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人狼物語 三日月国


132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新

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視点:


【人】 普通 ナツメ

「…………」

 その場には、いる。
 困ったように、据わり悪そうに目を伏せている。
(13) 2022/02/20(Sun) 20:45:56

【独】 普通 ナツメ

/*わーい、村人!つまり……普通の子をやるぞ〜〜〜〜!!
 ひとつの業も背負えなかったね!
(-10) 2022/02/20(Sun) 20:47:49
ナツメは、びくっ。強張っていた肩を揺らした。
(a4) 2022/02/20(Sun) 21:33:17

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

 テキストメッセージを送ってまもなくのタイミング。
 肩をびくつかせ、それから送信主の方をこっそりと窺い見た。

『一番、選びやすかったものを選びました。
 基準とかも、分からないです。』

 少女の指は、胸ポケットから取り出した小さな手帳を捲る。
 VRに慣れないユーザーのための補助ツールの一種だ。

 表紙を閉じたと同時に、メッセージは送られた。

『まだ、何も決められそうにないです。
 答えになってなくて、ごめんね。』
(-21) 2022/02/20(Sun) 21:33:47
ナツメは、ぺらり。手帳を開いて、しばらくして、閉じた。
(a5) 2022/02/20(Sun) 21:34:10

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

 俯きがちにメッセージを読み、返信を綴る。

『ありがとう。
 ちゃんと話し合って、見つけたいな。』

 同い年のあなたとのやりとり。
 最初の返事よりは砕けた調子だった。

『うん。見つかったらね。
 ツルギくんはどうやって決めたの?』
(-40) 2022/02/20(Sun) 22:31:56

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

 ぽん。恐縮するうさぎのスタンプ。

『ありがとうございます。
 みんな真剣だし、どう話したらいいか分からなくて…』

 小さな手帳を捲っている。
 VRに慣れないユーザーのための補助ツールの一種。

『お茶とか、用意したほうがいいんでしょうか。
 よかったら一緒に行ってもらえませんか?』
(-41) 2022/02/20(Sun) 22:34:48
ナツメは、ぱたん。メッセージを送った。
(a16) 2022/02/20(Sun) 22:35:03

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

『ありがとうございます。』
 年上のあなたへ、遠慮がちな敬語を用いながらも、
 続けたスタンプでちょっと砕けつつ。

 そして、次の言葉はメッセージ上ではなく、直接。
 かたんと椅子を鳴らして、半ば他の参加者たちにも向けての。
(-49) 2022/02/20(Sun) 23:12:54

【人】 普通 ナツメ

 かたん。

 重い空気、弾む(?)会話の傍ら、椅子が小さな音を立てた。
 真剣な話は邪魔されないし、アイドルは曖昧に手を振られる。

「あの。お茶、用意しますね。
 えっと、一緒にお願いします、ハナサキさん」
(61) 2022/02/20(Sun) 23:14:25

【人】 普通 ナツメ

「はい、えっと、それで大丈夫。
 ……お茶は、いらない?」

 あ、ポットとかにしたらいいのか。
 独り言がぽろりと零される。
 フカワくんの提案には、特に異論は返らないようです。

「とりあえず、用意はします、ね。
 好きなお菓子とか、あればメッセージください」

 誰ともなくそう告げて、小さなお姉さんへぺこり。>>63
 それから、出入口へ足を向けた。
(69) 2022/02/20(Sun) 23:46:12
普通 ナツメは、メモを貼った。
(a25) 2022/02/20(Sun) 23:52:33

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

>>69
 ぺこりと下げた頭をあげて、外へ出てから。

「ありがとうございました。
 あの……正直、ちょっと、雰囲気が」

 困ったように笑って、言葉尻を濁す。
 どこに行けばいいかな、と胸ポケットの手帳を取り出した。
(-58) 2022/02/20(Sun) 23:57:36

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

『みんな、すぐには決められないのかもね。』

 あなたのそれと比較するまでもなく、少女の返信は遅い。
 不慣れゆえか、話題が話題だからか。

『悲しむ人がいないから、いいひとの代わりになるんだっけ。
 いいひとは、死んでほしくないって言うんじゃない?』

 別の参加者へさらりと語っていた身の上話は、
 終始口を噤むに終わった少女の耳にも届いていた。

『悲しむ人ができたらどうするの?』
(-62) 2022/02/21(Mon) 0:16:01

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

「はい。元気で、可愛くて……
 あの子が来てくれてよかった、ですね」

 重い空気から抜け出せて、肩の力がすこし、抜けている。
 こくりと頷いて、顔にかかる髪をはらってから浮かべる笑みはまだぎこちない。

「あ、はい。そっか、カフェもあったんだ……」

 ……わざわざ持っていくの、余計なお世話かな。
 不安げに呟いて、でも言い残してきた手前、やめるわけにも。
 そんな葛藤、緩慢なしぐさで手帳をポケットに収めれば、何となく並んで歩きはじめる。
 向かう先は示された方角に見える建物、会話の糸口を探して。

