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【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル『なんだ!! やってやるよ!! ぐぬぬぬぬぬぬ。 買い物を早く終わらせろよ!』 どこでも良いんじゃ無いか、といいつつ告げたのは。 屋台が並ぶ通りの前にある外への門が見える場所。 旅立つ者が最後に寄る、保存食が売っているお店。 白いふわふわは結構の間悩んで、閑話休題。 『ああ、思い出したあれは!』 『 の花だ』 ―― 。 白のネリネに、シオンの花。 そこに秘められた言葉は、人間が込めた意味は様々で。 その言葉に重なるように黄色のふわふわが目に入った。 (-5) 2022/03/28(Mon) 23:58:06 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル「選んでくれたのはそれか……? ん。この色は気に入った。 ……、……? うまくいかない。つけてくれ、ユピテル」 あなたの手を取り共に下に引っ張り込む。 膝を折って服の裾を持ち上げつつ、流れる髪をかいて褐色の耳を空気にさらして無表情に笑いかけた。 「揃いの物を考える前にこれで満足してしまいそうだ。 おかげで……次が悩むな。少し時間は使うことになる。 もうしばし付き合って欲しい」 時計でも、お守りでも、香り袋でも。 どれも特別になって思い出になるだろう。 だから、正直なんだって良いとは、今の時点では秘密にしておくことにしたのだ。 (-6) 2022/03/29(Tue) 0:00:23 |
【独】 行商人 テレベルムゲーム終了後、景品を貰って人気の無いところへ。 小さくため息をつけばその無表情はなんだか憂鬱そうだった。 白いふわふわは傍に居ない。 ゲーム終了前に無くなった花の蜜のネックレス。 向こうの作戦会議から聞こえた、自分を狙う声。 素直に勝利がどちらに渡ってもいいと、可愛らしい黒猫の彼女に先に贈ってやったり。 「もう少し色気のある花を一緒に渡してやるべきだったか? たかがゲームに……変な気があるように……いや。 先日までの俺がそんなことを気にすることも無いよな」 いや、恥ずかしいな。恥ずかしい。 この数日間の自分が頭によぎって、非常に頭が痛い。 (-7) 2022/03/29(Tue) 0:15:22 |
【人】 行商人 テレベルムゲームでの生存者は少ないけれど。 勝ってしまったからには手にいれてしまった景品。 花弁の入ったはちみつの瓶、ハーブティ。 お花の形をした木の実のクッキーとポプリのセット。 籠にいれて持ち歩いてどうしようかと覗き込みつつ。 「リュシーかニアにでもやろうか……。 ラキ、という奴には、甘い女の子がいただろうし……」 それでも手に入れた勝利に一瞬だけ笑みを深めた。 一瞬だけ。本当に一瞬だけ。 (6) 2022/03/29(Tue) 0:18:06 |
テレベルムは、からかってない。だが、イクリールの職業が……仲よさそうで良かったな? (a4) 2022/03/29(Tue) 1:01:22 |
【独】 行商人 テレベルム"ぼろ" が出てしまう前に、皆の前から姿を消したい。完全に病や時差ぼけが治ったテレベレムは目を瞬かせた。 ある程度のぼけが飛んで、蝶々やふわふわしたものに心がつれていかれるなんてことがなくなったのだ。 本当だ。あんな子供みたいなまね、もう二度としてやるものか。 来年に来る約束をしているが、少しは心が追いついているとだろうか……なんだったんだあのふわふわした自分は。素直すぎて驚いた。大体素直に物を言う性格だったが、ああいう素直とは違うのだ。全く違うのだ……。 「よし、帰るか」 会場に背を向け、祭りの終わりの余韻を感じながら。 街から出て行く準備の為に宿にこも、………る前にやり出した日課は終わらせることにした。 まだ全員を描いてはいなかったな。 最後の一日、店は無人でも開いておこう。 (-8) 2022/03/29(Tue) 1:03:04 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「はいはい、時間はあるからゆっくり思い出して〜」 あいも変わらず賑やかな声に呑気な返事をしながら。 