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人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

君の思うように何故、と疑問が浮かぶのは最もだ。
男は頷いて同意を示し、少しだけ辺りに視線を向けて。

「……きっとそう単純な法とは言えないんだろう。
 強制的に施行出来る法の前では誰であっても無力だ」

囁くように告げるのは、
聞き耳を立てるものがいないとは言い切れないから。
誰が敵で誰が味方か、疑心が広がっていく。

「何かを、出来るならいいんだけどね。
 困ったことに思いつきそうにもない」

しかしこんな無茶苦茶な法だ。

これが本当に長く続くのかと言えば……。
有り得なくもないが、同時に有り得るとも言い切れない。
いや、これは願いなのかもしれない。
そうあって欲しいという、願い。
(-209) 2023/09/18(Mon) 19:53:40

【秘】 檻の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

美味そうなものが目に入ったら、喰いつくのは当然のこと。
とはいえ、普段からこんなことをするわけではないのも当然のこと。人目がなくて気が緩んでいるか、貴方だからかのどちらかだ。

そのままぽつぽつと話をしながら、軽い夕食を。
仕事の話はあまりしなかった。なるべくリラックスしていてほしいと想える、そのくらいの気遣いは男にだってできた。
貴方の食べたものを追うように食べるのは、自分が平らげてしまわないよう考えてのことだった。そちらの手が止まった頃にじゃあと食べきってしまおうとして、明日の朝食に充ててくれた方がいいと思いとどまる。

「いいんですか。」

これは、癖。

「じゃあ、お先に頂きます。」

これは、あまりないこと。
貴方がいいと言うのをわかっている。だから、返事がある前に受け取った。
(-221) 2023/09/18(Mon) 20:56:20

【魂】 花浅葱 エルヴィーノ

「…………」

物陰からじっと、あなたを観察している。

いや、これは様子がおかしいだろう。
セレブの放浪息子だから、金遣いが荒いのは理解できるけれど。
次から次にものを買う様子は、ただの憂さ晴らし。買い物を楽しむような、そんな良い物には見えない。

「ルチア。……度が過ぎた買い物は危険だよ」

これ以上見てると、後悔の上塗りを増やしてしまいそうな気がして、どこかの店から出てきたところを、腕を掴んで引き止めた。
笑みの一つもない、4cm高いその顔を見つめて心配そうに眉を下げた。
あなたが本気でエルヴィーノを突き放したりするならば、止めることはできないかもしれないが……、それでも、こちらも本気で踏ん張るはずだ。
(_5) 2023/09/19(Tue) 1:27:26

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

「元気……では、ないです」

「警部は覚えてないでしょうけれど、彼女も薬物事件の被害者です」

どこぞのマフィアと推察される誰かから唆され、少女は薬物中毒になった。
足元もおぼつかない状態で外を歩いていた所に交通事故に遭って半身不随となってしまったのだ。
養育院はあくまで子供を保護し養育し、社会へ出す所だ。
廃人となってしまった少女を看る余裕なんてどこにもないから、少女は病院を経て、今は薬物更生施設に居るということを説明した。

「僕は知ってて、見て見ぬふりをしてしまったから……」
「あの時、ちゃんと止めていたら彼女はこうはなってなかったんじゃないかと、思います」

薬物を与えた犯人は、まだ、捕まっていない。
だから男は、似たような案件には無条件に首を突っ込んでしまうようで、それが、数年前の事件の解決だったのだろう。

説明する男の表情には、熱はない。
凪いだ海のように静かなものだ。
(-284) 2023/09/19(Tue) 1:41:12

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ

「どうにもきな臭いんですよ」
「いくら調べても、アリソン・カンパネッロなんて人物がヒットしないし……。
 誰かが巧妙に偽ってるとしか思えない」

ぼそぼそと会話する様子は、はたから見ればおかしなものだろうが、皆も逮捕を恐れて同じようにしているから目立たない。
こんな様子が続くのは明らかにいい状態とは言えないはずだ。