「さっき、ツルギくんとメッセージで話したんですけど。
 ハナサキさんも、まだ、決められずにいるって……」
(-69) 2022/02/21(Mon) 0:44:45

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

 彷徨った目線の動きは見られなかった。
 そのとき、少女は既に場を去っていたから。

『うん。もしもの話だけど。
 ツルギくんがいなくなるのが一番悲しいって人。』

 ただ、遅れた返信から、“考えていなかった”というのが、
 本当に言葉通りなのだろうと読み取れただけで。

『ツルギくんにとってのいいひとは、そうするんだね。』

 タイムラグ。肯定でも否定でもなく、相槌が返った。
 少女の指先に躊躇いがあったか、なんてことは、
 0と1で構成された世界の中で取捨選択、届くことはない。
(-94) 2022/02/21(Mon) 1:38:20

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

 アイドルってすごいですよね、と相槌を打つ。
 その先で掛けられた言葉に、公園かあ、とやや苦笑い。
 のんびり散歩するにはまだ子どもで、無邪気に駆け回るにはもう幼くない。

「私、ストレスとかは大丈夫ですよ。
 えっと……あの、眼鏡の子とかの方が。心配、かも?」

 不安を体現したような様子だった。
 あなたもそれに触れていたのを見ていたから、例に挙げて。
 けれどその話はそこで宙に浮かせて、投げて返ってきた話題のボールをトス。

「私もです。まだ何も決められないって、送りました。
 同じことを他の人にも言われたって、返信が来ましたけど」

 誰が、までばっちり書かれていたことはぼやかした。
 この話の切り出しを振り返れば、推測に容易いことだけど。
 そうして、ちょっとした打ち明けばなしのトーンで。

「選びやすかったから、2にしちゃったんです、よね」
(-109) 2022/02/21(Mon) 2:11:00

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

『みんなの気持ちかぁ。
 主将って言ってたもんね。』

 返す言葉の選び、区切りが雑談然としてきた。
 例えるなら、深夜のメッセージアプリ、
 スニーカーの写真アイコン、緑の吹き出し。

 ぽん、とスタンプ。
 お腹を空かせた子に自分を分け与える、国民的なヒーローの。

『じゃあ、こういうヒーローは好き?』
(-119) 2022/02/21(Mon) 2:35:40

【独】 普通 ナツメ

/*話しかけ先のorランダム メイサイくん
(-129) 2022/02/21(Mon) 4:04:46

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

『参加者のナツメです。
 ちょっと話しませんか?』

 あれやこれやがひと段落したタイミング。空き時間。
 見学席のあなたへ、メッセージを送ってみた。届くのかな。

/*
死にたくないです(が仮HNのPLです)。
秘話対応難しそうだったら適当に断ってください…
(-131) 2022/02/21(Mon) 4:14:41

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

「これから……」

 そんなことないですよ、とか、そうですね、とか穏やかに相槌を返していたのがすこし、口籠もって。
 立ち止まった少女が自身の手首をゆるく握る。そうすると、長袖のセーラー服に皺が描写される。

「私たち、決めないと、ですもんね。
 みんなは、どうやって決めるんだろ……」

 あ、ここですよね、と目の前の建物、wellcomeのノブに手をかける。
 [押す]タイプ。カラン、頭上で揺れたベルのかろい効果音。
 先に入ってしまって、戻ろうとする扉を片手で留めて。それからそっと、パスを回す。話の続き。