場所の指定には了承の意を返し、 支払いを済ませ、店主から受け取った品を手渡して、 贈られた花に込められた意味は知らないけれど。 まあ、知らなくたって何とかなるし、後から知るのも面白い。 そして知る事に遅いという事はない。 つまりはこれもまたそういうことだ、そうは思わない? 「うん?ああ、慣れないと若干難しいかもだ? オッケー、ちょっとじっとしてて!」 手を引かれ、イヤーカフを受け取って。 少し屈んで、金具を耳朶に掛け、少し位置を調整して、… 「……はいできた、もういいよ! うん、いい感じじゃない?似合ってると思う!」 離す直前、その縁を指先で一撫でして、するりと手を離して 耳元を飾る、ささやかな対比の色に満足気に笑った。 (-9) 2022/03/29(Tue) 2:41:24 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「さってと、次はどうしようかな…」 それからよいせと立ち上がって、暫し考える間。 悩む為の時間はまだあるけれど、 行きあたりばったりに探すばかりも何だしな。 そこまで考えて、あ、そうだ。 「──いいこと思い付いた! もう少し行った所に知り合いのやってる工芸店があってさ。 私はあそこの彫金細工が結構好きなんだけど… 確か時計なんかも取り扱ってた気がするんだよな」 見に行くだけでもどうだろう? そう提案して、また片手を差し出した。 その提案に乗るなら、案内された先は小さな工芸店。 旅人の話を聞いて店主が取り出したのは、 名も知れぬ花の意匠の揃いの懐中時計。それが二つ。 蓋を飾るのはとろけるような深い蜜の色のアンバー。 曰く、ある国では。 アンバーを贈る事が、幸運を贈るという事を表すのだと。 (-10) 2022/03/29(Tue) 2:42:34 |
テレベルムは、ラサルハグにつれられて、花火を見る。まったく、――どちらが魔術師なんだか。 (a11) 2022/03/29(Tue) 4:50:17 |
【置】 行商人 テレベルム店の前で小さな画板を取り出して絵を描き始める。 碧を取り出す、ぬりぬりとクレパスを擦る。 髪は色を混ぜ合わせて、特徴的な翠と碧を使う。 完成したのはパンケーキを食べているアルレシャの絵。 橙を取り出す、ぬりぬりとクレパスを擦る。 髪は色を混ぜ合わせて、特徴的な白といつかの飴色を使う。 完成したのは蜜のかかったワッフルを食べている シェルタンとナフの二人の絵。 笑い合ってる彼らを描いたあと、自分自身の絵を描こうとして。 ふと、鏡を見たところで、筆を置いた。 (L0) 2022/03/29(Tue) 5:03:49 公開: 2022/03/29(Tue) 5:05:00 |
【置】 行商人 テレベルム水晶が揺れて、呼吸が止まる。 ――一度深呼吸をして、別の紙に自画像を描いた。 色の無い髪に色の無い瞳、それを描くのに様々な色を使う。 なんと無情で、そして、心地良い時間だっただろう。 (L1) 2022/03/29(Tue) 5:04:27 公開: 2022/03/29(Tue) 5:05:00 |
【人】 行商人 テレベルム>>8 ラサルハグ 「なっ……ラサルハグ?」 は? 被写体にするのは楽しかった、その手の感覚も感情も残っているのに、寝ぼけた気分から覚めた自分にとってはなんとも気まずい気分にさせられた 「……い、今すぐ出ようと思ったがそうだな。 リュシーの為にも絵を描いてやりたい。 まだ全員分描けていなかったから彼らを描いたら―― は? 」結局口に出してしまった。今までの自分の発言からすれば、妙に聞こえるかもしれない其れを打ち消すように言葉を続けた。無表情であることをありがたい。 「一緒に……そ、それも良いかもしれないな。 ラサルハグとはまだ話したかったんだ。 旅の話や、それなら……そうだな」 予約の時間を教えてくれ……と、無表情は少しの困惑を含めて髪を揺らした。 多少健康的に見える彼は、随分と物をハキハキ言うようになったが、その代わり戸惑いを覚えたようだ。 (12) 2022/03/29(Tue) 6:59:07 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル (-16) 2022/03/29(Tue) 9:13:28 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル「なるほど……それじゃあそこも、見よう。 