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【秘】 花で語るは ソニー → 蜉蝣 アベラルド喫茶店やデリカテッセンと違って、ひっきりなしに人が訪れるわけではない。 街の様子や評判のおかげでそれなりに繁盛はしているものの、 電話で品を予約して、受け取りの時だけ見せに来る、なんて人間も少なくない。 扉に着けられたチャイムが音を立てて来客を報せ、そういえば、なんて時計を見る。 バックヤードから顔を出した男はエプロンを着けたまま、カウンターを通って。 見知った相手の顔を確認したなら、不安通りの気さくな笑みを返した。 「いつもありがとうございます。この花でよろしいですか? どの枝をお取りしましょうか」 この季節の花であれば、ゼラニウムやジャスミン、ブーゲンビリアにつるバラ。 ラナンキュラスやエンジェルトランペットなどもこの季節には合うだろう。 剪定鋏を片手に、相手が指した花の展示に手を添える。 (-233) 2022/08/14(Sun) 12:34:27 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド「冗談だよ、でも生まれた時から宮殿暮らしなわけじゃないでしょ。 祭りに参加したりするのは、はじめて?」 何気ない、そう聞こえるようにイントネーションを抑えた言葉。 果たしてどれだけ相手のことを調べているのか、そうでなくとも例えば上層の血縁ではないとか、 順当に功績を積み上げて今の立場にあるというのは、ある程度情報を仕入れていればわかることか。 何も相手の出自の如何まで、相手のファミリーの中で噂される以上には知らない筈だ。 「急にデニムのパンツ履いて足元スニーカーにして……なんてやったら動きづらいでしょ。 人が多いから、目の行かないところまで変える必要はないし。 少し体裁整えておきたい場所に行くなら、祭りから離れたらジャケット羽織ったらいいよ」 白からアイボリー、ジャケットに色相の近い青のデニム生地のまでぱっと当ててみたりする。 相手の方が背が高いぶん、宛てがうのにも手を上げ下げして、ちょっとした運動だ。 あくまで目の前で店のものを、なおかつ相手も選ぶ権利のあるものを手に取っているのだから、 何かしら仕込みをしている……とは考えづらい、と思う。 「気に入ったのあったら、着てみたら? 肩の動かしやすさとか色々あるでしょ。 お兄さんは顔立ちがいいから、何でも似合わないってことはなさそうだけどさ」 何枚か持たせて、評価の渋かったものは元の棚に戻して店員に任せたり。 試さずに買うのもなんだから、と試着室の方に背中を押し出す。 ふつうだったら容易に接させはしないだろうけど、それとして。 もし進言のままに試着室に入るのであれば、ひょいと。その後ろからついてくる。 口元に人差し指を当て、"Shh"と合図までご丁寧にして、だ。 (-238) 2022/08/14(Sun) 13:40:51 |
【秘】 蜉蝣 アベラルド → 花で語るは ソニー「ああ、居た。よかった」 「この枝をお願いします。咲き方が愛らしい」 奥から来たあなたを見れば、手を挙げて挨拶をした。 仕事帰りだからアジトに居る時と違い軽装だ。髪も青いゴムで一つに括っている。柔らかい笑みも、表向きのものだった。 そう言って指すのは白いジャスミンの一枝。 ラッピングもお願いします、と一言添えて。 「……どこもかしこも賑やかですね。 花を買う人も、いつもより多いんじゃないですか」 「俺の店もいつもより忙しくて。普段通りの時間に来られてよかったです」 この男が外で裏の話をする事は殆ど無い。 だから今日も、いつも通りの世間話だ。 (-241) 2022/08/14(Sun) 14:01:58 |
【秘】 花で語るは ソニー → 風任せ マウロ「今じゃ祭りなんて体裁のいい悪ふざけみたいなモンだよ、 カミサマがヘルメットと手綱だけ、鞍もつけない馬に乗ってヤバいレースをするのを、 大手を振って歓迎して祝福してくれるわけないんだから。 でもオレはそういうの好きだね。お兄さんも好き?」 盛事や典礼に関わる人間が聞いたら卒倒しそうな話だ。 少しの無礼も気にしないのは初対面の相手だからか、相手のノリを見極めたからか。 何にせよ、相手が乗り気の姿勢を見せたならば男の顔はいっそう喜色に満ちた。 レースを見下ろせる道まで案内する。遠景のレース場は街の建物とほとんど面していて、 誰でも入れる観戦席もあれど、高いところから建物の上から見下ろす人もあれば、 馬の走るドーナツ状の道の真ん中に作られた席も人がひしめき合う。 ビール瓶を一つ渡す、封はきちんとされている。若者なら飲み慣れたモレッティだ。 レース場を加工観戦席の近くまで相手を連れて行って、今から走り出す様子の馬を指す。 「ホラアレ、あそこの騎手が持ってる鞭。アレは他の騎手や馬に向けてもいいんだぜ。 他の騎馬にタックルしてもOKなんての、F1より治安悪ぃ。 