「どうにかして……牢にいる二人に会えませんかね……」

どちらかといえば知略を得意とする男も、流石にお手上げに近かった。
(-285) 2023/09/19(Tue) 1:48:22

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ

「良いよ。……一応着替えに僕の部屋着出しておくけど……小さかったらごめん」

いや、多分、確実に小さいのだけれども。
ゴムが少し伸びるくらいは許容範囲だ、気にしないこととする。
黒が好きそうなので、黒色のスウェットの上下セットだ。
あまり柄のあるものを好まないのかシンプルなもので、あなたもきっと着やすいデザインのはずだ。

片付けをしながらあなたが出てくるのを待って、ドライヤーや洗面台など説明することをし終えたら、自分もまたシャワーを浴びた。
おそらくは、あなたがシャワーを浴びた時間の倍くらいの時間をかけてだ。

「いや……これ本当に寝れるのかな……」


呟いた言葉は、水音に消えてしまって、外にいるあなたには聞こえないはず。
待ってる間、あなたは自由にしていて構わない。
(-288) 2023/09/19(Tue) 1:59:57

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → マスター エリカ

「アレッサンドロ……ルカーニア」

一瞬、誰のことかわからなかったが。

アレッサンドロ・”黒眼鏡の”・ルカーニア


そう、あの男のフルネームだと思い出せば、嘘だろうと口元を手で覆った。
まさか、マフィアの幹部ともあろうものが強硬派を牛耳っていようとは。
これでは、マフィアの……ノッテの連中も、実に可哀想ではないか。

エリカの話しぶりからいくと、どうやらイレネオは黒眼鏡とやりあったらしい。
その結果、二人共共倒れ……と、いうことなのだろう。
二人の間には何かあることは先日問い詰められたことからも明らかだったが、こんなに早く。

「……まったく、無理をしてるのはどっちなのだか」

「ありがとう。これは重要な鍵になりそうだよ」

会いに行かなくては。
―――あの、黒眼鏡に。
(-299) 2023/09/19(Tue) 5:26:31

【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

「…そうだね、俺も調べては見たが。
 ……どうなっていくんだろうね、この国は」

巧妙に偽っているとして暴く術がなければ何も出来ない。
自分のことだけなら無敵になれるが、
他者の状況を思うと笑ってばかりではいられなかった。

警察の立場でもどうしようもないと言うなら、
この国は何が守ってくれると言うのだろう。

「会う方法としては素直に面会を申し出るくらいしか。
 それが通るかどうかはまた別だけどね」

その行為によって生まれかねない疑念を思うと、
決断するに迷いを抱いてしまうのだが。
(-314) 2023/09/19(Tue) 7:28:29

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

元気ではないと聞いて、そうだろうな、と得たように視線が僅かに翳る。
語り口からそうと知れたことを敢えて暈した、曖昧を貫いて吐露される言葉を聞く。
どうした意図をして己に伝えるのか、それを受け止めるように、
視線は側にあるだろう貴方を見上げる形で投げかけられる。

「君がそうだと感じるのなら、そうなのだろう。
 けれども過ぎた出来事を、いつかの自分が出来ていたなら、なんて評価するのは、
 君自身を壊してしまいたくないならやめておいたほうがいい。
 全て知った後の自分がどう俯瞰しようと、当時の君にとって最善だった筈だ」

いつか、かつて。
見たこともない小さな少年の面影を、成長した貴方に見て説く。
今そこにある貴方から、かれを庇い立てするかのように。
僅かな緊張は尾を引いて。ふと瞬きをした瞬間にほどけてしまった。

「それに今の君は、よくやっている。
 ……資料室の鍵、借りっ放しではいけないよ」
(-318) 2023/09/19(Tue) 8:08:26

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ

「そうですね……。
 僕ら警察であっても見張りが立つ可能性もあります」

その場合突っ込んだ話は出来ないかも知れない。
それでも、牢の中で不安ばかりであろう二人のことを考えると、会うくらいはしてやりたいと思うのだ。

警察が、国が民を守らないというのなら。
その時は、個人が動くしかない。
とはいえこの男は、全部を守るなどという殊勝な思想は持ち合わせておらず、ただ、手の届く友人を自分勝手に救おうとするのだけども。

