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【人】 商人 J[ 男は立ち上がり女に近づいた。 蹲る女の髪を掴むと顔を上げさせる。] いい覚悟です。 しっかりと躾けてあげますよ。 [ 女の問いかけには答えず掴んだ髪を離した。] 地下牢に繋いでおけ。 [ マリエルに命じると共にもう一度さらに指を鳴らした。 ギアスを発動させるのにそうする必要はない。 ただ、男に意志に背いたり、男がそうしたいと思えばそれでいい。] (0) 2022/03/20(Sun) 17:29:42 |
【人】 商人 J[ 女が耐え難き痛みに苛まれながら、或いは気を失うか、どちらにせよマリエルは男の命に従って女を地下牢へと繋ぐ。 ギアスの痛みの中、抵抗を試みようとしなければ、女は冷たい石の牢獄へと繋がれる。 足に付けられた鎖の先に重い鉄球、手首には付けられた枷の鎖は壁へと繋がれていて、倒れ込むこともできないだろう。]* (1) 2022/03/20(Sun) 17:30:09 |
【赤】 商人 J[ 冷たい石畳、冷たい石の壁、そして冷たい空気。 日が差し込む窓の様なものはなく、壁な備え付けられたランタンの灯りが薄暗く部屋を照らす。 女が意識を取り戻したのは石の牢獄。 視界にあるのは石以外に鉄製の扉とあとは男だけ。 男は小さないすに座って女を見ていた。] ようやくお目覚めですか。 [ 相変わらず薄笑みを浮かべたまま。] (*0) 2022/03/20(Sun) 22:28:23 |
【赤】 商人 J[ 女はドレス姿のまま鎖に繋がれている。 まるで叙事詩に出てくる囚われの姫の様でもあるか。] ジャンヌ・アンペール。 いや、もうただのジャンヌか。 [ 立ち上がり女の元へ近づいていく。] 状況は理解できていますか? [ 女の顎に指をかけて前を向かせる。 その顔をに眼帯はない。ただ長く白い髪がその目を隠しているだけ。] (*1) 2022/03/20(Sun) 22:29:21 |
【赤】 商人 J……商品としてはまだ使えませんね。 [ ジャンヌ・アンペールの婚約者というのは随分と趣味の悪い好色家のようだった。ゆえに婚前前に手を出されていてもおかしくはないが。 白いドレスの上から男は女の乳房を鷲掴みにする。] 男は、知っていますか? [ 一部の者は初物を喜ぶが、闇市で仕入れる様な性奴にそんなことを求める者たちなどいない。 必要なのは男を悦ばせるための身体と技だ。]* (*2) 2022/03/20(Sun) 22:32:43 |
【人】 商人 J── 幾日も前のこと ── [ それが男の手に舞い込んできたのは本当に唯の偶然だった。 自由都市より西にある、自由都市より小さくだが栄えた街があり、そこでとある取引がなされた。 その街よりもずっとずっと西の良家から奪われた家宝。 青く澄んだ大きな輝石とそれを抱く翼の意匠のブローチ。 宝石だけでも価値があり、美術品としても価値があった。 持ち込んだのは粗野な盗賊だった。 少数で流れながら獲物を探して荒し回る様な無法者。 彼らがどうしてそれを手に入れたのかは定かではないが、その見事なブローチを餌にさらに次の獲物を釣り上げるのが最近の彼らの仕事だった。] (4) 2022/03/21(Mon) 0:20:05 |
【人】 商人 J[ その男は自由都市からやってきた。 盗賊たちが流した噂に釣られてノコノコとやってきた商人。 取引現場にきて男は自分が嵌められたのだと気づく。 ニタニタと品なく笑う男たちに囲まれて男はひとつ提案をした。] 私が血が好きではありません、 だから、貴方たちはブローチを渡し、 私は持参した金をすべてここに置いていく。 悪くない提案でしょう? [ 男の提案に盗賊たちは笑った。] (5) 2022/03/21(Mon) 0:20:20 |
【人】 商人 J『随分と気前のいいことだ ブローチひとつの代金とは思えない額だぜ』 [ だが男は薄笑みを浮かべたまま平然と見回した。 周りを屈強な男たちに囲まれているというのに、その姿は生殺与奪を握られた様子とは思えないほどに。] ええ、これは命の対価です。 [ 盗賊たちは再び笑った。 お前の命の代金はこんなものか、と。] いいえ、私の命には遠く足りません。 これは貴方たちの命の対価です。 [ 盗賊たちの顔からから笑みが消える。] (6) 2022/03/21(Mon) 0:21:27 |
