【人】 3年生 武藤景虎───先輩のバイト先─── [徹っちんから伝えてもらった先輩のバイト先に、くっきーと足を運んだのは退院してからいくらか経った頃。 大学の帰りだと売り切れてるかもしれんとか朝のが焼き立てが出てるはずとかって思って、休日の早い時間に行った。 見覚えのある猫のパン、犬のパン、うさぎのパン…、動物を模ってないパンもそこそこあるけど動物のラインナップは豊富だった。 何しろ虎型があるくらいなので、店長の趣味とかだろうか。 女性や子どもに人気が高いのかもしれない。 虎のパンは丸っこいフォルムに虎だとわかりやすい縞模様が額部分にあって、顔は猫とそんな変わらないかも。 でもやはり虎が一番かわいいなとオレは思った。 可愛らしいパンの並びにくっきーが目を輝かせているのを見つつ、オレは虎型のパンを3個買った。 1個は自分用、1個はくっきーにあげる分、1個はまだこの時は入院していた徹っちんの見舞い用だ。 レジの店員からパンの入った袋を受けとり、並んでいる人がいないことを確認して声をかける。] (332) 2022/09/19(Mon) 16:02:11 |
【人】 3年生 武藤景虎 この店に小泉って男の人働いてたッスよね。 [目を丸くしてこちらを見た店員が、すぐに顔を曇らせる。 「ああ、小泉さんは…、」と言いかけたのを、あ、大丈夫です、と片手で制止した。] オレたち、よっしー先輩…、小泉先輩の後輩で、はい、知ってるので…、 [そう告げれば、ああ、と頷かれた。] 先輩にはほんとお世話になって、 それでここの店も先輩に教えて貰って。 先輩はほんとパン好きだったし、この店のこともすごいオススメしてて。 それで、先輩の好きだった居場所見ときたいなと思ったのもあって。 [「そういうことでしたか」と少し悲しそうに店員の女性が言うと、要領を得ない説明をしたにも関わらず、店長を呼んできてくれた。 営業中だしそんなに長い時間居座りはしなかったけど。 バイト先での先輩の様子を聞いたり、研究室での先輩の話をしたりして、先輩のことを偲んだ。 バイト先での先輩の印象は何も変わらず、やはり頼りにされてる存在だったということ。 「就職決まらなければうちで雇ってもいいって言ってたくらいで」と思い出話に出てきた言葉に、就職先の話をした時の少しの間を思い出し>>0:393、何だか胸が痛くなった。] (333) 2022/09/19(Mon) 16:04:12 |
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