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【秘】 狡兎 ツィオ → 無風 マウロ「あいつは、あいつにどうして周囲が甘えたがるか、 あいつが迷惑を掛けられた時にどういう顔をしてるか、 一度確かめてみろよとは言ってる」 そういうのが楽しいやつらが、 ましてや幼馴染に居るなんていうのは、 あいつにとって不幸であり幸福なことなのだろう。 いつだって、俺とマウロの貧乏くじを押し付けられるのは、 一番面倒見のいいあいつだった。 「今どき、女と寝た後の寝物語でも、 もう少し現実的な夢を語るだろうにな。 頭の出来が俺たちと違うのかリックはそれを本気で信じてる 古い知り合いとしては冷たい水を浴びせてやったほうが、 あいつの為かは今度議論しよう」 マウロも。 丁度らしさが戻って来たような笑みがこぼれ。 少しだけ安心をする。 ▽ (-240) 2022/08/17(Wed) 0:11:51 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 無風 マウロより、大きな大言壮語を聞くと、 珍しくぶはっ、と昔のように屈託なく笑い。 「おいおい。 同じ釜の飯を食ったくせに、 どうして俺以外のやつらはこう 自分の未来にロマンチストに育ったかなー」 目元の涙を拭い付け加える。 「生憎、俺は女意外にロマンを語らない主義でな。 賭けにしよう。 そのお前のでかい夢が叶ったときは、 俺がお前に煙草を一箱奢る。 お前の夢が頓挫した時は、 ――お前が俺に煙草を一箱奢りなよ」 きっとその煙草の味は、格別なものになるだろうと思ったから。 (-241) 2022/08/17(Wed) 0:12:15 |
【秘】 無風 マウロ → 鳥葬 コルヴォであるのなら、あなたが足を運んだのは三日月島の岬だったのだろう。 誰の物でもない島。何にも汚されていない、人々の憩う場所。 何より、一人になれる場所だ。 だから、あなたの声を他に聞くものはいない。 強いて言うのなら、地面に寝そべる黒猫くらいのものだ。 「初耳だな」 「必要とされてるなんて思ってなかった。俺は混血児だからな」 そんな声が、もしかしたら隣から聞こえてくるのかもしれない。 会議で見る時よりも、随分と落ち着いた声色。 ボスはともかく、頭の固いお偉い様方には白い目で見られていたことを覚えている。 そのおかげで、メイドマンに昇格できていないことも。 だから、他の誰が認めてくれていたとしても。 (-255) 2022/08/17(Wed) 2:11:46 |
【秘】 無風 マウロ → 狡兎 ツィオ「今の今まで確認できてないだろうな。 あいつは誰かと喋りながら鏡なんか見られないだろ」 「失礼だって、顔を逸らせないんだ」 いつだって気ままな自分達に振り回されて、困っていただろうに。 まあ、この年になっても。それを悪かったと告げたことはないのだけれど。 それはきっと、それでも2人の事をリカルドがよく考えてくれているのを知っているからだ。 ▽ (-256) 2022/08/17(Wed) 2:27:14 |
【秘】 無風 マウロ → 狡兎 ツィオ「突然変異を遂げたのはお前だってことだ。 そっくりそのまま同じ言葉返してやるよ、発情兎」 とはいえ、幼い頃からその片鱗はあったような気もするけれど。 少なくとも、自分達の前では確かにロマンのある話をしなくなった。 「はは、そりゃいい」 「もし頓挫したら、その煙草に特別に火を点けてやってもいいぜ。 人生で一度きりの大サービスだ」 もしそれがどちらに転んだとしても。 そうして同じように煙草を吸うことが出来たのなら。 きっと気分が良い結果にはなっているのだろう。 マウロも、そう信じていた。 「ま、そういう話をしにきただけだ」 「すっきりした。お前から話すことがなけりゃ、もう行くぞ」 (-257) 2022/08/17(Wed) 2:28:11 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 無風 マウロ「よし、決まりだ。火までとは随分サービスもいい。 リピートしたいところだな お前の屈辱に歪んだ顔で吸う煙草は、 また格別だろうな――」 また一つ、人生に楽しみが出来た。 くだらない世の中だ、くだらない楽しみ方をして、 然るべきだ。 キティちゃん 「そっちも餌場に困ってもゴミ箱漁るなよ、不機嫌子猫」 笑って言うと、マウロが尋ねて来る。 付き合いたての男女の機微か? と揶揄いたくもなったが、 ここは大人として、ぐっとこらえて。 一言だけ。 ▽ (-259) 2022/08/17(Wed) 2:51:04 |