「まぁ……僕はもう少し調べてみます。
 何かあったらその時は……よろしくお願いします、先輩」
(-323) 2023/09/19(Tue) 8:33:25

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

壊れる、という事が。
初恋を歪に変質させた情をかかえて、人一人の人生を左右させるような、自分勝手で傲慢な幸を与える思想に至った事も含むのだとしたら。
この男はもうとっくに壊れてしまっていることだろう。

「どうですかね……、まぁ。でも……これは個人的に報復を考えてるから犯人を探してるだけです。
 幼馴染の家族が殺された事件も調べてますし……」
「彼女には、ただ、施設を出ても人として生きるだけのものを与えようと思っています」

養育院にいたのだから、女には身寄りがない。
施設を出ても、重度の精神疾患と動かぬ体を抱えていては、死ぬしか道はないだろう。
男の行動は、やること成すこと彼女と幼馴染の事に直結しているが、内情をあまり話すことをしてこなかったため、これを知るものは極端に少ない。
それでも自分の身さえどうでもよく、手段をあまり選ばない思考を除けば、優しいだけの男に見えてしまう。
生活態度の件がなければ、相当の優等生に見えていたかもしれない。

「……あ、はい。
 見回りに行く時間になったら返します」

鍵を、手の中でしっかりと握り直した。
(-326) 2023/09/19(Tue) 8:50:29

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

貴方が例えその腑を曝け出すことで大多数の他に指差されるような人間であってしても、
この男は今と変わらない態度を向け続けることだろう。
それが絶対評価たる上司としての務めだ。情のためではない。
そういう類いの寛容を含む目は、貴方からの返答を聞いて微笑むように細められる。

「いつも通り、忙しくならないうちにやるべきことを終わらせて息抜きしてしまいなさい。
 常通りのコンディションでいられるのが一番いいことだ、我々はね」

今も、そして日が経って混乱が彼らに忍び寄ろうとしてもそれは変わらない。
手袋に包んだ手が貴方の腕を軽く叩いて送り出す。
その日ばかりははっきりと、何事もなく過ぎていったことだろう。
(-328) 2023/09/19(Tue) 8:59:27

【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

男は、シンプルなものが好きだ。
というより、込み入ったものをあまり選びたがらない。
それは服もそうだし、香りもそうだし、捜査の方針もそうだった。唯一味覚だけは、それなりに複雑でも平気そうにしていたけれど。
だから黒いスウェットには安心感を覚えるはず。ありがとうございます、と答えて頭を通す。
丈が少し短くとも気にする性格ではない。寝巻きのゆったりした着心地も幸いして、男の体格でも突っかえることはなかったはずだ。

さて。
貴方がシャワーを浴びている間、やっぱり男は無遠慮に、貴方の部屋を見て回っていた。とはいえざっと見回すくらいのものだ。ここが寝室、ここがリビング、ここがトイレ、というだけの。
それは貴方に興味があるからであって、男自身落ち着かなかったからという理由でもある。

どうしようかな。
それを済ませばベッドに腰掛けて思考を巡らせた。人の考えを読み取るだとか、駆け引きをするだとか、そういうことは苦手だ。

貴方は眠るために自分を呼び付けたはずで。
けれど自分がそれ以上に踏み込んだことも分かっていて。
さて、自分としてはもう一歩踏み込む準備もあるにはあるけれど。
貴方はどうかな。
間違えて、嫌われたくもないし。


結局、多分答えは出ないまま。
男は自分の唇を指の背で撫でていた。撫でていたのは犬歯のあるあたりで、それは男の癖だった。
(-353) 2023/09/19(Tue) 12:05:08

【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

君の思いは最もだ。
牢の中というのはきっと計り知れない不安を得るもので。
誰か知り合いが会いに来てくれるというのは、
きっとその者の心の支えとなるだろう。

「……あぁ、気をつけて。
 縁起の悪い言葉はあまり聞きたくはないが、
 そうだね……その時は任せてくれ」

こんな自分でも先輩と呼んでくれる君に、
少しでも安心を渡せるよう笑みを浮かべて頷いた。

「俺も、出来る範囲で動くとするよ。
 誰もが動けなくなるってのはそれこそ良くない状況だからね」

左手を君の背に伸ばし、いつかのように軽く叩こうとする。
それが叶う叶わないどちらにしても、
男は君から一歩離れ、「それじゃあまた」と口にすることだろう。
(-356) 2023/09/19(Tue) 12:13:02

