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人狼物語 三日月国


94 【身内】青き果実の毒房【R18G】

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【秘】 0251 鏡沼 創 → 3839 南波 靖史

「まぁね。早く外に出れるなら、出たいし。
えぇ……趣味悪ぅい……」

そういう趣味の悪い人々の元にこの映像も届くのだとすぐに思い出して、またちょっと嫌そうな顔もした。
鏡沼は恥じらいで興奮する性格でもない。薬が入っていない今日はまだ主張する箇所もなく、足でそれとなく隠しながら貴方の準備を待つ。

「―――?」

不意に、ふるりと身体を震わせた。
衣擦れの音に混じってどくんどくんと鼓動の音が聞こえてくる。視界に映る肌色が増えると共に体温が上がっている気が、する。背筋をなにかが走るような感覚を、覚えた。

―――まるで、先日薬にあてられた時のような。
思い当たった瞬間、先日穿たれたはらの奥がずくんと疼いた。先程まで反応していなかった箇所が熱を帯び始める。

「っ、なん、で、」

これはきっと、ダメなやつだ。何も口にしていないはずなのにどうして?
無意識に丸めていたつま先を床につける。離れなくてはいけないともやが掛かり始めた頭の隅で声が聞こえる。
しかし、混乱が優っているのか動きは緩慢だ。押さえつけるのは容易だろう。
(-110) 2021/09/25(Sat) 5:29:06

【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史


「………まるでお前は人間じゃないみたいだ。
 ともあれ、うん。
 じゃあ、一先ず有難うだな。助かってるよ、南波。」

WそうだったWと過去形なのは何故だろう。
のらりくらりと何事も流していく貴方のことが、いまいち読めない。首を傾けながら、今度は正しく褒め言葉を吐いた。

続けて語られる品評。
断定をしてこない物言いに、堂々と語る様に、自分の見る目が間違っていなかったと言える。

「望み通りだ。信じる。
 疑うつもりも無かったけどな。
 ………だからこそ、続けて聞かせてくれ。」

貴方の方へ、近付く。
この部屋のカメラの位置を確認するように天井付近をぐるりと見渡す。それから、




「望みの報酬を得ようとするならば、足りないか?」


正直言うとギリギリ。
それでは自分たちを釣るご褒美は、約束されないのではないか?

不安。恐れ。
貴方はこれらを、取り除いてくれるだろうか。
(-115) 2021/09/25(Sat) 6:15:20

【秘】 9949 普川 尚久 → 3839 南波 靖史

「……ああ、すまんな靖史」

 名字さん以外で人を呼ぶ事は、どうにも慣れない。頭の中での呼称を変えていても、毎回自分の中で訂正する事になる程度には。

「んー、そこは僕はその時代の人にもおんなじこと言うな。
 でも靖史はそこの人らよりはやわくはありそ……」

 話をしてくれてる。急がない呼吸が出来る。

「いいよ。数字全部を大した理由なく
 好き嫌いのふたつで割る奴でなかったら。
 今僕が言ったことすぐに靖史のものにしなくても」

 常識が、すぐに覆るわけもないのだ。自分も大概頑固者である。誰かから何かを聞いた上で変わらない事なんて、いくらでもあった。

「ヤるんは、もう好きにしてな。
 言うこととか、変わらないからさ」

 そのいくらでもある内のひとつを投げて。目隠しの下で瞼を閉じた。
(-122) 2021/09/25(Sat) 13:07:16

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「……また親だ」

「結局みんな何だかんだ理由をつけつつも、好きになって欲しかったのかな。両親がいないから何もわからない。でも殆どの子がそれを理由にするから浮くのかな。……親が居たらもう少し、俺も変わったのかな」

少年犯罪に両親の存在が関わっていない方が類まれな筈だ。にもかかわらず、それをいまいち納得、もとい理解していなさそうな顔をしている。

只管その単語が出て来る度に、その彼らの親に対する重さがそのまま自分の不理解の重さになるようで複雑だった。

さて、この複雑の感情が『親が居ない』からに由来するかは実は別なのだが、いずれにせよ今の南波は認識していない。

「不幸の根源」

「俺、他人の事は幾らでもそう思うけど、自分の事は不幸って思った事が『一度も』ないからそれは楽しませてあげられなさそうだ。ごめんね」

そんな異常な言葉を、貴方が会話を切り上げる間際、伝えた。

 ▼
(-159) 2021/09/25(Sat) 21:32:03

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「────……」

最中、比較的喋りながら行為を行える方だが。
この時、殆ど南波から何か返答が返ってくる事はなかった。

単純だ。“返さなかった”のではなく
“返せなかった”。


だから貴方が淡々と、薄々そう来ると感じていた返答を投げて来た後に、その答えが緩やかに返されていく。『幸せか』を聞くために行為を行ったのだ。他の事に気を取られる訳にもいかなかった。