【人】 商人 J[ だが、消えたのは笑みだけではなかった。 激昂した盗賊のひとりが男の胸倉を掴もうとしたが、その腕は一瞬にして5つに分断され地面に落ちた。 わずかな瞬間の後、男の首から上もまた地面へと転がった。] 交渉決裂ですか。 残念です。 [ あとは地獄が広がるだけだった。 男が操る鋼の糸は、20人近くいた盗賊を僅か数十秒でただの肉塊へと換え、自らの血で地面を赤く染めさせていた。] ……高くつきましたね。 [ あとには涼しい顔で薄笑みを浮かべた男がひとりだけ。] (7) 2022/03/21(Mon) 0:22:32 |
【人】 商人 Jではブローチの代金はここに置いていきます。 お釣りは結構ですよ。 [ 他には自由都市製の金貨がぎっしりと入った小袋が二つ。] お取引、ありがとうございました。 [ 胸に手を当てて物言わぬ盗賊たちだったものに一礼すると、男は静かにその場を去っていった。]* (8) 2022/03/21(Mon) 0:23:13 |
【赤】 商人 J[ 顎にかけいた指が離れ、次の瞬間に男の手は女の喉元を掴んだ。] 受け入れる、と? [ 男の薄笑みは消えていた。 女を見る視線は探るようでいて、冷たく、昏く。 乳房を掴んでいた手も離れていた。] 随分と聞き分けがいいですね。 [ この先に待ち受けていることがわかっていないのだろうか。] お前はこれからオークションにかけられ、 人を人とも思わぬ者に買われ、 その先はただの玩具として弄ばれ続ける。 [ それともどんな未来であっても受け入れるというのだろうか。] (*7) 2022/03/21(Mon) 10:00:06 |
【赤】 商人 J[ 男の手がドレスの上から女の股間を乱暴に掴み上げる。] お前のことなど省みない、 お前が誰なのかも知らない、 ただの変態によってお前のここが壊れるまで。 [ 掴み上げた手に力が籠る。] いや、ここだけではない。 お前の穴という穴を犯し続ける。 [ 女の、人間としての尊厳だって微塵も省みられることはない。] わかっているのですか? [ 男の顔が女の顔に近づき、喉を掴み手にも力が籠った。]* (*8) 2022/03/21(Mon) 10:01:17 |
【赤】 商人 J[ 理解し難い。 この女がなぜそこまで言えるのか。 騙されていたことはもう十分に理解できた筈だ。優しくされたのも全て女を嵌めるためだと。] ………… [ 理解のできぬ女の思考に男は言葉を失くす。 絶望の中にあれば壊すのは簡単だと思っていた。 抵抗するならその心を悉く砕けばいい。 だが、女はそのどれでもない。 自らそれを望むと言う。] そうですか。 [ 女から手を離した。] (*16) 2022/03/21(Mon) 16:51:15 |
【赤】 商人 J[ 女の治癒能呂は随分な価値となる。 いくら痛めつけようと、いくら傷つけようとも勝手に治るのだからどんな無茶だってできる。] それなら……試してみましょう。 [ 本当に心からそう思っているのか。 踏み躙られて尚そう思い続けられるのか。] リガートゥルを呼べ! [ 鉄の扉その向こうに向けて男が声を上げる。] (*17) 2022/03/21(Mon) 16:52:11 |
【赤】 商人 J[ しばし後、鉄の扉が開いて現れたのは2mを超える大男だった。大男はスキンヘッドに鼻から口にかけては鉄のマスクで口元は見えない。 その顔には大きく斜めに墨が入っており、犯罪者であったことを知らせる。] この男がお前の相手をする, [ そう言って男は出ていくでもなく、ただ椅子に腰をかけた。 男の冷たい表情と裏腹に、大男はニタニタと女へと近づいていく。] リガートゥル。 その女は男を知らないそうですよ。 優しくしてあげなさい。 [ 冷たい声が石の部屋に静かに響いた。]* (*18) 2022/03/21(Mon) 16:52:27 |
【赤】 商人 J[ 男は眉ひとつ動かさずにその様子を眺めていた。 女の口内が大男のデカマラで汚されている様子を。 そして、やがて女がその純血を奪われようとするとき。] 待て。 [ 男の名を縋るように口にしたのを聞いて静止の言葉をかけた。] どうしました? 私の望んだ通りなのでしょう? [ 大男はジュダスの言葉通りに身動きせずに待っている。] (*27) 2022/03/21(Mon) 21:57:29 |
【赤】 商人 J[ 男は懐から何かを取り出した。] 貴方はこれから女になるのです。 そして私の商品となるために。 何人もの男が貴方の上を通り過ぎる。 そうして快楽を植え付けられて。 私の数ある商品とひとつとなるのです。 [ 手に玩ぶのは翼に抱かれた青い宝石。] (*28) 2022/03/21(Mon) 22:05:05 |
【赤】 商人 J[ その宝石を見つめている。 女を見ずに、ただその美しい宝石を。] そうして、 私は貴方のことを忘れるのです。 何もなかった様に。 [ 青の宝石はただ静かに輝きを放っていた。]* (*29) 2022/03/21(Mon) 22:07:16 |