どうせレースを見るんだったら賭けでもしようか? どの馬が勝ち抜くのかさ。 何を賭けるかはソッチが決めていいよ」 (-243) 2022/08/14(Sun) 14:55:37 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー「昔は孤児だったからな、院の外に出ることは殆どなかった」 今でこそ金回りは良いが、当時からすると逆にこのような店や祭は敷居が高かった。 医者の家に養子で入ってからは教養を身につけるための勉強漬けだったし、急にいい服を着せられたから、何分中間、普通を知らない。 家出をしたあとは直ぐにノッテに拾われて、そこからは死にものぐるいであったから、青春らしい青春を経験したことはない。 「それでも一番、普通に遊べたのは孤児院に居た頃だったかもしれないな」 幼馴染の手を引いて、夢を語ったりしたあの頃が懐かしい。 デニムを身体に当てられ、その新鮮さに「ほぉ」と相槌を打ち色々な服を代わる代わる見せられた。 余りこだわったことはなかったが、服の合わせ次第で十分に上品に見えることを初めて知っただろう。 「随分軽い生地だな……。 試着、ここで着替えるのか……?」 一瞬迷いを見せたが、ここに見張りなどはどうやら居ないらしい。 とはいえ、試着室は他の目のない狭い場所。 無防備に服を脱ぐのはいかがなものか。 いや……銃は肌見放さず持っている。 このような場所で騒ぎを起こすのは互いにとって本望ではあるまい。 そう思えば一言「わかった」と諦めた様子で頷き、試着室へ入る。 一緒に入ってくるのがみえると「おい!」と声を上げかけたが、その寸前で飲み込んだ。 (-249) 2022/08/14(Sun) 17:15:03 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー/* Ciao!ボスの飼い猫の妹の息子です。 12:00:14に頂いた秘話について、仕事中の名前でお呼び頂いているのですが 文脈的に恐らくミスかな?と思いますので、 その場合はそっと脳内補完をして返信しようと思います。 表記とまったく違う偽名を名乗るなんぞという 死ぬほどややこしい事をしていてすみません…… お忙しい中お手数お掛けしますが、念のため確認をとご連絡させて頂きました。 (-250) 2022/08/14(Sun) 17:31:32 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー/* エッチなことを!!??!!?!? わかりました。(受けられるとは言っていない) ご連絡ありがとうございます、これより返信に移ります… (-252) 2022/08/14(Sun) 17:36:37 |
【秘】 花で語るは ソニー → 害のない毒 マキアート唾液を含ませてぬるついた舌は背筋を伝い、傷のふちをなぞるように辿る。 首を伸ばせば届く端っこまで耳朶を食んで続きを催促するよう。 何もせず与えられるばかりを好むわけじゃない、むしろ触れるほうがずっと好きだ。 だからこそ、魅惑的に見える相手を何もしないまま待つのが堪えて、こうして求めているのだろう。 背中越しの体温の主は興奮を覚えていると、示すように時々腰が揺れて門渡りを刺激する。 「オレ、我侭言うの好きなんだ。応えてくれるの、嬉しいから…… カフェはいい匂いがする。ちゃんと手入れしてる、匂い」 眉は下がり、蕩けるように見上げる。遊びでもこうして触れ合わせられるのは特別なことだ。 それが身持ちの固い人間の言う意味よりもずっと浅い意味であったとしても、 肌を寄せる喜びを分かち合えるのは、全く誰でもかまわないというのとは、少し違う。 こちらを向いた顔を見上げて、顎下に舌を這わせて深く息を吐く。 触れ合った唇は内側の粘膜を啄むように合わせて、ぴちりと水音を交換する。 どちらのものともわからないくらい混ざりあえば、次第に丸く甘い味の錯覚を覚えた。 「ン、もっと」 せがむ声を朱色の間に流し込んで、絡み合うほどではないくらいに舌先を送り込む。 唇の柔さをなじませるくらいの浅さで、誘って続きを乞うくらいのもの。 相手が脱がせやすいように袖口を浮かせたり椅子の座り方を変えたりして、労を減らすのも惜しまない。 段々と、あたたまった肌が密着し合う箇所が増える。 乾いて感じないくらいに薄うく汗をかいた皮膚がよけいに、性的なものを連想させて息を呑んだ。 (-262) 2022/08/14(Sun) 19:55:53 |
【秘】 花で語るは ソニー → 小夜啼鳥 ビアンカ/+ お疲れ様です。 >>21の白茶、二日目が終了しそうなのでこのままやりとり中止で大丈夫です。 おそらくログに紛れて気づかなかったのだと思うのですが、 後で気づくとショックかなと思い連絡しました、またの機会がありましたら〜。 返信は不要です! (-264) 2022/08/14(Sun) 19:59:57 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニー/* お疲れ様です。大変失礼しました、気が付きませんでした… この時はすげなく立ち去ったというようなていで、改めてこちらから声をかけさせていただきますね。 ご丁寧にありがとうございます。 (-267) 2022/08/14(Sun) 20:16:40 |
