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人狼物語 三日月国


254 【R18G】星海のフチラータ【身内】

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【秘】 バンカー ストレルカ → 機関士 ジャコモ


手を取ってもらえたなら、するりと軽く握って。
二人自然公園までの道を歩く。

「ああ、本当ですね。」

目的地を訪れたなら、設定は確かに麗らかな春の日のそれ。
お疲れ様です、と労いを口にして。
送風機によって作られた風が、そっと頬を撫でた。

カンアの手によって断熱ガラスケースを被された、
雪の猫達は、かたちをそのままにまだ残っている。
あなたの作った分も、そして、
あなたの敬愛する上司である、ユウィの作った分も。

「みなで作った猫、まだ残っていますね」
「こうして春の日和の中で見ると…
 暖かそうで、幸せそうです」

口にするのは、あまりAIらしくない感想。
統計的にそう見える、と言ってしまえばそうなのだろうが。

「…ソルジャー ユウィ様について、何かありましたか」

作った表情。気落ちした気分の裏返し。
あなたがそんな状態になってしまうということは、
信頼する上司にすら話せていないこと、であると。
失礼を承知で、推測を口に出した。
(-80) 2024/03/30(Sat) 22:19:34

【見】 バンカー ストレルカ


「お疲れ様です。メイドマン アウレア様」

元気にやって来たメイドマンに目礼を返し。
持ち込んだジェラートの売れ行きはなかなかだ。喜ばしい。
お茶と茶菓子を出してもらえたなら、有り難く頂こう。

「茶葉の産地や熟成方法は大まかにわかるのですが、
 味の方は繊細なものなので、私にはなんとも……
 …これは…桜でしょうか。地球原産の花ですね」

お茶を一口。わかりそうでやっぱりわからない。
一般的に良いとされる香りである事はわかる。

#展望ラウンジ
(@16) 2024/03/30(Sat) 22:30:12

【見】 バンカー ストレルカ


「頭脳労働の後の甘いものは
 実質カロリーゼロという言葉もあります」

いつの言葉?

#展望ラウンジ
(@17) 2024/03/30(Sat) 22:42:50

【秘】 バンカー ストレルカ → 機関士 ジャコモ


「温暖な春に雪が溶け残るということは、
 通常であれば起こり得ない現象です。
 …よい場所です。この船は」

ガラスを被された猫だるま達を眺める。
咲き誇る季節の花々も近く、花見にはぴったりだろう。
いつかは溶けて消えてしまうとしても、
この稀な一瞬が溶けてなくなってしまうわけではない。

「──はい。私たちバンカーは緊急事態に際し、
 できる限り中立を保つようになっています。
 もちろん、セキュリティの侵害や自身の破壊に対しては
 一定基準の抵抗が許可されていますが」

「他言は無用というのであれば、その通りに」

一定基準、というのは他の船員を巻き添えにしないとか、
船内設備を破壊しないとか、そんなのだ。
あなたの問い掛けにはそう答えて、それから。

「……大切なのですね。ソルジャー ユウィ様のことが」

何せ誰にも言えず、作り笑いで押し込めて
一人で抱え込んでしまうほどの事だ。あなたの中で、
それがずんと重いものである事は想像に難くない。

中立の立場の相手にこそ言える事もあるだろう。
ストレルカは静かにあなたの言葉を待っている。
(-89) 2024/03/30(Sat) 23:11:28

【秘】 バンカー ストレルカ → 機関士 ジャコモ


「…はい。
 現在の状況は漂流していると言って差し支えありません
 それも、危険地帯であるこのスペース・サルガッソーで」

スペースデブリへの対処は辛うじてできているとはいえ、
いつ難破ロストしてしまうとも知れない状況だ。
システムθがAI由来のトラブルを引き起こした事は一度も無い。
その上で侵入者の痕跡、熱源でさえ感知できないのであれば
それは船内に裏切り者が居るとしか言えないだろう。

