいと。

  彼を求める想いのままに。

  ───甘い、おねだり。]*
 

[先程までの異装とは打って変わって、
共に見に馴染む浴衣に身を包み。

時の頃は宵の口なれば、
明かりはそれこそ背にした部屋の明かりと
ようやく輝きはじめた月と星くらいで。

後ろからゆるやかに抱き竦めながら
その胸元を筋肉質な男の腕が揉みしだけば。
自然、琴羽の浴衣の合わせも乱れ。

身を捩るその度に、
彼女の素足が湯を叩き
────ぴしゃりぴしゃり、と。
足湯らしからぬ濡れた水音が響いただろうか]

[だんだんと、互いの吐息には
湯の温度だけではない熱が籠もり。

何やら琴羽が言いたげに口を開く。

すわ調子に乗りすぎたかと。
下肢に押し当てられる硬いモノに
気付かれたかと、思ったのだが───…]

[まったくこの嫁は────…

三国一、俺を驚かせ喜ばせるのが得意らしい。


薄く掛かった靄の向こう。

さざ波広がる足湯の水面には
俺の膝の上に捕らえられた琴羽の姿が映っていて。


探り当てた片胸をまろび出させ、
その先端をきゅぅと摘んでみせようか]


 そう言えば、普段通りであるならば……


[そう。
普段どおりであるならば、
     ・・・・・・・・
浴衣の下に何も着けていないはずで]

[好奇心の赴くままに、
彼女の浴衣の帯の下を
右と左に割り開き。


上方から悪戯な指を忍び込ませた
まさにその時────…]

[

  
  
 "お食事の準備に参りました。"



]

[遠慮がちに、部屋の入口の襖を叩く音がして。

どうやら宿の仲居が夕飯を持って来てくれたらしい]


 ……ふむ。

 せっかく良い所だったのにな。
 どうしようか、琴羽?


[にっこりと。

実に愉しげに問いかける俺を見て
果たして彼女は何を思った事だろうか]



 まぁ、安心してくれ琴羽。
 そなたは俺に比べるとちっこいからな。

 この体勢であれば、部屋の中からは
 俺が一人で足湯に入っている様に見えるだろうよ。


[そう、小声で耳打ちすると。

背後の部屋へと振り返り]



 待ちかねていたぞ。

 準備を、頼む。



[呼びかければ、当然仲居は部屋の中へとやって来て。
話好きな性分らしく、料理の説明や
世間話などをしながら配膳をはじめたのだった]



 ──ほう。

 山菜は近くで採れたものなのか。
 この季節の旬のものというと、
 アケビやらマタタビかな?


[そんな世間話を交わしながら、
俺の指先は琴羽の肉の芽を摘み上げ。

岩清水ならぬ甘露の雫を滴らせようとしながらも]


 なかなかこの辺りについて詳しい者の様だな。

 故郷の話がしたければ、
 琴羽も仲居さんと話をしてみるか?


[と、こそり耳打ちをしてみたのだった。


───とはいえ当然、
指先を緩めるつもりはまったくもって、無いのだが*]


[ この都に住みそれぞれの研究を行う者の多くが、
 かつての背信者達の末裔だった。

 彼らは争いに疲れ、魔族と共に戦うことは無かったが
 教会の糾弾を含め、多くの協力をしてくれた。

 異端扱いされようとも技術を磨き、文明を発展させようとしていた者
 旧き時代の歴史を密やかに継いでいた家系……。

 人類側の遺跡の情報、見つかった機械の復元や資料の解読。
 この時代に至れども我々には傷一つ付けられないヤドリギ、
 それを倒す術を見つけられないかと思ってのことであったが
 思わぬ形で役に立ち、大変に大きなものを生んだのだ──── ]



[ その瞳の周囲から首を下り肩を通り、指先まで
 先程まで握っていた槍と似た真鍮色の結晶が覆っていた。 ]


[ 捕まえた手を引き、乱暴に距離を縮める。

 逃げぬように腕の中に囚えてしまえば、
 すんと鼻を鳴らし、自分を誘った甘い芳香の在り処を探す。
 触れ合う程に近いのだ、気づくまでにはそう時間は掛からなかった。

 首に唇を寄せ、彩る赤色を辿りその跡を消してゆく。
 やがてその流れてくる先へと到達すれば、
 味わうように舌がゆっくりとなぞった。 ]


[今のフォルクスの様子ではそうなると思っていた。
だから、転びかねないやり方で引っ張られても
拘束の腕により密着しても、驚きはしない。

ただ、肌を滑る感触には小さく肩が跳ねた。
努めて動かぬようにする。大人しく血を飲んでもらえたほうが楽だ。]


 
 ふッ、 く…… ぅ  


[当然自分には理性のない彼からでも簡単に逃れられる。
だが、そうしたくはない。
それは周囲に力の影響を出したくないという理由だけではない。

傷を舌になぞられると鋭く痛みが走り、声が漏れる。
それでも、何故か笑っていた。]


[ この姿勢では獲物の様子は見て取れない。
 何かが気になった気がしたけれど、分からない。
 感じるのは低い体温と何かを堪えるみたいな呼吸音。

 それより、もっとこの味が欲しかった。
 美味しいのだろうか?分からない。ただひたすらに欲している。

 尖らせた舌先で奥に溜まるものを引き出そうとしたけど、難しい。
 もどかしく歯を立て、また繰り返す。 ]




 
 い" っ……!

        
は、はは……そんなに美味しい、かな?


[傷を抉られるというのはどうもその跡を作られた時より堪えるらしい。
無様な声を上げないように、フォルクスの背に腕を回して爪を立てる。
いつもの軽口で誤魔化そうとしたけど、声が弱すぎた。

食べられているみたいだ。彼が我に返らないと本当にそうなるのかも。
何だったかな、ハロウィーンに参加する時定番の台詞があるらしい。
お菓子をあげるし悪戯もさせてあげる?違う気がする。
でももう、それでいいや。]


[ 夢中になっていた動きを止めたのは、弱い声と背の痛み。

 この人はいつもそう。求められている自分で在ろうとする。
 脆い部分は、隠さなければならないと思っている。
 俺達がそんな風にしてしまった。
             ……誰だっただろうか、この人は。

 顔を離して、視線を合わせた。
 この人は、夜明けのような色の目をしている。 ]


[口元を赤で汚したフォルクスが、顔を上げこちらを見る。

何を思っているのだろう。
未だに黙したまま、表情自体も結晶で分かりづらくなっていて。
でも、良い変化のように感じられたから。]

 いいんだよ、ほら……もっと飲むといい。
 君が満足するまで、好きにしていいんだ

[頭の後ろに手を回して、自分から彼の唇を首に持っていった。]


[ されるがままに動かされ、再び傷に噛み付いた。
 少しづつ溢れてくるものを逃さないよう、啜ってゆく。

 何か別の液体が、自分の目から流れてきていたけれど
 それは求めているものじゃ無いから、気にしなかった。 ]


[ やがて────音を立てて結晶が崩れ始める。

 殆どが落ち、砕けた後。
 気を失うように身体は傾き、相手に身を預け眠り始めた。

 空から、遠くの地から
 魔王の配下達が集まってきたのはそのすぐ後。 ]

 




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