225 秀才ガリレオと歳星の姫
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| 詠唱もせずに空に掲げれば、 紙でできた鳥はまるで生きているかのように 夕焼け空へと飛び立っていく。 風に乗って飛んでいく鳥は 無事に屋上までたどり着き。 ユスティの肩に着地……させるはずだっただけど 頭に乗っかっちゃった。 仕方ないね、これくらい誤差だよね。 ユスティがこっちに気づいたなら 満面の笑みを浮かべてピースサインをするけど どうだろう、こっち見てくれるのかな。** (19) 2023/09/25(Mon) 1:56:59 |
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「宿題手伝って!」
もし、飛んできた鳥の形をした紙を開いたなら 結構図々しいお願いが書かれていたはず。**
(-3) 2023/09/25(Mon) 1:57:35 |
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『偉大な人間は常に、凡人たちの 激しい反発に遭遇してきている。』
使い古された真理は時代を選ばない。 >>13 秘められた魔の力が全てを物語るこの世界 努力など砂上に投げられた水滴一粒にしか値しない。 天才の煌めきは雨となり降り注いでいく最中、 ただ、ただ、無様に流されていくしかない。 (20) 2023/09/25(Mon) 19:38:26 |
| 雨の象徴、エウロパ >>12 水に溢れた衛星の名を冠するユスティの知人 その姿は子鬼に金棒とも言うべきだろうか 目を引く程のあまりにも強大な魔の力は 小さな器から溢れることも珍しくない しかし扱い方を覚えれば彼女は鬼となり 覚えきれなければ災害と化すだろう、 それがユスティの彼女に対する評価 つまりは劣等感の象徴だ。 (21) 2023/09/25(Mon) 19:39:19 |
| 知ったような口を利くな。 キミにボクの何が分かる。 >>15 与えられたものを行使するだけの矮小な器が 水ひとつない銀の杯のことなど、 何を理解した気になっているのか。
その圧倒的な差を思い知る度に 乾いた嫉妬心がじりじりと硫化を生む。 (22) 2023/09/25(Mon) 19:40:06 |
| (-4) 2023/09/25(Mon) 19:40:57 |
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昔はずっと彼女の一歩前を立っていた。 出会いの始まりは何気ない謁見。
どこか思い出の地 一人練習をしている時に 運命の歯車が微かに回り出した。
歳不相応に鍛え上げられた魔法の腕は 同じ年頃の子達の憧れの的となり、
彼女との出会いが努力に拍車をかける それはまさにユスティの自信の象徴。
その自信は成功という想像を生み 新たな技と強き精神の創造を促した。
(-5) 2023/09/25(Mon) 19:42:25 |
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しかし無常にも与えられる試練はその心を砕く。
技を磨こうとも魔の源流がなければ成り立たず その質量が不足した者は、溢れ出る者から お零れの灰汁を掠め取る他ないのだ、と。 (-6) 2023/09/25(Mon) 19:43:53 |
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ユスティは直ぐに思い知った。 いつも苦労していた魔法の練習も エウロパといる時だけ尽く成功する。
その不和を秀才が察せぬわけもなく (-7) 2023/09/25(Mon) 19:45:02 |
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「ボクがキミを守るよ。 エウロパは、ボクの大切な……だから。」
(-8) 2023/09/25(Mon) 19:45:34 |
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心を砕かれるいつか前のことが巡り巡り、 彼女に放った告白じみた宣言が 蛇のようにまとわり首を締め付けていく。
守りたいと思った たった一人好きだった女の子が
まさか────
(-9) 2023/09/25(Mon) 19:47:37 |
| 項垂れていたユスティの頭に鳥がとまる。 >>19 着地地点に誤差があるなど知りもせず その目に映るのは高度な物体操作の実現という 凡人には成しえない力技の成功事例のみが伝わる。 (23) 2023/09/25(Mon) 19:48:16 |
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腹立たしい
その何気ない行為ひとつ成し得るために 血を吐く思いで身を裂く者もいるというのに (24) 2023/09/25(Mon) 19:49:02 |
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「3秒でここまで上がってこれたらいいよ。」
(25) 2023/09/25(Mon) 19:49:31 |
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図々しい申し出には無理難題で返すのがいい。
返事の記述と共に再び織り込まれた鳥は 彼女の穏やかなそれとは異なり 勢いよく直線上に飛び、地面へと刺さるだろう。*
(26) 2023/09/25(Mon) 19:51:18 |
| /* この間の村で5秒で紅茶持ってこいって言ったの根に持たれてる説ない……? (-10) 2023/09/25(Mon) 20:37:32 |
| /* エウロパのことだから空飛んで着地とかしそうなんだよね。 スーパーマリオみたいに (-11) 2023/09/25(Mon) 20:38:12 |
| /* 「イヤッフォゥゥゥゥゥ」とか言いながら飛んでくるエウロパとかいやだな() (-12) 2023/09/25(Mon) 20:38:41 |
| /* 毎度の事ながらお付き合いくださるアリスさんには感謝なんですがそれはそれとしてキャラが似通ってないか心配どす (-13) 2023/09/25(Mon) 20:42:16 |
| /* アリスさん闇の魔術好きそうだよね(?) なんか手出しておこうかしら(?) (-14) 2023/09/25(Mon) 20:43:49 |
| (-15) 2023/09/25(Mon) 21:24:22 |
| (-16) 2023/09/25(Mon) 21:24:58 |
| 秀才の苦労を馬鹿にしたいわけじゃない。 私にとっては何気ない行動一つ、 ユスティの劣等感を煽るなんて。 >>21 ただ、私は君と仲良くしたいだけなのに。 (27) 2023/09/25(Mon) 21:46:27 |
| その身が魔力で満たされていないのも。 私は分かってる。 >>22 そうだね、だからこそ思うの。 血のにじむような思いで努力しなければ 本来成功なんてしないはずの魔法を 成功させているんだ、ってこと。 >>24 魔力が強ければ力技で成功する魔法。 それを丁寧に、機織りみたいに 織り上げていく姿は私にはないものだ。 (28) 2023/09/25(Mon) 21:47:07 |
| 知ってるから、言ってるんだよ? 知ったかぶりじゃないもん。 >>22 君は昔から、努力を欠かさない。 私は君以上に努力している人を知らない。 ずっとそんな君を尊敬してるんだ。 (29) 2023/09/25(Mon) 21:47:35 |
| 地面へ突き刺さった鳥は、 もしかしていいよってことなんじゃない? だって、嫌なら無視すればいいもんね? そう思った私は上機嫌でその中身を確認する。 >>25 (30) 2023/09/25(Mon) 21:47:55 |
| 「つまりいいってこと?! やったー!」 なんて言ってる間に3秒経ってそうだけど これはノーカウントってことにしてほしいな。 一歩二歩、と後ずさって少し距離を作ってから。 (31) 2023/09/25(Mon) 21:48:23 |
| 「―――――風よ、我を彼の地まで運べ 瀑布を遡るかの如く 天に向かって吹きすさべ…… 」 (32) 2023/09/25(Mon) 21:49:21 |
| 詠唱しながら、助走をつけて。 高く、飛び上がれば、巻き起こる上昇気流が 私の身体を宙へと浮かす。
でもこれだけじゃ、屋上の高さには届かない。
(33) 2023/09/25(Mon) 21:49:42 |
| 「シルフィードの翼をこの身に宿せ 巡りゆく因果の糸を手繰り寄せろ
風を、空気を、我の望むままに。」 (34) 2023/09/25(Mon) 21:50:32 |
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