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人狼物語 三日月国


47 【半再演RP】Give my regards to Jack-o'-Lantern【R18】

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【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

[この人、俺がいる前提で話してんだ。
クリスマスの予定に俺が最初から組み込まれてるんだ。

いつも何もしないで終わるのに、
今年は俺がいるからチキンとケーキ買おうかって考えて
シュトーレンを多めに買おうかって算段してるんだ。

え。嘘だろ。まだ何の約束もしてないのに。
一緒に過ごしてもいいかって聞いてもいないのに。
彼の中じゃ当然みたいに俺が隣にいるんだ。]

…どうしよう。

好きすぎて死にそう。

[ぼそっと心の声が漏れる。

その後、まともに彼の顔が見れなかった。
どうしたってにやにやが止められないのだ。
そんな顔で面と向かえるはずがない。
客観的に見て気持ち悪すぎる。

黙々と餃子を食べた後、初めて泊まらずに帰った。
ニンニク臭くて申し訳ないので、とか言った気がするが
一緒に餃子作って食べたんだから
帰る言い訳としては最低の出来だと歩きながら気付いた。]
(-83) 2020/10/29(Thu) 2:15:37

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

―翌朝―

[明日どうするかの連絡すらしていなかったのを
思い出したのは翌日、自分が起きてからで。
彼が休みの日は起きるのがゆっくりなのを計算して
11時頃に迎えに行くとショートメッセージを送る。

その時間までに起きていない可能性も考えつつ
予定時間の20分前に着くように家を出た。

頻繁に出入りはしているが合鍵は持ってないから
いつもと同じようにインターホンを鳴らす。
あったら便利だとは思うけど
恋人でもない俺には当然要求する権利もない。

けどドアが開くのを待つ時間もこれはこれで好きだった。
彼が玄関まで迎えに来てくれて、
その度に入って良いと受け入れられている気になるから。
合鍵で勝手に入るのではこのドキドキ感は味わえないだろう。]*
(-84) 2020/10/29(Thu) 2:16:49

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[普通に熱い。だめだこれ。
あいつと違ってこっちは箸があるので
ひとくちで行く必要はない。

はふはふしながら温くなってるチューハイの中身を
空にして、空き缶を漱いでから
ビールが欲しくなって冷蔵庫に向かえば
暫くおとなしかったので存在を忘れていた犬が
急に感極まった声音でなにかぼやいた。

なに、餃子そんなに気に行ったの?
そりゃあよかった。いっぱいあるからしぬな。

焼きたて旨いよなぁってしみじみ頷いて
まぁのめとキンキンに冷えたビールを差し出す。

数作るし高くつくからちょっと悩んだけど
旨い皮買ってよかった。正解だった。
やっぱり材料は妥協すべきじゃないよな、って
まるで噛み合っていない納得を一人でしているけれど
お互いもぐもぐしているので無言になるのは仕方ないし
言葉が足りないとすれ違うのは
おれとこいつは特に得意すぎるので仕方ない。

すっごい無言になって黙々と食べるから
もう一度餃子の偉大さを噛みしめる。

抱き枕が帰ると言い出したのだけは誤算だった。
は?なんで?って思い切り低音で凄んだ気がするが
それでも逃げられて玄関前で立ち尽くした。]
(-86) 2020/10/29(Thu) 3:12:17

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

─翌朝─

[ショートメッセージの通知音で起こされた。
が、上手く目覚められずにそのまま潰れた。
なんせ寝付きが悪かった。

おれはわるくない。
この寒い季節に安眠用の電気毛布兼抱き枕が
前振りなしに職務放棄をしたのが悪い。

インターフォンの音がきこえる。
むり、おきられるきがしない。
手探りでスマホを手繰り寄せてのろのろ操作する。

「あいてるかつてにはいれ」

こんなこともあろうかと鍵を開けて寝た。
ねるまえのおれすごいえらい。
防犯なんて言葉は知らない。ねむいので。]
(-87) 2020/10/29(Thu) 3:12:41

