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【秘】 暗殺屋 レヴィア → 鳥葬 コルヴォ「死体を見たい人間がいるのかしら。」 淡々と返す。 何故見たくないか、の理由は言及しない。 聞かれる事もきっとない。貴方は興味がないだろうから。 「そう。私、商売人なのよ。」 だから冷やかしなら帰ってくださる?と、 遠回しだったそれを、今度は近道に言う。 しかしてどうやら、貴方はお客様でもあったようで。 「アンティークは自分で選ぶから楽しいのよ。」 馬鹿ね、と告げながら、席を立つ。 こつ、こつとカウンターから出て、一つの時計の元へ。 少しだけ錆びついた鉄の蓋がついた、無骨な懐中時計。 お世辞にも奇麗とは言えないそれを、手に取る。 「一番古い時計。いつ壊れてもおかしくない、 死にぞこないの時計。」 「明日には止まっているかもしれないわ。」 「でも。」 「今、懸命に動いている。」 死を看取るのが、貴方の仕事でしょう、と。 女はそれをもって、カウンターまで戻る。 「早めに取りに来ることを願うわ。」 「踏み倒されたら癪だもの。」 (-332) 2022/08/20(Sat) 1:43:57 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラ"それだけ"が理由だ。 女にとって人を殺す理由はそれだけで良かったし。 それ以外の理由を求めることは許されなかった。 命令通りに仕事をするお人形。 求められるのはその役割だけだった。 女は、殺しのための道具だった。 「そう。」 「興味がないわ。」 貴方の嘆願を、冷たい言葉で切り捨てて。 …だというのに、銃口は未だ向けられることは無かった。 「人に会うことは許さないわ。」 暗殺の仕事は、誰にも知られてはいけない。 だから知った人はみんな、殺さなければいけない。 先日、現場を目撃した街娼の少年をそうしたように。 だから、人には会うなと。 それは、それ以外の行動については許容するという言葉でもあった。 死までの時間はあと僅か。 さて、あなたは溶け切る蝋燭を前に、 何を成そうと言うのだろうか。 (-347) 2022/08/20(Sat) 6:51:38 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 冷たい炸薬 ストレガ女は、店にて。 今日はいつもより早い時間から、鎮魂歌を演奏していた。 気まぐれか、何か理由でもあるのか。 なんにせよその音は、扉の前に立てば鮮明に聞こえてくるはずで。 「いらっしゃいませ。」 と、顔を出した貴方を一瞥もせずに、 淡々と告げるのだった。 (-348) 2022/08/20(Sat) 6:54:05 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → piacere ラウラ好きにすればいいと言われたその言葉で、 一人の時間を多くしたというのなら。 一人でいたために殺されてしまうことを、 果たしてその人はどう思うのだろうか。 吐いた言葉を後悔するだろうか。 あるいは殺人犯を、蛇蝎の如く恨むだろうか。 …どちらでも、興味のないことだ。 自分の仕事は、指示通りに殺すことなのだから。 「ご自由に。」 冷ややかな言葉。 貴方の行動を見守れど、内容を見せるよう要求をすることはない。 中を見ようともしない。 貴方がその気になれば、この女を告発する文を書き、 誰かに託すことで、女への報復をすることすら容易にできる。 それほどまでに、ある種不用心な立ち居振る舞いをしている。 「終わったら教えてくれるかしら。」 「それと、その手紙は死体に持たせたままでよかったかしら。」 視線を逸らして、懐から取り出した懐中時計に目線を移す。 貴方がやりたいことをやり終わるまで、 きっと女はそうし続けていた。 (-374) 2022/08/20(Sat) 13:56:44 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 冷たい炸薬 ストレガ「たまには真面目に仕事くらいするわ。」 奏でる手は止めないまま、そんな返事をして。 今日の鎮魂歌は、いつもより少しだけ甲高い。 グラスハープは、水の量が多いほど低い音になる。 だから恐らく、だいぶ前から、水の補充もせずに 演奏し続けていたのだろう。 品揃えは変わらない。 ランタンが一つ売れたくらいだ。 「そうかしら。いつも通りだわ。」 「良い時なんてないもの。」 