「……わからない。その子に相手がいて幸せなら、別、かも。
 
対象指定の詳細な定義が行われていない為、不明です。定義付ける場合は、本来の──。

 ただ義理の有無は問題じゃない。俺はその相手が『みんな』とされているから、それを叶えられないなら、……」

例えば『好きな人間相手以外は』なんて問い、小学生ですら本来『みんなを幸せにしたい』なんて言い出した時点でそれらに気付くものだ。

なのにこの男はその可能性を“考えた事が無い”。

正確にはそんな存在を見た事が、これまた“一度も”なかった。その時点で環境が異常、あるいは本人の性質が人間離れしているのか。両方か。察するのは容易いだろう。

 ▼
(-160) 2021/09/25(Sat) 21:35:11

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
 「俺は、……
俺は、靖史、自身?」


そして、おかしな所で引っ掛かりを覚える。貴方の言葉の重要な箇所はそこではない。しかしながら“この前提”がそもそも異なっているのなら、

「なあ潤くん」

「──俺、“『南波靖史』自体”じゃないよ」


価値を下げたつもりが無い。嘘偽りのない真実だ。

貴方の言う事は『南波靖史』自身であれば励ましになったのだろうが、逆に言えば、この男が『南波靖史自身ではない』場合は、どうなるか。

 ▼
(-161) 2021/09/25(Sat) 21:36:43

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「誰かの代わりに“も”、どころか。
 “俺は俺しか存在しない” “役目の為に生まれた”」


「なのに役目を果たせられないから最も嫌う代替え品なのかと思って、それすら成れないと言う事で、結局そして俺は『みんなをしあわせをする』を遂行できない。何かの代用品、に……?」

先程から思考がループしている。
否定しても否定しかできない。『せいぎのみかたになれる』と諭された、なれると言われ続けていた少年が夢破れた、みたいなものに一見見えるかもしれないが、それはあくまで人間だった場合の話で。

  
「 個“人”ですらないんだよ 」



 ──声が震える。

数刻前の時と違う震え。
貴方の言葉を“もう一人”は本当は聞いているけれど。聞いて、目を閉じているし貴方の言葉はそちらに届いているけれど。

今、この瞬間に貴方の目の前で貴方に言葉を返す『南波靖史』には届いていない。

貴方の言葉は、
“前提として人間に宛てられている”言葉だ。

それを
“人間じゃない物”が受け取れるはずがない。


「潤くん、『この布を切るためにだけに作られたハサミが、切れない』って知った時、どう思う?舌打ちするだけだろ?不良品を掴んだって思うだけだろ?

わざわざ『切れなく作られたハサミが可哀そうに。大事にしてあげよう』なんて、一体どこの誰が思うんだ?そんなのさ、」

「──“捨てて終わり”、だろ」

「ハサミは幸福を望むように作られていない。あるとすれば、役目を果たせた時だ。少なくとも俺は、そう感じる」
(-162) 2021/09/25(Sat) 21:44:31
南波 靖史は、ニュースを見ている輪には混じらずとも聞いていた。
(a19) 2021/09/25(Sat) 22:57:46

