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【人】 愛衣[ 抱きしめられて、頭をなでられている時間は 幸せそのもの。このために来ている、とすら。 家に行こうかと言われれば喜んで家に招くし 手料理を食べたいと言われるなら、作る。 私が人並みにできることはそれくらいしかないから。 親に強要されていた 料理も 褒められたことなんて一度もなくて それがたとえ、美味しいものだったとしても 自己評価は、全然上手くない、になる。 それを彼がどう、受け取ったかはさておき。 恋愛関係になった と思っている からそれを見せつけるように甘えて見せて もっともっと、アピールしたくて。 彼の売り上げに少しでも、貢献したくて ギリギリでも、お酒を頼むのはやめなかった。 ] (15) 2021/11/20(Sat) 14:18:46 |
【人】 愛衣麻央くんが幸せなら、わたしも幸せ……。 5段、かあ……。 わたしならもっと……7段、とか。 ご飯は、えっと…… 朝ご飯は食べてない、かな? でも、大丈夫だから! (16) 2021/11/20(Sat) 14:20:10 |
【人】 愛衣[ 無理はしないという約束は呆気なく破られる。 だってもっと愛されたいから。 王子様を独占するためならなんだって。 そう、なんだって、するんだから。 今日の1本も高いものをと思ったけれど 無理はしないで、と言われてしまうなら ギリギリのライン、無理をしているけれど 無茶ではない、そんな注文を。 ] (17) 2021/11/20(Sat) 14:20:41 |
【人】 愛衣────── [ 仕事上、別にお酒に弱くはないのかもしれないけど それでも、心配になるときはある。 今日も、そんな日。 無理はしないで欲しくて。 だから、家で待っているときは ミネラルウォーターも用意している。 今日はお祝いの日だから 手作りのケーキもあるけど、 でも、食べられないって言われたら諦めるつもり。 ] (18) 2021/11/20(Sat) 14:21:22 |
【人】 愛衣おかえりなさい! ……お疲れ様。 お酒たくさん飲んで、平気……? [ 少しうとうとしていたけど、 玄関扉をたたく音に気づけば跳ね起きて。 笑顔で彼を迎え入れた。 合鍵を渡しても…と思っているけど まだ渡していない。 どこかで、お客さんを崩せない私がいるせいで。 ぎゅうっと抱きついて、 彼の頬を労わるようにするりと撫でた。 ]* (19) 2021/11/20(Sat) 14:21:52 |
【人】 麻央[ いつもなら、なんともないやりとり。 女の子が欲しい言葉を探り出して投げかける。 けれども彼女はまた一味違って、 探り出すことができないことの方が多かった。 それは彼女が夢の中に生きているからなのか。 それとも麻央が彼女へ客以上の何かを見たからなのか。 家族のことを話さない彼女に どこか同情の気持ちが湧いてきた麻央は 無理をしてほしくないという気持ちが 少しあるから、彼女が高いものを 入れてくれた時は嬉しくなって彼女の卓に 出来るだけいてあげようと思うのだった。 ] (20) 2021/11/22(Mon) 22:23:56 |
【人】 麻央[ 夢と現実の狭間は、同伴とアフターが埋める。 彼女との時間はそうやって増え、 仲良くなるまでにそう長くは時間をかけていない。 お互いに話したくないことは話さなくていいから。 ] (21) 2021/11/22(Mon) 22:25:35 |
【人】 麻央[ 無理をさせている自覚がないのか、 自覚がありながらもないように見せて 大切なお姫様のことを労わる素振りを見せたいのか。 いずれにせよ、麻央の表情は人を混乱させる。 彼女のおうちで食事をする時は、 後から材料費とお礼を込めてきちんとお金を返す。 それは、同じく家庭の話をしたくない麻央だから。 母親以外で初めて食べた手料理。 暖かくて、彼女の前で泣いてしまうのではと いつもはお金のことばかりを考えている麻央でさえ 素直に、おいしいと口にして 彼女の手料理を求める頻度が上がっていった。 ] (23) 2021/11/22(Mon) 22:26:46 |
【人】 麻央[ 彼女と指を絡めて紡がれる恋人同士の ような やりとりは、他のホストたちに噂を立てられるように。 もちろんそんな関係ではないので 麻央は聞かれたら平気で違う、と答える。 だからこの日、麻央はひとつの提案を彼女に。 それは簡単には受け入れられないような提案で ふたりの関係に溝を作りかねないこと。 ] (25) 2021/11/22(Mon) 22:29:01 |
