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【秘】 リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ>>+54 #収容所 勿論のことだが、死んだように眠る男は 様子を観察されていたことも、労いの言葉や行動も、 そのどれも知ることはない。 ただ、それまで眉を寄せ、 何かに耐えるようにしていたその表情はきっと、 僅かにも和らいでいただろう。 それを確認出来るのは勿論、君だけだ。 熱はまだ収まりそうもないが、あの日よりマシさ。 傷の手当も出頭前に医者に会いに行ったから平気だよ。 水はそうだな、起きたら沢山飲むとしよう。 食事は優しいホワイトシチューを彼女のお迎え前に。 スープは嬉しいな、出来れば具材は少ないといい。 どこまでゆっくり休めるかは分からないが、 君の世話を受けながらこの生活を満喫するとしよう。 今日はあの夢も、見ずに済みそうだ。 Grazie、俺の愛しいルチアーノ。 (-474) 2023/09/26(Tue) 0:25:32 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「……わお。 ごきげんようヴァレンティノ」 軽快な声を返した男は頬を誰かに叩かれ殴られ腫らしていた。 「元気だが、……そうだなあ。 お前も、ストレスや疲れは溜まってるだろ。 それが全部解消される代わりに別の問題が乗っかってきたら、ため息も付きたくなるよなあ?」 なんて、と笑うのだ。 「上手くやれてるか?……ボスは、まだか……」 (-482) 2023/09/26(Tue) 0:49:21 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「おう、見ない間に随分と男前になったな?」 見事に腫れた頬、軽快な声。 仕事が無くなった分元気になったらしい様子を見れば、 そのように軽口を飛ばした。 「お前がまだここに居て、俺がここに居るのが答えだな。 まだ崩れやしないが、持久戦に気を擦り減らしてる奴は多い。 早まる奴が出る前にボスには戻って来て欲しいもんだ」 「それにしても、お互い色男に悩みは尽きないらしいな。 俺で良ければ聞いてやろうか、罪作りなルーカス君?」 俺ぁさっさと仕事終わらせて纏まった休みもぎ取りてえよ、と 『ヴァレンティノ』は肩を竦めて笑った。 (-485) 2023/09/26(Tue) 1:03:11 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ「っ、……!くっ……」 思わずその笑みでぞくぞくと背筋が波打つのがわかる。 ただでさえ快感を拾いやすくある、その固い膨みを大きくして自分で自分を苦しめた。 殺すつもりでなんて、言われなくとも。 片手で再び添えた頸動脈の路、本来であればそれで十分足りうる圧迫をもう片方の手を添えて与えていく。 一、二、……と数えることは途中からやめた。 たとえ殺してしまってもきっともう自分は後悔しない。 だってそうだろう、目の前の男がこんな表情を見せるのだ。 「ヴィンセンツィオ……っ」 その顔に見惚れていれば、思い出したように力を緩め、また指を押し込む。 簡単に折れるようでもないその身体が酷く都合が良くて、その口から息が溢れるたびに嗜虐心をそそられた。 指に力を込めるだけでうねる肉壁と体の震えを感じる、耐えきれずに何も言わずにそのナカに迸るものを吐き出せば、浅く息を吐いて熱の籠もった視線を向けてやった。 これの何処が壊れた人間か、自分の評価を改めなければいけない。 もっといくらでも丁寧に結んで繋いで、 そしてまた壊しかけてやって、貴方も満足出来たらいい。 しかし今のその心には破滅的な望みしか残ってはいない。 直ぐにこの言葉も届けるつもりもない、ああ、本当に勿体無いな。 限界を迎えしばらく息を整えれば、熱はまた貴方を求めるように擡げ注挿をはじめていた。 快楽を貪りながら嬉々としてその首に手を這わす姿は、 先程まで男にあった理性が少なからず削がされていて。 多少は貴方が求めた粗雑さを含んだ責め苦が彼の手から与えられていただろうか。 (-488) 2023/09/26(Tue) 1:42:10 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「美少女とドライブデートしたのが懐かしいな」 今はこんなところでお部屋デートってやつだろうか。 