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人狼物語 三日月国


132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】

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彼女の息子だった ユスは、メモを貼った。
(a39) 2022/03/12(Sat) 20:58:34

【秘】 共犯者 ユス → 共犯者 ツルギ

 母の頭へ振り下ろす。

 母の頭へ振り下ろす。

 母の頭へ振り下ろす。

 誰にだってできる、簡単な単調作業。きっとこれは神様がくれた、否、違う。
 俺たち二人が掴み取った
幸運
だ。

 もうなんだってよかった。
 もう生きたいなんて思わなかった。
 どうでもよかった。

 だって、

 何故なら、


「お母さん」


 自分の命は、自分だけのものでは無いらしいので。
(-153) 2022/03/12(Sat) 20:59:27

【置】 共犯者 ユス

「命をくれた人に感謝するんだ」
うん! おかあさん。

「その人がいなかったら今の貴方はいなかったのよ」
ありがとうって、ちゃんと言うね。

「何馬鹿なこと言っているの。命を救われたのだから、もっと人の役に立つ仕事に就かないとダメじゃない」
他の子みたいにしちゃダメなの?

「大きくなったね義徳君。昔はよく寝込んでいたのになあ。救ってくれた人に感謝しなくてはね」
そうだね、叔父さん。

「ちゃんと今年の分の手紙は書いたの?こういうのは欠かしてはいけないのよ」
誕生日よりも大切なことなんだね、お母さん

「毎日を大切に生きれば、きっと貴方の中で生きる提供者の方も喜ぶと思うわ」
先生。臓器は何も言いません。俺に心臓をくれた人は、こんな臓器一つになってまでも生きていると思われたいのでしょうか。
(L0) 2022/03/12(Sat) 21:00:27
公開: 2022/03/12(Sat) 21:05:00

【置】 共犯者 ユス

ありがとうございます。
命を救ってくださりありがとうございます。
自分の命は貴方のおかげで助かりました。
この御恩は一生忘れません。
これからは毎日感謝を忘れず生きていきます。
ありがとうございます。
この命は自分だけのものではありません。
無駄にする事なく生きていこうと思います。
貴方に誇れる人間になることを努力します。
世のため人のために生きていこうと思います。
ありがとうございます。
(L1) 2022/03/12(Sat) 21:00:55
公開: 2022/03/12(Sat) 21:05:00

【置】 共犯者 ユス

「……」

ありがとうございます。
(L2) 2022/03/12(Sat) 21:01:48
公開: 2022/03/12(Sat) 21:05:00

【人】 ユス

「お母さん」
「お父さん」

「俺は何故生まれてきたんだろう」
(27) 2022/03/12(Sat) 21:03:18

【秘】 ユス → 共犯者 ツルギ

 女の頭へ振り下ろす。

 女の頭へ振り下ろす。

 女の頭へ振り下ろす。

 誰にだってできる、簡単な単調作業。
 女が物言わぬ肉塊になっても尚、ずっとそうし続けていた。

 珍しい景色が見たかった。
 もう一度考えることを始めた心が、久方ぶりに動くほどの景色が見たかった。
 
 俺の中にある他人を見ず、俺を見てくれたお前が心から笑う姿が見たかった。

 もう、それしかないんだ。

 それだけが、生きる理由なんだ。


 ……一成。

 
 俺の命は、俺だけのものではないから。
(-154) 2022/03/12(Sat) 21:04:21
加害者 ユスは、メモを貼った。
(a40) 2022/03/12(Sat) 21:05:46