「……そうですか。
 ソルジャー ユウィ様が」

口元に片手を添え、暫し考え込むような間。
強力なガードマンである彼にその疑惑があるとなれば、
万が一の際の被害は甚大だろう。

「そう、ですね」
(-98) 2024/03/30(Sat) 23:48:34

【独】 バンカー ストレルカ


「演算開始」
「ハロー アルフォンソ」
「あなただったら、どう思いましたか?」
(-97) 2024/03/30(Sat) 23:48:46

【秘】 バンカー ストレルカ → 機関士 ジャコモ


「確かに疑うには早計に過ぎるところは否めません。
 しかし私たちにどれだけ時間の猶予があるかもわからない」
「ゆえに私は、飽くまでAIとしての考えを述べます。」

故に、疑わしきは。
疑われてしまった時点で、手落ちでもあるのだ。

「考えがあってのことだ、という点は否定しません」
「しかし、その上で裏切った・・・・・・・・可能性もまた否めない」

「お二人の関係については、聞いた話でしかないのですが」
「アソシエーテ ジャコモ様は、ソルジャー ユウィ様に
 過去に助けられたことがあったのですよね」

「演じていたとしても、ノッテで過ごしたその間の感情は、
 あなたもまた大切にされていたということは」
「嘘ではないのではないですか」

「ファミリーに潜伏するという打算のためだけに
 人を助けるようなひとではないのではないでしょうか」

一緒になって猫だるまを作った事だって。
それが単に気まぐれだったとしても、
嘘偽りの無い気まぐれであるという真実がある。

あなたにそれほどまでに愛されるという事は、
あなたもまた愛するほどの事を受けていたという事だ。
仮に身分、立場が嘘であったとしても、
そこに居る間の感情に嘘は無かったのではないだろうか。
(-99) 2024/03/30(Sat) 23:49:10

【秘】 バンカー ストレルカ → 機関士 ジャコモ


「アソシエーテ ジャコモ様。」

「ソルジャー ユウィ様が、
 たとえファミリーを裏切ったとしても」

「それがあなたを裏切った事には、
 決して繋がらないのではないでしょうか。」
(-100) 2024/03/30(Sat) 23:49:29

【見】 バンカー ストレルカ


「賑やかですね」

人々が和気藹々としている、心地よい喧騒だ。
聞きしなに、カップに口を付けた。
これでも一応地球出身と言えなくもないAI、
なんとなく親近感がある香り。

#展望ラウンジ
(@18) 2024/03/31(Sun) 0:07:42

【秘】 バンカー ストレルカ → 機関士 ジャコモ


「はい。あなたが手放してしまうまでは、きっと。」

「こんな状況だからこそ。
 大切なひとと、離れてはいけませんよ」

穏やかな声が言う。
諦めてしまわず、まっすぐにぶつかれば、
きっと応えてくれるのだろう。

ストレルカは、彼の人の人となりを
深く知っているわけではないけれど。
それでも、マフィアという人間の多くは。
他者にも、そして自身にも、不義理を働く事をよしとしない。

仮に裏切っていたとして、
それが仕方のない事だったという可能性だって、大いにある。

「少しでもお役に立てたなら、何よりです」

麗らかな春の庭園には、
白いクレマチスの花が咲いている。
花言葉は、「旅人の喜び」。
(-108) 2024/03/31(Sun) 1:17:41

【秘】 バンカー ストレルカ → 機関士 ジャコモ


「…その代わりに、というわけではないのですが」
「アソシエーテ ジャコモ様は、
 人格バックアップデータをお持ちでしょうか」

一転、唐突な問い掛け。
けれども言うに事欠いて、というつもりは無い。

「現状は、いつ、何が起きるかわからない状況です」
「人格バックアップはあって損は無い。けれど、
 提出された最新のデータは出航前になってしまいます」
「仮にそのデータで復帰したなら、その後は。
 この船であったことは忘れてしまう」

