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【人】 孤児 ヘイダルなあ、ちんちくりん。 お前、これからどうすんの? 人間になれたはいーけど、家も金もなんも無いんだろ? …………俺は、さ。 ちゃんと金、稼ぎたいのと。 あと……勉強したい、のとあってさ。 ちょっと、アールアレフに助けてもらおうかなー、なんて、な。 (17) Valkyrie 2019/06/16(Sun) 11:43:03 |
【人】 魔神 ハーレフ私? 私ね、吟遊詩人になりたい! 私が見てきた色んなものを、色んなことを、物語にして伝えるの! 家とお金は…なんとかなると思う![にこにこ] (18) ときいろ 2019/06/16(Sun) 11:46:54 |
【人】 孤児 ヘイダル俺にも色々思うところはあって。 こういう形で借りを作るのは悔しい気もしたけれど、実のところ最も頼れるのは彼女しか居なかった。 「暫くの間、俺とこいつを住み込みで雇ってくれないか?」 ハーレフの手を引いたヘイダルが、アールアレフの自邸を訪れたのは。 輝きを増した美貌にアールアレフの下男らがどよめいて。 サーカスでは銀獅子が消えた大騒ぎになって。 そして魔法のランプがこの世からひっそりと姿を消した、その夜の事。 (20) Valkyrie 2019/06/16(Sun) 12:07:21 |
【人】 魔神 ハーレフ歌は歌えるよ!沢山練習したもん! ……文字?そんなのこうやって…。 [空に指を滑らせ、ぴたりと止まる] 人間ってできないんだ…? えっと、じゃあ、楽器と文字は練習する! どれいしょうにん…? でも私、今までご主人に興味持たれたこと無いもの!たぶん奴隷商人も興味持たないから大丈夫だよ! (21) ときいろ 2019/06/16(Sun) 12:12:31 |
【人】 魔神 ハーレフ聞かれたから説明したのに、ヘイダルはなんだか頭痛を堪えるみたいな表情になっていった。 そして問答無用で手を引かれて、着いた先はアールアレフのおうち。 私の最後のご主人様にして、最初のお友達! ヘイダルは住み込みだとか雇うとか色々言ってたけど、そんなことは私の耳を素通りしていた。 「アールアレフ、こんばんは! いい夜だね!あのね、夜更かししてお喋りしよう?」 だってもう言う言葉は、決めてあるのだ! (22) ときいろ 2019/06/16(Sun) 12:21:02 |
【人】 孤児 ヘイダル■全てが終わり 銀獅子が消えてしまったとサーカスは騒然としていたらしいけれど、その騒動を俺は目にはしていない。 ただ、ハーレフが皆の願いを叶え、金の煙がふわりと舞ったその後に、軽く握った俺の手指の中、いつのまにか小さな丸いものが入ってた。 緑と青の色が詰まった、ガラス玉。 緑は草原の色。青は快晴の空の色。 どこか余所の風景を映している風なその景色が、ゆっくりと動いていて。 この国では見かけない、知らない花が揺れる土地。 立ち止まり周囲を見渡しているゾラフの姿がその中にあり、息を呑んで見つめる中、一歩一歩、草を踏みしめて歩き出した。 彼の"不自由"の象徴だった固く冷たい首輪も、身体中の傷もすっかり消えているように見えた。 それは、己のために願いを使わなかった事に対するちょっとしたおまけだったのか、それとも銀獅子自身の望みでもあったのか。 彼が一番に求める自由の形をと言いつつも、行く末の安否が気になって仕方がなかった俺が手にした、何よりの贈り物だった。 (23) Valkyrie 2019/06/16(Sun) 13:36:16 |
【人】 孤児 ヘイダル────いつか、あの草原に行ってみたい。 ゾラフに会えたところで、俺の事は忘れてるかもだけど。 でも、いつか。 いつか、国を出て、あの青空の下に行ってみたい。 俺には、新しい目標ができた。 (24) Valkyrie 2019/06/16(Sun) 13:37:08 |
【人】 孤児 ヘイダルそうとなれば、こそ泥稼業などしている場合じゃない。 盗んだ金でゾラフに会いに行くなんて事は出来るはずが無く、真面目に仕事をしなければと思った。 あと、いつか俺がなりたいと思った事には、きっと知識も必要だった。勉強もしなきゃいけないなと思いを巡らせた。 ────なのに。なのに、だ。 目の前のちんちくりんと来たら。 家と金はなんとかなるとか、見た目は己の身を案じるべき年頃の女なのに根拠のない"大丈夫"を連呼してはへらっへら笑っていやがる。 (25) Valkyrie 2019/06/16(Sun) 13:38:08 |