【秘】 普通 ナツメ → 共犯者 ユス

>>-126

「あっ……」

 そのくらいで……と言いそびれ、コップの9分目までだばだばいただいてしまった。
 もたつく口の中をもらった水で潤して。

「え」


 固まった。
 どんぐりクッキーに伸ばした手も止まっている。

「ユスくん、嫉妬とかするんだ……」


 かなり驚いている。失礼。
(-160) 2022/03/12(Sat) 21:47:11

【秘】 普通 ナツメ → 共犯者 ユス

 そうして、後悔の話。

「んー……うん、投票したことそのものというか。
 知ろうとしなかったこと、かなぁ。
 知らない人なら投票できるからって、そういう……」

 その一方で、エノさんの分は勝手に挽回した気になって、後悔から外している。
 そういうものを自覚するたびに、胸が重たくなる。

「……綺麗なままでいたかったなぁ」

 って。思うよ。ぽそ、と零したそれが本音。
 元から清廉潔白というわけでもなかったけれど、自分がそういう選択をできる人間なんだということは、できればあんまり、知りたくはなかった。
(-161) 2022/03/12(Sat) 21:48:35

【秘】 共犯者 ユス → 普通 ナツメ

「どうやら嫉妬するらしい。俺も驚いた。
 俺のものに手をつけられるのは酷く嫌だった」

 まるで他人事のように答える。例えようのない、制御しようがない心の動きを自分の中で観測するなんて随分と懐かしいものだったから。


 さて、後悔の話に関しては。

「成る程な。逆に知らなければ精神的に負荷が掛からず済むと考える者だっているだろうに、ナツメはそうではなかったということか」

 どんぐりクッキーをひょいと口に入れ、水で喉を潤してから言葉をまとめる。

「知らないことを綺麗だと言うのか。
 俺は逆に、そういう自覚できていなかった己を知ることが出来れば今後何処かで活かすことができる情報が増えると考えて良いものだと思うのだがな」

「知らなければ挽回も出来ない。知らなければ改善も出来ない。知らないまま悪手を取り続けたとしても、気付けない。
 それは時に罪とも呼ばれるし、愚かとも蔑まれる。

 無知のまっさらで綺麗な白より、俺は多くを知っている濁りの方が好ましいと思うぞ、ナツメ」

 貴方をフォローしているというより、最早個人の好みの話をしているようだった。
(-162) 2022/03/12(Sat) 22:58:28

【神】 共犯者 ユス

 指をさす姿を見るのもなんだか懐かしく感じられるな(>>2:11)と思いつつ、「行儀が悪いぞ」と言ってやった。今回は規律を遵守する者ではなく、単純に揶揄うつもりで。

 叩きつけられたメモを見る。

「ふむ。だいたい何も決まっていないな」

 馬鹿正直に答えながらツルギにもメモを渡しつつ。

「だからこのメモがどんな話になるのか分からない。
 完成したら、ツルギと観に行くかもしれないな。お前にとって悔いのないものを作ってくれ。俺は舞台を見たことがないから、お前の作品が初めての舞台鑑賞になる。
 一人の観客の舞台イメージが良いものになるか悪いものになるか、お前次第ということだ」

「頑張るといい。頑張ったら、脚本芥像の建設費用少しくらいは出すことを考えてやるから」

 そう言いながら貴方が裁判場へ出ていくのを見送ったのだった。未来の自分達がどんな景色を見るために何をするのかなどは伏せたまま。

 ……それは、貴方と話をするのに必要ないだろうから。
(G33) 2022/03/12(Sat) 23:40:02
ユスは、アクタから貰ったメモを撮影して端末に保存した。
(a47) 2022/03/12(Sat) 23:41:06

【秘】 共犯者 ツルギ → 共犯者 ユス

通帳を片手に、水を一気飲み。グラスをそのまま置こうとして、リュックに入れる。空き巣の証拠は最低限でいいからね。
使う予定のない荷物をまた増やして、リュックの中に。

バットを持つ君へは、「いってらっしゃい。」と軽く返事をした。コンビニに行く人を見送るくらいの軽さで。

現れた君の母親を見て、やっぱり顔立ちが少し似てるなあ、と思った。
俺とあの女程ではないけれど。

蹴飛ばされた鞄の中から財布を探し出して、現金だけを回収する。

繰り返される殴打音。間近でしか聞いたことがないから、離れた場所から聞こえてくるのは少し新鮮だった。
背中に向けた、品定めをするような視線に君は気付いているかな。


あの日はどんな感じだったっけ。

………上手く思い出せなかった。いつもそう。
意図的に思い返すと、薄い膜が張ったみたいにボヤけて景色が見えなくなる。
呻き声が煩わしくて、泣き声が煩かったことだけは、はっきりと思い出せるのに。
(-167) 2022/03/13(Sun) 1:14:19