【赤】 商人 J[ それが両目の揃った魔女の力なのか。 重い鉄球を物ともせず、それどころか易々と振り上げて部下の頭を砕いた。] 馬鹿が。 油断するからですよ。 [ だが、その動きには多少の驚きはあった。 指を鳴らすまでもなく、その動きにギアスは女の魂に痛みを刻み込む。いかに耐えようとも、呪いによる痛みは逃れようがないのだ。だというのに女はそれを振り切っている。] ……魔女め。 [ 口元の薄笑みが、大きく嗤う。] (*35) 2022/03/22(Tue) 0:02:25 |
【赤】 商人 J[ 男は椅子に座ったまま豹変した女を見た。] これは私のものです。 契約を守れなかった貴方のものではありません。 [ その表情から笑みが消える。 暗い眼鏡は、男がどのように女を見ているのかを隠してはいるが、その顔は今まで女に見せたことのない冷たいものであることは確かだった。] (*36) 2022/03/22(Tue) 0:03:11 |
【赤】 商人 J私からこれを奪いますか? ジャンヌ。 それなら、私は貴方を捨てなければなりませんね。 [ それは明確な敵意。 客でも、商品でも、所有物でもなく。 女に向けた男の気配は、敵意だった。]* (*37) 2022/03/22(Tue) 0:03:52 |
【赤】 商人 J[ 脅しと取られたらしい。 実際には行わずに効果を狙うのが脅しであり、実際に行うのは宣言である。などと高説を垂れるつもりは無い。男の言葉が宣言≠ナある以上、どう受け取ろうと知ったことでは無い。] 今まさにこの手にあるというのに。 私のものでは無いと。 世間知らずもそこまで来ると救えませんね。 [ 豹変した女を前に男は変わらない。 薄笑みの消えた冷たい顔のまま、ただただ女の威嚇を受け流していた。] (*42) 2022/03/22(Tue) 12:31:34 |
【赤】 商人 Jほう? [ 女の雰囲気がまた変わった。 いや,変わったと言うよりも─── ] 何と呼べばいいかな? 魔術師の方。 [ なるほどと得心しながら、男の顔に薄笑みが戻る。]* (*43) 2022/03/22(Tue) 12:32:10 |
【赤】 商人 Jそれで? メーストルが何か用ですか。 [ 薄笑みを浮かべたままの男は少し呆れたように言葉を口にした。勝手に踏み入って好き勝手を始める魔術師に不快感がないこともなかったが、それよりも何しに来たのか知るべきだった。] おっと先に言っておきますが、 私の眼も少々特殊でして。 幻惑の類は無駄ですよ。 [ ディスイリュージョン 幻惑の類を無効にする魔眼。生来の視力の低さはこの魔眼の副作用でもある。そのため、ジャンヌの持つその眼に比べれば出来損ないと言えないこともないが。] (*46) 2022/03/22(Tue) 16:33:55 |
【赤】 商人 J[ 男は首を横に振る。] いいえ、茶を嗜む趣味はないので。 私の分は結構です。 [ 男は茶を辞し、勧められた席に着くこともない。 元より座っていた無機質な椅子に腰を下ろしたまま。] 何か言いたいことがあって出てきたのでしょう? [ ブツブツと何事かを呟く女には一瞥もくれない。 意志を持たない人形に用はないのだ。]* (*47) 2022/03/22(Tue) 16:34:19 |
【赤】 商人 J[ 実に魔術師らしい物の捉え方だった。 だが、その勘違いを正してやる理由はない。] なるほど。 大した魔術師ですね。 [ 如何に魔術的なラインが繋がっていたとしても、その支配を及ぼすには並大抵の力では足りない。故に、古代魔術はギアスという方法を使った。術師の力を常に使わずとも縛り付ける方法を。それが例の契約書だ。 魔術が万能であるならこの世を支配しているのは剣ではなく魔術なのだ。 故に、この魔術師の限界も見える。] それで? [ 長い前口上に興味はない。] (*53) 2022/03/22(Tue) 18:52:48 |
【赤】 商人 J[ 男は魔術師を見る。 おそらく幻惑の類、打ち消そうと思えばいつでもできる。 そうでないというなら、この場で殺してしまえばいい。 そして男は女を見ない。 興味を失ったかのように、まるでここに居ることすら忘れたように。 そこ視線も、薄笑みも魔術師に向けられている。 この場、この対話は男と魔術師だけのものだった。]* (*54) 2022/03/22(Tue) 18:53:05 |
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