ついでに取引先に出来ると良いが……」 ごくたまに商人らしさを見せながら、またつれられて工芸店へと向かった。 目に入る宝石や細工品の輝き。 髪にいくつもの光を反射させながらまじまじと店内を眺めていたが、用意された懐中時計を見れば目を輝かせるようにして興味深げに近寄った。 金属に溶けたアンバーの色に見蕩れ、寸分違わず刻まれる針の音に耳を傾ける。 ほう。と感嘆の息をこぼせば、その盤を長い指でなぞった。 「ありがとう、ユピテル。 せっかくの揃いだ、絶対に無くさないようにしよう」 出来れば、あなたも。之をなくさないで欲しいと思う。 なんだかあまり考えたことも無い感情がふっと沸いて、 そして霧散せずに胸の中に残った。 刻まれる針の音も、輝く黄金も。 ――これが好きな色になりそうだ、と。 そんな事を考えて、再び帰るまでの道のりを再び手を繋いで歩いただろう。 (-17) 2022/03/29(Tue) 9:17:53 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル―――― ―― ― ゲームが終わり、祭りも終わりの日が近づく。 テレベレムは大きな紙袋を抱えて辺りを見渡していた。、 人目を避けるように取っている宿へと駆ける、怪しい。 袋の中には日持ちする果実や干し肉に、長いパン。 美味しそう。 良い香りがするのでつい買ってしまったものである。 焼きたてが一番と言われたため、今日中になくなるだろう。 「――はあ、あいつはいない。な?」 まさかこんなところで誰かがぶつかってくるとも考えずに。 あえて日の当たる暖かい場所を避けて、あの笑顔と声から離れるように。 坂道の下から聞こえる子供達の声から逃げるように曲がり角を曲がった。 (-18) 2022/03/29(Tue) 9:20:29 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「ええ?何だって? 急げって言ったり止まれって言ったり今日は随分──」 曲がり角を曲がった、瞬間。 「どわあああ〜〜っ!!!!!」 ごちーん! と音がしそうな勢いでぶつかって来たのは、今や見覚えのあるものになってしまった茶色のふわふわ頭。 ぶつかり盛大によろめいて、目をぱちくりと瞬かせた後。 「……あれ、テレベルム? こんな所で奇遇だね──じゃなくて。 うっかりしてた、大丈夫…大丈夫じゃなさそう?」 やや困惑気味な様子を隠しもせず問うけれど、 多分この状況に於いて、一番困惑しているのはあなたの方と思う。 何はさておくとして。 さてあなたがその手に抱えていたものは無事だろうか? 無事じゃない?無事じゃないかも…… (-19) 2022/03/29(Tue) 10:32:22 |
【秘】 行商人 テレベルム → 裁縫屋の子 リュシー「案内はするほどでもないが……? それなら、俺の国にでもまずは案内しよう」 綺麗な季節の花に、甘い菓子に。 それに友人もつけば。 「それなら家出でも、修行でも。 きっかけがあればいつでもいい。 外に行きたくなったらついていこう、 リュシーが行きたい場所に」 花畑で交わした約束は叶えられるものだ、そう相場が決まっている。 そう笑って互いの髪を揺らし合った。 そのときはきっといつかくる、……もしかしたら互いに成長した先で思うこともあるかもしれないが。 きっとそのときも笑っているのだと、そう、思った。 (-28) 2022/03/30(Wed) 4:58:44 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル「 うわっ……! あ、……ユピテル? なんと、美味しそうなパンは無事だった。 しかし中から零れだした丸い果実はゆっくりコロコロ……と坂道を転がり行く。 慌てて追いかけようと手を伸ばすも、 妙にこの現状にどういった表情を見せれば良いかわからず動きが鈍ってしまった。 「だ、大丈夫だ……。 強いて言えば果実が今から川のように流れて何処かに落ちていくだけだろう。 ……奇遇、そうだな……奇遇。 ああ、さっき通りかかった屋台のパンが旨そうだった、お前も食べると良い。それじゃあ……今日はもう宿に戻るから、ここで。 ぶつかって、……悪かった、な? 