【秘】 怪物 ツルギ → 共犯者 ユス

青年の濁った瞳が、硝子のような冷たさを滲ませていた。
君にご褒美笑顔をあげなきゃって思うのに、口角が全然上がらない。

「………お疲れ。」

自分でも驚くくらい冷たい声が出た。
かつて母だった女が、呆れた時に出す声色に近い気がした。

氷とかじゃなくて、これは、そう───包丁みたいな。
失望だ。


俺にとっての生きる理由は、いつか理解者が作り出せるかもしれない≠ニいう可能性であって。
決して、君自身じゃない。


俺はね、義徳。
君≠ニ書いて、望み≠ニんでいる。
だから好き。


「…服、着替えなよ。返り血付いてる。」

君とこの青年に大きな違いがあるとすれば。
視野の広さ、というよりは……視野の高さかもしれない。
自分を含むどんな人間にも代わりがいると知っていて、だからこそ君を希少だと考える。
君も俺も、山に転がる石の一つ。ひょっとしたら、同じ形の石があるかもしれない。
そんな山を、青年は見下ろしている。

同じ形の誰かがいたら。
そちらの方が可能性が高かったら。
この青年は、何の躊躇いもなく君を手放してしまう。

俺、思ってたより短気みたい。
でも頑張るよ。気を長くして、待ってるよ。
(-168) 2022/03/13(Sun) 1:20:01

【秘】 共犯者 ユス → 怪物 ツルギ

 何も聞こえない。
 痛いほどの静寂が広がっている。耳に飛び込むのは自分の乱れた吐息だけ。

 家族がいない時の家はこんな感じだっただろうか。でも、一人でいた時の空気にしてはいやに気持ち悪かった。落ち着かない。

「………………はぁ」

 俯けば普段後ろに流しているはずの前髪がだらりと視界を塞ぐことに気付いた。鬱陶しさに思わず乱雑に片手で前髪をかき上げれば僅かに滲んだ手の汗が額をかすかに濡らした。

Wなんか事故でもあって、親が死ねばそこで終わるけどW。

 あの時、紛い物の世界の中で貴方が語った嘘を思い出す。

「……あれは確かに嘘だったな。
 死んだところで何も終わりになるはずがない。
 死者が齎すものは名残のみ。終止符をくれることなど決してない」

 もう一度、深いため息をついた。

「終わったところで、楽になるという気持ちなど手に入らないな」

 葬儀が面倒だなとか、遺産の処理も考えるだけで億劫だとか、そんな場違いな事が脳裏によぎった。
(-171) 2022/03/13(Sun) 3:56:31

【独】 共犯者 ユス

 ──こうして、似た状況を作り上げて気付いてしまう。気付いてしまった。

 ああ、彼と相互理解するのは不可能なのだと。

 可能性も、見いだせないと。


 胸に去来する感覚に意識を向ける。
 血の繋がる人間を全て殺した時から迫り来る何かが、みるみるうちに心を食い潰していく。

 無理だと悟った原因。心を埋め尽くす一つの感覚。

 ああ、それを、言い表すならば──。
(-172) 2022/03/13(Sun) 3:57:30

【秘】 この日の ユス → 怪物 ツルギ


「虚しいな」

(-173) 2022/03/13(Sun) 3:58:51

【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ

 ただただ虚しい。何もない。
 救いもない。絶望もない。