南波 靖史は、『同じだ』
(a20) 2021/09/25(Sat) 22:58:19

南波 靖史は、同じなのに違う。
(a21) 2021/09/25(Sat) 22:59:43

南波 靖史は、『それって何処が違う?』と『気付いた』
(a22) 2021/09/25(Sat) 23:01:14

南波 靖史は、ただ、左手薬指の指輪を握り締めている。
(a23) 2021/09/25(Sat) 23:01:53

南波 靖史は、『これ、誰との指輪だっけ』と、思い出しかけた。
(a24) 2021/09/25(Sat) 23:03:27

【赤】 3839 南波 靖史


「────。」

思い出しかけたのを、止めようかと一瞬迷い。
でも、干渉を止めた。

時間の問題なのも薄々気付いていたし、
何より、終演を迎えるには停滞をさせてはいけない。

見届けなければいけない。
その使命感か、情か、或いは──か。理由がなんだとしても。

最期まで思い出さないで新しい物を見つけてくれれば。
思い出すならせめて、

くだらないと言わなくて、
愉快だと笑い飛ばせるくらい、
楽しいものであったと──

そんな評価してくれる人がいれば。
或いは、共感してくれる人がいれば。

「もしもこの場所で思い出すなら、
そんな人が相手の時だといいんですけどね。

──そうでしょう、▓▓▓▓」

(*1) 2021/09/25(Sat) 23:20:30

【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史

 それは、男にとって予想外の抵抗だった。

 ぴたりと動きを止め、小生意気な瞳を見下ろし押し黙る。
 男の口内、少年に含ませたのと同じ薬が、舌の上でじわじわと溶けはじめている。

「――……」

 口を噤んだまま、指を動かす。
 押し込む動きとは真逆、錠剤を取り残したまま一度引き抜いて。
 上顎を擦り、舌を摘まみ。形の良い口の中を犯すように、甘やかに掻きまわす。

 
――『飲めるよな?』


 繰り返しの問いかけを視線に乗せる。
 瞳には、苛立ちと愉悦が僅かずつ、かすかに滲んでいるのだろう。
(-169) 2021/09/25(Sat) 23:57:32

【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁


「よくわかったな。
 その通り。別に俺は人間じゃない」

余りにその発言はシレっと。冗談と取るのが普通だと言うほどの羽根のような軽さで発せられる。元々の雰囲気も相まって、だろうが。

「ん〜。俺も勿論善意だけじゃないよ。需要と供給の一致で手を組んだ。裏切者って言われても別段間違ってないかもしれないのに、律儀だね」

傍に寄ってくるのを見て、そちらに首を傾ける。
別段カメラに視線を向ける事はない。あえて見せて安心させる事で、実に巧妙に隠しているカメラもどこかにあるだろうから、声はまだしも映像はどう足掻いても見られるだろうと開き直っている。

「ギリギリとは言ったが、もうテコ入れは来ないと思うよ。
 安定自体はしている訳だしね」

顎に手を当てながら、顔を上げる。
こうして考える動作だけしていれば大人びているのに、実際に口を開くと変に常識が無い上に、基本的に話下手だ。正確には感情の共感能力の低さ故に、無意識にな言い方をすることが多い。

「損切するなら長く続きすぎている。テコ入れレベルなら、無策状態だともうとっくに打ち切られているから、何も来ていないと言う事は安全だろう。褒美がなしと言えば、俺たちが何を仕出かすかもわからないから、そこも保証されていいんじゃないか。ただ、」

「暁くんの望みの報酬が得られるかは、内容次第だろうね」

そう返すしかない。その先が聞きたいのなら、そこを答えてもらうしかない。それを貴方は察せるだろうし、此方もそう思ってるから特に続きを尋ねたり催促したりもしない。
(-176) 2021/09/26(Sun) 2:43:49

【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史


「そうか、人間じゃないのか。
 アンドロイドか何かか?
 
飯は普通に食って大丈夫なのか?


そうして此方は真剣だ。
異能が発展している今日、否定するばかりでは何も得られない。ただ冗談が通じないとも言う。

「裏切っては無いだろ。
 そう言われたいなら、そう言うが。」

律儀だろうか。首を傾げる。
手を組んでいたとして、貴方だけが特別贔屓されている訳でもなく見えるし、特に此方が害されている訳でも無い。
罪悪感をどうにかしたいと言うならば、考える、と付け足して。