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[けれど起きなければならないことは覚えている。
今日は赤いダッフルコートを探すのだ。
当初の目的はすっかり何処かへ行ってしまった。

起きなければならないけれど起きられないので。
寝室迄様子を見にきた犬に駄賃を渡して使いを頼む。
渡すというか投げ付けた。見てない故のノーコンで。]


 たおる、ぬらしてちんしてむしたおるにして。
 あと、こーひー。さとういらないぎゅうにゅういる。


[いけ、と辛うじて上がった腕で指さし急かす。
駄賃に渡したのは裸の鍵だった。

もう絶対あした鍵開けるのめんどくさい。
そんな、今日みたいな日はきっと今日だけでなくまた来る。
そんな気がしたから昨夜の内に探しておいた合鍵だった。*]
(-88) 2020/10/29(Thu) 3:13:36

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

[ドアが開く代わりにポケットが震える。
スマホを開いてメッセージを見れば平仮名の羅列が目に入った。
それだけで起きられないんだなと分かるくらいには
相手の事が分かって来ていたから指示通りお邪魔する。

ほら案の定ベッドで丸まっている。
この鍵はいつから空いてるんだろう。
まさか俺が帰ってからずっととか?物騒な。

軽く声をかけて肩を叩いたら
返事の代わりに腕が振り上げられて何かが飛んだ。
咄嗟の事で反応出来ず、何かはガシャンと床に落ちる。

え、眠いんじゃなくて怒ってんのかな。
俺が昨日突然帰ったから?
確かに機嫌悪そうな声してたけど…何で?

まさか自分が安眠に貢献しているとは思いもしない。]
(-95) 2020/10/29(Thu) 13:16:53

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

何か食べる物いります?
パンと卵くらいしか焼けませんけど。

[余程眠いのか片言で話すのが子供みたいで
思わずよしよしと頭を撫でてしまう。
やってからしまったと思ったけど終わった事は仕方ない。
開き直って追加オーダーを確認しておく。
彼のような凝った物を要求されても困るので
先に何が出来るかははっきりと伝えておいた。

台所に向かう途中、さっき飛んだ物を拾っておく。
何やら鍵だったが何の鍵だかは検討がつかなかった。
寝惚けてたのか、やっぱり俺に腹を立ててるのか。
それが合鍵だとも、自分に渡された物だとも
そもそもこの部屋の鍵を見た事もないので気付く事もなく。
要望通りのコーヒーを用意して戻り、
カップを机に置いたら引っ張り出した手にタオルを握らせて]

起き上がれますか?

これ、何の鍵ですか。
なくしたら困るやつじゃないです?

[顔を拭き終わった彼の眼前に
さっき拾った鍵を吊るして見せてみようか。]*
(-96) 2020/10/29(Thu) 13:17:13

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[要らないと応えるのも億劫で何かしらの不満を訴える様な
小さく音で唸っていたら撫でられた。

そんな扱いを受けるレベルに精神年齢が下がっていた自覚を
持てる程度には覚醒してきた頭でのそのそ起き上がろうとするが
頭が重すぎてもう一度沈みそうになる。
枕への重力が凄い。いやそんなものないが。

肘をついて顔を支え、何とか顔だけ上げた状態で停止する。
もう諦めてしまおうと、買い物行くの狭間でぐらぐら揺れてたら
ほかほかのタオルを握らされたので顔にあてる。

なんでこれで生き返るのか自分でも良く解らないまま
HP的なものが回復するような心地で長く息を吐いた]


 かぎ。玄関の…持ってろ。
 もうお前来るたびに開けるのめんどくさい。


[蒸気のお陰でしょぼしょぼしていた目が復活したら
幾分頭がさえたような気分になるので
この眠気に類似した何某は多分目が原因なんだろうなぁと
何度目かになる再確認を繰り返してもそもそ体を起こす。