「……幼馴染にマフィアを辞めろと言われている。 はっきりこんな言い方じゃあない。 ……だが……俺の傍にいたがるんだ……。はあ……。 正直まともな恋心でもないそいつをどう扱っていいかわからん。 できることしか俺はできん」 あれはなんだ、と、嫌悪ではなく困惑の色を見せて男はぶつぶつと嘆き始めた (-489) 2023/09/26(Tue) 1:48:14 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「モテる男は大変だねえ」 他人事である。完全に。 「お前が足抜けするんじゃなくて そいつがこっち来るんじゃ駄目なのか。 そいつが傍に居ようとする事そのものに困ってんのか?」 声色が嫌悪ではなく困惑であるからして、 さほど邪険にしているわけではないのだろうが。 とはいえ扱いに困りはしているのもまた事実のようだ。 「幼馴染で居るのはいいが逸脱するとなると扱いに困るって所か。 独り身で居たいなら適当言っちまえばいいだろ。 もう心に決めた奴が居るとか」 嘘吐きで不誠実な男は他人事なので言い放題である。 自分でも過去に何度もそう言って躱してきたのだろう。 (-490) 2023/09/26(Tue) 2:12:39 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ「殺意……はあ。 俺が殺すから手を出すなよ?」 そこは譲らないらしい。そして振り向いてくれるまで、と続き何の話だと首を傾げる。 生きる意義をはじめに与えてくれたのはファミリーだった。 そうして裏切られて失ってから、 ずっと他人に依存をしない暮らしをしてきた。 誰にも告げたことのない性質、奇しくもその予想は全て当てはまっている。 「エルヴィーノ……? お前、何言って…… 俺はあいつのことなんか……気にしてない、本当だ」 「ずっと傍に居るだなんて何をするつもりなんだ、 なんだか様子がおかしいぞお前。 ……裏切らないのは当たり前だ……わざわざ言うと信用が減るぞ」 (-491) 2023/09/26(Tue) 2:17:08 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「……無理だな、俺が此処を抜ける話だ」 マフィアにいる自分が、どうやら駄目らしい。 そこにあるこだわりは、まぁ悪いものをやめさせるようなノリであると。複雑である。 「俺が心に決めた人間が出来ると思うか? そんな直ぐにバレる嘘なんてつけるかそれに、……ああ」 「……期間限定でも恋人を作れば流石にそっとしておいてくれるだろうか」 嫌な信頼だけは貰っているそうだ。 誰ともまともに付き合えなさそうなことも、まともではないなら付き合えそうなことも。 (-498) 2023/09/26(Tue) 3:28:44 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「潔癖な幼馴染を持つと苦労すんのな。勉強になったわ」 今後特に役に立つ機会は無いだろうが。 実際、一般人からすればマフィアなどと 危うい生き方など知人にはしてほしくないものだろう。 知れば辞めろと諭したくなるのは何ら不思議ではない。 「こういうのはらしさがありゃいいんだよ、 普段女侍らしてんのは昔の女の面影を追ってるとかさあ……」 ああ言えばこう言う。 非常にろくでもない事を吹き込んでいる。 「…ああ〜?期間限定の方が大変じゃね? 期間限定の恋人と別れたらまた迫られんだろ〜? そしたらまた彼女作んの?自転車操業じゃん。ウケる」 きっとそんな生き方をしていけば、 夜道で刺される可能性は指数関数的に増えていく事だろう。 「そんな女作っては捨ててたらお前、 じきに今以上においそれと夜道出歩けなくなるぞ。 そんなら嘘吐いてでも一人に絞った方がまだ…」 「あ、居るじゃん。一人何役でもできる期間限定恋人。 俺。 」得意げに言う。半分は冗談だ。 (-500) 2023/09/26(Tue) 4:07:45 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「――んっ、うう、……」 男が意味をなす言葉を吐かなくなるほど快楽に溺れている姿は、 色を売る女のように媚びる仕草でなくとも、一般的な恋人同士で行われる睦言にしては随分と乱れているように見える。 そのような相手が常に居た可能性があるにしろ快楽には弱く、力の抜き具合や誤魔化しようもなく体を預けている状況は明らかにリラックスをしていて、一番を気を許せている時間なのは確かであった。 