【秘】 花で語るは ソニー → 蜉蝣 アベラルド「はい、こちらですね。ちょうど時期なんですよ。 香りも清潔感があって柔らかいし……贈り物にはぴったりかも」 なんて言うけど、相手が何の用途で花を買っているのかは知らない。 それが喜ばしいものなのか、悲しいものなのかさえも、だ。 けれどそれ以上のことを言うわけではなく、薄いミントブルーの不織布がくるりと巻かれる。 白に薄緑がしのばされた枝は、花は小さくとも上品な華やかさを持つ。 「そうですね、業者から個人から、いつもよりかは出入りも多いですよ。 通りも人どおりがわっと多くなってるから、大変なんじゃないかな。 オレも配達車を移動販売と勘違いされて子供に囲まれたりもして、ははは」 有事であることを加味して、時に間接的に暗部の話をすることもある。 けれどもたびたび言葉を交わすごとに、相手がそれに積極的でない向きを悟って、 彼に対してはあまり裏の話を振らないようになったらしい。 少しラフで気軽なふうに見える格好に、ちょっとだけ嬉しそうに頬を緩ませた。 「お兄さんは祭りの方へは、あまり? その様子だと仕事が忙しいかな」 (-268) 2022/08/14(Sun) 20:18:34 |
【秘】 蜉蝣 アベラルド → 花で語るは ソニー「そりゃいい。きっと喜んでくれる。 ……うん。いいな。やっぱりここの花屋はセンスがいい」 ラッピングされていく様子を満足そうに眺めていた。 たおやかで清潔そうなその雰囲気が気に入ったようだ。 何の為の花なのかはきっとまだ誰にも知られていなくて、けれどおそらく、喜んでくれるような相手はいるらしい。 「あはは、そうですか。祭りになると島の外からも子供は来ますしね。もちろん大人も、ですが」 「やっぱりお互い大変ですねぇ、儲かり時と言えばそうなんでしょうけど。 悪い気はしないですがね」 「俺は〜……まあ、少し覗くくらいですよ。 ほら、祭りになると美味しいものに多く出会える。 昼飯時にそれ目当てで出向くくらいですかね」 「そういうお兄さんこそ、あんまり行けてないんじゃあないですか?」 一緒に行く相手もいない……いや、いないこともないけれど。 世情が世情だ。大っぴらに連れ歩くのも気が引けていた。 そちらの方を伺うように、首をかしげる。 (-273) 2022/08/14(Sun) 20:42:03 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド「そっか。じゃあちょっとくらい、楽しみ方でも教えようか? 馬の走る時間は過ぎてるけど、次の日の出走馬の様子くらいは見れるかもね。 トライアル・ランを何度か走るし、夜はビアガーデンが出てる頃かな」 わざとらしくならないよう、知っていることへの反応は簡素に。 毎日続く祭りを毎夜深くなるまで楽しむ元気な者自体はそう多くはないものの、 それぞれにまばらにあれば、結局のところ夜まで祭りは続いているのに等しい。 外から聴こえる楽器の音や人の声なんかも、きっぱり遮断することは出来ないようだ。 「別に全部買っていってもオレは困らないけど、まあ、荷物にはなるんじゃない? ちゃんと着るなら馴染みのブランドのでも見てあげたら」 カジュアルなものだからといって皆廉価なわけではないし、ブランド物となれば一見同じようなものでも数百ユーロする。 きちんと見立てて普段遣いするのであれば、河岸を変えないほうがずっといいだろう。 さて、着替えができる程度にスペースを取っているとは言え、二人は居れば試着室は狭い。 当然離れて立つなんて芸当は出来ないし、そうするつもりもないようだ。 手は、向こうの壁について。囁く声が漏れないように、耳のある方に唇を寄せる。 「 ――……ヤサに現れなかったのは、カルロ、アルミオ、ピーノ…… 」こうしてふざけた態度を取っている割に、一応わざわざ時間を取るだけの仕事はあるよう。 名前が上がったのは末端がほとんどだが、構成員の名前なのだろう。その数は、十数名。 おそらくは騒ぎがはっきりと情報となった日、昨日のうちにアジトに顔を出さなかった人間だ。 とはいえ同国の人間としては多少ありふれた名前。それに顔と照合できねば、意味がない。 それでもその中にはいくらかもっと、重要な名前も紛れていたかもしれない。 例えばある程度功績を残したメイドマンやソルジャーなどのような。 そのくせ、同じ小声で胸元から見上げて囁く。 「脱がないの? 時間掛かったらヘンだよ」 (-274) 2022/08/14(Sun) 20:42:24 |
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