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【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ何が起こったかわからなかった、と言うのが本音だ。 閉塞な牢に突如解放の知らせが届いた と言う噂を、逮捕者の後方で聞いていた女は、 四方八方に散っていった他の逮捕者達に後れを取り、 気付けば一人、見知らぬ廊下に佇んでいる。 そんな状況だから、偶然か意図的かはさておき、 この現在地すらもわからぬ廊下を歩いていた貴方を 見つけた時は、それはもう見てわかる通り、 明らかに安堵の表情を覗かせて、が、声をかける際は 一瞬緊張したように声を縮めて、話しかけてくる。 「Mi scusi. あの、人が解放され出したって本当でしょうか? わ、わたし、道がわからなくなってしまって……」 要は迷子であることを明白に伝えるのは恥ずかしいが、 背に腹は代えられず、よりによって洒落た伊達男に対して 道を尋ねる事になってしまったのを恥じるように、 視線が合わず俯いたまま貴方に声をかけている。 (-19) 2023/09/27(Wed) 16:28:03 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ>>30 ニーノ 暗い知らせと取締法が収束しかけ明るい賑わいを見せる頃。 空は晴れ渡り、火花が空に咲き―― まだ知人達が数人拘留されている時間、外に用があった男は出歩いていた。 そうしてふ、と一台の車が目に入る。 その車の運転手など見えない、ナンバーに覚えもない。 それでも、都合の良い『あいつ』の車だと気付いた瞬間、 ルチアーノはパレードの通りに向かって走っていた。 パン。 音がやけに大きく聞こえた気がした。 どんな状況であるか男は確認できないまま辺りを見渡す、そして漸く見つけた知り合いは。 賑やかな喧騒の前に立ち尽くす、彼らが大事にする小さな弟分だった。 「ニーノ!」 その呆然としている姿に声をかける、貴方はこの嫌な予感の当事者であったのか。 それとも、ただの、目撃者であったのか。 #BlackAndWhiteMovie (37) 2023/09/27(Wed) 18:18:59 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → favorire アリーチェ「ン? お嬢さんは――アリーチェかあ」 貴方に映るのはやけに興味深げに顔を見つめてくる男の姿だ。 それは迷子であることに対する興味か、 羞恥で目をそらしている事に対するものか。 実際はどちらでもあったが、重要なのは名前を即座に呼べたことだろう。 「ご機嫌よう、牢獄の生活は堪えただろう。 怪我や病気にはかかっていないか? 件の法案で捕まった連中はマフィアも警察もこぞって釈放だ。 俺でよければ道案内しよう。 だが、お嬢さんは確か幼馴染みがいたと思うんだが…… エスコートしてくれる色男は他にいないのかな?」 (-28) 2023/09/27(Wed) 18:27:53 |
【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ「ええ、アリーチェ……そう、なんだけれど」 「どこかでお会いしたことがあったかしら? こんな色男さんの名前を忘れる事はないと思うのだけれど……失礼ながら、お名前をお伺いしても?」 名前を呼ばれたことで正直に目をぱちり。合わせて頷く。 知り合いかと思って警戒が増すどころか緩む気配を感じる。 とてもじゃないが危機感がてんでないのがわかるだろう。 「私なんて、拷問された人に比べれば大したことないわ。 この通り、ネイルの一つ剥がれてもいないもの。 ……陰鬱な気持ちにはなったけれど、それは皆同じだろうしね」 爪を、剥がされている様を見たことがある。 それを裏付けるような話題のあと、無意識に手元を撫でる。 「……幼馴染……テオとニコの事? 二人とは牢に入れられてから一度も会えてないの。 この状況にまぎれて脱出してくれるとは思うのだけど…… 二人の友達なら、そっちを心配した方がいい気もするわ。 