 楽にもならず、苦にもならない。

 ただ心の中に虚が広がっていくばかり。

 憤りは当然のこと、寂しいも悲しいも苦しいも何もなかった。

 全て自分の意思だ。
 自分の選択で殺した。
 家族だけじゃない。己もだ。
 考えることを放棄した時に自分は心を切り落としたんだ。

 他の人ならきっとやりようはあったかもしれない。でも自分はこの選択を取り続けた。やめる事ができた筈なのに、望んでこの選択をし続けた。

 人の心臓を貰い救われて、誰か見知らぬ人間が選ばれ死んでいく事実を踏み台にして生きて帰ってきたと思えば家族を皆殺し。
 親不孝者、忘恩の徒。

 命を踏み躙る怪物、人でなし。今の自分はまさにそれだ。
(-174) 2022/03/13(Sun) 4:03:01
ユスは、小さく喉を鳴らした。「……ふ、は。……はは、ははは……」
(a55) 2022/03/13(Sun) 4:03:23

【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ

 どうしてこんな生き物になってしまったんだろうな。
 父も母も堅物が過ぎるが、真っ当な人だったのに。何一つ不幸せな事などない、ごく普通の家庭だったのに。

 どうしてだろうな、なんでだろうな。
 同じ境遇にあっても、他の人はきっと違っただろう。

 ……ああ、ツルギが話していたな。

W生まれた子供に罪はないWと。

 罪は無い。罪が無かったとしても、だ。
(-176) 2022/03/13(Sun) 4:06:40

【独】 怪物 ユス


「俺は、生まれてきたこと自体が間違っていたんじゃないか」

(-175) 2022/03/13(Sun) 4:07:36

【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ

 結論を口にする。それでも何か思うところなどない。あったとしても、きっと生まれたそばから抜け落ちて周りに叩き落とされ潰れている。

 だって、自ら器の底を切り取ってしまったのだから。
(-177) 2022/03/13(Sun) 4:08:25

【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ

「…………」

 WそれWを見た。
 氷とかじゃなくて、これは、そう───包丁のような。
 馴染みのあるものだった。自ら何もかもを切り捨てた自分に呆れた人間がよく見せていたものだ。

 理解する。
 声に出さずとも、その声その目その態度が全てを伝えてくれる。
 可能性をまだ純粋に信じていたのなら、そんな反応見せる筈がないだろう?

 なんだ、もうお前も分かっているじゃないか。
 きっと無理だ、同じ景色を見るなんて。


 なんだかおかしくてもう一度乾いた笑いが出そうになった。目の前で笑ってやろうかと思った。

 笑ったまま、目の前で死でやったらどうなるんだろう。
 悲しむ? 泣いてくれる?
 ああでも、きっとただ可能性がありそうな人間を失ったと落胆するだけのような気もするな。

 お前が泣いていたのは、本心を晒した時だったから。
 夢が叶わず落胆するなんて、もう散々経験しているものな? 慣れているだろう?
(-178) 2022/03/13(Sun) 4:09:49