怪我していたら冷やせよ」 (-29) 2022/03/30(Wed) 5:02:16 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「ありゃ、ほんとだ…… 拾うの手伝うよ、放っておくのも何でしょ? パンは逃げ…るかもだけど、また今度行けばいいし」 少しずれた髪飾りを直す傍らに、 坂の方を見遣れば無常にも転げ落ちていく果実が見える。 拾いに行くと言ってすぐ、やや早足に坂の方へ向かった。 ──花飾りは、今日も変わらず髪の上で揺れている。 それに構わず背を向けてしまえばこの場はそれで終わり。 とはいえ途中であなたが姿を消せば、 旅人は付近を片っ端からあたって探しに行くだろう。 残念ながらそういう奴なのだと、想像に難くないはずで。 「……あ、そういえばさ」 そうして転がっていったものを拾い集めた後。 あなたがまだ近くに居れば、 実に他愛ない雑談のような調子で話を振った。 「もうそろそろ約束の日だよな。 君、次はどの方面に出立する予定なんだっけ? 思えば君の故郷がどの辺りか聞き忘れてたなって。それと」 「何か思い出せた事はあった?」 (-30) 2022/03/30(Wed) 6:55:43 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル揺れる青に言葉通り後ろ髪を引かれてしまう。 ため息をついて、風に靡く白銀をかきあげれば紙袋を抱え壁にもたれ掛かった。 「約束の日は……ずれるかもしれん。 赤色の男に肩をぶつけられてしまって? 少し出発が遅れそうだ……。 それで旅の行き場所か。 そう、だな……。 まずはここで手に入れた特産物を 森を抜けた先の村で売りにいく予定だった。 ……売り上げが良ければ港街にいって 船に乗るつもりだ?」 「売れなければまたその辺りをうろついて、 じゃない 。なぜ教えねばならんのだ」海の向こう側、妖精と親交があると尋ねれば人の世でも噂に上がる国があったりするだろう。 そうあまり深く考えずに告げていたが、個人情報を漏らしすぎたか……? 眉を潜めつつ、再び髪をかきあげて触れた黄色のふわふわに手が止まった。 (-33) 2022/03/30(Wed) 10:16:50 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル「思い出せたこと……?」 ありましたけど……。 「……旅には、お前には、関係ないだろ。 迷子になると思うなら心配するな、 国にたどり着けなくともいつか辿り着く。 ユピテルはユピテルで旅をすれば良い。 ……足並みは揃える必要はないのだから」 (-34) 2022/03/30(Wed) 10:18:42 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「おや、へえ。ちょうど良いね? 件の人には感謝した方が良いのかもしれない。 時に──君って天気予報は聞く方?」 ふと、白銀の合間から覗く暖かい色が目に留まって。 それから、出立が遅れるという言葉に一度目を瞬かせた。 続いてそれを、災難、ではなく、幸運な出来事のように言う。 「当然聞くだろうね。何せ旅をするんだから。 でもずっと先の予報まではそうそう聞けないだろ? 大抵はどんなに風や空を読むのが上手くたって限度がある。 この街では私は予報士の仕事はしていないしね」 この旅人とて、路銀の為にたまに仕事をしている。 たまに。 そしてそれは、大半が風を読む類の仕事だった。 その中で予測を外した事は、これまでに一度も無い。 「つまり。その方面の空模様は、 この祭りが終わってすぐは少しばかり荒れるらしい。 何も春の嵐、というほどではないし、 少し出立を遅らせればまったく問題無い程度だけどね。」 (-35) 2022/03/30(Wed) 11:55:33 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「で、ここまではちょっとした親切心。 なんでって言ったらそりゃあ、もしも行き先が同じなら 旅の連れ合いは多い方が当然楽しいだろ? 何より私も次は向こうの港街に行くつもりだったんだ。」 何せとりあえず港に行けば遠くへ行けるし仕事もある。 旅人は、毎年春は決まってこの街に来るけれど。 他の季節の行き先は案外一定していない。 「もしかして君、 私が君は一人じゃやっていけないんじゃないかって そんなふうに心配してると思ってる?」 