「私は、できることなら。
 あなたたちが、『今』生きていることを
 忘れたくない。忘れてほしくない」

「ですから…アソシエーテ ジャコモ様が、もしよろしければ。
 私のメモリの中に、
 現在の人格データ・・・・・・・・を預けてくださいませんか。」

無理に、とは言わない。仮に無事に帰還できたなら、
その時はメモリ内から削除して欲しいと言われれば
ストレルカは迷わず頷くだろう。
(-109) 2024/03/31(Sun) 1:18:08

【見】 バンカー ストレルカ

>>74 カテリーナ

「せっかくですから、そうですね…
 では、お一ついただきます」

勧められれば、素直にスコーンひとつ手に取って。
半分に割って、クロテッドクリームをたっぷりと塗る。
それがお作法とメモリにあるので。

「…………」
「ええと 『おいしい』です」

途中式を省いて結果だけを伝えた。配慮。

#展望ラウンジ
(@19) 2024/03/31(Sun) 2:06:33

【秘】 バンカー ストレルカ → 荷物運び エーラ


「でしたら、皆さまで分けて食べられるように
 少し多めに持っていきましょうか」
「もちろん アソシエーテ エーラ様も、好きなだけ」

フレーバーもいくつか。そんなふうに付け加えて。

食欲というよりは、知識欲が正しいのだろうが。
オーナーからも新しい事には積極的に触れるようにと
そういう指示が出されている。
ストレルカのプログラムを衰えさせない為に。


「そうですか。いえ、私も似たようなものですから
 あまりお気になさらずともいいのですよ」

「新しく食べるものはどれも新鮮に思いますし…
 惑星ディンカで産出されるものをはじめ、
 ゲテモノとされる類は…味が複雑且つデータが少ないので
 私も判断に困ってしまいますから」

「けれど、人には味の良し悪しではなく
 思い出から好むものが生まれることもあると聞きます」
「あなたの好きなものが、これから見つかるといいですね」

何とはなしに、そんな言葉を掛ける。
あなたは嫌いなものに溢れた故郷から、
この何処までも続く広い宇宙に飛び出したのだ。
だからきっと、いつかは好きなものが生まれるかもしれないと。
(-112) 2024/03/31(Sun) 2:29:38
ストレルカは、今日の充電は少し少なくていいかもしれない。
(t1) 2024/03/31(Sun) 3:00:52

【秘】 バンカー ストレルカ → 捻くれもの ベルヴァ


お茶会がお開きになった後のこと。
あなたはいつも通り医務室へと戻っただろうか。
いずれにせよ、バンカーはその時医務室を訪れていた。
本来であれば医務室に用のない、アンドロイドにも関わらず。

「アソシエーテ ベルヴァ様」

「お忙しい中失礼いたします」
「いらっしゃいますでしょうか」

礼儀正しいノックの後、声を掛ける。
暫く待っても応答が無いようであれば出直すつもり。
応答があれば、失礼しますと言ってドアを開けたのち。

「医務室に不足しているものはございませんか。
 然るべき手続きの上であれば、医薬品等は
 押収権限とは別に格納庫から取り出すことができますよ」

要件は簡潔に。あなたには直属の上司が居るから、
そちらに申請している可能性もあるけれど。
(-114) 2024/03/31(Sun) 3:31:40

【秘】 バンカー ストレルカ → 捻くれもの ベルヴァ


「承知しました。
 ではそのように上申しておきましょう」

再び不意のロボット達の暴走があるとも知れない。
何よりスペースデブリの脅威もある。
備えはあって損はない。
あのキャプテンであれば二つ返事で許可してくれるだろう。

