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【秘】 アンネロズ → イングラハム[ 生前なら、私は多分自分からねだるなんて しなかったんだと思う。 貴方がどう思うか、確信が持てなかったし 恥ずかしいとか躊躇いが勝ってしまったはずだから。 貴方に気遣わせてしまうのも、目に見えていたもの。 だからこそ、今どうしても、と。 強く願ってしまうの。 ] (-41) 2022/02/21(Mon) 12:03:44 |
【神】 アンネロズ[ 零された貴方のつぶやきにこくっと頷いて。 手を引かれるままに、公民館へと。 二人きりのホールは静まり返っていた。 此処に来るはずだった日のことを思うと 少しだけ胸が痛むけれど。 貴方の手のあたたかさはそんな感傷から 私を引き戻してくれるの。 冷たい手に体温が移って 私まで少し体温が上がったような気さえしたわ。 ] (G46) 2022/02/21(Mon) 12:05:54 |
【神】 アンネロズ*** [ 誰もいないホールの鑑賞席は当然選び放題。 私はきょろきょろとあたりを見回してみたけれど。 貴方が良く見える場所がいいわ、なんて言って。 最前列の席に腰を下ろすことになったでしょうね。 ] 私は貴方の演奏が聴きたいのよ。 完璧な演奏が聴きたいわけじゃないから。 だから、何も心配はいらないわ。 [ 貴方に心の赴くまま、弾いてもらえるように 柔らかく微笑んで見せた。 ] (G47) 2022/02/21(Mon) 12:06:25 |
【神】 アンネロズ[ 囁かれて小さく首を竦めてしまったのは 少しくすぐったくて、ドキッとしたから。 顔を赤くして貴方が椅子へと座るのを 見ていると、明かされたのは貴方が 完全には演奏をやめていなかったという事実。 ] 音楽が心を表現するのなら 意味ないなんてことはないと思うわ。 私は今それを聞いて嬉しくなったもの。 ありがとう、私を想ってくれて。 [ 貴方に向かって微笑んで。 それ以上は何も言わず口を噤んで 演奏が始まるのを待ったの。 ] (G48) 2022/02/21(Mon) 12:07:05 |
【神】 アンネロズ[ 傷だらけの指先が紡ぐ音色。 私は貴方の方を見ながらそれに聴き惚れていた。 貴方が心配していた失敗はしたのかしら、 多少のことなら私は気づかなかったでしょうし。 気づくほどのことがあったとしても些細なことね。 貴方の演奏を聴けるという喜びが強かったから。 何処か切なくなるような、そんな音色。 言葉では言い表せない。 心を強くゆすぶられるような感覚がするの。 貴方の横顔を見れば、記憶にある演奏中の貴方より ずっといい表情をしていたから。 つい、見惚れてしまったわ。 月並みだけれど、 かっこいいな、 って。 ] (G49) 2022/02/21(Mon) 12:09:03 |
【神】 イングラハム椅子に座ると、不思議と気分が落ち着く。 人前でピアノを弾くのはいつも苦痛だったのに 君の前だと、そんな気持ちにはならなかった。 一度弾き始めれば言葉は無用。 ホールに響くのは鍵盤の音色だけ その音色は一度足りとも外れることはなく 見事弾ききることになっただろう。 選曲が少し暗い曲調が多くなったのは 君を想う頃に覚えた曲なのと ただただ、僕の趣味。それだけのことさ。 (G52) 2022/02/21(Mon) 23:41:17 |
【神】 イングラハム僕は立ち上がってアンネに微笑むと コンサートのようにお辞儀をしてみせて。 「君のおかげだよ。 君が僕と出会ってくれたから こんな演奏だって出来るようになったんだ。」 だからこそ君を失って 僕は演奏する意味を見失いかけてしまったけど。 それでも君に会えて、僕は幸せだったんだ。 (G54) 2022/02/21(Mon) 23:42:29 |
【秘】 イングラハム → アンネロズ僕はステージを降りると君の手を取って 肩の荷が降りたように微笑むと 「アンネ。 君は、いつだって、綺麗だよ。」 僕の心を綺麗と呼んでくれるた君の 頭を撫でて。行こうか、とその手を引く。 (-45) 2022/02/21(Mon) 23:43:27 |
【神】 イングラハム*** 公民館を後にする僕らの空気が まるで初デートの帰りのような 甘酸っぱいような気持ちになってしまう。 けれど女の子にあそこまで言わせて それ以上を言わせるわけにはいかないから。 「その......アンネ。 さっきの話だけど......。 連れていかれるのが嫌なら... 今の内に、振りほどいて欲しい。」 もしも、どこに行くかを問われたのなら 2人きりになれる場所だと言って 僕は自分の家を目指し始めることになるだろう。** (G55) 2022/02/21(Mon) 23:44:52 |
【神】 アンネロズ[ たった一人の観客に向けたお辞儀。 貴方の特別を貰ったようで、 なんだか照れてしまうの。 続いた言葉を聞けば尚更。 ] ……私の、おかげ? ふふ、ありがとう。 こんなに素敵な演奏を聴けて私、幸せよ。 [ ずっと心残りだった。 貴方の心を聴く機会を失って。 約束を果たせなかったことが、ずっとずっと。 せめて死ぬのがあと一日、遅ければなんて。 私ではどうにもできない後悔に苦しみ続けていたの。 だからね。今こうして聴く機会が出来た奇跡に 感謝もしているの。 呼んだときに来てくれた貴方にも、勿論。 ] (G57) 2022/02/22(Tue) 0:39:35 |