続く貴方の分析は、ひとつひとつ頷きながら聞く。
下手に言葉を増やされるよりは、端的に情報を語られる方が聞き取りやすい。


「そうだよな、有難う。……、」

揺れる視線。
貴方に求める報酬を明かす気は無いらしく、たっぷりと思案。


頼まない
(-181) 2021/09/26(Sun) 3:44:37

【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史


「……また、相談しに来ても良いか?
 お前から聞ける意見は、きっと貴重なものだ。」


今は、決断することを辞めた。
思うところが多い為、時間を有すると判断して。

どちらかと言うと今は
貴方がどう人間ではないのか
、と
そちらに意識が向いている。

腕、足、それから頭部なんかに視線をやって
どうなんだ?と言わんばかりだ。
(-182) 2021/09/26(Sun) 3:49:08

【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁

 
「体や内臓は人間だねぇ。ご飯も美味しいよ。
 むしろと取らないと普通に死ぬね」

「リョウちゃんのニュース見た?或いは話して聞いた事ある?
 俺は大して話した事ないから知らないけど、多分一番近いのはあんな感じ。“本来の中の人と違う”ってやつ」

別段、必死に隠している訳でもないので、貴方の性格に絆されたと言うよりは、そのまま聞かれた事に応えている感覚に近い。

何よりどう見ても、どこも人間だ。視線を受けてへらりと手や足を軽く動かしたけれど、最初に言った通り、体は人間なので何一つ変わりはしない。

「ただ俺は別に“新しく用意”はしてないけど」

ニュースの内容を思い出しながらそう言った。
無意識に、左手の薬指の指輪を抑えてはいるが、あのニュースを時と違って少なくとも表向きの動揺は見えない。

「てっきり、
“念のため抱かれておきたい”

 ──って言われると思ったけど」

「いいよ。別に相談だけでもいつでも。
 暁くんがそう決めたならそれで。俺は尽くす側なので」
(-183) 2021/09/26(Sun) 3:59:10

【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史


弟分の話題に、微妙な顔をする。
知っているし調べてもいるからこそ、彼を思って表情を曇らせた。
それが貴方に伝わるかは分からないが。


「中の人と違う………人間じゃない……
 え、じゃあお前、中身
宇宙人
とか?」

露骨に貴方をきょろきょろ見る。
目の前の『謎』に興味が俄然沸いたらしい。

──ふ、と、左手の指にも視線が向いた。


「……大事な人が居るのか。」

先程手を取ったくらいでは気付かなかったが
その指輪の位置には確かな意味がある。当然のように、そう言い放った。




「……正直、報酬の確証がない以上はそう言いたいんだが
 大事な人を苦しめたくないからな。
 わがままばかりで手間を掛ける、南波。」

穏やかに笑う。
貴方と話しているというのに、今自分の思考を占めているのは貴方ではない。
(-185) 2021/09/26(Sun) 4:41:20

【神】 3839 南波 靖史


「そもそも泣き顔見れるわけじゃなくてカメラ渡されるだけだから、潤ちゃんが受け取っても相手をガン攻めしてる撮影してきそう〜」

シレッと会話に交じる。

「前回俺モテモテだったのに高志くん今いないし、もしかして誰もいれない?むー」
(G6) 2021/09/26(Sun) 17:52:51

【神】 3839 南波 靖史


「かと言って突然俺に全部飛んでくるのも想像外だな。
 なんかもう彰人くんにしとかない?」

別に自分に飛んでこようが気にしないが、それはそれとして突然矛先を向ける男だ。
(G12) 2021/09/26(Sun) 21:50:27

【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史

「……大人共に呼ばれているんだ、30秒で返すぞ」

ため息をついた。たとえ話としては理解が出来る。
道具扱いをされていたのか、何なのか。
価値観の定義も暮らしで訪れた価値観も違う。
だから、言える、だから押しつけられる。
限りなくエゴイズムを、お前にたたき付ける。
それが人間である証だ。


たとえ、お前が人でないとして。
言うことはきっと同じなのだが。

「はさみを作った人間は、そのはさみが使われることを願った。捨てるためにつくったわけじゃない。
もし捨てるためにつくられたのであれば、――そのはさみは使われることを願ってもいい。それが淘汰されるかどうかなど、他人次第だ。モノがきめるもんじゃない」

「幸福を押しつける前に。
その"はさみ"は使って欲しいなら、声を上げろ。"口が付いてる"はさみなんだから、馬鹿かお前は……汚いモノでも好む者はいるさ、この場に居なくともな。せいぜい60になってから、決めつけろ」

それではご機嫌よう。そういって背を向ければあなたの元から彼は去った。希望を持たせる残酷な言葉で。根拠もない幸福を論じて。
(-242) 2021/09/27(Mon) 0:32:45

【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人


「ンぐっ、……っ……」

自分よりも体格の良い男の太い指。それで上顎を擦られる度に息苦しさから声が溢れ、舌を指で嬲られる度に、吐息混じりの言葉を封じられた音が漏れる。

  でも、まだ。

  まだ、やだ。してくれないなら、
  甘く飲ませてくれないなら、

  ほら、早く破りなよ。『ただしい子』を。
  面倒だと喉奥に突っ込めばいい。
  飲まないお前が悪いと無理やりすればいい。
  できないのかな、模範囚さん。

  それほどまでに、
  早くここを出たい何かがあるのかい?