【秘】 無風 マウロ → 狡兎 ツィオ「性格悪いな、お前がロマンとやらを語る女に見せてやりてえよ」 なんて冗談を返して。 君と、もう一人の幼馴染と。 変わらぬ日々を送れることを信じて。 「おう」 「また明日」 これが。 マウロという男と、君の交わした 最後の会話になった。 (-261) 2022/08/17(Wed) 3:02:50 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 無風 マウロ視界の端で、黒猫が涼しげな日陰で寛いでいる。 世間一般に不幸の象徴とされ嫌われる黒猫であっても、 誰に嫌な顔をされるでもなく、気儘に手足を伸ばす事ができる。 平穏で、長閑な場所だ。 「能の無い奴は、ノッテには不要だ」 ノッテファミリーは個々の能力を重視する。 それはメイドマン未満の構成員であっても例外ではない事だろう。 仕事を与えられるという事は、認められている事の証左。 何よりも、どのような形であれファミリーに属し続け、 そうして今日まで生き残っている事が実力の証明となる。 たとえ今は地位ある者であっても、 頭が固いだけで、相応しい力が無ければ何れは蹴落とされる。 きっといつかは誰もが事実を認めざるを得ない時が来る。 つまるところは、裏を返せば。 「あんたが何であったとしても。 居場所があるって事は、必要とされてたって事だ」 「あんたの居場所は、あったんですよ」 それは何れも客観的な事実として。 あったはずだったのだ。これからも。 溜息を吐いて、一度言葉を切った。 (-282) 2022/08/17(Wed) 13:34:57 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 無風 マウロ「もう少し時間潰しに付き合ってもらえます?」 寄せては返す波の音を遠くに聞いて、暫し下りた沈黙の後。 隣へ視線は向けないまま、あまり答えに期待してもいない言葉を 最後に聞いた時より、随分と落ち着いた声の主に投げ掛けた。 こちらからすれば相手は真実そこに居るわけでないのだから、 つまりは許可など取る必要も無い事ではあって。 「周りがどう思っているかは一度置いておくとして。 結局生きるなんて事は自己満足の連続だ。何にしたって、 あんたにだってやりたい事はあったはずでしょう」 「あんたはどうしたかったんですか」 或いは、ただ認められたかったのか。 或いは、ただ慕う誰かの為に力を尽くしたかったのか。 或いは、ただ自分の手の届く所にあるものを守りたかったのか。 飽くまで同じファミリーに所属する他人でしかない掃除屋は、 たとえばあなたの抱えた未練の類をどうこうしようだとか。 そんな立派な考えを持っているわけではない。 結局の所は、単なる時間潰しでしかないことだ。 (-283) 2022/08/17(Wed) 13:36:00 |
【秘】 花で語るは ソニー → 無風 マウロまだあつあつの牛肉の味わいをビールで流し込み、ホップの苦味で満たされたらまたパニーノを齧る。 食べ汚いわけではないが、まるで成人したばかりの食べ盛りみたいに屋台料理を口にするさまは、 良くも悪くも年の近しい人間だとはお世辞にも思われないかもしれない、なんて。 生和えを聞けたならいっそうに嬉しそうに頬骨の上に皮膚が持ち上がる。 屈託のない笑顔はやがてレースの熱気に飲まれ、馬の競り合いに一喜一憂していた。 レースを見守っている間、相手の眼下に見える青年は祈ったり拳を握ったりと忙しなく、 自分の勝ちが決まったなら祝杯とばかりに手にしたビールを一気に空にした。 手元の食事もレースを見ている間になくなってしまって、両手で祈るように瓶を握る。 街の裏側で起きていることとは少しも関係がないように明るく、賑やかで。 健闘を称える声が掛けられた時に見上げた丸い目は、相手の憂いとは欠片も関係ないようだったろうに。 「祭りの期間内にトライアル・ランと本番と、アフター・ランもあるんだって。 ほとんど毎夜、こんな感じ。競り合ってるのは馬同士じゃなくて地区同士だから、 日によって馬が替わったりもするけど……今日は運がオレに味方したみたい」 これで楽しさを見出したなら、相手もまた訪れるかもしれないと注釈を。 街の祭りを貴方がみとめたことを歓迎するように、期限良さそうにしている。 それで、と。一度視線がふいとそれて、上目遣いになるようにおそるおそる目を合わせる。 賭けに勝ったその内容を説明する、それだけのことなのにやけに焦れた間が空いてしまう。 空いた手が相手の手首を掴んで、くったりとしなだれるような力が掛かって、一歩距離を詰めて。 次いだ言葉は先までの気軽な約束とはもう少し違った、しっとりとした熱がある。 熱気で匂いなんてほとんど混じり合っているはずなのに、わずかに癖のあるアンバーが香る。 ほんの一瞬だけ、ジェイドの奥に陽炎のように揺れる熱が灯る。 「朝までなんて言わないからさ。もうちょっとだけオレと夜を過ごしてもらって、いい?」 (-285) 2022/08/17(Wed) 14:23:27 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 無風 マウロ一歩、また一歩と。 誰かが住んでいた部屋から遠ざかる音を響かせる。 ――残念だったなあ、全く。 これが落ち着きさえすれば、声をかけるつもりだったんだが。 三人でつるんでいた分、ツィオにもしなきゃなかったし。 あいつのこと自体はそこまで好きじゃなかったから、 特段気は進みはしなかったが。 お前は先代が死んだばかりの俺に昔の俺に良く似ていたよ 上げれば切りが無いが、少なくともそのあたりの奴よりはよっぽど。 愛想を覚えれば割といい部類の幹部にでもなれたんじゃないか? ひょっこり起きてくれでもすれば、言えることも多いんだが……。 「この穴はしばらく埋まらんぞ」 死人にかける言葉は少なくていい、 ありもしない未来を語る必要はないだろう。 戻ってくるのなら早くしろ、部屋なんて残してる暇はないんだ。 お前の代わりだっていらない。 精々ボスの面倒を見ながら首を長くして待っているんだな。 (-289) 2022/08/17(Wed) 17:56:36 |
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