「どうしたい、とか。あるんですか?」

 言いたくなかったら、いいですよ。
 あなたが選ぶ色に染まるボールを、緩やかに投げ返す。
(-152) 2022/02/21(Mon) 13:12:45

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

『よかった!ありがとう。』

 ぽん。ぺこりと恐縮するうさぎのスタンプ。
 操作の挙動はぎこちないながらも、こういうのだけはいち早く身につけていた。

『見られてたの?恥ずかしいな…。
 直接会った方が話しやすい?』

 場所とか合わせるよ、と砕けた調子で申し出る。
 あなたのメッセージがそんな感じだったし、プロフィールを見る限り、後輩のようだったから。

/*
ありがとうございます、よろしくお願いします!
(-153) 2022/02/21(Mon) 13:26:46

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

『見てたよ。
 最近もたまに見るかも。祝日とか…』

 友達と遊ぶのもお昼からだから、宿題とかしながら。
 少女の住む地域では、金曜の午前に放送されているらしい。
 そんな当たり障りのない話へ繋げる。

『ツルギくんは休みの日とか、何するの?』

 誘導線。雑談と、身の上話のゼブラゾーン。
(-154) 2022/02/21(Mon) 13:50:30

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

『バイトしてるんだ。
 工務店ってどんなことするの?』

 あなたの推測に応えるように、
 先を促す相槌と、問いへの答えが返る。
 一問と一答、交換の会話。

『私はしてないよ。
 去年の夏休みはしてたけど』

 赤と黄色が目印のファストフードの店名。
 促音を挟んで、三文字。
 少女は首都圏で主流の略し方で呼んだ。
(-160) 2022/02/21(Mon) 14:31:53

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

『海を』

 困惑の区切り。そして電球マークのうさぎ。
 気づきました、のシンボライズ。

『出せる!VRだから。すごいね…。』

 話し言葉のような、短い言葉の連続。
 ちょっと他人事の感嘆は、そのまま不慣れを表している。

 じゃあ海に行くね、と続けて。
 これからすぐで大丈夫?と念のための確認が添えられた。
(-162) 2022/02/21(Mon) 14:46:46

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

『建築はイメージできるかも。
 大工さんであってる?修理は、雨漏りとか?』

 電気は電気屋さんだっけ、とふんわりしたQ。
 自分で調べろと言われそうな内容だが、
 残念ながら少女は検索機能の有無すら知らなかった。

『うん。今年の夏は補習漬け。』

 そしてA。特に補足もなく、短めの。
(-170) 2022/02/21(Mon) 15:35:17

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

 方針、判断、基準となる何か。
 それはメッセージを送ってきた彼も言っていたことで。

「…………」

 鮮やかな造花をただ見つめる数秒が過ぎた。
 逃れるように伏せた瞼の内は現実を誇張して、青みが強い。
 ほどよく照明の落とされた室内で、強い光に照らされたときの色をしている。
 現実投影、10代女性向けのデフォルト設定は少しだけ少女にやさしい。

「その、方針っていうの。
 みんながどうやって、決めたのか」

 それが知りたいかも、と呟く。
 合成音が再現したのは、よろよろと転げるボールみたいに自信なさげな声で、そんなところだけ、この世界はリアルだった。
(-173) 2022/02/21(Mon) 15:57:22

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

 ぽん。なるほど。頷くくま。

 そこでバイト先についての問いはいったん終わり。
 興味を失ったとかではなく、したい話に合わせたつもり。
 あなたがどう思うかは分からないけれど。

『大学って言っても、短大だけどね。』

 栄養学部を受ける予定だったこと、
 親も先生も進学を勧めてきたことを綴って。

『あ、でも言いなりってわけじゃないよ。
 たしかに資格はあった方がいいし、
 それならお父さんにも体にいいもの作ってあげたいし…』
(-175) 2022/02/21(Mon) 16:18:30
ナツメは、ざぁ。待ち合わせ場所へ、先に着いた。
(a37) 2022/02/21(Mon) 16:40:45

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

 あなたが四角い海に着くと、少女は波打ち際に立っていた。
 清掃された砂浜、焦茶のローファーに飛沫がほんのちょっとだけかかる、ぎりぎりの距離。

「返事くれて、ありがとう。
 急にごめんね。びっくりさせたかな」

 プログラムされた太陽の位置に見合った挨拶のあとで、そう言って。眉を下げて、ちょっと笑う。
 好き勝手な話し合いのときより。そう、比べるまでもなく、少女の唇は滑らかに動いた。
(-181) 2022/02/21(Mon) 16:52:26