顔を少しあげ、夕闇を貴女に向ける。 「明日には貴女か私が死んでるかもしれないわね。」 それくらい、もういつ刺客が現れたっておかしくはない時勢になった。 死ぬのは怖い?なんて、問いかけて。 (-375) 2022/08/20(Sat) 14:03:36 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 鳥葬 コルヴォ「あら、新品が良かったの?」 「随分長生きする気なのね。」 皮肉には、皮肉を。 趣味が悪いのね、なんて一瞥もせずに言いながら。 しかし声に忌避感はない。 元より、なにもない女に。 奪われるものも、ないものだから。 「身に着けたものが寿命を全うできる方が珍しいでしょう。」 撃たれ、殴られ。 荒事と隣り合わせなれば、装飾品など消耗品になり果てる。 修理が利く程度の損壊だったらいいわね、なんて。 心の籠らない言葉を淡々と。 そうして、踵を返すあなたを見る。 懐中時計はカウンターの内側、 引き出しの中にコトリ、としまわれた。 そうして、貴方の背中を見つめて。 「またのご来店をお待ちしているわ。」 その時私がここに居なくとも。 (-403) 2022/08/20(Sat) 17:18:56 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 冷たい炸薬 ストレガ夕闇と海、地平線を挟んで分け隔てられるもの。 それが今は、交わる。 くしゃりと潰されたカップに目を向けることはなく、 何一つの感情も感じ取れない目が貴女を見据える。 「準備。用意周到なのね。」 「遺書の一つでも書いたのかしら。」 存外臆病なのね、と、温度のない声で言う。 死に怯えるのは、生きる者としては正常だ。 揶揄う事はない。だからそれは、率直な感想。 死んでも仕方ないで済ます人かと思っていたから。 距離が詰められ、カウンター越し。 こちらは引くこともなく、背筋を伸ばして椅子に座ったまま。 首の角度だけが、貴方に合わせて下がっていく。 「私、何も感じずに人を殺せる女なの。」 「そんな女が、自分の死にだけ何かを感じる権利なんてないでしょう。」 「怖い、とか、死にたくない、とか。」 「そんな感情」 「興味がないわ。」 眉一つ動かさずに告げる。 女は"お人形さん"だ。 それ以外のものは持たないし、持ち得ない。 (-434) 2022/08/20(Sat) 19:29:57 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 冷たい炸薬 ストレガ「そう。」 「独占欲が強いのね。」 「仲のいい人にでも処理を頼めばいいのに。」 "炸薬"の花火。 それはさぞ見ごたえがあるのだろう。 何もかも弾けてしまうくらい。 おどける姿、悪戯気な顔。 やはり見つめ返す女の顔は無表情で、 でも。 最初の頃のように、目線を逸らすことはしなかった。 「論点のすり替えね。」 「……………。」 再度の問いかけに。 ほんの少し、瞬きの合間だけ。 睫毛が、震えて。 「怖くなんてないわ。」 「私が死んだら、この店のものは好きに持っていっていいわよ。」 常の声で告げた答えは、"no" 女は道具だ。ノッテファミリーのための。 (-445) 2022/08/20(Sat) 20:11:28 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 冷たい炸薬 ストレガ「私は誰とも仲良くないの。」 「仕事に使えそうなものは貰うけれど。」 あくまで、実益の為に。 回収する分には構わない。 仕事を卒なくこなす事が、自分の存在価値なのだから。 それだけ。 頬に、指が刺さる。 肉付きの良くないなりに柔らかな頬。 表情の乏しいものは、発達していない筋肉の分、 頬が柔らかくなるらしい、とはどこかで聞いた話。 女は指を避ける事もなく刺されたまま、 ただ無言で貴方を見つめている。 「そう、それはよかったわ。」 「道具には、持ち主が必要だもの。」 時代に忘れられた古い家具達。 それでもできるなら。 その役目を全うしてほしいと、思うから。 「興味ないわ。明日の事なんて。さようなら、signorina/」 「………。」 「次は。」 「アールグレイティーが飲みたいわ。」 止めることはない。投げたのは、その言葉だけ。 そうして、この時間も過ぎていく。 (-450) 2022/08/20(Sat) 20:42:11 |
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