貴方の視線に目を細めて、抵抗の意思を緩めない視線を交わす。苛立ちか、愉悦か、その瞳に映る感情がどちらかだけなら、今くらい花を持たせてやろうとも思ったが。

そんな目をされたら、自分で飲む気なんて消え失せた。意地でも君に判断させる為に。……あは、錠剤。結構溶けて頭回ってるのかも。でもそれは相手も同じだろうから、その選択を心待ちにする昂りは、薬のせいにしていいかな。
(-272) 2021/09/27(Mon) 2:51:29

【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史

 形を崩した錠剤を飲み込んで、舌を打つ。指に力が籠る。
 自然、舌をぐ、と下顎に押し付け……不意に脱力し、引き抜く。銀糸が指先と唇を繋ぎ、ぷつんと切れた。

 かくんと手首を曲げ、胸の高さ、中途半端な位置に置く。唾液を纏い、てらてらと光る指が緩く伸ばされている。そうして、溜息。

「……飲みたくないのなら、始めからそう言え」

 呆れたような素振りで嗜める。
 そうではないことを薄々分かっていながら、見当外れを口にした。
(-283) 2021/09/27(Mon) 4:21:11

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「──そうやって。
 また、空想上の『誰か』に押し付けて、
 勝手に良い事を言った風にして、美談にするんだ」

「ほんと人間、面白いよね。
 やってる事の本当に意味に気付いてないんだもん。
 それで生きろって言ってるつもり?」

「──とどめさしてきた奴が、そう言うんだよなぁ」

曇っていた気持ちが、どこか晴れやかな気がする。
守護者を名乗り続けて、死の宣告をされることは想定外ではあったけれど。思ったよりは、何も変わらなかった。

相手が去るのを見送ってから、踵を返す。
もうここには何もない。
(-290) 2021/09/27(Mon) 12:48:28

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
数日後。
適当にその辺を歩いてるのを見つければ捕まえて、
淡々と律儀に宣言だけしにやってくる。

「あー、今日の襲撃、潤くんになったから」
(-291) 2021/09/27(Mon) 12:50:19

【神】 3839 南波 靖史

睨まれまではいかないが、見られてしまった。
へらっと手を振り返している。

「面白いから彰人くんと対決でも俺は全然構わないけどね?
ま、別に全部俺に入って来たら〜撮影と小道具役に徹して適当な誰か撮ろうかな」

物騒な事を呟いた。
(G16) 2021/09/27(Mon) 12:56:28

【赤】 3839 南波 靖史


「……アレの言葉を借りるなら」
「『人格』とは、人に存在するものでしょう」

「ならば多重人格でも何でもない。
私は、
本当の『南波靖史』は最初から私しかいない。


「──アレは、
貴方達がずっと『南波靖史』と認識し続け、この舞台上で話し続け、人を『幸せ』にしようとし続けていたあの存在は、」


「名付けいわく本名は、」

  ネウロパストゥム・パトロヌス
「neuropastum patronus」
(操り人形の守護者)


「──自我が芽生えた、私の『異能そのもの』です」



だから、多重人格と言うのはおかしい。
経緯を知らない人間なら、最早それは『寄生』にも聞こえるような話。ただ、この『本人』はただ諦観しか見せていないが。
(*3) 2021/09/27(Mon) 13:46:41

【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史

「……俺が?」

想像をあまりしていなかった、少なくとも舞台にあがろうとしていたもののつもりだったから。所詮は淘汰される演者の役を突きつけられていただけなのかもしれないが。

「そうか、……そうなるのか。
お前たちとしばらくいたかったんだが。――都合が悪く、お前たちの話も聞けずじまいだったしな、それで?」

一度目を伏せて、そのままま片目はあなたの瞳を捉えようとする。

「どうやって、連れて行くんだ今回は」
(-306) 2021/09/27(Mon) 15:25:37

【赤】 3839 南波 靖史

 
「へぇ。珍しい事を言いますね。非なるとは散々言われましたが、
 “似てる”が入っているのは初めてです。どう言う事ですか?」

気だるげな顔から少しだけ疲れが消える。
少し前に期待して、また落胆する羽目になったから止めようと思ったのだが。これは期待とは少し違う、同類の可能性への興味だからいいだろう。