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

『すごいかな?ありがとう。』

 それから、間がひらく。
 徐々にテンポよくなってきていた会話が、途切れて、再開。

『実はうすうす思ってたんだけど…』
『ずっとメッセージしてるより、
 会った方が話しやすくない?』

 そんなこと無かったらこのままでもいいよ。
 つけ加えられた文言で、あなたに選択がゆだねられた。
(-193) 2022/02/21(Mon) 17:25:12

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

「ううん、さっき着いたとこ……」

 振り向いて、テンプレートの語尾をぼやかしながら数歩。
 互いに歩み寄れば、駆け寄るくらいの早さにすこし近づくだろうか。

「そうだね。緊張するし……みんな、真剣だから。
 何言えばいいのか、分からなくなっちゃった」

 恥ずかしいな、見られてないと思ってたのに。
 少女は自分のセーラー服の手首をゆるく掴む。皺の描画。そうして、あなたを見上げて笑う。晴れ晴れしくはない顔で。

 笑いかけながら、何の話する?と尋ねた。
(-203) 2022/02/21(Mon) 18:18:47

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

『ありがとう。
 忙しかったら後でもいいからね。』

 ツルギくんの都合に合わせるよ。
 そう添えて、行き先にはOKのスタンプ。

 それからきっと当たり障りなく、予定を合わせて。
 約束した時間に、少女はマップを開きつつ図書館へと向かう。
(-212) 2022/02/21(Mon) 20:02:53

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

 わかりません、少女は叱られた生徒のように俯いている。
 歩み寄る足取りに強張らせて、屈みこむ気配に目を瞑って。

「あ――――」

 薄く唇を開いて、けれども喉奥へ、言葉はひっこめられた。
 穏やかな音が、少女の脳を揺らしたから。

 カラン。閉まる扉の上部、ドアベルが鳴って。
 合わさった瞳が、ぱち、と瞬く。
 下を向く少女を暖かく包むような笑顔が、まんまるの瞳が、輝いている。
(-240) 2022/02/21(Mon) 21:50:36

【独】 普通 ナツメ

 あ、と私は思った。
 この人、会ってすぐの私なんかに、こんなこと。言えるんだ、と思った。

 八方美人。たぶん、絶対、そう。
 そう思っている間にも、私の口は勝手に、あんなことを返しはじめてた。
(-241) 2022/02/21(Mon) 21:51:45

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

「はい、」
「……はい、」

 緊張に強張って冷たくなった指先が、じんわりと解される。
 口が弧を描いて、持ち上がった下まぶたに瞳が隠されて。

「はい。一緒に、探してほしいです。
 こんなの、ひとりじゃ絶対、見つけられないから……」

 あなたから優しく手渡されるそれに、ゆるやかに笑む。
 きゅ、と小さくあたたかな温度に触れた指先が、控えめにその手を握り返す。
 挽きたての香ばしいコーヒー豆のにおい。やわらかな照明、塵一つ落ちていないエントランスラグ。

 造り物の体で、紛い物の世界で、少女は淡くほころんで。
(-242) 2022/02/21(Mon) 21:52:33

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ


「ありがとうございます、ハナサキさん」
 
(-245) 2022/02/21(Mon) 21:53:42

【独】 普通 ナツメ


 でも、どうせ。私だけの味方じゃないんですよね。
 
(-244) 2022/02/21(Mon) 21:53:58

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

 後から到着した少女は、きょろきょろと館内を見まわした。
 閲覧席にあなたの姿を認めると、足早に歩み寄る。
 正面の椅子の背もたれに両手を乗せて、開かれたページを逆さまに見て。

「どこの写真?」

 メッセージの延長で、そう、軽く話しかけてから。
 あ、と小さく声を漏らす。
 少女とあなたが直接言葉を交わすのは、そういえば、これが初めてだったかもしれない。

「メッセージ。ありがと、ね。
 えっと、ナツメです。ツルギくん。よろしくね」
(-252) 2022/02/21(Mon) 22:19:31

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

 ふたりきり、静かなカフェの入り口、はい、はい、と。
 少女はあなたの言葉ひとつひとつに頷きを返す。
 明るく弾む声と穏やかなアルトはともすれば、身長差も相まってどちらが歳上か、なんて表されそうで。
 けれど慰める言葉と慰められる相槌を聞けば、取り違えなんてきっと絶対に起こらない。

 そんな優しい、それゆえに作り物めいた時間の中で、
          
あなた
が動いた。
 仕草をもって告げるそれは、少女の青い瞳を揺らす。

「――――ぇ、」

 薄い肩がびくりと震えて、手のひらが布地から浮かされる。
 けれど振り払うほどには思い切れなかったのだろう、指先はまだ心臓のあたりに触れていて。

「……どうして?」

 少女は、まず、そんな音を漏らす。
 揺れた瞳が見つめる先は、あなたの胸元のリボン。

「あの、あかの。
 他人のために……えっと、どうして、そこまで……?」

 四文字では伝わらないと、考えたのか。
 ささくれ一つない唇は、たどたどしく、問いを吐き出して。
 票を集めたら死んじゃうんですよ。
 教科書にも載っている、当たり前のことを口にした。
 