【人】 孤児 ヘイダル「大丈夫なわけがあるか!ばかっ!」 元より、頼れる大人なんて(見た目は幾分若返っちまったみてーだけど)あいつしか知らない。 住み込みで働かせて欲しい。 それが無理なら真っ当な働き口を紹介して欲しい。 それを頼みに行こうとしてたんだ。 1人が2人になったところで、もう今更だ。 このちんちくりんは連日野宿するつもりらしいぞと告げたら、彼女だってきっと黙ってはいないだろう。 「────ほれ、行くぞ」 取った腕は、前みたいな薄布じみた軽さじゃなかった。 肉の重さをきちんと持っていることに、俺は不思議と安堵した。 どこへ?とのんびりへらへら聞いて来る奴には、頭痛を禁じ得なかったけども。* (26) Valkyrie 2019/06/16(Sun) 13:39:39 |
【見】 物語を記録したい イオリ……ぷはっ! [ログの海から顔を出した] 通常進行日までの感想ロードローラー。 これにて絨毯爆撃は終了だよ、なんかしつこくてごめんね! でもほら、「記録」はボクの仕事だから、仕方ないね。 諦めておくれ! [にっこり] 改めて、 素敵な物語をありがとう! これから赤灰やクライマックスを見に行くのが、楽しみだ! (@0) TSO 2019/06/16(Sun) 19:07:58 |
アールアレフは、お早う (a2) sacura 2019/06/16(Sun) 19:41:55 |
アールアレフは、イオリをパフパフした。パフパフ、パフパフ。 (a3) sacura 2019/06/16(Sun) 19:42:42 |
【人】 未亡人 アールアレフ私の家で働きたいのね、ふふ。 ではそうね。 私のアクセサリーとして美しく着飾って、両脇に並べましょうか。 さあヘイダルは早くお湯を使って身ぎれいになさって? …洋服が必要ね、揃いで作って… [ブツブツとつぶやきながら屋敷の奥に消えていった。] (27) sacura 2019/06/16(Sun) 19:49:30 |
アールアレフは、忠誠→中性! (a4) sacura 2019/06/16(Sun) 20:06:00 |
【人】 孤児 ヘイダル「……いや、お前もさ」 簡単?んなわけあるか。 身体も頭も動かすことなく"立ってるだけ"なんてむしろ苦痛の極みだろ。 ちんちくりんはどうか知らないが、俺は手先の器用さには自信があるんだ。 屋敷の修繕でも家事でもなんでも命じて、俺を使えよって話で。 ────アールアレフの趣味で"揃いの洋服"を作られて。 学校にも2人してそれを着ていけと言われて猛然と反発することになるのは、ちょっと先のお話。* (30) Valkyrie 2019/06/16(Sun) 20:08:17 |
アールアレフは、イオリさんまたね。御休み。 (a5) sacura 2019/06/16(Sun) 20:50:04 |
アールアレフは、お昼寝したからぎりぎり!でももう眠い。12時間寝たい (a6) sacura 2019/06/16(Sun) 23:13:51 |
ハーレフは、おやすみなさいー。私も観念して寝ます** (a7) ときいろ 2019/06/16(Sun) 23:23:54 |
【人】 孤児 ヘイダル■それから5年 「うん。明日朝の飛行機で国に帰る予定。…………んん?」 級友たちと肩を並べて歩いているここは、自国よりは数段涼しく緑豊かな国、イギリスの某大学敷地内。 明日から長い夏期休暇。次に会うのは新年度だねなんてのんびり話していたところで、俺の名を呼ぶ声が風に乗って耳に届いた。それはとてもとても聞き覚えのある音で。 慌てて周囲を見渡せば、中庭をえらい勢いで走り抜けてこちらに向かってくるハーレフと、その向こうからこちらはゆったり足を進めているアールアレフが視界に入った。 「…………はぁ?」 なんだなんだと周囲の視線が2人に集まる中、またひときわでかい声で叫ばれた俺の名が周囲の空気を震わせて、視線の何割かが俺の側にも突き刺さった。 ────ああ、もう。 「俺、ちゃんとメールしたよな!?明日帰るって!」 なんでそっちが来るんだよてかせめて予告くらいしろ! くってかかる相手は、ファッションモデルもかくやという、凄みのある長身超絶美女。 ころころ纏わり付いてきているのは、級友曰くの「なんだあのすげー美少女」だそうな(まあ、あいつは目が悪いんだ)、不思議な毛色の少女。 周囲の視線をものともせず、嫌味なほどに似合っているつば広の女優帽を僅かに傾けたアールアレフは、あのいつもの笑いを溢しながら明日からバカンスよと艶然と微笑んだのだった。 (31) Valkyrie 2019/06/17(Mon) 18:31:57 |
