朝の登校時、門を潜るとそこはでした──

と言わんばかりに『持ち物検査』と掲げられた傍に並ぶ机。
この時期は特に多いのは2年以上は知っているだろうし、何が起こってるかはすぐわかるだろう。

「はいそれじゃ、ね。
時代錯誤？いやあ言うてね？こういうのやっとかんとね？
好き放題何でも持ってくるのがいるんですねぇ。

特にそろそろ体育祭でしょ？
なんかあったら『風紀がちゃんと締め付けんから』とかね？
無責任な事言われても困るんでぇ。するんですねえ」

　
「ってことでカバン見ていい？ダメ？
　楽しそう？いや〜なんの事かなあ。ちょっとだけね？
　

別に持ち物検査の担当はこの生徒だけではないものの、
この生徒は2年からずっと風紀委員をしているので
名前が『普川尚久』なのは程々に有名だろう。

何より、なんせこの態度だ。
周囲に聞けば、名もすぐに判明する。

　
「……いや、セクハラって失敬な。
女子はちゃんと女子の風紀委員が担当しますよさすがに。

ん〜？今度は何？法律違反ン？プライバシー侵害〜？
はい残念。教員勢からの許可は取ってますよ毎回。
保守はウチ、改革は生徒会へ。泣きついてなくして貰えば？

……はい、問題ないね。行っていいよ」

終われば軽くあしらうようにしっしと手で示す。
そんな感じで、本気でヤバいモノから、相手によっては許されるものでも、コイツ相手で抜き打ちに引っ掛かる可能性もある。
別になにもないかもしれない。学園は今日も平和だ。

>>G3　楢崎

「あ〜？先輩に対して〜
よくそんな口聞けますね楢崎大地くん？
マイナス無理やり何かつけて連行してやりましょうか？」

「……つっても、君、
ホント別に大したものないんすよね毎回。
つまんないので一個徴収しときますねぇ〜」

言いながら勝手に飴なりパンなり何か奪おうとする。
勿論防ごうと思えば防げる程度だ。通って大丈夫です。

>>G4　市川

「お仕事なんでもっと労わってくれていいですよ。
市川後輩。親切なご協力と裏腹な生意気な態度どうも。
　　

とは言え、本当に健全な鞄ならこれでいいのです。
許されて当然なので引き留められる事もありません。

　
何だかシレっと混じってる鏡沼だが、特に言及はない。
慣れてるのか、今はそれが当然と認識しているのか。

いずれにせよ真面目にやってる分にはお咎めもなにもない。

>>G5　勢喜

「お、フリってやつです？先輩呼び捨てにした上で？
いやぁ、いいですよそこまで言われたら見てやりますよ。

ちなみにエロ本だろうがゴムだろうがもう、『いいもん』賄賂のつもりでしょうが全部没収になりますので、もう面倒なので鞄ごと貰っていいです？」

通過、できませんね。そもそもが既にアウトです。
無理やり逃走するなり異能使うなりしない限りは、
は確認されるでしょう──

>>G9　竹村

「はぁい、おはようございます、竹村後輩。
　罵倒の代わりに挨拶だと楽でいいですねぇ。
　全員そうあってくれれば風紀も楽なんですけどねぇ。……」

担当の女子風紀委員が何も言わないなら、
同じくゆるりとかえす。別に止める事もないが、
ただ、脳内で止められていた品の名を反芻していた。

>>G11 柏倉



見知った顔、どころか同室者だ。
風紀委員としての対応じゃないので随分口調が雑に戻った。

「ほう。適当にさっき没収した奴、仕込むかぁ〜
そんで晒し上げして風紀と生徒会の仲悪いアピールする？」

ほら鞄貸せ。とばかりに手を差し出すが、恐らく互いに多忙だろうとも思ったので、軽口は其処までにしてしっし、と追い払った。

>>G15 楢崎

「ほう。ツナＱ貰っていいと言うネタフリで？
……ていうか、お勧めされると困るんすけど。
指導にならないんでぇ。……適当な奴でいいや」

南国系チューイングガムがあるなら貰った。
自分の好みではないので委員の後輩にでもやろうとの魂胆だ。

「はいはい普川先輩はもういいんで、
　あとは検問通った後の子とお話でもして来なさい」

菓子の礼は軽く手を上げるだけで終わった。

>>G18 守屋



気配の読めない突然の肩ポンに物凄くビビった。

「はー……なんだよ守屋さん？毎度毎度
　驚くからもう少し遠くから駆け寄ってくれません？」

「間違えて買ったにしても、こう、何？
　渡す相手間違えてないっすかねぇ……

飲む頃には冷えてるかもだぞ。と付け加えつつ頂いておいた。

>>G22 シオン

「いや〜〜もう先輩ってつける気があるなら、
　そこはもう名字くらいちゃんと呼んでくれません？

　……今日は女子ってるんです？
　んじゃ、1年が困惑するから普通に今の性別の方並んどいて。
　そんな漁る方も普川先輩以外に当たるなら同じですわ」

持ち物の内容まで変わってるのか、その辺り把握できているかは謎だが、いずれにせよその可能性を考えると知っていても知らなくても、『今の』性別の方に並ぶのを勧めただろう。