【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ

「ツルギ。ここは暗いな」

 徐に口を開いた。

「俺のいる場所は、周りが色褪せて見えたままだ。けれど此処が明るく鮮やかな訳じゃない。暗くて、誰もいない。
 
 誰もいないんだよ」

 こんな人でなしの周りなんて。

 けれどきっと、貴方と同じ場所にはいない。
 こんなにも近くにいるのに、自分たちは。

 ──ひとりぼっちのまま、それぞれのトンネルに閉じ込められながら並んでいる。
(-179) 2022/03/13(Sun) 4:10:36

【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ

 服を着替えろと勧めた貴方の言葉を無視して貴方の目の前まで歩み寄る。

 普段綺麗に整えられている髪も、数歩動いただけでぐちゃりと揺れて崩れた。濡羽色した前髪が、ばらばらと血に塗れた青年の顔を覆っていく。

「…………」

 一度濁れば、もう無色透明に戻ることは叶わない。
 人でなしの汚濁を湛えた眼差しが、じぃと貴方を見下ろしている。

「……………………」

 かすかに小首を傾げる。
 こきん、と己の首の骨が高く鳴いた。
(-180) 2022/03/13(Sun) 4:11:34

【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 怪物 ユス


当然ながら覚えのある言葉に、少しの間。

『あはは』

『そうですね 夢でくらいは』

『夢でくらいは、幸せになったって、いいですよね』

眠りから覚めれば消えるような、淡く、脆く、幸せな夢を。
二度と覚めない眠りの中に閉じ込めて、
誰にも話さずそっと抱いて眠るのだ、なんて。

ああ、言葉にするだけなら、随分綺麗な夢物語だな。
(-181) 2022/03/13(Sun) 6:57:30

【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 怪物 ユス


『そうじゃなかったら そうだなあ』

『きみにとってはそうだったんだなって、思うだけ、かも』

少し残念だとは思うかもしれないけど、結局は他者の感傷だ。
あなたのいいえ、の仮定にはそんな答えを返して。
それから、あなたの話に、また少しの間。

『そうですか』

『無駄な命なんて、僕は無いと思いますけど』

『少なくとも、本人以外の誰かが決めることじゃない』

本人が、嗚呼人生は無意味だったと嘆く事は、良いのだけど。
生きる事も死ぬ事もその人の自由で、その舵取りは本人次第。
少なくとも他者が勝手な評価を下して良いものではなくて。
無味乾燥な生はあったとしても、無駄な死は存在しない。

そもそもの話、意味ある死など本来存在し得ないのだと思う。
仮にあらゆる死に意味を見出そうとするならば、
災害、事故、病気、唐突な理不尽に命を奪われた多くの人間は。
ただただ、うつろへ向かって走っていた事になるのだから。

或いは、そうだな。
それに優劣を付ける事そのものが間違い、というよりも。
そもそもの話、全ての命には。
最初から、大した意味なんて無いのかもしれないな。
ただ、その過程に何かを見出す者も居るというだけの話。
(-182) 2022/03/13(Sun) 6:58:22

【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 怪物 ユス


『でも、そっか』

『きみにとって、少しでもなにか得るものがあったなら』

『僕の勝手な感想ですけど、よかったなって思います』

清掃員は、あなたの得たものを知らないけれど。
仮に知ったとしてもきっと、あなたがそれに満足しているのなら。
何を思っても、きっと『よかった』とは言ったんだろう。
何せ今のあなたの気持ちは今のあなたのものなのだから。
あなたがそうだと言うのなら、それは誰にも否定できないものだ。

始まりと終わりそれそのものには、大した意味は無くたって。
その過程に何かを見た事は、決して無価値ではないはずで。
その時の感情は、その時抱いた気持ちは、たとえ遷ろえども。
決してそれが嘘だった事にはならないはずで。
ならきっと、それで良いのだと、そんなふうに思うから。

『これからを生きていくきみ達に、
 暫くは・・・手も声も届かなくなってしまうのは悲しいけれど』

『でも きみが振り返れば思い出は変わらずそこにあるから』

『それは、ここでの時間も、それから僕も』

『きみが覚えている限りは、ずっと。』
(-183) 2022/03/13(Sun) 6:59:26

【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 怪物 ユス


『でも、だから、ユスさん』

『ここで一度、お別れですね』

夢の続きという今の距離は、懐かしむには近すぎるから。
現実を生きていくきみ達は、夢の名残だけを持っていけばいい。

『僕も、その、情けない話ですけど。
 きみには何かとお世話になっていましたから。
 最初に気を遣ってくれたのもそうですし、
 一緒に掃除をした事も、それから今も。だから』

『ありがとう。それから、さようなら。』

『帽子は、テーブルかベッドの上に。』

『僕の部屋の中の事は あまり気にしないでくださいね』

──雑然とした、ある種の生活感に満ちた部屋。
もう帰る主の居ない、現実には存在しない部屋。
VR内に今この一時のみ再現された、部屋の主の人らしさの縮図。

床に落ちているのは、優しい色使いで描かれた一冊の絵本。
めでたしめでたしで終わる、誰もが知っている物語。

変わった所と言えば、一つだけ。
最後の──
神さまが、天使に貴いものを持って来させる頁・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それ以降が切り取られただけの、
何の変哲もない、未完の絵本。