少女は、自分が誰かの特別であるはずがないと、思う。
(-286) 2022/02/22(Tue) 1:00:26

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

 テーブルを挟んで腰掛けた少女は、閉じられて露わになった表紙へと目を落とす。
 外国のかな。あなたはどうやら、そんな雑談は必要としていないようだから、すぐに視線は上げられた。

「ほんとに。みんなに、聞いてまわってるの? その……」

 あなたの瞳のちょっと下の辺を見つめながら、みのうえばなし、と穏やかなアルトが紡ぐ。
 妙にハキハキとした発音は、用意された原稿や台本のそれに近い。
 自身の語彙、脳のメモリにない言葉を読み上げるときの。
(-288) 2022/02/22(Tue) 1:25:59

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

 透けた水とあなたの体を、驚いたように見て。
 隣でしゃがんで、同じように波へ翳す。少女の手はひたりと海水に沈んで、ぬかるんだ砂へ触れた。
 それから一度、二度。唇が薄く開閉して。

「……うん。死ぬのは、こわい、かな」

 手を水に浸して、そこばかりを見つめたまま呟くように答えを口にした。
 死にたくない、と。
 当たり前のことを言うのすら、もう、少女には憚られる。

「でも。たぶん、私、提供者になるんだと思う」

 口にしたばかりの簡単な二文字を、わざわざ置き換えて。
 ちょっとだけ迂遠な言い回しで、ぼんやりと終わりを悟ったふうにして。
 一際大きく寄せた波で、セーラー服の袖口が湿って重くなった。
(-297) 2022/02/22(Tue) 2:03:25

【独】 普通 ナツメ

 私はそのとき、見学だもんね、と言えなかった。
 ひがんだ感じにならない自信が、あまり、なかった。
(-296) 2022/02/22(Tue) 2:04:19

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

 少女は、二度、三度、瞬いて。
 現実を少し誇張した深い青色の瞳が、瞼の裏へ消える。
 唇が薄く開いて、けれど音は発されなかった
*


「……そう、だね。ごめん、ね。
 あの、みのうえばなし、とかは。むり、かも」

 音を区切るように、読み上げる速度で、声に出す。
 震えた声に少しだけ混じる湿り気。
 だけど一滴も零したりはしないから、安心してね。
 眉を下げて、ぎこちなく笑いかける。

「好きなものとか。バイトの話とか。
 ……そういう話は、したくない?」

 したくないなら、帰ります。ごめんね。
 そう言って、少女はセーラー服の手首を握る。
 テーブルの下で描写された皺は、誰の視界にも映らない。

*
ちがう。かすかな息漏れだけが、早とちりを否定した。ちがうのにな。
(-310) 2022/02/22(Tue) 2:58:36

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

 うーん、と声をあげながら、水面から手を浮かす。
 皮膚を伝って指先から落ちる雫。
 ちろりと赤い舌先が触れて、しょっぱい、と呟いた。

「どう、言ったらいいのかな。
 ……いやな感じになっちゃうけど、ゆるしてね」
(-314) 2022/02/22(Tue) 3:49:23

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

 私、かわいそうな子じゃないから。
 躊躇いののち、穏やかなアルトがあなたの鼓膜を揺らす。

「みんなに話すほどのことがね、ないの。
 小さい頃に出ていったらしいから、お母さんはいないけど、ほとんど覚えてないし。
 事故とか、事件とかにもべつに、遭ったこと、ないし。
 将来の夢とかもね、そんなに、何がなんでも叶えるぞ!ってことも、ないし」

 話しながら脱いだローファーと靴下を砂浜に残して、ちゃぷんと海水に素足を晒してしゃがみこむ。
 腿の裏に添えた手がスカートのプリーツを伸ばして、折りたたんだ膝に乗せられる。