私、まだ探したい人がいて……」 (-32) 2023/09/27(Wed) 19:31:16 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ「……はあ、まったく……」 このあと直ぐにタートルネックを部下に持ってこさせた男は、あまり目立たせることなく監獄を過ごせることにはなる。 差し入れも、もしその時が来るのであれば助かったのだろうが。 「おー……まあ。少しでも寝られたか。 ついてやるとも言ったのに……こんなことして」 「おう、戻れ戻れ。ああだがちょっと最後に聞かせろ」 「お前にこの入れ知恵をしたのは誰だ? 絶対居るだろ。 そして……本当にそいつがここまでするように指示したのか」 ここまで、というのには首についた歯型を指している。 随分な見た目になったし、正直貴方がここまでやるとは思わなかったと返して。 (-46) 2023/09/27(Wed) 22:34:45 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ>>-46 「うん、 大事な仕事 があるからね」絶対に失敗できない仕事だ。 成功すれば、タートルネックを男が持ってくることはない。 それ以前にそんな時間は全くといっていいほどなかったのだが、それは未来の話だから割愛させてほしい。 「……?」 あなたに背を向けて牢を出ようとしたところ、かけられた言葉。 なんだろうと振り向けば、首についた歯型を指している。 これはどう返せばいいだろうか。 自問すること、数秒。 少しだけ言いづらそうにすること、数秒。 「……ええっと、ルチアをどうにかしたいならって話をしてきたのは、黒眼鏡だよ。 首のそれは……そうしたほうが良いのかと思って……その」 自分のタートルネックの襟を、ぐいっと引っ張る。 襟の下から出てきたのは、あなたについているのと似たような、多くの歯型と鬱血痕がつらなった首輪があった。 「 だ、かれる、のは初めてじゃなかったから ………見様見真似で」「あ、これは流石に黒眼鏡じゃなくて、その、………………… 後輩が 」怒られるかもしれないと、あなたに忠告される前の話だったのだ、と説明を付け加えたが、 多分。時期の話はあまり関係ないだろう。 (-48) 2023/09/27(Wed) 22:52:23 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ>>-48 「あの老害は俺を一体どうしたいんだ」 頭を抱えた、どうしてこんなことを教えたのだろうか。 俺になにか恨みでもあったのか?と言いたくなるような仕打ちだ。 よくもまあ、ここまで。本当に理解をしていて困る男だ。 「…… こんな噛まれ方をして抱かれた事がある 」「…… 名前を言え 」言ったらかえって良いぞ、と。 同時に、言うまで帰るなとシンプルで分かりやすく笑顔を向けておねだりをした (-56) 2023/09/28(Thu) 1:36:38 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ>>-56 「……ええと……」 これは怒っている。 笑顔だけど、怒っている……気がする。 言ったらどうなるというんだろうか。……主に、後輩が。 彼がこれまでやってきた事を、何一つしらない男は、流石に言いづらそうに視線を彷徨わせた。 流石にこの件で喧嘩しに行く、なんてことはないと思いたいのだが。 「ぼ、僕が頼んだ、ことだから」 「意識が落ちるまでしてくれたら、薬も酒もなしに寝れるんじゃないかって…………だから」 彼は何も、悪くないからね? と、できる限りの念を押して。 仕事にだけは行かねばならぬと、ぼそぼそと小さな声で名前を告げた。 「イ……イレネオ・デ・マリア……僕が教育係をしてたひとつ下の後輩だよ」 「ひどく見えるかもだけど、本当に心配をしてくれただけだからね」 これは大分頑張って庇っていた。可愛い後輩のために。 あなたからしてみれば、その名を聞けば思う所はきっとあるだろう。 だが、男から見た彼は、ただの大型犬であった。 この意識の差を埋めるのは、かなり困難なハードルだ。 (-58) 2023/09/28(Thu) 2:09:55 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ「……うるさい。