上葛掃守という人間が、最後に遺した憎悪反抗失望願望のかけらだった。
(-185) 2022/03/13(Sun) 7:02:28

【秘】 怪物 ツルギ → 怪物 ユス

投げかけた言葉が返って来ないのは、気にしなかった。返事が欲しい言葉じゃなかったから。

君の、家族を皆殺しにした感想を。
冷たい金属のような瞳で受け止める。

死者は終止符に成り得ない。
終わっても楽になんかなれない。
ゴールを壊しても、レースは続く。続いてしまう。

自分より少し上にある汚濁を、ただ眼球に映して。
君の瞳に映り込む俺も、人でなしの顔をしていた。
鏡みたいだ。


きっと君が死んでも、落胆するだけなんだろうな。せっかく捕まえた珍しい虫が死んだ程度の落胆しか抱かない。

……正しく夢だったなあ。
将来の夢、という文脈で使われる夢≠ナはなく、
夢を見た、という文脈で使われる夢≠ナある。
文字通りの、夢想だった。
(-188) 2022/03/13(Sun) 10:45:02

【秘】 怪物 ツルギ → 怪物 ユス

「…………………はぁ。」

───さみしいんだ、


紛い物の空間で漏らした言葉。俺という怪物が、心の臓を動かすための原動力。

淋しい。
淋しくて寒い。
いつもそんな自分を見下ろしている。

諦めきれたらどんなに楽だろう。

「………ああ、そっか。」

見限れたらどんなに安らかだろう。

「これ、虚しいって気持ちなんだ。」

どうして君みたいに、期待を捨てられないんだろう。
勝手に期待して、勝手に裏切られて、勝手にそれを繰り返したくせに。

今だって、そう。
(-190) 2022/03/13(Sun) 10:49:02

【秘】 怪物 ツルギ → 怪物 ユス

「……暗いだろ?」

君と出会ってしまったからかな。

「ひとりぼっちだ。ずっと。」

初めて会った時に死んでおけば良かった。
いや。もっと、もっと前に、死んでおけば。


怪物だから孤独なのか、孤独だから怪物なのか。

きっとどちらも正しい。これはイコールで結ばれているから。

俺たちは、生まれてきたこと自体が間違っていたんだよ。


導き出した結論は同じはずなのに、君の姿が見えないのは、そういうことだ。
思うところはあったはずなのに、生まれたそばから零れ落ちていく。器の底は、元から無い。

孤独を理解できるのは、孤独な者だけ。
寄り添うことなんかできない。
───だって、孤独なんだから!


生きる気力は元から喪っていた。
死ぬ気力は今無くなった。
殺す気力も失った。
全て無意味。

どっちでもいいんじゃなくて、どうでもいい。

果たして君に、俺に、何かしらの価値は残っただろうか。
……、…………わからない。
考えるのが億劫だ。

なのにどうして、苦痛だけが大きくなる!
(-191) 2022/03/13(Sun) 10:50:29

【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ

「ツルギ。聞きたい事がある」

 怪物は静かに貴方を見ている。

「お前の目には、俺が……俺たち人間がどう映っている?」


 その濁りは、貴方を見下ろしている。

「これは全て俺の意見なんだがな」

「お前は出会う者たちを理解者たり得るか、そうでないかの基準でしか見ていないんじゃないかと思うんだ」


 じっとこちらを、周りを見据える刃物のような視線を思い出していく。
 貴方は己を試していた。ずっと、ずっと。
 今だってそうだったのだろう。
 自分に都合の良い存在かどうか、試していた。

「周りの顔色ばかり気にして」

「そのくせ、試すようなことばかりをして」

「怖くなったら予防線を張って」


「お前自身が、お前の周りに瓦礫を積み上げる」


(-194) 2022/03/13(Sun) 12:59:59