【人】 孤児 ヘイダル当初は、独り立ちできる素地が整ったら、とっととアールアレフの屋敷を出るつもりだったんだ。 ありがたくも学校にまで行かせて貰えたうえ、過分すぎる賃金まで貰ってしまい、さすがに悪いと思っていたから。 なのに、あれは一昨年の冬だったか。 アールアレフは俺に何の相談も無く勝手に大学入試の出願書類を整えていて、来秋からそこへ通えと通告ベースで言ってきやがった。 挑発恫喝、"飴と鞭"ならぬ"肉と鞭"で良いようにおだてられ持ち上げられ脅かされ、そんなこんなで去年から俺は大学生。 共に世話になっているハーレフはと言えば、アールアレフと姉妹みたいなノリであちこち旅行に飛び回っているらしい。ちくしょう。 (32) Valkyrie 2019/06/17(Mon) 18:32:27 |
【人】 孤児 ヘイダル「…………で。なんでイギリスくんだりまで来たんだよ」 バカンスと言うならどこかに移動するんだろと、ローストビーフを口に運ぶ。 大学最寄りの繁華街、この街一番の高級ホテルのメインダイニング。 人を不快にさせないだけの所作は覚えろと、俺もハーレフも完璧なテーブルマナーを叩き込まれている。5年前まで俺らがどういう状況にあったのかを察せられる奴は、全ての顛末を知っている目の前の女以外には今や一人も存在しないだろう。 口数が少ないというほどではないくせ、何故か徹底的に"報・連・相"を排除するアールアレフに尋ねるのは諦めてハーレフに答えを促せば、目的地はコート・ダジュールなのだそうで。 「ああ。フランスなら、まあ遠くないか」 なるほどねと頷けば、アフリカ経由でフランスに飛ぶんだよとハーレフがにへらにへらしてやがる。 「……は?なんでアフリカ」 突っ込みが終わる前にハーレフの口から出た地名は、俺がここ1ヶ月ほど、さんざ目にして手にして口にしていたものだった。 (33) Valkyrie 2019/06/17(Mon) 18:33:58 |
【人】 孤児 ヘイダル「やっぱ、ちゃんとメール見てくれてんじゃん!ばか!!」 ゾラフの居場所が、やっと特定できたんだ。 アフリカの某国あたりじゃないかという目処は随分前から立っていたんだけど、これという決め手がなくて訪ねあぐねていたところ、覗いた"ゾラフ玉"にやっととっかかりとなる情報が映ってくれて。 半径数十kmくらいまでは絞れたから、その報告をこないだ送ったメールに記しておいた。 夏休暇の間に会いに行くつもりだと言い添えて。 皆で行こうよと脳天気な笑顔で告げるハーレフ。 俺は表情を隠して、俯きがちに小さく頷くことしかできなかった。 口を開けば、なんか余計な音も漏らしてしまいそうだった。 ────その時は、ちゃんと我慢できていたのにな。 焦がれ焦がれたあの草原で、俺の涙腺は大決壊。 だってゾラフが、俺に会いに来てくれたんだ。 ゾラフは俺を忘れてはいなかった。 一族郎党引き連れて! 孫まで連れて!!* (34) Valkyrie 2019/06/17(Mon) 18:36:19 |
アールアレフは、イオリさんをぱふぱふにゃーにゃー。 (a8) sacura 2019/06/17(Mon) 21:28:07 |
【見】 物語を記録したい イオリ素敵なお話が続いているね。 ボクはそろそろ失礼するよ。 この物語が記録できて、本当に良かった! みんなの人生、まだまだこれから沢山の乗り越えるべき試練があると思うけれど、一貫して「幸せ」なものになることは、間違いないね。 それじゃあ……。 [記録者は、ペンと記録紙をしまい、丁寧に一礼すると、夜闇に溶けるようにして消えた]** (@1) TSO 2019/06/17(Mon) 22:30:36 |
ヘイダルは、その結果の(ぺかー)なんだねわかる() (a9) Valkyrie 2019/06/17(Mon) 23:36:46 |
【人】 新米TC ぽきゃ忘れてしまいそうなので先に落としておくのですよぉ! 十分な取れ高でぽきゃはうはうはでございます! それでは皆様ごきげんよう! 語り尽くすに短い生を、存分に謳歌なさってくださいませ! [ぷにょん、と一度だけ弾み、跡形もなく消え去った] (35) rein-joir 2019/06/17(Mon) 23:52:19 |
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