随分ご機嫌なようで」 まったく目の前の男は突然口が回る。最悪の気分であろうに、一体どうしてそんなにその威勢を保てるのか。 本当に殺しておけばよかったと思うのはこの先に予知できる破滅の音のせいだろうか。 知ることが好きだ。先がわかることは安心する。 大事な人が知らない場所で死なれるのが嫌だった。 いなくなるぐらいならなら、この手で、目の前で死んでいなくなって欲しい。 何故こんなに執着してしまったのか身体を重ねたからなどではない、と思っている。 ならばやはり、少なからずこの目が貴方をただの悪人と捉えていないからであるのだが。 この感覚は説明できるものではないし、理解されるとも思えず終ぞ口に出されることはなかった。 溢れんばかりの情報を、大雑把に勘だけで見通してきたここ数年間。 ただただこの男が、理由もない大悪党だとは思わないという理由だけで。 本当に今更な感情に振ってくる言葉も途中まで考えられず、最後に漸く顔を上げた。 → (-72) 2023/09/28(Thu) 9:18:15 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ「死体……?」 ヘタれた子供と呼ばれた男はうっそりと目を細めた。 それは彼の周りの人間は知らない顔であることを、また彼自身も知ることではない。 「…………」 万が一が起きたその時。 黒眼鏡も、ボスも、必要なのは生死の判断だろう。 もしかしたら死体を傷めつけられたりするかもしれない。 死者を冒涜する人間も晒し者にする存在もいるかもしれない。 自分はそんなことはさせたくはないし、させるつもりもなかった。 「わかった。 必ず見つけてあんたの墓の常連になってやる」 自分以外が簡単に知ることもないようなその場所に、一体どんな意味があるだろう。 貴方にとってもその墓を懇意にする事実がどういったものをもたらすかもわからない。 しかしまるで望んだ物を手に入れたような様子でルチアーノという男は貴方にうすく笑いかけていた。 (-73) 2023/09/28(Thu) 9:21:56 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → リヴィオもう一度、貴方の指先が床を掻いた時。 触れた熱は少し暖かく、柔らかい物であった。 その夢に入り込むのは――眠る猫の姿。 誰にも触れられずただ無防備に、静かに眠っている。 「――呼んだか? リヴィオ」 貴方がその重たい瞼を開ければ、横になっている一人の男が世界に映りこむ。 男は幾回にも渡り残された赤い線も気にせず横たわり、眠そうな顔で似通った海の色を見つめていた。 血のにじむ手の下にも違う形の片手が滑り込まされていて、再度の床への傷は掠れるものとなっただろうか。 「お前まで子守唄が必要かね。 ……俺もシエスタは好きだがなあ、そろそろ帰る時間だぞ」 (-76) 2023/09/28(Thu) 9:41:54 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ>>-58 「……ほお。お前が、頼んだ。 そんな噛み方をして、答えた奴が」 「…………イレネオだあ?? あのガキ」 「心配しただけでこんな噛み痕もキスマークつけてるなら 随分この町はもっと性犯罪が頻発しているだろうなあ! お前、そいつを庇ってるんじゃねえぞ! 少しは文句を言え! 首まで隠す羽目になるのは仕事の支障にしかならないだろ。 それと、善意で強姦して許されるなら警察はいらねえ! お前らは何処で働いてる、鏡見てから仕事するんだな」 結局怒った。 「さっさと出ていけ、馬鹿野郎。……ああ最後に」 「 二度と黒眼鏡に会うんじゃねえぞ! 」先程流そうとした思考が戻ってくる。 誰しも自分の信じる姿でいることなどない。 疑って過ごすべきだ、だから一番に気にかけるべきだった。 この幼馴染はちっとも信頼できない不用心な人間で。 マフィアなんかと関わるべきじゃない大事にしなければいけない存在だったと。 男のくせに、とため息を吐いて牢の出入り口に向かって追い払うように手を振った。 此処から出てからも話すことが多すぎる、そう考えながら。 (-77) 2023/09/28(Thu) 10:06:14 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → favorire アリーチェ「俺はルチアーノだ。 