多分睡眠自体は足りている。
若い頃程寝てる体力無くなって来たし。世知辛い。]
(-101) 2020/10/29(Thu) 15:15:48

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[起き上がるという重労働を終えて、
仕事上がりの草臥れたサラリーマンみたいな溜息を零す。
職場では疲れを見せずに無駄にキラキラしてるキャラで
やってる心算で居るのできっと
初見はさぞギャップが酷かっただろう。慣れろや。]


 いまはなにもはいらない……
 いが働いてるきがしない。
 間違いなくきのうの餃子でやられたな。

 ひるには復活するだろ、多分。


[大分遅れて何か食べるかとの問いに答え
珈琲を啜ってぼんやりすること暫し。
漸く完全に復活して伸びをしながら立ち上がる。]


 すぐ支度する。
 待たせて悪いな。


[さっきの仕返しという訳でもないが
横をすれ違う際手癖で頭をもふもふ撫でた。

尚ここまでが長いがここからは早い。
シャワー込みで10分以内で身支度整えきるのは
我ながらかなり優秀な特技だと思っている。]
(-102) 2020/10/29(Thu) 15:17:12

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[ちょっと面白いかなと思って
ほんの少し服装を揃えてみる。
似たの持ってたな、って記憶があったから
引っ張り出して、ほんの少しだけ。

鏡を見る代わりに目の前に立ってみるが
なんか似ても似つかない。
体格かな、それとも肌の色の違いか、良く解らん。
足と胴の割合の違いだとは思いたくないので
その選択肢は考えない。]


 おまたせ。行くか。


[飲み掛けで放置していた珈琲の残りを流し込んだら
歯を磨いてきたせいで微妙な味がしたが気にせず飲み干す。

恐らくセットしてあるだろう頭をさっきは無意識に
今度は意図してぐしゃぐしゃにかき混ぜてやって
悪戯っ子みたいな笑みを滲ませながら玄関に向かった。

当たり前に後ろをついてくるって信じて
振り返らず歩き出すのはなかなか気分がいい。*]
(-103) 2020/10/29(Thu) 15:18:36

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

はあ…。

[玄関の、持ってろと断片的な単語を拾って
合鍵を渡された実感が湧かなくて
生返事を返して手元の鍵を見つめてみる。

……。
は?え。マジで?!
彼にとっては面倒だからが全てなのだろうけど
俺には合鍵は許可証だ。
自由な出入りを許された、特別な物。
会いたい時に会いたいと願った時、
拒否はされなかったのに何だかまだ遠慮があった。
けどこれは本当に、いつでも来ていいって証だ。
思いもよらないとこで縮まった距離にテンパる。

だから何もいらないって言われて少し安堵した。
自分から聞いた事ではあるけど
今の状態じゃ集中出来なくて台所を散らかす自信がある。]
(-104) 2020/10/29(Thu) 19:33:19

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

大丈夫ですよ。急いでませんし。

[顔を拭いて覚醒した彼が立ち上がるのを見送って
撫でられた頭を自分の手で触れ直しては
鍵に視線を戻してを繰り返して幸せを噛み締める。

何だこれ、何だこれ。
すごくふわふわする。幸せ過ぎて怖い。
恋愛ってこんな頭が馬鹿になるもんなんだろうか。
思考能力がガンガン落ちてるような気がする。
そりゃ世の中の恋人たちがふにゃふにゃになるはずだ。
俺も人から見たらだらしなく見えるのだろうか。
それはかなり恥ずかしい。

よし。気持ちを切り替えよう。
合鍵を他の鍵と同じようにキーケースに繋ぐ。
自分の持ち物に彼の部屋の鍵が付いているのを見て
切り替えようとしていた心がまたふにゃっと曲がった。

へへへ。
不審者みたいな笑いが浮かぶ。]
(-105) 2020/10/29(Thu) 19:33:45

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

は、はい!