「別に“お前”でいいですよ。気付かれたくないって言いましたし。
 下手に名前をつけると、アレにバレると困ります。

 ……アレの中では私、もう消えた事になってるので。
 思い出すと暴走しかねませんから。私の事大好きすぎるので、あの子」

最後の最後、気を抜いたせいか、
今までの声色と違って少し苦笑に近いものが零れた。
(*5) 2021/09/27(Mon) 18:36:41

【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤

 
「俺は人の思考は知らないからわかんないね」

嘘。
少なくとも、相方と相談はしていた。
適当でも、指示を受けた訳でもない。
この男は納得しない限り、選ばない。意外にも意固地だから。

「別に?潤くん、元々俺たち側だったし。
 特別なにか思い知らせてやるー。とかそう言うのもないでしょ。

 だから俺、伝えに来ただけ。後でビデオカメラ持たされるだろうから、頑張ってね。ってさ」

それじゃ、と。何時もより早口でそう伝えて、何か呼び止めなり制止がないなら立ち去ろうとするだろう。
(-329) 2021/09/27(Mon) 19:10:10

【赤】 3839 南波 靖史

 
「成程。私の場合は、一時期は半共存のような形でしたが。
そちらはそもそも“別個体”として存在は出来るんですね。

それ、アレが知ると喜ぶから教えてあげるとどうですか?
最も私が見ていない際に、そう言う会話は出ていたかもしれませんが。あくまで私は“本元”ですし、近いのはアレの方でしょうから」

別段、今の『南波靖史』をしている異能は、自分が人ない事を隠してはいない。話に流れがあれば、容易に話していた。

それでもまさか“自分と同じ異能そのもの”が居たとは想像だにしていなかっただろうから、知ると喜ぶのはそうだろう。

 ▼
(*8) 2021/09/27(Mon) 19:56:36

【赤】 3839 南波 靖史

 
「そうですか」

貴方の気にする先を、視線の先を薄ら確認する。
この状況で、全てを正直に話す気がない──そもそも不可能な事も勘付いている。

本当に貴方の言う相手が『父親』なのか、違う存在なのか。気にはなったが確かめられる状況ではないけれど、どちらにしてもその声色だけで少しだけ慰められた気分になった。

……自身の異能に対しての罪悪感は、0ではないから。


「中身や記憶が同一なのかは、気になるし本当はお話したかったのですが。……もうあまり時間もないでしょうし、それは“全部終わった”後に。気が向いたらアレに話してあげて下さい」

この演劇が終演を迎えた時、ここまで監視も盗聴も厳重じゃない──個人の会話同士くらい、誰にも聞かれない時間が生まれる。それは、この役職についてる自分だからこそ、知っていた。

 ▼
(*9) 2021/09/27(Mon) 19:58:49

【赤】 3839 南波 靖史

  

「──この現代社会における、」

「“ただしい好き”と言う感情を、持って生まれませんでした」



それを指す対象は、これを語る『本人』か『自我のある異能』か。或いは──『両方』なのか。そのどれかは、語らない。

「どう好いたんだ」の問いに、ただ。
「うまれつき他者の事を正しく愛せなかった」
と、付け加えた。

曖昧な言葉のそれは、少なくとも『ただしさ』を重視する社会では、許される方向性の愛ではなかった事は理解できるだろう。
 
(*10) 2021/09/27(Mon) 20:02:51

【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史

「……結局、その程度か」

誰に対しての言葉だったか。
あなたに対してにしては、少し空虚で。
自分のことにしては、他人事のような声色。


「……お前、あの異能は、はじめから使えたんだよな。
この、趣味が悪い企画が始まってから。
……俺は使えるようにならなかった。
……なぁ、俺の研いだものの方が必要とされていないと思わないか?」

本当に使われていないハサミはどこの誰だろうな。

「それではごきげんよう、いい写りは期待するな」
(-331) 2021/09/27(Mon) 20:24:59