はじめましてだなあ……友人の妹分だと聞いている。 様子を見てやりたかったんだが、結局こんなところで話すことになるとは夢にも思わなかったね」 どうして男と二人きりで危機感が緩むのやら。 随分と気を許されているようだが今は気にかけることをやめた。 大事なのは無事に貴方がこの牢獄の迷宮から抜けることが出来るかだ。 「あの二人は大したこと……ないだろうー。 これは一種の信頼でなあ? ここを出たら一緒に酒を飲みにでもいくさ。 それで――」 「誰を探したいんだ? 俺が手伝ってやろう。 丁度外に出る準備は整っているんだ、その連れも一緒に出ればいい」 さて、目の前の彼女は何処と繋がっているのやら。 やり残した冤罪の証明を自分自身でしなければいけない。 (-79) 2023/09/28(Thu) 10:30:43 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ>>49 ニーノ 「ヴィトー、……そうか。あいつが」 本当に、嫌な予感が当たってしまった。 だけど今ここに死体はない、周りが騒いでいる様子もない。 つまり彼はまだ生きていて、彼女は殺し損ねたか何かを仕込んだか。 少なくとも――その引き金を引いたのは確かなのだろう。 「……すまんなあ、ニーノ。止められんかった」 また男はあなたに謝った。 悪くもないのに、ただ謝った方が楽になれる気がして。 それは起こるのがわかっていたかのような表情で、諦めたような、それでも物悲しそうなものであった。 「旦那のことは諦めるんだなあ。 あの音で撃たれて騒ぎがないってことは もう何処かに逃げてるか、誰かに匿われてる。 行き場所は分からんが、……俺たちが探すから心配するなあ。 無事なら病院に直ぐ運ばれるだろうよ」 「それよりもなあ、ニーノ。今お前は誰に何を言ってやりたい。 ちゃんと決めんとならんだろ、俺はそれの手助けをしてやる」 「また一人で泣いてお家に引きこもるつもりか?」 #BlackAndWhiteMovie (52) 2023/09/28(Thu) 11:06:12 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ猛威と理不尽を振るった法が失効して 多くの囚人が日の下へと送られる中。 ニコロ・カナールは未だに牢の中に居た。 というのも、拷問で負った怪我のせいで、動けないのだった。 右腕、右足の骨折に肋骨も何本か。 顔や身体には打撲痕もある。 そして何より、拷問時に薬を2種類同時服用したことで 体が怠さと熱っぽさの不調を訴えているのだった。 それでも、意識だけはきちんとあるのだけれど。 薬そのものの効果がきちんと調整されていて 且つ量も大して飲まされることが無かったのは幸いだった。 もし調整されていないものであれば 意識すらも危うかっただろうから。 そんな訳で。 どうしたものかなぁ、なんて考えながら 動く気にもなれず、ぼんやりと時を過ごしているのだった。 (-86) 2023/09/28(Thu) 13:22:38 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ>>-87 「Ciao,ニコロ」 快活な声色だが気だるげな態度で声をかけるのは首までしっかり着込んだ貴方の友人色男だ。 「……はあ。 なんでこうなってるんだ? 説明はするな、どうでもいい。大変だったなあ」 鍵が開けられた牢の中に入れば貴方の目の前に行ってしゃがみ込む。 目の前の男の傷は見ているだけで痛々しい、その上何か飲まされているらしく扱いが厄介だ。 俺が背負っていかなくちゃならんのかもしれない。それは怠い。 「――問いに答えてくれえ。 手は、貸してほしいか」 (-89) 2023/09/28(Thu) 14:02:28 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ「え、ちょ、な……っ」 なんでキミがそんなに怒るんだよと、喉まででかかった言葉は出ぬまま、牢屋を追い出されてしまった。 この仕事をしていればマフィアに会わぬことなどできないというのに、無茶苦茶なことをいうと、ぶつぶつ何かを言っている。 