「選びやすいから、2番を選んだだけ。
 3は怖いし、1もなんか、丸つけにくくて」

 少女は隣のあなたを見上げて、困ったように笑う。

「そんなだからたぶん、明日も何も言えないし。
 投票していいですかって聞かれたら、断れないと思う」

 どうしてかな。怖いのにね。
(-315) 2022/02/22(Tue) 3:50:22

【人】 普通 ナツメ

〜いっぽうそのころ:翌朝編〜

 朝と昼の中間地点くらいの時間。
 寮、購買っぽいとこ前。
 無地の紙袋を抱えて、きょろ…と瞳が動いた。

「どこで食べよう……」

 部屋に籠るのもな。あんまりね。そんな感じ。
(151) 2022/02/22(Tue) 11:05:31

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

「乾くから、いいよ」

 隣へ行くのに躊躇うそぶりはなかった。
 ……溺れる深さだったら、流石に無理だけど。
 海水に浸って、皺を伸ばしたスカートが色を濃くする。

 明け透けな言葉にきょとりとして、そうだね、アピールポイント。くり返して、頷いた。
 その続きには、ありかな、と言うだけで、首はどの方向にも振られなかった。

「メイサイくんは、どんな人?
 話したくなかったら……でも、ちょっとは、知りたいかも」

 メイサイくんのこと。せっかくだし。
 少女が小さく首を傾げると、肩口で揃えられた黒髪がちょっと揺れた。
 
「好きな色とか。そういうので、いいから」
(-326) 2022/02/22(Tue) 11:08:33

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

「つまんなくても、いいよ」
 

雑談ってたぶん、そういうものだよ。
ちょっと退屈で、欠伸をかみつぶすようなの。
そういう話をあまりしないのかなと、あなたの前で少女は思う。
思うだけで、言わない。言えない、とは違う。
 

「先生とか、テレビの人じゃないんだし。
 てきとうに話そう。……続かなかったら、やめればいいし」
 

でも、笑いすぎて頬が痛くなるようなのも、
だらだらと続けても悪くないのも、雑談、ではあるから。
面白くなったらいいな、とは思っているけど。
 

「……じゃあ。こういう島、行ってみたい?」

 ぽつりぽつりと言葉を吐いて、話題を探す少女の視線が留まったのは、トリミングされた綺麗な景色。
 テーブルの上の表紙へ指を滑らせて、尋ねてみる。
 困らせるようなことを言ったから、少女はあなたの目をうまく見れない。
(-343) 2022/02/22(Tue) 13:43:33

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

 矢継ぎ早な声の隙間に入り損ねたあ、え、あの。が滑り落ちていく。
 やまない言葉が上から被さって、
 その上を次の言葉が覆って、
 精査する暇も与えられずに埋もれていく。

 強張る体、冷えた指先がブラウスの布地を突っぱねる。
 造花の瞳を捉えて、揺らぐ青色がじわりと湿る。
 壊れたものを前にして、途方に暮れる、子どもかのような。

…………へ、へん、です、おかしいです、よ、


 そこまで、して。
 少女はあなたが握る手を震わせて、話す唇も、震えていた。

  じんと痺れた頭の中では目まぐるしく、まんまるの綺麗な瞳、あなたの発言のいくつも、朝露をはじくチューリップのフリー素材、あなたと少女の位置関係、扉と腕の距離だとか、牛乳パックの賞味期限、臓器提供意思、選択項目の印字、朝の改札、必要と不必要が混ざり混ざって過ぎ去っては不意に返ってくる。
 

どうなりたいんですか、わたしになにしてほし、いんです、
か……


 急きたてられるように、なぜ、なに、を。
 吐く息の勢いだけで出し切って、語尾がか細くよれた。
(-375) 2022/02/22(Tue) 18:14:47

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

 海水に浸かって、何かが琴線に触れた横顔を見ていた。
 変なタイミングで笑うひと。と、思ったのかもしれないけれど、定かではない。少女はそれに触れなかったから。

「……えらいね。
 知らなくても、移植は受けられるんでしょ?」

 うん、と頷いて、笑い声には少し困ったような、曖昧な笑顔を返してからそう言った。

「青かぁ。私もけっこう、好き」
(-425) 2022/02/23(Wed) 2:13:02

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

「……職業病?
 え、いのしし、出るんだ」

 少女はちょっと笑って、驚いて。
 あなたが繋げてくれる会話に、ほっと、少し肩の力を抜く。

「えっと……都会のほう、かな。
 住んでるのはマンションで、高校は電車で通ってて……」

 これで答えになっているだろうか。
 そう伺うように、あなたの顔をちらりと見た。
(-428) 2022/02/23(Wed) 2:30:59

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

 ため息に肩を揺らして、優しい声にも力はもう抜けなくて。
 目を背ける。
店内の大声、路上の死骸、飛び込み自殺からそうするのと、同じように。


「むり、です、むり……」


 何に対しての。
 皮膚の表面、分かち合う体温が、それすらも溶かしていく。
 混じる、濁る、どろりと沈む。

 少女はあなたの胸元、かわいらしいリボンを見つめて。
 数度、呼吸をした。

「……ごめんなさい、あの。ありがとう、ございます。
 …………どうしても。
 決められなかったら、そうしますから……」

 手を。離してください。

 その場しのぎ、逃れるための返答だったのかもしれない。
 けれどそれがきっと、少女の間違いになる。
 このとき、あなたが提示したそれを、選択肢に加えたことには変わりないのだから。
(-431) 2022/02/23(Wed) 3:26:33
ナツメは、もぐ。>>151 中途半端ごはんは、けっきょく食堂で食べた。
(a83) 2022/02/23(Wed) 3:40:53