【秘】 情報屋 エリカ → 花浅葱 エルヴィーノ

礼の言葉に、目の前の人物は静かに笑んだだけだった 

訊ねることは他に何かあるだろうか。
なければ、あなたは程なくして現実で目覚めることになるだろう。
(-362) 2023/09/19(Tue) 12:28:40

【魂】 花浅葱 エルヴィーノ

「お金の心配はしてないけど……必要なものを買ってるように見えなかったし」

後で結局要らなくなるだろうと、思うのだけど。
抵抗したり逃げられることはなさそうだから、掴んだ手の力を緩めて。
覇気が全くない顔をみつめながら、きょとり、と首を傾げた。

「え、何。突然……」
「男も女もなく考えたことなかったけど……そうだな……」

何かを想像しながら考えて、少しの間、沈黙の時間が流れた。
そういう事をする相手なら、少なくとも、内側の人間だと認めてしまった人、だから。

「それなら、相手の好きにさせてあげるよ。
 抱かれる、のは……嫌じゃない」

逆が良いって言われたら、うーん……努力はすると思う。
と付け加えて答えるあたり、自信はあまりないようだ。
(_7) 2023/09/19(Tue) 16:07:40

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

いつもはこんなに長くシャワーに時間をかけたりしないのだが。
一緒にベッドに入ることを考えると、念入りに洗わないといけない気がしてしまった。
時間をかけてしまったのは、そういう理由。
揃いというわけではないが、似たような灰色のスウェトの部屋着を着込んで、ほかほかの身体で帰ってくると、あなたはベッドに座っていただろう。

睡眠に難があるのはわかっているから、ベッドにだけは他よりも少しお金をかけていた。
サイズもゆっくりできるようにとセミダブルを選んでいたから、二人並ぶの自体は可能のはずだ。
質もよく、本来であれば気持ちよく寝れるはずなのだが。
何分ベッドの主が不眠症なため、その結果は悲しいものだった。

「ごめん、待たせたね」

ええと……と、唇を撫でていた手を見つめて、どうしたのだろうと首を傾げた。
あなたは座っているから、視線は逆。
何か考え事かい? と、心配そうに見下ろしている。
(-396) 2023/09/19(Tue) 16:27:40

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ

「はい、気をつけます。
 僕だって捕まりたくはないですし」

任せてくれの言葉に、満足そうに頷いて、小さく笑みを浮かべて返す。
いつも髪を気にしたりして動かない印象を持たれているが、やる時はやってくれる先輩だし、親身になってくれることを知っている。
だから、男はいつも、自然にあなたのことを先輩と呼んでいた。

「多分同期も動いてるはずです。
 なにかの際には警部にも頼んでみると良いかも知れませんね」

そう言って、伸びてきた手を背中で受け止めれば、ぽん、と音が鳴った。
いつもの仕草が、今は大層ありがたい。
別れの挨拶にこくりと頷いて、「ではまた」と踵を返していく。

男はその日のうちに面会に挑戦しようとするだろう。
(-403) 2023/09/19(Tue) 16:51:26

【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

「ああ。」

足音に顔を上げる。貴方を見るなり、ふっと頬を緩めた。似たようなかっこうが面白かったのだ。
お揃いですね、と口に出す。貴方はどんな顔をしただろう。
その間にも指は口元を撫でていて、問いかけられればええ、と答えるのだ。

「考え事を。」
「していて。」

視線が振れる。右、左。貴方に留まってまた、右、左。

この男はシンプルなものが好きだ。込み入ったものは好まない。
当然考え込むことは少なく、思考よりまず足を動かすのが男の常だった。
だからこの姿はおそらく、少し妙なものに映るはず。
つまりそれほど、この状況が特異だということ。彼にとっても。