あなたに大事にされていることくらい、周りから見ればすぐわかることだろうに、当の本人はそれに気づかない。 ただ、それでも。 たまにしでかす物事が、危なっかしいと心配をさせてしまっているのは確かな話。 これから行う仕事も、あなたには絶対にいえない話ではあったが、言えばきっと怒られてしまっていたのだろう。 事実、マフィアにただ会うよりも危険なことをして、 大きな負傷をもって病院に運ばれてしまったのだ。 あなたと次に会うのは病院か、それとも外になるか。 何にせよ怒られる案件をひとつ、増やしてしまったのは確かな話だった。 (-93) 2023/09/28(Thu) 14:33:05 |
【秘】 リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ普段なら、男はただその夢を眺めているだけで。 繰り返し唱えられる呪詛を身に受け、縛られていく。 もう何年も、逃れることの出来ない悪夢だった。 今度はもう、戻れないのかもしれない。 このまま暗く深いどこかへ、 落ちていくんだと思った──その時。 静かに眠る、無防備な猫の姿が見えた。 別に、猫が好きな訳じゃない。…………けど。 何となく、ただ、何となく、己の指先を 恐る恐る 伸ばす。触れたその熱は、暖かくてとても──安心したんだ。 ▽ (-105) 2023/09/28(Thu) 20:13:13 |
【秘】 リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ重い瞼を何度か緩慢な動作で繰り返し瞬かせ、 霞む視界の中徐々にピントを合わせていけば、 眠たげな、大きな猫の姿が視界いっぱいに映される。 何を言おうか。男の口が幾度か動かされて。 「…………ル、チ……ルチ、アーノ…………………? …目を覚まして直ぐに、色男の顔が……見れる、なんて。 俺は……、しあわせものってやつ……、かな」 名前を呼び、"いつものような"軽口を紡ぐ。 しかし、ただそれだけという訳ではなくて、 己に触れる熱を求めるように、 痛みを感じながらも 指先を動かし軽く、その手を掴んだ。「……あー………すまない…、迷惑、かけたね。 子守唄は、そうだな……もう一度眠って、いいのなら」 君の子守唄を聞けばよく眠れるかな? 浮かぶ台詞の代わり、小さな笑い声を零して、 幼子のようにへにゃりと笑った。 それは今まで生きてきて、誰にも見せなかった弱さだ。 見せたくなかった弱さだ。……けど。 異様に熱い体が、響くような頭の痛みが、 折れた左腕が、血のにじむ右手が──全てが限界で、 誰かに手を伸ばすことに臆病な男が、 弱さを見せるきっかけとなってしまった。 (-106) 2023/09/28(Thu) 20:14:41 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノゆる、と貴方の方を見た男は 笑みを浮かべて、無事な方の手を挙げて見せた。 「Ciao,ルチアーノ。 このくらい、なんて事ねえよ。 そっちも随分苦労したんじゃないか?」 なんて、軽口を叩く余裕はまだある。 ただ、気怠いし、動けないのは事実。 「ああ、貸してくれ。 どうやって此処から出るか、考えてたところだったんだ。 お前が来るとは、思ってなかったけどな。」 アリーチェやテオドロでなくて良かった、などと。 零しながらも貴方の問いに答えただろう。 (-114) 2023/09/28(Thu) 20:58:01 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ日常と言うにはまだ遠いが、それでも多少の落ち着きを取り戻してきた頃。 その日はなんてないただの雨予報の日だった。 灰色の空は水気を含んだ空気を纏って重く沈んだ色をしている。 こつん、わざとらしく靴先で石を蹴った音。 忘れるわけもない。気付いてしまった自分に嫌気がさした。 「Bonsoir.愛しの猫ちゃん。今日も可愛らしいね」 その声の正体が確信へと変わった瞬間、彼の体はただただ固まって、その顔を見る事しかできなくなっていた。 「なんだ、ご機嫌斜めだね。 色男になったのでも言われたかったかい?」 散歩でもするように歩いてきた者の名はファヴィオ・ビアンコ。 