【秘】 アンネロズ → イングラハム 私も、貴方に出会えてよかった。 きっと私達が出会うのは必然だったのね。 [ そう言って微笑みたかったのに。 感極まって泣き笑いみたいになってしまったのよ。 ] (-46) 2022/02/22(Tue) 0:40:20 |
【秘】 アンネロズ → イングラハム[ 私の手に触れる貴方の手に、もう片方の手を重ねて。 叶うなら貴方の指先に触れようとしたけれど… どうだったかしら。 もっともっと、貴方へ演奏の感想を伝えようと 口を開きかけたのだけど。 貴方の言葉に、動揺してしまったものだから。 ] (-47) 2022/02/22(Tue) 0:41:02 |
【秘】 アンネロズ → イングラハムあ、……ありがとう。 もう、エドはずるいわ……。 [ ゆらりと揺れる瞳を誤魔化すように ふい、と視線を別の方へと向けて。 急に言われたらどきどきするに決まってるじゃない。 それでも撫でられたならその心地よさに 目を閉じてしまうし、手を引かれれば うん、と頷いて貴方についていくの。 ] (-48) 2022/02/22(Tue) 0:41:54 |
【神】 アンネロズ*** [ 演奏が終わったら……って。 貴方のその言葉を私は覚えていたから くすぐったいような、そんな気持ちの中に どこかそわそわと落ち着かないものもあって。 ] 連れていってほしいの。 嫌なんて、言うわけないでしょう? だから、おねがい、ね? (G58) 2022/02/22(Tue) 0:42:31 |
【神】 アンネロズ[ 嫌じゃないって、私は知っている。 エドだってきっと、私の気持ちを知っている。 私は、そう思ってるから。 聞き返したのは少し意地悪だったかしら。 でも、躊躇ってほしくなかったの。 聞きつつ、繋いだ手に指を絡めながら。 貴方が向かう先へと、足を運ぶことになるの。 ]* (G59) 2022/02/22(Tue) 0:43:27 |
【神】 イングラハム僕達が出会うのは必然だった。 君と初めて出会ったあの日、 僕も同じ事を思っていた。 追いかけられ、重ねられる指先は 傷痕は消えなくともその痛みは癒えていく。 アンネの動揺はこれだけ近い距離ならば 僕にだって伝わってきて。 僕のせいだとわかった時には嬉しさのあまり 思わず「ごめんね」って笑ってしまった。 ずるいというのなら。 そんな反応をする君も同じくらいずるいのだから きっとお互い様じゃないのかな? (G60) 2022/02/22(Tue) 1:32:10 |
【神】 イングラハム*** 今度こそ約束は守る、と息巻いたからには もう逃げ場はないし逃げるという選択肢もない。 当然嫌な気持ちなんてないけど こんなもの、ドキドキするなという方が無理だ。 そんな動揺はアンネも一緒だったらしく どこか落ち着かない様子がそれを教えてくれる。 けれど僕の不安が君に届いてしまったのかな。 君が可愛げのある意地悪をするものだから。 (G61) 2022/02/22(Tue) 1:32:46 |
【神】 イングラハムつい本音を口に出してしまった。 その言葉はアンネに届いたかどうか。 もし届いても僕は知らないふりをして 絡められた指先を捕まえるように ぎゅっと握ることにするだろう。 それから歩いて数分。 ある家の前に立ち止まるとアンネの方を向いて。 「ここが僕の家。 今は父が亡くなって、母も入院中だから 僕が一人でここに住んでいるんだ。」 そう、軽く紹介をするだろう。 少し広めの家は一人にはやや寂しいが そもそもこの世界には僕らしかいないね、って 誤魔化すように笑うとアンネを招き入れた。 (G62) 2022/02/22(Tue) 1:35:12 |
【神】 イングラハムカツ、カツ、と部屋を目指して 僕の足音が静寂の家に響き渡る。 待ち遠しいなんてよく言ったものだ。 アンネの病気の事を知らなかった当時は いつかアンネが回復すると疑わないまま 微かに、期待だってしていた。 身体が冷えているかどうかなんて些細な話で 僕の心がアンネを求めてどくんと何度も呼応する。 途中、ピアノがある部屋をアンネに紹介すると ここで練習していたなんて話もするだろう。 (G63) 2022/02/22(Tue) 1:36:10 |
【秘】 イングラハム → アンネロズそれでも、僕の足は止まらない。 その理由は君だってもう分かっているはず。 その一つ奥にあった突き当たりの扉を開けると 「ここが、僕の部屋だ。」 そう言って、 アンネを先に部屋へと入れる形で招く。 そして整頓された部屋がアンネの視界に入ったところで アンネの背中で、扉がカタンと優しく音を奏でると (-51) 2022/02/22(Tue) 1:39:18 |
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