(-419) 2023/09/19(Tue) 18:31:37

【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

思考の合間に貴方の顔色を伺う。
見下ろす目線はいつもと逆で、それが妙な心地になった。
がり、と歯が鳴る。無意識のこと。

ああ、なんだか心配そうだ。
それに、やっぱり隈も濃い。
据え膳食わぬはなんとやら。
しかし貴方がそう・・なるつもりかは微妙なところ。

うん。と男は頷いて、一度ベッドを降りるだろう。

「じゃあ。」
「俺は、見ていますね。」

さて。
この選択は正解だろうか。つまり男はこう受け取った。
貴方が眠るまで、その眠りを妨げずに護る番犬になる。
そのために呼んだんでしょう、と言いたげに首を傾げ。
自分は待ての出来る犬で、故に選択の権は貴方にある。

つまり男は待っているだけだ。いつかは貴方を捕まえるつもりでいる。
それでも今日くらいは、単に安らかな寝顔を見るだけなのも悪くないかなと思っただけのこと。
それだから貴方の許可ひとつ出れば、簡単にスタンスを変えることだってするんだろう。
"
待てAspettare"を解かれた犬がどうするか、知らない貴方ではないはずだ。
(-420) 2023/09/19(Tue) 18:32:16

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

「そっ」
「揃いというわけじゃなくて……似たようなのしか持ってないんだよ」

どう聞いても苦し紛れの言い訳だ。
本当に似たようなのしか持っていないのだが、揃いと取られて当然ではあるのだから。
ただ、それを柔らかい笑みを浮かべて言われるものだから動揺してしまうのは仕方ない。

だって、ベッドはもう、すぐ側にあるんだから。

何をそんなに考え込むことがあるんだろうと、心を落ち着けながらも訝しんで。
揺れる視線をきょろきょろ追いかけながら明け渡されるように、ベッドの上に足をかけた。

「は、見る?」
「あ、いや……うん、そう、だよね」

通常、人を寝かそうとするだけなら一緒に寝る必要は必ずしも必要ない。
けれど以前の事を考えたなら、一緒に寝てもらったほうが良い。
酔いもあったが、隣に人がいる温かさと隣の寝顔のあどけなさが安心感を誘って、寝ることができたのだと、そう思うし、隣で見られているというのは、逆に緊張してしまうだろう。

だから―――――


(-503) 2023/09/19(Tue) 23:32:02

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ

「キミも一緒に……、横に、
寝てくれない、かな


心の中の言い訳を打ち消すかのように、ベッドの上から、そろりと手を伸ばして、ぎゅ、とその袖を掴んだ。
もう寝転ぶだけの状態だったから、あなたの視線は10cmよりももっと高くて自然と見上げていて、なんだか強請ってるみたいだな、なんて心の中で呟く。
揺らめく花浅葱が、こう言うので限界だと語っているように見えるかもしれない。

子供ではないのだから。
あんな話をしたのだから。
それがどういう事になるかなんて、ちゃんとわかっている。
逃げるチャンスだって、ちゃんとあった。
これが最後の”待て”Aspettareなのなら、僕は”いいよ”Beneと手を広げてやるだけだ。
(-504) 2023/09/19(Tue) 23:35:24

【魂】 花浅葱 エルヴィーノ

「どういう意味だよ」

言い方が、なんだか気に入らなくて拗ねたような顔になる。
急に変な例え話をしておいて、そんな、安心したような息をつくなんて、意味がわからない。

「普通じゃなかったら、なんなんだい?」
「言ってる意味はわからないけど……僕が誰に身体を許そうが僕の勝手だ。
 許してもいいと思ったら許すし、自分の価値なんてどうでもいいよ」

大事な人に幸を与えられるなら、それを成すその時に、自分は別にそこに居れなくたって構わない。
他の誰が傷つこうとも、自分が傷つこうとも、それを成す方が良いと、本気で思っているのだから。