十年前にルチアーノの上司となり、五年前に行方不明になった男であった。 #ReFantasma (57) 2023/09/28(Thu) 21:55:13 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ「見違えたね、随分大きくなって」 「……だんまりか、本当に拗ねているのかい。 甘えたがりのルーカスは何処に行ってしまったのかな」 「うるさい」 聞きたくない、嫌でもあの日を思い出させるから。 目の前の男に触れられ、愛されて満たされていた日々が蘇ってくる。 失いたくなど無かった、ずっと居なくなって欲しくなかったものだ。 「どうして今更此処にいるんだ」 焦がれて、愛して、忘れられるはずなんてなかった存在が目の前にいる。 男から彼に施していたのは五年間の"教育"だ。 彼が決して逆らわないように、男の前では従順で素直で、常に周りを疑い警戒をし、それこそ男が居なくなれば何もできなくなるような人間になるように。 彼に自覚させることもなく、それが正しいことなのだと教え込ませ続けていた。 それは確かにうまくいっていて、今でさえその事実を彼は自覚することはない。 しかしそれは――未完成に終わっている。 #ReFantasma (58) 2023/09/28(Thu) 21:58:17 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ「仕事だよ、言わなかったかな? 『行ってきます』って。期間を言い忘れていたかもね」 「なんだ寂しかったのか、それなら君が怒るのも仕方ない。 私が居なくなってから昇進もしたようだし、 それはうんと働いて一生懸命に頑張ってきたんだろう」 五年前ファヴィオはオルランドに海外のマフィアへ諜報員として潜入する命を受けた。 極秘任務の為に完全に身分を隠さねばならず、同意の下行方不明扱いにされることになる。 そうして雨が降りしきるその日、何も言わずに男は彼の前から姿を消したのだ。 「それでも、漸くひと段落付いた。 時間はかかったけどボスにも許可は貰っていてね。 やっと君を連れて行けるようになったんだ」 ああ本当に自分勝手だな、年寄り共は。 俺のことを一体何だと思っているんだ。 初めからそうだった。 死体の前に血塗れで座る子供の俺を連れて行った今のボスも。 そんなガキを兄弟みたいに連れまわして面倒を見た黒眼鏡も。 十年前がらりと変わったファミリーで孤独を埋めてきた男も。 本当に、俺を何だと思って。 #ReFantasma (59) 2023/09/28(Thu) 21:59:29 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ「おいで。また昔みたいにしてあげよう」 男は動きがない彼の目の前まで歩んでいけば、流れるような仕草で頭の上に手を置いて髪を梳く。 腰を抱き寄せつつ首元に見えた赤い痕におや、と呟けばくすくすと楽し気に笑って愛で続けた。 「何も考えなくてよくなるよ。沢山頑張って疲れただろう?」 「ファヴィオ、」 反射で男の名前を呼んでしまえばもう止まらない。 「俺は……」 揺れた声は艶を帯びていて、緩やかにそのシャツに手が伸びて。 縋るように服に皴を作れば、甘く誘うように口端が上げられる。 やっと、見つけた。 #ReFantasma (60) 2023/09/28(Thu) 22:00:59 |
【魂】 口に金貨を ルチアーノ (_3) 2023/09/28(Thu) 22:03:23 |
【独】 口に金貨を ルチアーノ分厚いランダムに組まれた繊維が男を貫こうとする弾の威力を分散させた。 鈍い音がする。あばら骨の一本二本は折れただろうか。 「おお痛い痛い、飼い猫に手を引っ掻かれた気分だ。 やれ、随分とやんちゃになって…昔とまた違う魅力を感じてしまうなぁ。 ふふ、これ以上君のことを好きにさせて、一体どうしてくれるんだい? なんてね。私も命は惜しい、と言うより死んではいけない」 「舌噛んで死ぬぞお。もう一発受けるか」 「世界の宝を壊す権利を愛しの君に渡したいのは山々だが、 愛より優先しなければならない使命が私にはあってね」 「いやぁ、すまないな、私が色男なばっかりに 君を首ったけにさせてしまって」 「どっちが。あんたが俺を欲しがってるんだろう。 甘えんな、俺に甘えていいのは犬と猫だけだ」 ルチアーノ・ガッティ・マンチーニは謔笑を送り。 ファヴィオ・ビアンコは巧みに咲い返した。 「私が必要なくなったら、いつでも捨ててしまいなさい。 とは言えいつかに私が愛を最も優先してよくなった時、 君がどこぞに落ちていたなら拾ってやるさ。 安心して捨ててくれていい」 「そんなところかな。それではね、A bientôt〜!」 #ReFantasma (-119) 2023/09/28(Thu) 22:04:06 |