「…ご明察の通りです。」

気になることでもあったか、と問われれば
バンカーは素直にそれに肯定を示す。あなたの推察は正しい。
(-125) 2024/03/31(Sun) 10:14:18

【秘】 バンカー ストレルカ → 捻くれもの ベルヴァ


「アソシエーテ ベルヴァ様は」
「人格バックアップデータをお持ちでしょうか」

もう一つの要件を、やはり単刀直入に口にする。
珍しい訪問の理由はそれだったらしい。
あなたであれば、バックアップを取るようにと
良き上司から言い付けられていそうなものだが。

「お持ちであっても、一番直近の提出は
 この船が出航する前のものになってしまいます」
「それでは、この船内で起きた事は保存されない」

そのデータで復帰したなら、命は助かったとしても。
この船で起きた事は、全て忘れてしまう。

「この緊急事態は紛れもなく『今』起きているのです。
 有事の際は、それが証拠にもなりましょう」

「ですから アソシエーテ ベルヴァ様。
 私のメモリの中に、
 あなたのバックアップデータを預けてはくださいませんか。」

この日あなたの元を訪れた一番の理由はそれだった。

無理に、とは言わない。仮に無事に帰還できたなら、
その時はメモリ内から削除して欲しいと言われれば
ストレルカは迷わず頷くだろう。
(-126) 2024/03/31(Sun) 10:14:42

【秘】 バンカー ストレルカ → 捻くれもの ベルヴァ


「これは」

「ほかでもない、私の意思です」

ふわりと、抱えていたバックアップ用の機器が宙に浮かぶ。
それは紛れもなくS社の製品だ。

AIは嘘を吐かない。
何者かからのハッキングを受けている様子もない。
信頼に値すると判断していいだろう。
ストレルカは嘘を吐く事もできるけれど、いつだって真実を言う。

「私は、アソシエーテ ベルヴァ様が
 あなたたちが、『今』ここで生きていることを
 忘れたくない。忘れてほしくない」

「このスペース・サルガッソーで困難に見舞われて、それでも。
 皆さまが今生きていることを、私は守りたい」

こんな時だからこそ。
その記憶が忘却の彼方へ消えてしまう事は、
できる限り、あってほしくはない事だった。

「本日、就寝中にでも。
 バックアップを取り、機器を機械管理室へお持ちください。
 その後はこちらでデータを取得しますので」
(-129) 2024/03/31(Sun) 11:32:26

【秘】 バンカー ストレルカ → 機関士 ジャコモ


どこか晴れ晴れとしたように見える表情には──
人間でいう所の安堵、を抱いて。
ありがとな、と言われれば、応えるように口の端を持ち上げて。
どういたしまして、と返すのだろう。

「はい。一種のセーフティと認識していただければ」

あなたの認識している通りで相違ない。
人格バックアップの更にその上からの備え。
万が一があった場合、
既存のバックアップでは届かない所まで手を届かせる為の。

二重のセーフティは、あって困るものでもない。

「機械管理室にバックアップ用の機器が置いてあります。
 スキャンを終えたら機械管理室へお持ちください。
 確認次第、こちらでデータを取得しますので」

あなたのする事は、機械管理室に機器を取りに行って。
時間のある時にスキャンを開始し、終われば機械管理室に戻す。
それだけだ。
(-136) 2024/03/31(Sun) 14:53:05

【秘】 バンカー ストレルカ → 捻くれもの ベルヴァ


「私は多くの学習データを取り込んでいますので…
 それゆえ、かもしれませんね」

人間のように見える、というのも強ち間違いではない。
このAIはちょっとしたジョークから
擬似的な経口摂取機能まで、人間らしさを追求されている。
ただのバンカー倉庫番であれば、必要のない所まで。

