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【雲】 ウユニ風に吹かれて、何かが転がるような音が 微かに聞こえてそちらに目をやれば 貴方がいつも付けていた仮面を見つけた。 「……どうして、って聞けなかった。」 仮面を拾い上げて、 泣き腫らして酷い顔を貴方から隠すように それを身に着けると、貴方の方を見て。 (D69) 2022/08/27(Sat) 17:31:45 |
【雲】 ウユニ そのあとの記憶はおぼろげで どう家に帰ったのかすら、曖昧だった。 思い出そうとしても、思い出せない。 貴方がいない家に戻って 私が割ってしまった花瓶の破片を見て。 貴方が薔薇を可愛がっていた姿を思い出せば また、涙があふれていく。 この先ずっと、こんな思いを抱えていくなんて 到底耐えられない。 貴方の言葉に背いて、死んでしまおう、と。 破片を手に取り、腕を切ろうとして―――――。 (D72) 2022/08/27(Sat) 17:37:34 |
【雲】 ウユニ誰かの声を、聴いた気がした。 貴方の声だと最初は思って、辺りを見て。 勿論、貴方がいるはずもなく。 幻聴だったのかと、がっかりした。 でも、貴方に引き止められたような気がしたから。 その日は気絶するように眠った。 (D74) 2022/08/27(Sat) 17:42:59 |
【雲】 ウユニ 次の日も、その次の日も。 私は何もする気力も起きなくて ただただ、死ぬ方法ばかり考えていた。 家にいれば、貴方との思い出ばかり蘇って そのたびに何度も泣いて 心の痛みを誤魔化すように、 自分の身体を傷つけ続けた。 何かを食べても味がしないと気づいて 食事も疎かになっていって。 それでも私は死なないように、生きていた。 死ねなかった原因は二つ。 (D75) 2022/08/27(Sat) 17:50:11 |
【雲】 ウユニ一つ目は、貴方が遺した手紙。 W数十年後にW の一言は今、死んでも貴方にあえないんじゃないか、 私にそう思わせたし、 私が貴方の宝だという一言は この命を投げ捨てるのは、 貴方の宝を投げ捨てるのと同じだと、 私に思わせたから。 死のうと体に傷をつけても 躊躇うような傷で終わったのはそのせい。 今まで散々貴方の気持ちを 蔑ろにしてきたから。 罪滅ぼしにもならないけれど それでも、……。 (D76) 2022/08/27(Sat) 17:51:05 |
【人】 ウユニ 家族に見捨てられた私を、優しく迎え入れて 普通なら到底受け入れられない病を受け入れて 私の事を、愛してくれる人と、過ごしていた。 綺麗だ、と言ってくれたことも 私の贈り物に喜んでくれたことも 思い出をなぞるように湖で遊んだことも 愛を誓いあったことさえも。 すべて、ゆめだったの。 (1) 2022/08/27(Sat) 17:53:59 |
【人】 ウユニ―――――また、哀しい夢を見ていた気がする。 呼ばれて、ふと、現へ意識が引き戻された。 心配そうにこちらを見つめている子に 私は優しく笑いかけて。 (6) 2022/08/27(Sat) 18:03:01 |
【人】 ウユニ「なんでもないの。 ……ごめんね、ヴィオラ。 起こしてしまったかしら。」 まだ、陽が高くない時間、 幼子が起きるには随分早かったから、 まだ寝ていていいのよ、と頭をなでた。 (7) 2022/08/27(Sat) 18:03:56 |
【人】 ウユニ『ううん。 もう、ねむくなくなっちゃった。 おかあさんは……? ねてるときのおかあさん、 ずっと、くるしそうだった。 だいじょうぶ……?』 (8) 2022/08/27(Sat) 18:04:23 |
【人】 ウユニ眉下げて、此方を見つめる目元は 愛しいあの人に、似ている。 この子は……、ヴィオラは、 最愛の人の忘れ形見。 だから似ていて当然なのに、 数年見続けてもまだ、はっとしてしまう。 今でも、この子の存在は夢じゃないのか、と ヴィオラを見ては 驚いてしまうことがあるくらいだから 身籠っていると分かった当時は、 本当に驚愕したし 暫くは信じられなかった。 (9) 2022/08/27(Sat) 18:05:10 |
【人】 ウユニ でも、我が子の存在を知れば 死ぬわけにも、この身を蔑ろにするわけにも いかなくなってしまって。 裁縫で生計を立てる術はあったから。 誰にも頼ることなく、私は子どもを産んだ。 (10) 2022/08/27(Sat) 18:05:41 |
【人】 ウユニなおも心配そうなヴィオラの気をそらすように 朝食を作って、食べさせて。 視力を失った左目を隠すように眼帯をして、 机に置いてあった仮面を一度、撫でた。 ヴィオラが生まれてからは、付けていない仮面。 それは埃一つ被らず綺麗なまま、置いてあった。 身支度を済ませれば、 ヴィオラの手を引いて、家を出る。 (17) 2022/08/27(Sat) 18:12:49 |
【人】 ウユニ目指すのは、あの日以来訪れていなかった丘。 行けば、あまりにつらい出来事を 思い出してしまいそうだったから、避けていた。 久々に来た場所は、 花が増えていること以外は 何も変わっていなかった。 吹き抜ける風の心地よさも、景色も。 (18) 2022/08/27(Sat) 18:17:56 |
【人】 ウユニ最後は語り掛けるように呟くと、 蒼空を見上げて、 天国にいる貴方へ笑いかける。 つられた様にヴィオラも 天を見上げて、笑って。 つながれた小さな手の温もりを感じながら、 私は密かに誓った。 (20) 2022/08/27(Sat) 18:19:35 |
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