【独】 口に金貨を ルチアーノ立ち去る男の背を彼はもう追うことはしなかった。 「……」 「結局、置いていくんだよなあんたも」 俺のことを信じているくせに。 俺が信じているのを知っているくせに。 「……動けんー……」 しゃがみ込んで、新しい酸素を吸う。 誰かが銃声に気づいて来てしまうだろうか。 それでも暫くは足は動いてくれないから。 『すまんな、こんな時間に。 今から言う住所のところに車乗ってきてくれえ。 今日は部下連れてこれなかったんだ』 いつも通りの声で、何を返す間もなく。 最後に場所を告げれば、ぷつり、電話を切った。 #ReFantasma (-120) 2023/09/28(Thu) 22:06:35 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ入院して1周間くらい経った頃だろうか。 流石に寝るのにも飽きた男は、こっそり点滴を抜いて外に出た。 片腕が全く動かない上、肩から胴までギブスでガチガチに固められた状態では、着替えるのがほぼほぼ不可能なため、入院着にカーディガンを羽織っただけだ。 担当のナースに見つかれば間違いなく、青い顔をされた上で怒られるに違いない。 夢の中で名前を呼ばれた気がずっとしていたし、 悪夢を見続けるのにも飽きてしまって、外の空気に触れたいと……そう、思ったから。 病院の庭を散歩するくらいは許されたい。 「いたた……でも流石に早かったかな……」 点滴には痛み止めも含まれてるのだから、抜けば痛みが戻ってくるのは当然の話しだろう。 (-124) 2023/09/28(Thu) 22:38:37 |
【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ「え」 ぱちぱち、大袈裟に瞬きをして、 「貴方が噂のルーカスさん!……あ。 ……って、友人が言ってて……し、失礼しました……ルチアーノさん……」 初対面の人にいきなりあだ名呼びとは、 うっかりとは言えあまりの失礼さに目を思い切り逸らし。 「ニコとテオの妹分?……ふふ、そうなるのかな。 私としては幼馴染は幼馴染ってジャンルなんですけど…… ニコに言われたの。情報で困った時はルチアーノって 男を頼れって。だから余程凄腕の諜報員なのねって。 ずっとお会いしたかったけれど、私もこんな所で 会う事になる事になるとは思わなかったわ」 この女は幼馴染二人に絶対の信頼を置いている。 それだけにそこの共通の友人なら、警戒をすることもないだろうとむしろ憧憬の眼差しで見つめている。 はずなのだが、その上でなお、一瞬話していいのかと悩む素振りを見せて、暫し悩んだ末にその名前を答える。 「……ん、いえ、私一人でも…… ……でも、そう、ね。 ……ヴィットーレを、探してて 」「私が会いに行った数日前で既に拷問を受けてたの。 今はもっと酷い事になってるかもしれなくて、だから ……手助けをお願い、出来ますか」 (-130) 2023/09/28(Thu) 23:06:22 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ>>-120 ブレーキランプがまだ乾いている地面を照らす。 まだ新しい黒の車を指定された場所の付近に止めた後、 やや急ぎ気味に降り貴方の姿を探すために周囲を見た。 ちゃり、と鍵に付いた鈴の音。 「ルチアーノさん?」 自分を呼びつけた依頼主の名前を呼ぶ。 貴方は声の届く所にいるだろうか。 #ReFantasma (-137) 2023/09/28(Thu) 23:29:04 |
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