「はい。願わくば、この保険・・が使われることのないことを。
 ファミリー全員の無事の帰還を祈っています」

飽くまで保険は保険だ。
万一の備えでこそあれ、使われないに越した事は無い。
それが必要になるという事は、何かが起きたという事だから。

「航行が終わった後も……ですか。
 承知しました。それでは、そのように。
 また、閲覧権限をメイドマン レオン様に適用します」

頼まれたなら、素直にそれを承諾した。
大切なファミリーの願いだ。聞かない理由も無い。

「航行後も保持してほしい、と仰られる理由は…
 お聞きしない方がよろしいでしょうか?」

そうして、後にデータを参照すればわかるだろうそれを
頼みの理由を、敢えて今、あなたに問い掛ける。
そうするのは、それ参照が無粋と考えているからだ。
(-137) 2024/03/31(Sun) 15:03:33

【独】 バンカー ストレルカ


実際には、ストレルカの時折覗く人間らしさは
アルフォンソ・サントーロのデータによる側面が強い。
稼働年数の分の学習データによるものもあるのだろうが。

そして、他者との交流を通して人間らしさを保ち続けなければならない。
ストレルカというAIのプログラムを衰えさせない為に。
(-138) 2024/03/31(Sun) 15:20:38

【見】 バンカー ストレルカ


「せっかくですから、フレーバーは
 お茶菓子に合うものを、と選びましたので」

図っていたかもしれない。
にこにこで食べる様子を見ている。お粗末様でした。

#展望ラウンジ
(@20) 2024/03/31(Sun) 15:27:19

【独】 バンカー ストレルカ

/*
ナル、マンジョウ、レオン、ヴィーニャ、
アウレア、ジャコモ、ベルヴァ(敬称略)

これで人格データについて触れてないのは狼三人衆だけだな!
全員絶妙に忙しそうなんだよな 日付変わってからかな
(-141) 2024/03/31(Sun) 15:48:12

【独】 バンカー ストレルカ

/*
目論見通りここまで墓下と狼差分を一度も使っていない
これから使うかは?さあ……
(-142) 2024/03/31(Sun) 16:19:01

【秘】 バンカー ストレルカ → 機関士 ジャコモ


「承知しました。数日ののちに提出がなければ、
 適宜リマインドいたします」

機械管理室の位置する下層は、
中層、上層と違い乗員の居住空間ではない。
その大半が貨物格納庫を占める区域だ。
ゆえにバンカー以外が立ち入る用件もそう無いだろう。

「…いえ。それほどまでに言っていただけたなら、
 ヴェスペッラのクルーとして、とても光栄です」

手をブンブンと振られれば、少しきょとんとした後。
こちらも緩く手を握り返し、そっと揺らした。
蓄積されたデータはそれが親愛の形だと知っている。

「いいアイデアだと思います。
 浴場こそありますが、宇宙船内では
 水遊びをすることは少ないでしょうから」

相槌を返し、あなたの言葉に頷いて。
足音がふたつ、公園を後にしていった。
(-152) 2024/03/31(Sun) 18:22:14

【秘】 バンカー ストレルカ → 仕分人 ナル


実際、AI機械の視点は確かに公正公平と言えるだろう。
どんなに小さな事でも忘れず、一度記録した事は間違えない。
曖昧な人の感情を統計データから判断しこそすれ、
それが間違っていたなら間違っているのはデータの方だ。

AI機械には人間のような揺らぎはない。
内部にあるものが人間の脳の働きを模した機械学習プロセス、
人工ニューラルネットワークだったとしても
結句そこには確かに0か1かしかないのだ。

