情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
【秘】 二年生 小林 友 → 二年生 早乙女 菜月ちがうよ。 ちがうよ。 [つい、書きながら声に出す。] 俺だって、放課後一緒にアイス食べたり 休みの日にくたくたになるまで一緒に遊んで 帰りのバスでお互い身を預けあって寝たり そんな普通の恋人みたいなことして 結婚して、子供産まれて、 二人してジジババになって…… そうやって死にたい。 [ただただ世を儚むような真似は 結局誰にも救いをもたらさない。 この手で、菜月の手を握りたい。 それだけなのだ。] (-124) 2020/10/04(Sun) 15:22:53 |
【墓】 二年生 小林 友[窓の外が暗くなっていく。 星も見えない真っ暗闇が、 図書館の中を満たしていく。 紙が、もう見えない。 シャーペンの軌跡も、ブルーのボールペンも ダサい天使の描かれたピンクの便箋も 全部全部、黒一色に染め上げられて。] (+24) 2020/10/04(Sun) 15:24:08 |
【墓】 二年生 小林 友[その一瞬、隣に座る影の手に 俺は自分の手を重ねた。 結局その手は何にも触れないまま すとん、と木の机に受け止められたけど 心做しか、辺りを包む暗闇は とくり、脈打つような温かさだった。]* (+25) 2020/10/04(Sun) 15:24:27 |
【置】 二年生 小林 友「その子供が、かわいそうじゃないか。 だれか、どうかしてやったらいいに。」 といいました。 「私は、その子が、目をさまさないほどに、 揺り起こしました。 そして、それが夢であることを 知らしてやりました。 それから子供は、やすやすと 平和に眠っています。」 と、やさしい星は答えました。 ─────『ある夜の星たちの話』 小川 未明* (L3) 2020/10/04(Sun) 15:26:53 公開: 2020/10/04(Sun) 15:25:00 |
【人】 二年生 小林 友[気がついた時には暮れなずむ図書館に 一人っきりで机に突っ伏していた。 暖かな影は、もう何処にもなくて 冷たい秋の風がふんわり、頬を撫でていく。 幸せな夢から醒めたら、 色褪せた現実が横たわっている。 ……今ならマッチ売りの少女の気持ちが分かる。 何度も何度も、マッチを擦っては 同じ夢を見たがるの。 残された本と、ボロボロの便箋。 便箋には、菜月からのメッセージが しっかり残されていた。]* (27) 2020/10/04(Sun) 18:25:07 |
【秘】 二年生 小林 友 → 二年生 早乙女 菜月なんか、ハリウッド映画な世界なんだね。 「世界はウイルスにより滅んだ!」みたいな。 俺の世界で今生きている芸能人が そっちの世界じゃ亡くなってたり…… ホントに、信じられない。 菜月自身に降り掛かった災難もさ。 練習を積み重ねた成果が 出し切れずに終わったのは 俺なんか想像もつかないくらい悔しいと思う。 どうか、菜月も身体を大事にね。 (-137) 2020/10/04(Sun) 18:26:07 |
【墓】 二年生 小林 友[「大事にね。」の文字が掠れた。 黒や赤より使わないから、と選んだ青いインクが もうすぐ無くなりそうになっている。 別に違う色のインクを使っても 菜月は何も言わないだろうけれど ─────何となく。] (+27) 2020/10/04(Sun) 18:28:18 |
【人】 二年生 小林 友「……ともちゃん、変わったね」 [ある日、図書館に行こうとした俺に 青柳はそう言った。 振り向くと、青柳はその端正な顔をそっと あらぬ方向へ向けて、笑う。] 「なんか、彼女出来たのかなって。 ……それは喜ばしいことだけど ともちゃん、なんか消えそうで、怖い」 [それぞれが部活や委員会に向かおうとする 騒がしい教室内に、消え入りそうな声を出す。 俺は青柳のそんな顔、初めて見た。 もっと明るく何も考えない奴だと思ってた。 “陽キャ”ってそんな生き物だって。 俺はそんな青柳にそっと笑いかけて 肩を叩いて、言った。] (28) 2020/10/04(Sun) 18:36:15 |
【人】 二年生 小林 友……なんだよ、それ。 別な世界に飛んでいきそうって? そんな方法、どこにも無いよ。 [何処にもない。 影に触れて、体温を分かつ方法も。 俺は知らない。 そう笑うと、俺は踵を返して 図書館へと向かうだろう。 大好きなあの子に逢いに行くために。]* (29) 2020/10/04(Sun) 18:39:17 |
【秘】 二年生 早乙女 菜月 → 二年生 小林 友[一つだけ書かれた「違うよ」の文字。 首を傾げながらのぞき込むと、 そこに広がっていたのは、 喉から手が出るほど欲しい日常。 日常を重ねた先の、穏やかなエンディング。] プロポーズみたい、じゃなくて、 ……プロポーズじゃん。 友君は告白まで文学的だなぁ…… 私は筋肉バカだからさ、 一緒に遊ぶの、体力いるよー? (-169) 2020/10/05(Mon) 5:58:09 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新