【人】 麻央────── [ この仕事を選んだ時、まだ未成年だった麻央。 20歳を過ぎて飲むようになってから、 あまりアルコールで酔うことがないことがわかり 飲めと言われれば可能な限り飲んでいた。 だから、彼女のように家にお邪魔した時に 水を用意してくれている人はいなかった。 いや、麻央の記憶の中にいないだけで 1人くらいはいたかもしれないけれど。 ] (26) 2021/11/22(Mon) 22:31:37 |
【人】 麻央今日はいつもより飲み過ぎちゃったかも。 でも愛衣ちゃんなら家でお水用意してるかなって、 あんまり心配せずに来ちゃった。 ね、何用意してくれてるの? 俺もね愛衣ちゃんにいいもの用意してきたよ。 (27) 2021/11/22(Mon) 22:32:17 |
【人】 麻央[ いつまでも玄関にいるのもよくないので 麻央は靴を脱ぎ彼女が用意しているものが 気になって、部屋の中へと押し進んだ。 麻央が持ってきたいいものは、 多分彼女に喜んでもらえるけれど、 それを麻央が渡すのは、彼女が先日の提案に 首を縦に振った時だけ。 だから、渡す前に返事を聞こうとするだろう。 ] (28) 2021/11/22(Mon) 22:32:47 |
【人】 麻央[ 撫でられた彼女の手を握り、 麻央は彼女にべったりとくっついていた。 酔ってしまったからか、 何かを隠すためだったか。 ケーキの存在を知れば彼女がどこまで献身的かと 口を押さえて驚きを隠せず、 嬉しそうな顔をするのだった。 ]* (30) 2021/11/22(Mon) 22:36:03 |
【人】 愛衣[ お互いに話さない。 私が家族のことを話せないのに 麻央くんは?なんて聞けなかった。 聞いたところで、幸せな家庭の話をされたら? 反応に困ってしまうのは明白だったから。 聞けるわけ、ないでしょう? それに。夢で現実の話するなんて無粋。 何も、間違ってないでしょう? ] (32) 2021/11/23(Tue) 23:28:24 |
【人】 愛衣────── [ 労わられているようにしか感じていない。 それがただのサービスだとは思っていない。 だから、愛情には、愛情を。 手料理なんて、と言われたら どうしようと最初だけは怯えていた。 認められたことがなかったから。 でも、美味しいと何度も言われれば 献身的に、何度でも。 求められるままに作っていた。 材料費とお礼を込めたお金は 受け取るか迷って、受け取った分、 心を込めて料理で返していた。 好きな人のために、何かをする時間は 今まで感じたことないほど幸せだった。 ] (33) 2021/11/23(Tue) 23:29:00 |
【人】 愛衣[ 恋人だって、本気で信じてるのは私だけ。 本当に恋人だったなら お金なんて要らないはずなのに。 愛を与えられなかったから 愛の定義が歪んでしまう。 ] (34) 2021/11/23(Tue) 23:29:48 |
【人】 愛衣[ お金をもっと作ろうとする行為を、 その選択肢を選んでしまうことを、 あまりに愚かな選択だと、 止めてくれる人なんていなかった。 ううん、本当はいたかもしれない。 でも、その声はもう、届かない。 ] (35) 2021/11/23(Tue) 23:34:11 |
【人】 愛衣────── [ 玄関から部屋へと招き入れれば 机の上に置いてあった水をちらりと見て。 彼が話す、いいもの、の内容が気になった。 ] いいもの?それって……? [ その正体を知る前に。 先日の提案の答えをせがまれる。 私の答えは―――――。 ] (36) 2021/11/23(Tue) 23:35:18 |
【人】 愛衣[ 普通なら承諾なんてしてはいけないのに。 承服しがたいことのはずなのに。 それでも応えたのは、王子様の、ためだから。 ] すき……? わたしもね、麻央くんのこと好きだよ。 [ やわらかな身体を押し付けるように くっついて、愛をもっと確かめようと。 背伸びして、ケーキを用意してるの、と 囁けば、嬉しそうな反応が返ってきて。 柔らかく微笑んで、今食べる?と 聞いてみれば、どんな反応だっただろう。 ]* (37) 2021/11/23(Tue) 23:36:24 |
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