[完全に自分の世界に入り込んでいたから
相手の声がした瞬間、答えた声が思わず裏返った。
キーケースを慌てて押し込んで立ち上がる。]

…かっこいいですね。

[現れた姿に思わず呟く。
さっきまでの気の抜けた顔はどこにもない。
会社で見慣れているはずなのに
シャキッと背筋の伸びた姿につい見惚れてしまう。
これがギャップ萌えというやつか。
…あれ?逆か?
何か既視感がある服装の意図には気付かずに。

ぼーっとしている間に髪型を崩されて
その時の表情に一瞬髪を直すのを忘れるくらいに
また目を奪われて。

慌てて後を追って部屋を飛び出したけど
ああ、そうだって思い出して
さっき預かったばかりの鍵で部屋の戸締りを。]
(-106) 2020/10/29(Thu) 19:34:23

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

[外に出て、少し歩いたら感覚が戻ってきた。
職場の後輩っていう感覚。
仕事中は意識はしなくても出来るのに
どうもプライベートだと思うと距離感が狂う。
部屋を出てすぐはまだ顔のにやにやが取れなかったから
仕事の時の感覚を確かめながら距離を詰める。

好きな人を追いかける距離感じゃなくて
一緒に歩いているだけの先輩後輩の距離を意識する。
部屋の中とは違って外じゃ誰に会うか分からないから。]

靴と小物、どっちから行きます?

葛西さん。

[自分よりずっと上手く外用の顔をしている彼を見やった。]*
(-107) 2020/10/29(Thu) 19:35:00

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[鍵を取り出さなくとも家の鍵が閉まった。
なにこれ便利だな。すごくいい。

どうせ金目のものを持ち出すような真似はしないし
急に押し掛けてくるような事もしないだろう。
なんだもっと早く渡せばよかった。

信頼しているというよりはむしろ
セキュリティ意識ががばがばな方だが自覚はない。]


 適当にショッピングモールにでも行けば
 自然と目につくと思うんだ。ブランドに拘りもないしね。

 それより問題は、きみのコートだ。
 赤いダッフルコート、何処を探せばあるだろうね。


[少し前までは、当たり前についてくるだろうと
振り返りもせずに半歩前を歩いていたくせに
背筋を伸ばして、穏やかな笑顔を浮かべて
顔が見えるよう隣に並んで振り返りながら言葉を交わす
殆ど無意識にまるで別人みたいにきっちり切り替えて……

なんかめんどうくせぇな、と
今迄何とも思わなかったことを思って。

何の前触れもなく耳元に顔を寄せて耳打ちをするように
声を潜めて話しかける]
(-109) 2020/10/29(Thu) 21:40:43

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司



 ついでに、今度、出掛ける時の服買おうか。
 上から下まで。
 「僕」に見えないようなやつ。
 もちろんきみの分も。

 そしたら



[素でいいから楽だわ、って言葉を
馬鹿正直に言わなかったのは
半分以上余所行きの猫被りな所為かもしれない。
何と言い換えるか少し悩んで
ああ、女にするようにしたらいいのかとすぐに思い至る]


 ……外でも、こっそり手を繋ぐくらいは
 できるんじゃないかと、思って。

 それともきみは、それでも人目を気にするかい?


[男同士だから、を気にしていたのを思い出して。
小首を傾げて見せて、純粋に価値観の違いを確かめる。
どっちを選んでも別に気にしないって顔をして。]
(-110) 2020/10/29(Thu) 21:41:39

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[まぁ事実気にしない。
元より手を繋ぐことが目的ではないし。
見られて困る事をしてもばれないように、の
「見られて困る事」の言い換えに使っただけだ。

男同士手を繋ぐのって実際どうなんだろうね。
別に誰も気にしやしねぇと思うんだが。
手綱を掴んでるみたいでちょっと面白そうだと思う。

だいの大人が、男同士で、公道を手を繋いで歩いたって
その程度にしか抵抗はないがこいつは違うのかもしれないと
ふと、今初めて真面目に考えた気がした。

腰抱いてたら流石に二度見くらいはするけど。
邪魔だなって意味合いで。
でも通行の妨げにならない程度なら手を繋ぐくらい
多分気にしないし気付きもしないのは
自分に同性愛に対しての罪悪感もなければ
自分が同性愛に片足突っ込んでる自覚もないからだろう。
だってまるで他人事だ。

こんな恋人同士がやたら目に付く季節に
男と手を繋いだって俺は違うから問題ないと思ってる。

違わなかったら?
誰かに見られたら?