>>G23 牛丸



後輩の女子生徒に呼ばれて該当の品だけ覗きに来る。

　スポドリの奴だよね？
　一応確認していい？いやわかってんだけどね？
　念押しにね？しとかんと後で怒られるん、風紀なん」

内情の愚痴を後輩に漏らしつつ、
鑑定異能の子に通して、普通のスポドリを確認した。

「ハイお待たせしてごめんな。陸上頑張って」

1年だろうが一通り名前と顔は覚えてるのか。
ついでに時間を取らせたのは確かのでそう告げた。

>>G29 守屋

「親父ハゲてないし……
　

「ういっす」と軽く返しつつ、気付かれない心境を異能の違う自分には理解できないので、やっぱりもう少し心の準備は欲しいと思った。ハゲかねないので。

物凄い執念深そうな奴に目をつけられた。

>>G21 柏倉

「って言ってる瞬間にそっちにも鏡沼いそう。なんかあれだよな……寝てる間に靴作る小人的なあれ」

どんどん増えるよ鏡沼後輩。
悪さをするわけでもない。妖精だろうか？

「俺の頭を化石みたいに言うな。
ないからこそ需要あるんじゃねぇの。ある意味相互への不満は聞きやすくなるかもな。不仲営業、一考してみっかぁ……」

意外と真剣に考えつつ。
どうせ生徒会室に行く頻度もそこそこあるだろうと、あいよ。と見送った。

>>G40 尾関

普川は見ていないが、担当の女子生徒が「ふわふわ……」と呟いていたので、誰のことかは目を見なくても察してしまった。

否、正確には二択だが、ふわふわ（熊）の方もちょうど通っていた為だ。

「……ふわふわ二人（一人と一匹？）が通ると空気が緩んで困る……」三年の先輩はふわふわに夢中な後輩達を見て呟いた。

>>G39 牛丸

「あーそうしてくれると助かりますねえ。こっちも紛らわしいけど健全な奴は注意して教えとくんで」

とは言え想像通り止められはするだろうが、普川を呼び止めないだけ早く通れるのは確かだ。

「あー……どうもどうも。一年女子は素直だねぇ……これからどんどこ悪に成長しないでくれたらいいけど。……一年、かぁ」

懐かしい響きと思いつつ見送っただろう。

どこかを見て三年先輩はイラッとしたが、
これが自業自得と人徳というやつであろう。

>>G32 シオン

複雑そうな顔で持ってきた後輩からゲームを受け取った。

「え、押収品は別にここじゃなく……何？差し入れ？
……変なゲームじゃないだろうな」

タイトルを見ている。とは言え素直に押収されてる時点で己に手渡す気なのは察したので、するかはともかくしばらくの後に丁寧に帰っては来るだろう。

>>G49 鏡沼

また気配無し一族……」

慣れていてもこればかりは鍛えるのが難しい。
鈍くなる方法をこの時普川は凄く知りたくなった。

「これ以上増えたらもう『全部鏡沼に任せれば良くないかな……』って堕落の要因になるから、増えるとしてもせめて各委員一人にしときなさい。いやマジで増えんです？」

>>G52　朝日

「問題な……ん？
　これ賞味じゃなくて消費切れてません？」

この男、目が複数あるのだろうか。
というくらい無駄に目ざとい。

最も過ぎていても1日くらいだと思うので、

「食べるんはいいけどちゃんと責任持ちよ」

と、要約「腹壊しても店には黙っとけよ」
的な、意外にも軽い口頭注意のみで終わるだろう。
２、３日を超えてるとさすがに没収されかねないが。

>>G62 >>G63　御旗　鏡沼

>>G59　シオン

「あー。うーん……」

ゲームの知識が0と言う程ではないし、別段嫌いなジャンルでもない。けれど、今はもうゲーム機を買う事も無くなってしまったから、どうした物かと唸った。突っ返してもいいのだが──

「誰か本体借りれないか後で聞いてみっか……」

そっと懐に仕舞った。せめて最初の1時間くらいはやるかと。

>>G56　市川

「自称：優等生ほど厄介なものはないって、
先輩を二回もすると気づく訳なんですよ……」

特に見当たらなかったので。
思い切りポケットに忍び込まされていますが普通に入るので、犯人不明のまま通します。

なお後にと何事か不明な悲鳴とと、謎の文句が風紀委員室に響いていたらしいです。