【人】 普通 ナツメ

 通りすがりにぽつんと落とされた呟き、
 ちょっと傾けられた首。

「……増えてる?」

 増えてるなあ、焼き肉屋さん。
(193) 2022/02/23(Wed) 3:49:24

【独】 普通 ナツメ

/*
先輩って呼ぶな 親しみを持たせるな ああ我ら先輩って呼ぶな高校
(-461) 2022/02/23(Wed) 12:26:19

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

「へー……こっちはカラスとか、猫とかしか見ないかも。
 ――――あ、うん。これよりは、こっち」

 あなたが挙げた動物へのイメージは写真よりはぼんやりと、むしろイラストに近い。
 先ほど示した緑の島から、塗装剤と灰色の人工物へ目を落とす。

「そう、満員電車。
 三年でだいぶ慣れたけど、夏は地獄だよ……」

 少女はラッシュを思い出してか、遠い目。
 多少乗車時間をずらしても、ずらした人と重なってまあまあ混み混みだ。

「ツルギくんのとこは、電車、短い?」
(-470) 2022/02/23(Wed) 13:03:33
ナツメは、泳げない
(a90) 2022/02/23(Wed) 13:21:23

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

「うん」

 意表を突かれた顔をしている、あなたを見て。
 えらいよ、その意味で少女は頷く。

「うーん……」

 それから、凡そ98uの青い海。
 浅瀬に浸って、向こうの方を見つめる。深いのかな。
 ただ同じ色が広がって、少女には判別のしようがなかった。

「…………」

 泳げないから、ここまでにしとく。
 そう言って立ち上がると、波に逆らって水揺れが起こる。
 制服の裾から滴り落ちる雫が、小さな波紋をつくって、流されていく。
 引いていく波の向こうから潮のにおいのする風が吹いて、

 
くしゅっ。


「……。……冷えた、かも」
(-471) 2022/02/23(Wed) 13:35:52
ナツメは、♪ 大声を聞きつけた
(a91) 2022/02/23(Wed) 13:45:13

【人】 普通 ナツメ

>>a91 >>202

「あの……?」

 
呼ばれました、人です。


「こ、こんにちは」

 わぁ、男子高校生が虚無でブランコに乗っている……。
 そう思ったかは定かでないが、とりあえず挨拶は発された。
(204) 2022/02/23(Wed) 13:47:52

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

 はい、と頷く少女の顔は、未だ浮かない。
 けれど、少なくとも。離された手を寂しく思う、我儘で甘ったれた心はまだ、手折られていなかった。

「……。ハナサキさん、も。
 困ったことがあったら、言ってくださいね」

 だから少女は、そう言った。
 あなたが優しく、丁寧に、言葉を注いでしまうので。
 一緒に見つけましょう、その約束はまだ、生きている。柔い心に根を下ろしていた。

 それから、思い出したかのように口に出す。

「あの、飲み物。……どうしよう、持っていきますか……?」

 みんな、解散しちゃったかな……。
(-476) 2022/02/23(Wed) 14:17:11

【人】 普通 ナツメ

>>208 >>@22 #ブランコ

「あ、そうなの……? いいよ、押そうか?」

 へただったらごめんね。
 そう言いつつ、勧められた座面ではなく背中側にまわった。
(209) 2022/02/23(Wed) 14:34:02

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

「へぇ、汽車……」

 声色的に、少女の脳内の汽車、明らかに煙突がついていた。
 顔をあげたあなたと目が合って。
 あ、違うんだ、と恥ずかしそうに笑ってごまかす。

「見た目は似てるんだ。
 ……あれ? 電車と汽車って、どう違うんだっけ」
(-483) 2022/02/23(Wed) 14:44:02
ナツメは、えい。74くらいの力でブランコを押す。
(a96) 2022/02/23(Wed) 14:56:25

【人】 普通 ナツメ

>>210 >>a96 #ブランコ

「えっと、押すね……?」

 ぺた、と手のひらが背中に触れる。
 よいしょ、と
74くらいの
力をこめて前に押し出す。
 ちょっと……急に、強すぎたかもしれない。

「…………」

 返ってくるたびに、半歩ずつ後ろに下がっている。
 高さと速度を追求しようとしているのかもしれません。
 がんばろうね。高校生の本気のブランコ。
(213) 2022/02/23(Wed) 15:02:46