「きもち、…! んっあっ」「こん、なに」 「いて……くれて…あつ、くて」「いっぱい……」 子供のように甘美な刺激の中に温もりを求めている。 擦り込まれている甘言が、今このときだけは目の前のあなたのすべてが自分に捧げられていると伝えてくる。 それだけでよかった、夢は一度でも見れたら十分だ。 そう思ったら、ぽたり、何かが込み上げてきて零れそうになった。 思わずあなたの目を塞いで浅く息を吐く。 早く快楽の海に戻らなければと、それはほんの数秒で離され、誤魔化すように身を捩り抱きついた。 「すき、だ……」「はぁっ…、おれは」 「おまえが……好きだよ」 それを愛や恋と言えるのならば、どれほど良かったか。 諦めきれるから、捨てられるのが怖いと言い訳して受け取ることを拒めたのだから。 そして本当にそんな気持ちを抱けたというのなら、自分自身のことぐらい簡単に証明をしてほしいものだ。 両思いだなんて綺麗事、望んだことなんて一度もない。 片想いだけで期間限定の甘いひとときを送ることぐらい出来る。 どんな関係にも終わりが来て、誰かを同じ気持ちで想い続けるなんて出来やしない、だからその刹那の時間をより良いものに出来たらいい。 だから今は喜ばないと。こんなに嬉しいことは、今だけだ。 無理やり酔わせた身体で貴方を誘う。 ごめんなと、瞳からまた雫をこぼせば、あとはお互いに達するために身体を揺らし甘い声を上げ続けたた。 (-501) 2023/09/26(Tue) 4:49:51 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「昔馴染に昔の女の設定を突然つけるか。 出来なくもなかったがいないともう言ってしまって……」 「…… は? 」男は冗談抜きで貴方を恋人にしてみたいと思ったことは、ある。 どうせ三ヶ月ほどしか続かないと思ったし、それぐらいの間デートが出来るものなら楽しいと思って。 何年も一緒に仲良く睦まじく過ごす姿は全く想像もできなかった。 「……お前の名前と姿が……都度、変わる」 ペネロペでない時期を思い出して口元を抑える。 あのときの彼とペネロペを自分は同じように見ただろうか、新しい人間として接しただろうか。 そもそも、新しく作った面をいちいち愛することは前の貴方に対して不遜ではないか。 「……おれは、……」 自分はオルフェオ・ギロッティという人間を知らない。 そう思った瞬間、男はボロボロと涙を溢し始める。 え、と本人も驚いたのか袖で拭えば一瞬で顔はもとに戻った。 「すまん、お前が分からなくなった……」 (-502) 2023/09/26(Tue) 5:06:12 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「ええ……なんで……」 引き気味。 なぜなら目の前の相手が急に泣き始めたので。 「俺の事なんか俺も知らねえよ… お前達はなーんも考えずに俺に騙されてりゃいいの」 オルフェオ・ギロッティという人間を 知っていると胸を張って言える人間は限られているだろう。 何なら彼自身だって。 何せマフィアとして組織に名を連ねてからというもの、 常に演技と変装をし続けているからだ。 粗暴で傲慢、酒癖が悪い。 それがオルフェオ・ギロッティという人間の素だ。 そういう事になっている。そういう事にしている。 「仕事のついでに恋人ごっこに付き合ってやるのは まあ、まったく無い話じゃないが。 それができないなら居ない昔の女のケツ追い掛けるしかねえな。 嘘を吐き続けるのは面倒臭いぞお」 冗談めかしてそんな事を言う。 どうせ仕事の為に作っては捨てるうわべの面だ。 不誠実な生き方をする人間に誠実である必要も無いだろう。 (-504) 2023/09/26(Tue) 5:47:29 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ「……? おー。そうだな」 男は大体の懲悪勧善主義は五月蠅い御託を並べるものだと思っていた。 しかしそれは単純明快かつ、自分の問いとはまったく噛み合わず、されど理解が出来てしまった。 この男、一体どこの忠犬なのかと。警察に所属しているのではなかったのか? それにしても、こんな人間早々いないだろうとも思った。 不遜であることも倫理観からして承知だが、 ここ数日で人間らしくない人間を連続で見てしまって感覚が麻痺してきていた。 教えられた通りのことを信じて疑わず、一途にその手をふるって裁きを下す。 