考えてみてもいまいち実感がわかなかった。
多分適当に笑って誤魔化して、それだけだ。]
(-111) 2020/10/29(Thu) 21:42:12

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[こいつは……
ただ同性であるだけで誤魔化さなきゃいけないことに
傷ついたりしてきたんだろうか。
だからあんなに、
自分が悪いなんて思い込む癖がついたんだろうか。

考えてみても、良く解らなかったから
代わりに足を止めて、片手を差し伸べてみる]


 それとも。
 仮装なしで繋いでみる?お試しで。


[その位大丈夫だ、と。
何故だか無性に言ってやりたくなった。
何の気紛れなのかは、自分でも良く解らなかったけれど
良く解らないので、考えることを放棄した。*]
(-112) 2020/10/29(Thu) 21:42:48

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

まだ言ってるんですか。
俺が真っ赤なら葛西さんは革ジャン着せますよ。

[気安い後輩の顔で笑いながら返してから
あれ、意外と似合うのではって想像してみる。
ちょっと色の擦れた古着風の茶色のレザージャケット。
気だるく着こなす姿はセクシーでいいかも知れない。

なんてぼやっと考えていたものだから
突然耳元で囁かれて身体が先に反応して固まった。
耳からじわじわ広がっていく熱を
抑えつけるみたいに手で強く蓋をしても
後輩の顔はがたがたに崩れていってしまう。

…なに、言ってんだ。

恥ずかしいのと混乱の入り混じった視線を投げかける。
普通、大人は手を繋いだりしないものだ。
恋人同士でもない限り。
まあ女性なら友達でも手を繋ぐかもしれないが
男同士の友人や、ましてや先輩後輩ではまずない。

寝起きでまだ距離感がバグってるのか、
それともからかわれているのか。
判断出来ずに相手の様子を伺うけれど
ごく普通の顔をしているから余計分からなくなる。]
(-115) 2020/10/29(Thu) 23:57:28

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

[幸いにも、なのかどうかは分からないが
人を好きになった事がないから
ノンケに恋をしてしまってこっぴどく振られ
トラウマになるみたいな経験はした事がない。

けれど今まで付き合った事のある男達は
カミングアウトしている方が珍しかったし、
公衆の面前でいちゃつく事も要求しなかったから
男同士の距離感ってのはそう言うものだと思っていた。
大っぴらにはしないものだ、と。

マイノリティーの俺にはマジョリティーが分からない。
『普通の人』から自分がどう見えるのか
どんな風に映るのかが分からない。
だから無難に普通の振りをして生きてきた。
それなら少なくともおかしいとは言われない。
何の波風も立ちはしない。

普通の成人男性は、男と手は繋がない。
ましてや、恋人でもない相手とは。]
(-116) 2020/10/29(Thu) 23:57:47

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

[正直、どうして彼がこんな事を言い出したのか
いくら考えたところで分からないのだが、
俺が手を伸ばしたとして
「本気にすんなよ」って笑うような
質の悪い冗談を言わない人だって事は知っている。

だったらこれは彼なりの譲歩なのかも知れない。
俺が以前蹴ってしまった、あの時のような。
そうだとしたらこの手を払い除けたら
きっと前みたいに変な溝が出来てしまうに違いない。

所構わずいちゃつく恋人達には鳥肌が立ってしまうし
どこでもくっついていたいとは思わないが
だからと言って手を繋ぎたくないという訳でもなく。]
(-117) 2020/10/29(Thu) 23:58:13