【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ

「うん、大丈夫。
 図書館、あったかいかな……」

 濡れた足の裏に砂をつけつつ、靴を指に引っ掛けて。
 さくさくと一人分の足跡をのこして、砂浜と空白の境目。

 用事があるから、またね。
 来てくれてありがとう。

 そう言って、小さく手を振った。
(-499) 2022/02/23(Wed) 15:46:30

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

 よろしくおねがいします、と小さく頭を下げる。
 嬉しそうなあなたと、ちょっと怖いあなたがうまく結びつかない。
 それは少女の、ある種の逃避かもしれなかった。

「はい。あたらめて、明日。
 ……あ。ハナサキさんは、何が好きですか?」

 リクエストのメッセージはなかったので、適当に。
 お茶請けは軽く、ナッツとか、ドライフルーツ程度なら食べやすいかな。
 電子の世界は便利で、その場で何かと出せるから、本当はこの行為も必要とされていない。
 VR初心者の少女はそれにも気づかず、お持ち帰りメニューなんかを確認している。
(-503) 2022/02/23(Wed) 16:05:19

【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ

 あなたの出したスクリーン。
 使用者だけに見えるものであれば、不思議そうに首を傾げる。そうでなくとも、どうやって出すんだろうと疑問符。
 どちらにせよ、調べてくれているらしいとはそのうち分かるだろうから、大人しく待って。

「あ、燃料が違うんだ。
 ……煙かぁ……だめかも、やっぱり煙突が……」

 イメージがそっちに引っ張られてしまうらしい。
 頭を抱える、冗談めかしたジェスチャー。
 それから、顔をあげて。

「でも、いいね。冬景色、って感じ」
(-511) 2022/02/23(Wed) 16:41:26

【人】 普通 ナツメ

>>221 #ブランコ

「……」

 
トン……キィィー……


「……」

 
トン……


「……あ、ほんと、ですか? よかった。
 こういうの、久しぶりだから……あっ、大丈夫……?」

 時々、一律に調節されたアバターの腕力が余りつつ、
 返ってきた背中を押し損ねつつ。
 勢いを殺さないようにすれすれで追って、
 頂点で触れて、押す。コツを掴んできた。ばっちりです。
 振り子運動が徐々に大きくなっていく。

「……えっと、何歳くらい……よいしょ。……下の子?」
(229) 2022/02/23(Wed) 16:56:18

【独】 普通 ナツメ

/*
1日目の予想をおいておきます 参加者を把握してないPLです

ヒメノ:ことりさん
ナツメ:(このわたし)
アクタ:おさとうさん そうじゃなかったら泣く
カミクズ:許さん
ツルギ:ご迷惑をおかけしております。誰?
カイ:もちぱいさん
フカワ:やいさん
ユス:とーみんさん
ハナサキ:わざきさん ぜったいそう ぜったいここ
エノ:だれだ…?あれんだくんさんここか…?

見学席
ユメスケ:(PL確定枠)
メイサイ:
おなつ!!ここにいるんだろ!!!!そう言ってくれ!!!!!!
(-521) 2022/02/23(Wed) 17:16:47

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

「コーヒー、飲めるんですね。
 私は……お湯、持って行こうかな」

 温かい水は、喉に優しい。味のついたものが飲みたくなったら、そこに紅茶のパックでも浸せばいいし。
 量があって困るものじゃないし、ポットで持って行きましょう。使い捨てのコップと、セットで。
 

そう算段を立てる少女は“明日”の、直視できるギリギリを見ている。
あと少し目線をずらしたら、そこにあるのは肌を粟立たせる生と死の話だ。
誰が生きて誰が死ぬかの、話し合い。
 

「いいと思います、食べやすそう。
 はい、これと……これ、もいいですね」

 穏やかなひとときの輪郭をなぞって、カフェテリアの中で少女はちいさく笑う。

 明日になれば、あなたわたしたちの合議は本格的に始まる。
 そのための準備をしながら、けれど誰かの身の上が語られることも、何らかの企みが為されることもなく。

 夢のような約束だけが、結ばれた。
(-533) 2022/02/23(Wed) 18:50:29

【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ

「はい、また……明日。」

 別れ際、少女はそっと、手を振る。
 その挨拶は、日常のそれと。
 ほとんど同じように思えてならなかった。

/*
こんばんは、大丈夫です!
めいっぱいお付き合いくださってありがとうございました…!
(-552) 2022/02/23(Wed) 19:58:13