本当に、似たものばかりが集まっているのかこの煮凝りのような牢獄は。 「この国をめちゃくちゃにした輩がのうのうと暮らすのが悪い。 ここにきて罰を受け自分が悪人であると、わからなければいけない」 「そこに償いは? 罰を受けた後は赦されてもいいんじゃないか」 「お前、――自分が悪人でないと思っていないか。 世間はお前を罰を受けて償いをしなければいけない存在だと捉えている。 そして、俺も、ここに入るべくして入った輩だと思っている。 思想が違う人間皆悪人だなんて言わないよな」 (-505) 2023/09/26(Tue) 5:51:05 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「知るか……誰かさんのせいで急に涙腺がもろくなった。 いや、いい……こっちの話だ」 「もう、 直近でお前の身辺に捜査を入れる 」これは、男が言う情報収集だ。貴方という人間を調べあげるという宣言だ。 「もう身内を調べることに躊躇が無くなってなあ。 何もかもわからないままで消えられて嘆くぐらいなら、 下着の色まで全部調べ上げておこうかと」 同期の下着の色を知って自分が安心できるとも思わないが。 少なくとも連絡先や、周りの交友関係を調べておけばよかったと後悔することもないだろう。 そういった事情に踏み込んで嫌われることを男は常に拒んでいたが、何かかなり吹っ切れているようだ。 貴方にもその変装の事情も何も聞いてこずにこれまで過ごしていたのだから。 「そうだよなあ、そうだな。 恋人にするかもしれない人間のことを 調べないわけにはいかないよなあ。 生憎嘘を吐くのは下手くそだ、いつも通り馬鹿正直にする。 これは仕方ないことだ、なあ? ヴァレンティノ。 ……男の名前だな、だから直ぐに覚えられんかったのか」 (-506) 2023/09/26(Tue) 6:04:31 |
【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ「ルチアーァノ」 顔を。 覗き込むようにぐいと近づけてくる。 「自分だよ。 手前を救えるのはいつだって自分だけだ。 よしんば救えたとして、人間が救えるのはせいぜい一人だけ。 俺はそう思って、この人生ってやつを生きている」 空っぽになった珈琲のカップをひっくり返す。 ぽたりと黒い雫がテーブルの上に落ちて、 それだけ。 「言うまでもねえだろ? お前が俺やファミリーのために頑張りてえのは分かった。 じゃあ、俺からお前にすることは特にない。 お前から俺にすべきことは、多分お前にしかわからない。 …ただ、そうだな、……」 ただ、そこで一度黙ると。 「フィオを頼むってくらいだな」 …あなたの部下の名前を口にする。 (1/2) (-509) 2023/09/26(Tue) 6:35:23 |
【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノあなたに数少ない"頼み事"をすると、また笑みをひとつ。 「ま、俺のことなんて知ったって、 こいつはそうなんだな、って再確認できるくらいさ」 ぼすん、と背もたれにもたれかかる音。 カップがかちゃりと皿の上に戻されて。 「俺も男だ。喧嘩には勝ちたいんだよな」 投げ出すように足が延ばされる。 だらしなく陽気な昼行燈から、 ぎらぎらとした狂犬へ。 その所作のはしばしが、かつてを思い出そうとしているように、あなたには見えた。 (2/2) (-510) 2023/09/26(Tue) 6:37:01 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラ「…………だって終わりだったろ……。 あんたが働かなくてもいいようにしたかったんだよ」 「リヴィオのこともあんたなら連れて行ってくれると思ってな」 だから、ではないが。リヴィオが執行役だとは一度も男は言わなかったのだ。 それは分かりやすい嘘を貫き通そうとした不器用な男の気遣いだ。 何方にしろ貴方に負担をかけたのには変わりないので罪悪感は持っている。 「そうか? まあ、じゃあ次に守る約束はどうするかね……。 出かけるにしてもなあ…… どこぞの誰かが俺を見張っていてなあ。隠れていくか。 ネイルショップにでも連れていきたいんだ。 お嬢さんには碧のネイルの方が似合うとおもうんだが、 やっぱり黄色が好きなのか?」 その意味を知ってか知らずか、男は貴方にそう尋ねる。 (-512) 2023/09/26(Tue) 7:12:43 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「ハア〜〜〜??俺に探りを入れるだぁ?」 「やれるもんならやってみろノンデリ野郎 俺はあちこち足跡ベタベタ残して行く程甘くねえぞ」 謎に喧嘩腰だが機嫌を損ねたわけではない。 むしろ何処か楽しげでもある。 痕跡を残さない主義の男はそれに売られた喧嘩を買っただけ。 子どもじみた意地の張り合いのようなものだ。 「そこまで大口叩いたなら 男の名前もすぐ覚えられるようにしておけよ? 俺の名前 だけでもな。女の名前ばっかりじゃ飽きるだろ?」この男は痕跡を残さない主義でこそあれ、 探されるという事は嫌いではなかった。 自分からわざわざ言うほどではない事は山程あれど。 「正解したら褒めてやろう。情報も名前もな。 せいぜい頑張って調べ上げる事だ、 いつか恋人になるかもしれない知りたがりのルーカス君」 犬が好きなのは人の傍に付くいきものだからだ。 どれだけ姿形を変えても自分を見付けてくれるそれが好きだった。 きっとそれは、犬の他でも同じこと。 (-513) 2023/09/26(Tue) 7:22:56 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → マスター エリカ【情報屋ロッシ】 「ああ御機嫌よう、――なんだ。 本当にあるんだなあ夢の中に情報屋が」 ゆめうつつ。揺れる視界の先に見えた人影。 いつの間にか語られる声。何処となく貴方の事は忘れそうな気がする。 それでも知りたいことは?と問われれば直近はあれだなあとすぐに思い当たったことがある。 欲しい情報はいくらでもあるが、これからの先に自分の手で調べなければいけないことだ。 「『黒眼鏡の旦那の十年前にあった事件のことを知りたい。 昔の上司……名前、なんだったか?レオ・ルッカか。 それともう一つ頼めたらその頃にいた赤髪の白人女性について』だ」 (-514) 2023/09/26(Tue) 7:28:58 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノぬるいお湯に頭の先まで浸かっているかのような快楽が、 ずっととぐろを巻いて腹の底にある。 平素の様子とは随分かけ離れた、齎される悦に乱れる様を、 これは愛おしいものを見る目で見ていた。 同時に、それは縋るような目だったかもしれない。 「居ますよ、ずっと。嘘、じゃないでしょ」 「いくらでもあげます」「あ、はは、っ、ぁ」 貴方のための甘言ならいくらでも吐けた。 別に、この時限りの熱だってこれは嘘じゃなかった。 たくさん貴方の身体に触れた。熱い手のひらは、貴方に触れるのが好きな様だった。貴方が今目の前に居て、自分の腕の中に居て、自分が触れているという安心感。 だから目の前を貴方の手が塞いだ時、「あ、」なんて落とし物をしたみたいな声を上げたのだ。見えないという事は不安で、手探りで縋ろうとして──同じようなタイミングで抱き付き合う事になったのにまた安心した。 「……よかったぁ」 子供みたいな安堵の言葉。 それが『本当』にならないかな、と思った。別に、この熱がどこかに行ってしまって何もなかったみたいになるのはいいんだけど。 それは寂しいな。いつもの貴方が好きだ。でも自分に抱き付いてそう言ってくれる貴方も好きだった。そう思うと随分また惜しくなって、愛しくなって。 こんな自分には相応しくない誰かの好意にいつも怯えてるはずなのに、今のこれはその事を思いも出さないで。 「、あ、ねえ」「も、そろそろ…ッ、あ」 ふるりと体が震えて、せぐり上げて来る絶頂感に声を上げ少し動きを早くした。隙間などないくらいに身体を押し付けながら深いキスをして、──一番奥で溢れるように弾けて果てた。 息が出来ない、苦しくて気持ちいいこの時間が好きだった。 (-515) 2023/09/26(Tue) 7:44:02 |