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

…じゃあ、お試しで。

[ここなら――人通りのない所だったら
後輩の顔をしていなくてもいいのかなって
差し出された手を恐る恐る握ってみたけれど。

何だか悪い事をしているような、気恥ずかしいような
妙な緊張感で足取りが重くなった。]*
(-118) 2020/10/29(Thu) 23:58:52

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[姉の貞操観念というか恋愛観的なものが
若干、大分、大幅に普通ではなかっただけに、
せめて俺は普通であろうと外面ばかりが良くなった。

だから、ふつうは、おとこどうしなら、しない。
なんて普通であることに拘る気持ちはわからなくもない。

しかしこちとら姉が突き抜けていたお蔭で
スルースキルはカンストしていた。

姉の言い分は全く理解できなかったけれど
少なくとも俺の知る範疇では誰に対しても
不誠実なことはしていなかった。
あれでいいとは言わないしあれが普通だとは思わないし
ああなりたいなんて微塵も思わないけれど……

若い頃は姉を訳もなく嫌ったし
両親だってそう理解を示していたわけでもないけれど
クソ程ハイスペックで隣に並んだら
男でいることをやめたくなるような
白人の義兄ができてなんかもう全部馬鹿馬鹿しくて
何もかもどうでもよくなった。

「どうせやるなら誰に何を言われようとも
 徹底的にやったほうが絶対いい。」

馬鹿みたいに幸せそうな顔して笑う姉の言い分は当時
ああこいつ本物の馬鹿だな、としか思わなかったけど……]
(-121) 2020/10/30(Fri) 1:11:47

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[……まぁ、ちょっとやってみようかなぁと。
何故か唐突に、思ってしまった訳だ。

そういう突飛な行動を周りを気にせず
何の前触れもなく始めるところと
普段徹底し過ぎてる猫被りみたいに凝り性なところは
確実に姉の血縁だな、と自分でも思う。

別に想像の中のこいつが不憫だとか同情でもなんでもなく
割とできるんじゃないかという好奇心を以て。
何か良く解らないことを始めようという気になってしまった。
ので、拒否しにくい言い回しをした自覚はある。

まぁ拒否されてもするんだけどな。
俺がやると言ったらやる。

おずおずと伸ばされた手をしっかり繋いで
すっかり散歩の気分じゃなくなった犬を
引き摺るように気にせず同じペースで歩き出す]


 大丈夫、誰かに何か言われたら
 僕の方向音痴が酷いって言っておけばいいよ。

 手を離したら即迷子になる、ってね。

 理由も問わずに笑うような相手は
 何をしていてもしていなくても馬鹿にしてくるものだしね。
 好きにさせておけばいい。 
(-122) 2020/10/30(Fri) 1:12:40

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[何を徹底的にやるつもりなのかは自分でも良く解らない。
たかだか街中で男同士手を繋ぐくらいのことに
徹底する程のことなどある筈もない。

ただ、ふと、こいつは男をすきな男なんだなと
何故だか今更漸く理解して。

俺を好きな男と街中を歩くという
今迄何も気にせず何度か熟した行為に
ちょっと真面目に取り組んでみようと考えてしまった。

昨日までは、これはただの知り合いと出掛ける買い物で
欲しいものも分らないこいつの興味の矛先を
知るための意識調査みたいなもので。

デートだなんて
一瞬たりとも考えもしなかったけれど]


 だって……
 デートの時は、ふつうは、手くらい繋ぐものだろう?