「もしそうなら、それはちょっと思い違いをしているな。 君は私が居なくとも何処にだって行けるし、 私も君が居なくとも何処にだって行ける。 少なくとも私はきっとそうだと思っているよ?」 実際の所。 旅人はあなたがしたい事がある場合、大抵それに乗る形だったし。 あなたの頼みや約束は聞くけれど、それ以外は自由にやっていた。 それがいいと思ったら、その提案に乗った。それだけの話。 (-36) 2022/03/30(Wed) 11:56:40 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「それでもこうしてあれこれ予定を聞くのは。 やっぱり旅の連れ合いは多い方が楽しいと思うからだ。 話し相手の居る旅は、いつだって楽しいものだからだ。」 「旅先で、何かを見聞きして思った事を。 その場ですぐに誰かと話し合えるのは。 連れ合いの居る旅でなきゃできない事に違いないしさ?」 別に、できなくたって、死にやしないけど。 でもやっぱり、一人でそっと胸にしまっておくよりは。 やっぱりその方が性に合うんだよな。なんて続けた後。 「思い出せたかどうか聞いたのは、まあ一応。 そのままでも君が生きていく事に支障は無いだろうけどさ、 覚えてないって聞いたからには気になるものじゃない? それに、寝ぼけてるよりは起きてる方がいいだろ?」 目覚めた直後の微睡みは、心地良いものかもしれないけど。 まあそれはそれとして。 「それで、あとは、そうだな。 強いて言うとすれば。 旅の道すがら、もう少し君と他愛ない話がしたいってだけ。」 「なあ友よ、私はいつだって私のしたいようにしているよ。 それで今、たまたま君と足並みが揃うというだけの話さ」 (-37) 2022/03/30(Wed) 11:57:21 |
【人】 行商人 テレベルム>>15 ラサルハグ 「……そ、そうか。それはこちらも光栄。 また客寄せにもなってもらえそうだし同行は構わん……」 裾を引かれながら歩くのには慣れていたはずなのに、少しおぼつかないままついていく。 ずるずる…… 「……挨拶回り、はぁ……わかった。する。 ん? ああ祭りの感想か。良い街だったよここは。 何度、いつみても、また来たいほど。 ラサルハグとも。……昔の友人とも会えたから、な。特別な時間になったさ。 だが、時間は有限だ。 名残惜しくとも次の場所、次の世界への 出会いの価値も平等である。 いつまでもここにはいられんな。 おまえも挨拶したり 共に過ごすような間柄の相手が できたのではないのか?」 ずるずるずる…… だから早く町から出たいのに……そんな言葉は飲み込んでついていく。 たどり着けば手を離されるが、そのあとはまた合流するだろう。 しばらくは話すつもりらしいかった。 (19) 2022/03/30(Wed) 16:24:03 |
【秘】 甘言 イクリール → 行商人 テレベルム「なんだかすごい悲鳴が聴こえたような気がしましたが……。 い、いいんですか?」 面白半分でやったものの、本当に霧散してしまったので いつもの余裕そうな表情が少しだけ驚きへと変わった。 声が薄れて聞こえにくくなっている。 「……!あ、ラキさんのことご存知なんですねっ。」 自分が一人ではなかったことを尋ねられると、 すぐにその始終を説明しだした。あなたが知っている男と、 この遊びで二人で一つの大事な蜜を共有していたことを語った。 そしてその会話の流れであなたが手渡した白い箱を受け取る。 それは、この遊びに参加していた人々の絵画だった。 目をまんまるにして驚きつつ、興味津々に眺めている。 「これはこれは驚きました。この遊びの参加者の皆さん じゃないですか。私に、それに……ラキさんまでいますっ。 これを私に?もらってもいいんですか? ふふっ、薪だなんてそんな。ありがたくいただきますね。」 この絵画が気に入り、大事そうに抱える。 食べられるものではないが、このお祭りで持ち帰られる ものとしては大切な宝物になるだろう。 (-42) 2022/03/30(Wed) 22:00:25 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル「天気予報……・?」 いぶかしげに眉をひそめたが、このときの本心だけはばれていないと思いたい。 まさか行き当たりばったりで雨に濡れている自分がいたのが恥ずかしいわけでは無い、断じて。 