【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノ「…あは。それはあ、ありがとおございますう。」 「確かに、これはしばらくゆっくりさせられそうですねえ。」 「……あんまり連れてきたい人じゃなかったですけどねえ。」 「でもそれは、ニーノくんもニコロさんも、アリーチェさんも同じですしい…」 ふー、と伸びて。へらりと笑う。 今に始まったことじゃない。あなたが気にしなくてもいいのだ。 「…あー。これはあ」 左手小指のエナメルを見る。 傷が入っても剥がされず、そのままにしているから少し見た目がよろしくない。 それでも女はそれを見て、やおらと揺蕩う笑顔を浮かべた。 「好き、とかじゃなくてえ。」 「この色に意味があったんですけどお」 「…あの、手の甲にメモとか書いたことありません ん ?」「あれと、同じでえ」 「でも…もうその意味も、あんましないかもしれないのでえ。」 「……碧、ですかあ?ふふ。似合うかなあ。」 「お兄さんがそおいうならあ、試してみよおかなあ。」 (-516) 2023/09/26(Tue) 8:05:07 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ気道が狭まれば、堰き止められた空気が逃げ場を探すように喉を打った。 細いということも無いながらに不健康な手触りを思わせる筋張った首筋は、指を境に色を変えた。 はじめはさっと赤く、だんだんと黒ずんだ色合いを帯びる。 苦しさを感じないということもなく、呼吸を求めて体はびくびくと跳ねて暴れはくはくと唇が痙攣する。 それであって尚、不安定になり始めた意識の中で男は笑っていた。 狂喜するように肺が震える。喉を塞がれていなければ笑い声が響いていただろう。 遊ぶように時折に得られる酸素を乞うて体を捩り、耐え難い苦痛のためにより一層直腸を絞める。 抉る陰茎の形がはっきりわかりそうなくらいに締め付けては、身体を捻る度にそれが撫でるように捻れるのだ。 苦痛を受けてか快楽を受けてか、天井を突くように男の股座から生えた性器も聳り立つ。 体躯に見合って赤黒くそそり立ったそれは触れずとも破裂しそうなくらいだった。 「 」 笑っている。声の出ないのをいいことに、恍惚として名前を呼んだ。 明滅して白い雪の降りるような視界の中に、意識を失う寸前の光を見てはまた息を吹き返す。 首をいっそう強く締め上げられた、それを受けて殊更に体を跳ね上げさせきゅうと腹に力が籠もる。 空気を掻くような唇の動きが、やっと男が絶頂を迎えたことを告げた。 同時に腹の上はどろりとした精液に濡れる。初めは勢いも良く、それからてろてろと噴水のように溢れた。 それで解放されたか、どうか。 勝手に満足すると、あとは貴方のされるがままというように両腕を投げ出した。 恍惚に濡れた瞳が暗い天井を見上げて、未だ朦朧の内に置いてきた意識に耽溺する。 少なくとも貴方の名前を口にしたわけではなかった。 (-518) 2023/09/26(Tue) 8:27:24 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ「キミの助けにはなるけど、手は出さないよ」 多分、会うことはないだろうけれど。と、息をつく。 そういう日が来るなら、その決着は自分でつけるのが一番だろうし。……多分。 3ヶ月で恋人と別れていたのは、飽きる以前に、他人に依存するのを避けるためだったのかもしれないな。 なんて、頭の片隅でそんな事を考える。 まぁ、勿論。3ヶ月で終わりになるようなことには絶対にしないんだけど。 幼馴染の鎖は、一生消えないのだ。 「だから、僕がキミを愛するって、言ってるんだよ。 家族にもなる、恋人にもなる。だけど僕らは幼馴染だ。 だから 一生壊れない 。……ルチアも僕のこと、一生愛してくれるでしょ?」 さて、僕にだって愛し愛される行為がどういう事かなんて、子供じゃないから知っている。 愛された経験だって、ある。……つい、最近に。 それをそのまま行うのはどうかと思うけれど、キミには多分、一番重い首輪になるはずだ。 やったことはないけど、僕にだって、ちゃんと出来るよ。 吸い込まれるように、その海の遠浅のような緑の瞳に僕を映した。 あなたの視界にも、もう僕しか映らない。 あぁ、やっぱり、その顔には傷がないほうがいい。 ぺろりと、口の端にある傷を舐めて、その唇に己の物を重ねる。 脳に送る酸素を奪うように、その思考を茹だらせるように、角度を変えて、舌を入れて、二度、三度。 あなたはきっと、抵抗などしないだろう。 愛されることを、ずっと、ずっと待ってたんだから。 (-520) 2023/09/26(Tue) 8:43:12 |