[聞こえ良く言い換えた訳でもなく、するりとそんな言葉が出た。
これがお前の好きな『普通』なんだから堂々としていればいい。
後ろめたそうなこいつの分まで堂々と胸を張っておく。
まぁ、なんでも慣れだ。なれろ。]
(-123) 2020/10/30(Fri) 1:13:08

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[お前が俺を好きになったことは
まず間違いなくお前にとって失敗だけれど。

人を好きになることは多分間違いではないし
何も悪いことはしていない。

街にあふれてる恋人たちが当たり前の顔をして過ごす一日を
同じように過ごすことをこいつが望んでいるとは思えないが
ちょっとやってみたくなった。俺が。

結果こいつが如何思うかなんてお構いなしで。

何か不満を感じたなら聞き出して
お互いが納得できるまで向き合ってみよう。
その辺の恋人たちみたいに。

なんせ暇だ。
肉体関係を持ってた遊び相手に根こそぎ振られて
もう新しく作るのも面倒になっている今
暇を持て余している。]
(-124) 2020/10/30(Fri) 1:16:24

【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司

[どうせなら
お前に惹かれ始めて、恋人として過ごすことを意識し始めた
その辺の、何処にでもいる一人の男みたいに

徹底して、騙しきってやろう。
お前のこの恋が失敗だってことも。なにもかも。

どうせ、俺は人を好きになんてなれないのだし。
徹底して普通の振りをしてみるのも、面白いかもしれない。

割と下衆なことを考えている自覚はあるが、
弄ぶのも、ばれなければ、
それはこいつにとっては本当と大差ないんじゃないかと
欠片程度の罪悪感にすら満たない何かに、蓋をした。*]
(-126) 2020/10/30(Fri) 1:21:31

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

[きっと直接話しかけてくる誰かなんていないし
同僚にでも会ってその言い訳をしたところで
迷子が先を歩いてるのかと指摘されるんじゃないだろうか。

だから本気で言い訳なんてするつもりじゃなくて
これはおどおどしてる俺に対するフォローな気がする。]

…葛西さんが甘すぎる。怖い。
対価に一体なにを要求されるんですか、俺。

[普段から甘やかされている自覚はある。
傍にいても許されるし、ご飯食べさせてもらってるし。
けどこれは今までのとは質が違う。
俺が求めて許可されたものじゃない。
友人の範囲で与えられるものでも、多分ない。
友人と出かけるのはデートとは言わないし。

許容量を超える優しさは機能不全を起こす。
昨日学んだ。昨日はオーバーヒート起こして逃げた。
今日は逃げるわけにはいかないので、
茶化す事で心の平静を保つ事にしてみたのだけど。

割と失策だった気もしなくはない。
白けて手を放り出される可能性が過る。]
(-127) 2020/10/30(Fri) 2:16:21

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

嫌とかではなくて…!
誰かと手を繋いで歩くというのが、慣れなくて。

[慌ててフォローを入れて歩幅を合わせる。
慣れろ慣れろと心の中で唱えるのに必死で
彼がどんな顔をして歩いているのか全く見えなかった。

目的地に近付くにつれて雑踏が大きくなり
ちらほらと人の姿が視界に入るようになってくる。
すると無意識にするりと手が解け落ちた。
間を置いて、自分で手を引いたのだと気付いたけど
もう一度握り返す勇気はまだなくて]

…また今度、お願いしてもいいですか。

[と、次の約束を取り付けるので精一杯だった。

この時、今まで辟易して見ていた
街中でいちゃつく恋人達の気持ちが
ほんの少しばかり分かったような気がした。]
(-128) 2020/10/30(Fri) 2:17:41

【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡

[求めたから許されてでなく、
自発的に与えられる恋人のような行為の理由を
考えれば考えるだけ頭が混乱する。

俺に向けられた好意だと思ってしまいたいけど
多分、そうじゃないって事は分かる。

だって俺は好きだと先に言っているし
彼に俺への好意が生まれたとしたならきっと言葉にしている。
話し合おうって、そう言う約束のような取り決めになっている。

だから好きだと言われない以上、好意はないのだ。

愛がなければ嫌だと駄々をこねるつもりもない。
理由が知りたいと問い詰めるつもりもない。
けど予想もしない所から降ってくる
愛情に似た何かに頭が馬鹿になってしまうから、
答えなんて出ないと分かっているのに
考えてはまた混乱するのを繰り返してしまう。]*
(-131) 2020/10/30(Fri) 2:35:57