「……ああ、ユピテルはそんな事が出来たのか。 だったら路銀にも困らず、一人でも良い旅がおくれそうだな」 「――わかってる。 だから、それは楽しいから共に旅をしたいというだけの ユピテルの行動理念だ。 記憶のことも、そうか。 お前は、あの時のままでいたんだな」 純粋にそんな存在であったのか、 それとも何も変化が無かったのかはこの際どうでも良かった。 (-44) 2022/03/30(Wed) 23:54:15 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテルこれはいつの日にかの記憶。 『だから今こうして話をしてしまったことを、俺は』 後悔している。していた。 もう一度出会えることを願って、もし会えなければ寂しいと感じるから。 『俺は必ず帰ろう』 『――その時はまた』 友、だと。 その言葉をかけられた時に、どうしようもなく心が動いてしまって。 だからこそこんなに長い間変わらずにいてくれた君の心を疑った。 それならばもう、素直に風と踊りたいと告げてやろう。 今度は立場が逆で、生まれも育ちも違う存在なのだから。 不安に思っていないことを、不安に思わせる必要はない。 友という言葉だけに、勝手に期待をしてやろうじゃないか。 (-45) 2022/03/30(Wed) 23:58:53 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル「其れでは問おう友よ。 俺は―― ユピテルだから 旅をしたいのだが、お前はどうだ?」「お前がやりたいことしかやらないのはわかった。 ならば、尚更同じような気持ちでないと 一緒に旅なんてしたくなどないのが本音らしい。 気まぐれで、楽しくなくなると辞める旅ならついてくるな。 ま、また別れが惜しくなる。時期をずらしてもらえるか? 俺はどうやら、"寂しく"なるらしいからな。 お前とは――――」 どこまでお揃いが出来るだろうか、そんな無駄なことを考えた。 どうか教えてくれないか、ユピテル。 「お前と揃いは、……之だけだろ」 気持ちも時間も、揃いになれる 柔らかい黄色のふわふわを揺らしながら。 無表情は不器用に笑いかけた。 (-46) 2022/03/30(Wed) 23:59:29 |
【人】 行商人 テレベルム>>21 ラサルハグ 集中しているときは自然と表情を柔らかくしてしまう。 自分自身の実力に後悔はしたことはない。 求められるものに、価値がなければそこに金銭と笑顔が生じないだけ。 自意識過剰かも知れないが、マイナスになる必要もなどないのだ。 つまりそんなタイミングで、酒や甘味を食うかのように自分の絵を味わっているときに。 突然話しかけられる者だから。 「……!? あ、い、なんだラサルハグ。 驚いたじゃないか……」 素面で言っているのかこいつ。大丈夫か? 「……」 いや、今なんて。 「 あっっっっっっっっっっ??!? あ、りがとう。親譲りだ……?」 恥ずかしいことを言うな!? ただ言葉を返してくれただけだろう行為にうるさくも言えず、 あの時の自分を殴りたい、ただそれだけを思った。 (23) 2022/03/31(Thu) 5:37:08 |
【人】 行商人 テレベルム>>21 >>23 ラサルハグ 閑話休題。 「そう、か……俺もここには戻る理由がある。 思い出が出来て、善いことが沢山あった土地だ。 友人達も居るからな、もう少し大きくなったら 旅に付き合ってやる約束もしたんだ」 「改めての出会い? …… あ” 。だ、大丈夫だ……だが、そうだな。 お前には街を出た時にでも体調のことについては話そう。 それがいい。 お、お前はこういいたいんだよな? 寝ぼけていた変わった絵描きのことなど、 忘れてしまう人は多いかもしれない。 大丈夫だ、多少旅人の雰囲気が変わっても 何度でも仲良くなれるに違いないさ。 ……また来るのが嫌になってきたな。 俺の頭は本当にあんなお花畑だとでも 」ブツブツ呟きながらも、肩をとんと並べ小声で漏らした。 これ以上は、イメージを壊すわけにはいかなかったのだ。 まったく、恥ずかしくて仕方ない。褐色の肌にわずかに朱を交えながら、こっそりとため息をついた。 (24) 2022/03/31(Thu) 5:49:05 |
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