【秘】 新芽 テオドロ → 口に金貨を ルチアーノ「あんたの前で全裸になることは関係ないでしょうが」 マフィアになるとそういう接待でも増えるんだろうか。 「……そっちのが向いてない、ね。 別に、誰かさんと違って調べ尽くす気はないし、 ルチアーノのことを全て知ってるわけじゃないですが」 「マフィアに向いてるって、 死ぬよりとはいえそれでも誉め言葉になるんですか?」 苦笑交じりに言う。 自分は警察の方が向いていると思っていたわけで、 それを決して優れた資質とは感じていなかったわけだが。 いざ他人の口から言われると、 何だかしっかりおかしいと思えて、気分が和む。 「俺は……それなりに同僚に恵まれていますが。 仮に未来、あんたが俺のことをまだ気に入ってたとして、 共に働いてるのも悪くないなと思っただけ」 「ああ、役に立ちそうだという意味だからな。履き違えるな」 取ってつけたような突き放しの言葉は、 あまりにも無力なものであった。 (-521) 2023/09/26(Tue) 8:43:39 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラ「同じ土地に居た方が顔が見れるだろ、前向きに考えるといい。 案外元気にやっていたぞ?」 「ちょっと怪我人が多かったがな……」 致命的な怪我こそないが、明らかにここに来てから負った傷を持つ囚人が多かった。 誰かが私刑をしているのか、はたまた。 まだこの時は調べ切れていなかったので軽い注意だけになる。 「ほお。願掛けみたいなものかあ。 そんなことがねえ、大方最後までやり切る為だったんだろうが。 結局無理してるんじゃ、世話ないな。 そんなことをやらせた上は何を考えているんだか」 ここで知っているらしく振舞うのも知らないように振舞うのも、何方も会話の処世術だ。 今考えれば貴方の仕草は精錬されたようであった。 一つ一つの情報も分かりにくい伝え方であったのにまるで伝わっているような。 知識が偏っている不思議な育ちをしていて、中々余罪はありそうだと男も思っていた。 ――――もうそろそろ事情を調べてもいいだろうか。 黙って調べても怒られはしないだろう、今となっては文句は言われるかもしれないが。 「その色はなあ。 お嬢さんの瞳の色に近い系統だ、そこらは随分多くてな。 一つの色を言ってもなぜか数種類のバリエーションがある」 それは、貴方の瞳の色だったり、貴方の友人の髪の色だったり。 この町に広がる空のような色だったり、海のような色だったり。 「ああ、お勧めだ。時間が出来たら試してくれ」 (-522) 2023/09/26(Tue) 8:47:02 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方が告げる愛という言葉が、全てが入ってこない。 家族で、恋人で、それで。何度も頭の中で繰り返そうとして、やはり思考が止まってしまう。 ただ、頭に過るのは誰かの姿。そして、自分はこんな貴方の姿を見たかったわけではないということ。 「ま、て。エル――」 ひく、と一瞬貴方に見せたのは怯えと期待の色だ。 それでも、眉を顰めれば、貴方が距離を詰めた時一歩分だけ後ずさりをした。 「っあ……ん、」 口づけをされれば途端がくりと崩れ落ちるように力が抜け、抵抗する間もなく貴方に体重をかけてしまう。 何度も唇を重ねられるうちに、初めは反射で拒んでいた体も入ってくる舌に拙く絡めながら水音を鳴らしはじめた。 呼吸が上手くできないまま息を荒くし、漸く離されるころには、つぅと糸を引きながら蕩けた表情で貴方のことを見つめている。 甘く淫靡さを纏う顔は、明らかに甘えていただけの時とは違っていた。 「ま、……あ、待って、くれ。 こんな、の……いらない……っ、……」 「お、俺は……お前と同じように愛せやしない……。 無茶を、するなあ……」 (-523) 2023/09/26(Tue) 9:27:03 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ後退りをされたら、その距離をすぐに詰めて。 今のあなたなら、そうだろう。 心を支配されたまま置き去りにされてるのだから、仕方ない。 そんな拒絶は、男の心の傷にもなりやしない。 「……、は」 やると決めたらそれが成功するまで、どんな方法だろうとやるのがエルヴィーノという男だ。 周りの誰が傷つこうとも、自分が傷つこうとも。それを無理だと思うことすらしないのだから。 ものを食べぬ薄い身体では、あなたを支えるのは本当は難しいけれど、その重みが心地良い。 力が抜けて、恍惚とした顔を向けるあなたの言葉には説得力の欠片もない。 てらりと光る唇は、まるでグロスを塗った女のようで、愛らしい。 「愛せなくても良いよ」 今は。 「キミのその目に、僕しか映らないようにしてあげる」 待つわけないし、無茶じゃない。 決めたんだ。 僕が、キミのためにできることを、するんだと。 