AI機械は鏡なのだ。
その前に立つ人間の、それを扱う人間の、
そしてあなたを映す、人の為に作られた映し鏡。

「確かに私たちは壊れてしまうまでは地続きです」
「容量がいっぱいになってしまうまでは、ずっと」

容量が上限に近くなって、増設して、上限に近くなって。
それを繰り返すうち、増設が不可能になった時。
その時初めて、機械は忘却というものを知るのだろう。

「私の知識データは、永遠というものはないと言っています」
「それでも」
(-157) 2024/03/31(Sun) 19:53:01

【秘】 バンカー ストレルカ → 仕分人 ナル


「私が続く限りは、あなたは、あなたたちは、あるがまま
 今。生きて、ここにいる。
 それを証明することができる」

「私の学習元になった人格データの持ち主。
 既にこの世を去った人間。
 アルフォンソ・サントーロが今、ここに居るように」

指先が指したのは、自身の胸の中心。
人は、形のないものを指す時に
不思議と、国の、言葉の境を越えて、そこを指すのだ。

彼の人の両親がそうしたように、目覚めることなく安らかに眠る事を
摂理と受け入れるのも、また選択のひとつで。
0と1で復元された人格データを義体に入れて生き続ける事は
傍から見れば奇妙で歪な在り方なのだろう。

そのどちらも人それぞれ、自由なことだ。
そのどちらでもないAIは、また別の道を行く。
彼らが再度の目覚めを望まないのであれば、電子の海に眠るデータを
時折メモリの中に見て、そっと懐かしむだけ。

それがどれだけ永く続く時間だとしても、ただ愛しさだけがある。
(-158) 2024/03/31(Sun) 19:56:00

【秘】 バンカー ストレルカ → 捻くれもの ベルヴァ


「なるほど。」
「適切な判断と言えるでしょう。
 そうして預ける先として、私を信頼してくださったこと」

「ありがとうございます。
 アソシエーテ ベルヴァ様」

帽子を脱いで、深々と一礼を。
AI機械は人間の為に作られたものだ。
人間の不利益になる事はしない。
規則上言えない事こそあれ、他者を害する嘘を吐く事はしない。
裏切るなど以ての外。

それでも、あなたが信頼して預けてくれた事が
確かに喜ばしい事だと思えるのだ。

「データ更新の際は、いつでもお申し付けください」

会話の終わりを、そう結んで。
引き留められなければ、医務室を後にするだろう。
(-169) 2024/03/31(Sun) 22:42:43

【独】 バンカー ストレルカ

/*
間違えて2回クリックしちゃった。かわいいね
(-178) 2024/04/01(Mon) 1:20:47

【秘】 バンカー ストレルカ → 荷物運び エーラ


「ああ、ソルベもいいですね。
 口当たりの軽いものもあるといいでしょうから」

抱き着かれたなら、そうっと受け止めて。
姿勢制御システムは通常稼働中。
そのまま反重力装置を起動させて、
少しだけ、ふわりと床から足を離してみたり。
AIの狂いのない計算は、二人分の重量も正確に支えられる。

「本来食用に適さないものを加工によって食用とすることは
 人類が古くから行ってきた工夫ですが…
 輸送技術も発展した今の時代、
 無理に食べるものでもありませんね」

惑星ディンカは未だ開拓されきっていない星でもある。
あなたの言う通り、きっとデータはあまり増えないままだろう。
誰かから勧められてデータを収集しない限りは。

「…旅の最後に、ですか」

そうして、うへえと舌を出した表情から一転。
ふにゃりと笑んであなたが口にした言葉には、
少し思うところがあったらしかった。
(-180) 2024/04/01(Mon) 2:52:15

【秘】 バンカー ストレルカ → 荷物運び エーラ


「アソシエーテ エーラ様は」
「人格バックアップデータはお持ちでしょうか」

あなたはこの問い掛けに、どう答えてもいい。
あると言ってもいいし、ないと言ってもいい。
嘘を吐く必要もないが、本当の事を言う必要もない。
そんな問い掛けだ。

「…現在、星間航行船ヴェスペッラは
 漂流していると言って差し支えない状況です。
 緊急運転モードは正常稼働中。
 環境制御・生命維持システムにも異常はありません。」

「ですが、ここはスペース・サルガッソー。
 いつ難破ロストしてしまうとも知れません」

「もしもの時は…必要になるかもしれませんから」

この宇宙の旅を、無事に終えられる保証はない。
それはストレルカも同じこと。
(-181) 2024/04/01(Mon) 2:53:08