「でも、そうだな……」
「もし、そういう機会があったとしても……キミと恋人になるのは、嫌だな」

だって。
3ヶ月で飽きられてしまうのは、嫌だろう?
例え身体をキミに許したとしても、幼馴染が良いんだ。ずっと、ずっと、壊れることはないから。


執行候補の話には、一瞬目を見張ったが、そうか、と小さく息を漏らした。自分でも怖いほど落ち着いているけれど、自分には今はやるべきことがあると思っているから、取り乱している場合ではないのだ。

「近寄るなっていうけど……僕は僕のやれることをやる。
 キミが捕まるなんて、僕は許さない」

「アリソン・カンパネッロに……僕は、会いに行くよ」
(_9) 2023/09/19(Tue) 23:50:58

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡

――かつん。

廊下に一つの足音が響く。
牢の中にあなたはどんな格好でいるだろうか。
立っているなら堂々と見据えて、座っているなら冷めた目で見下ろして、あなたを見る一人の男が牢の前に立った。

いつもは客としてあなたの前に立っていたけれど、今日は違う。
警察として、多少の無理を通してここに訪れた。
そうでなければ、ここに堂々と来ることは出来まい。

「アレッサンドロ・”黒眼鏡の”・ルカーニア……いや」

つらつら語るはあなたの名前。
でもね、知っているんだ。お前の、正体。


「アリソン・カンパネッロ」


「……取り調べを……させてもらうよ」

―――聞きたいことが、あるんだ。
(-511) 2023/09/20(Wed) 0:08:46

【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

否定の言葉にまた笑みを深めもしたんだろう。
それくらいわかる。自分の家にある寝間着だって、全部同じような色形をしているんだから。
少し考えれば────考えずともわかるようなことを、真面目に否定する貴方が可笑しかった。

そして、続いた貴方の言葉。
段々小さく、尻すぼみになったそれ。
けれどその音は、きちんと空気を震わせて男に届いた。
それを男は、ひとまず無言で咀嚼したのだろう。

それが。

(-512) 2023/09/20(Wed) 0:35:29

【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

それが、男が穏やかな顔をしていた、最後のこと。


貴方は男の袖を引いた。
それよりも強い力で、男は貴方の背を引き寄せた。

鼻先が突き合わされるほどの距離。
吐息を感じるほどの距離。互いの瞳しか映らないくらいの距離。
色を増した金色が、瞳孔の開いたその瞳が、全てを飲み込もうとするようだった。

「いいんですか?」「先輩。」
解っていますか・・・・・・・
?」

問う。
のは、きっと形だけ。

本当に止める気があるなら。
本当に止められる気があるなら。
こんな、確認はしないのだ。
これは責任を分かつ言葉。
貴方を共犯者にする確認。

は、既に牙を顕わにした。
(-513) 2023/09/20(Wed) 0:36:44

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ

「ぅ、わっ」

強く背中を抱かれて、膝立ちになる。
何も支えがなければベッドから落ちていたかも知れないけれど、あなたの腕と身体が男を包むから、しっかりと抱きとめられてしまった。
くっついた身体から、互いの熱が伝わる。お風呂上がりだから二人共きっとまだ温かいだろう。

くどいほど何度も繰り返される確認は、それだけで羞恥を掻き立てられて心臓に悪い。
無言でこくりと頷いたから、額がこつんとぶつかりそうになった。

解ってるよ。
―――それが、肯定。


……もう、これは決して従順な犬なんかではない。
獰猛で、震える獲物を狙う狼だ。

眼前に広がるのは、怖いほど貫いてくる金の瞳。
近づきすぎた自分の目には、ギラギラとしたそれしか映らなくて。
その中に映る自分の顔が見たくなくて。
きゅ、と花浅葱の花弁を閉じた。

それはもう、あなたにとってはただの合図にしかならないはずだ。
(-516) 2023/09/20(Wed) 1:17:48

【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

数値にしてきっかり10cm。小さいように思えて、その差は大きい。
目線が違う。服のサイズが違う。手の大きさが違う。一歩の幅が違う。体格が同じでも体重が違う。
おまけに貴方は華奢だから、余計にその差は顕わになった。