幸を祈るのが浅葱の言葉だけど、僕は祈るだけじゃ満足なんて出来やしないから。 キスをしていた間に、整えたばかりの服をはだけさせて。 その首に顔を埋める。 準備がないからこの行為を今ここで最後まではしやしないけど、 その首にたくさんの噛み跡と鬱血痕をつけて、新しい首輪にしてあげよう。 僕の首についているものと、同じものを。 牢屋にいる間期待で眠れないくらい、溺れるほどに愛するよ。 (-526) 2023/09/26(Tue) 10:24:58 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 新芽 テオドロ「こっちでは誉め言葉だぞ? お前は度胸があって立派だという意味にも使う。 向いてないってのは甘えん坊のクソガキって意味も含まれる」 諸説ありだ。 一応は誉め言葉のつもりだったが不名誉である可能性もあるかと肩をすくめた。 「ああ、成程、へえ」 「それは悪くない提案だが――俺の面倒が増えちまうなあ?」 その取って付けた突き放しに満面の笑みを返す。 正しく言葉と表情があっていないまま言葉を続けた。 「一緒なんて気にせずさっさと昇進してくれんか? それである程度の地位の奴も命令出せるほど万能になって。 是非とも俺を楽にしてくれ」 アジトでは誰かが男を好き勝手に振舞うどら猫だといったが、その実一度決めたことは必ずやり遂げる真面目な人間だ。 そして心から怠惰で生きたいと、職務怠慢を願っている働き者でもある。 「なんてな、融通は利かせてやろう。 荷物纏めたら連絡するでも、いつもの店に飲みに来るでもいい。 いつでもちゃんと俺が見てやるからな」 こういう安請け合いが自分の仕事を増やすのだが。 少なくともしばらくはこの牢の中で休めるだろうとこの時は安心しきっている。 貴方の言葉の端々に含まれているものに喜ばしく思いながら、 男はいつも通りの態度を保って満足げにしていただろう。 (-527) 2023/09/26(Tue) 10:31:53 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ「エルっ、エルヴィーノ!」 聞いてくれ、と言うまでに首に歯が当てられれば言葉は呑み込まれてしまった。 それでもゆるく首を横に振って貴方の服にしがみつく、今まででここまで抵抗を見せたり意見を言うのは珍しい方であろう。 「……俺はっ、……」 たしかにこの首に物理的な首輪はついていないが、 貴方はそれをつけることを拒んでいたと思っている。 どうして、こんなことになってしまったのか。 誰かに唆されたのだろうか? こんなことを考えるような男だったか、貴方は。 今まで見てきた貴方が分からなくなってどうしょうもなく不安になれば、それ以上言葉を紡げず動けなくなってしまった。 そのあとは貴方が声をかけるまでただ無抵抗な姿を晒しながら、 痕を付けられるたびにあえかな声を漏らすだけ。 (-530) 2023/09/26(Tue) 10:56:45 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 口に金貨を ルチアーノ「え、ほんと?ならどこかで会いたい」 一方的な感情かと思えば貴方が拾い上げてくれたのでそこに嬉しさは感じつつも。 いい男でいられるときとそうでないときがあること。 ずっと格好つけることはできないということ。 いざというときに駆け付けられる男になればいい、と。 並ぶ言葉とアドバイスには、とうとう声を出して笑った。 「ふ、……あはは」 「ねえ、ほんとうににいさんの部下なんだな。 言ってることそっくりだ、ずるい」 この牢に入る前のこと、会いに行ったその人に似たことを告げられたのを思い出した。 から、なんだかおもしろくって、それからずるいな。これは漏れてしまった。 憧れた背を追ったつもりでいたけれど、己よりもよっぽど貴方の方がと思ってしまう。 だからこそ初めて交わす言葉にこんなにも好意を抱くのだろう、とも。 差し出された最後の一口をぱくりと含み、こくんと飲み込む。 「……ありがと。 様子見に来てくれてうれしかった」 「暇になったらまた遊びに来てね。 よかったらご飯時に」 にぃと笑う男は、さて、悪いことじゃないらしいので。 十数分ほど前までは見ず知らずだった貴方へ、それでも関係ないとばかりに頼って甘えようとしていたのだった。 (-531) 2023/09/26(Tue) 10:57:40 |
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