引き寄せた手は抱き竦める手に変わり、捕らえる腕になる。
ひっくり返す術もない体重をかけて男は貴方を縫い留める。
そうしてやはり、犬がするように貴方へ身体を擦り寄せて。
これもまた犬がするように、ついには鼻先を触れ合わせた。
それでもこれから行われるのは、主人と飼い犬の間では絶対に行われない行為だ。

唇を合わせるより先に、これは貴方の首筋に顔を埋める。
そうしてすうと息を吸って、柔くその部分に噛みついた。

「先輩」
「俺は嬉しいですよ」


何も聞かれていないのにそんなことを言うのは、高揚の証なのだろう。
(-520) 2023/09/20(Wed) 1:49:31

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ

「おう、きたか」

男はベッドの上で、腕を枕にふてぶてしく寝転がっていた。
その顔はさんざんにはれ上がっていて、瞼は片方ろくに開いていないようだ。
それでも口許のつり上がった笑みはそのままで、
見下されているのに見下ろしているように錯覚する。

「おっと、それは女の名前か?
 悪いが俺は女子供は苦手でね。
 警察ならキチンと証拠を揃えてからきてもらおうか」

ははは、なんて声が檻の中にこだまする。
──実質認めているようなもので、きっとこれは挨拶だ。
あなたが何を聞くのかと、だらしなく組まれた脚の先がちょいと手招くようにして待っている。
(-529) 2023/09/20(Wed) 2:22:33

【魂】 花浅葱 エルヴィーノ

「僕に価値がなくなったとして、何が変わるっていうんだい。
 初物は高いって言葉では聞くけど、別に、身売りしようなんて思ってない」

ただ、傷ついてもいいと、思っているだけ。

「わからないよ。身体は担保になるって話かい?
 そういう仕事を……してきたんだよね、キミはさ」

望まないし、要らない。そんなまやかしの三ヶ月は。
自分に甘くしてほしいなんて思ったことがないのだ、ましてや、夢にしたいなんて絶対に願わない。
弱みだって何も気づいてないけれど……

ただ、あなたに願うのは、置いて行かないで欲しい。
たった、それだけなのだ。

「キミを捕まえるのは僕だよ。
 逮捕されるほどの……、正当な理由がないのに無理やり逮捕するなんて、間違ってる。
 僕だってただで捕まえられるのは嫌だけど、アレの正体を掴んだなら、行かないわけにいかないだろ」

「捕らえられた後輩が居て、僕は先輩」
「キミは、たった一人の幼馴染で」

「僕は警察だ」
(_11) 2023/09/20(Wed) 7:41:38
 


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注目:エルヴィーノ 解除する

生存者 (4)

フィオレ
9回 残 たくさん

うそつき

エルヴィーノ
3回 残 たくさん

何処にも行けない

ペネロペ
7回 残 たくさん

何度でも見付けて

ロメオ
8回 残 たくさん

ひとのかたちは

犠牲者 (12)

ガイオ(2d)
0回 残 たくさん

 

エリカ(3d)
0回 残 たくさん

コバルト色を手に

黒眼鏡(3d)
47回 残 たくさん

Kovacs.

ニーノ(3d)
18回 残 たくさん

大丈夫だ

イレネオ(3d)
6回 残 たくさん

薄藍を想った

ニコロ(4d)
0回 残 たくさん

これからも一緒に

カンターミネ(4d)
1回 残 たくさん

いつでも傍に居る

ヴィンセンツィオ(4d)
20回 残 たくさん

白鳥は唄えない

アリーチェ(5d)
0回 残 たくさん

そうだ、わたしは

ルチアーノ(5d)
11回 残 たくさん

もう楽にしてくれ

リヴィオ(6d)
0回 残 たくさん

もうすこしだけ

ダニエラ(6d)
4回 残 たくさん

ほんとは、まだ

処刑者 (4)

ヴィットーレ(3d)
1回 残 たくさん

 

テオドロ(4d)
3回 残 たくさん

枯れない心を

ネロ(5d)
0回 残 たくさん

 

ダヴィード(6d)
4回 残 たくさん

また会いましょう

突然死者 (0)

舞台 (0)

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