![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ>>69 ぺこりと下げた頭をあげて、外へ出てから。 「ありがとうございました。 あの……正直、ちょっと、雰囲気が」 困ったように笑って、言葉尻を濁す。 どこに行けばいいかな、と胸ポケットの手帳を取り出した。 (-58) 2022/02/20(Sun) 23:57:36 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ『みんな、すぐには決められないのかもね。』 あなたのそれと比較するまでもなく、少女の返信は遅い。 不慣れゆえか、話題が話題だからか。 『悲しむ人がいないから、いいひとの代わりになるんだっけ。 いいひとは、死んでほしくないって言うんじゃない?』 別の参加者へさらりと語っていた身の上話は、 終始口を噤むに終わった少女の耳にも届いていた。 『悲しむ人ができたらどうするの?』 (-62) 2022/02/21(Mon) 0:16:01 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ「はい。元気で、可愛くて…… あの子が来てくれてよかった、ですね」 重い空気から抜け出せて、肩の力がすこし、抜けている。 こくりと頷いて、顔にかかる髪をはらってから浮かべる笑みはまだぎこちない。 「あ、はい。そっか、カフェもあったんだ……」 ……わざわざ持っていくの、余計なお世話かな。 不安げに呟いて、でも言い残してきた手前、やめるわけにも。 そんな葛藤、緩慢なしぐさで手帳をポケットに収めれば、何となく並んで歩きはじめる。 向かう先は示された方角に見える建物、会話の糸口を探して。 「さっき、ツルギくんとメッセージで話したんですけど。 ハナサキさんも、まだ、決められずにいるって……」 (-69) 2022/02/21(Mon) 0:44:45 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ 彷徨った目線の動きは見られなかった。 そのとき、少女は既に場を去っていたから。 『うん。もしもの話だけど。 ツルギくんがいなくなるのが一番悲しいって人。』 ただ、遅れた返信から、“考えていなかった”というのが、 本当に言葉通りなのだろうと読み取れただけで。 『ツルギくんにとってのいいひとは、そうするんだね。』 タイムラグ。肯定でも否定でもなく、相槌が返った。 少女の指先に躊躇いがあったか、なんてことは、 0と1で構成された世界の中で取捨選択、届くことはない。 (-94) 2022/02/21(Mon) 1:38:20 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ アイドルってすごいですよね、と相槌を打つ。 その先で掛けられた言葉に、公園かあ、とやや苦笑い。 のんびり散歩するにはまだ子どもで、無邪気に駆け回るにはもう幼くない。 「私、ストレスとかは大丈夫ですよ。 えっと……あの、眼鏡の子とかの方が。心配、かも?」 不安を体現したような様子だった。 あなたもそれに触れていたのを見ていたから、例に挙げて。 けれどその話はそこで宙に浮かせて、投げて返ってきた話題のボールをトス。 「私もです。まだ何も決められないって、送りました。 同じことを他の人にも言われたって、返信が来ましたけど」 誰が、までばっちり書かれていたことはぼやかした。 この話の切り出しを振り返れば、推測に容易いことだけど。 そうして、ちょっとした打ち明けばなしのトーンで。 「選びやすかったから、2にしちゃったんです、よね」 (-109) 2022/02/21(Mon) 2:11:00 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ『みんなの気持ちかぁ。 主将って言ってたもんね。』 返す言葉の選び、区切りが雑談然としてきた。 例えるなら、深夜のメッセージアプリ、 スニーカーの写真アイコン、緑の吹き出し。 ぽん、とスタンプ。 お腹を空かせた子に自分を分け与える、国民的なヒーローの。 『じゃあ、こういうヒーローは好き?』 (-119) 2022/02/21(Mon) 2:35:40 |
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![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ『参加者のナツメです。 ちょっと話しませんか?』 あれやこれやがひと段落したタイミング。空き時間。 見学席のあなたへ、メッセージを送ってみた。届くのかな。 /* 死にたくないです(が仮HNのPLです)。 秘話対応難しそうだったら適当に断ってください… (-131) 2022/02/21(Mon) 4:14:41 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ「これから……」 そんなことないですよ、とか、そうですね、とか穏やかに相槌を返していたのがすこし、口籠もって。 立ち止まった少女が自身の手首をゆるく握る。そうすると、長袖のセーラー服に皺が描写される。 「私たち、決めないと、ですもんね。 みんなは、どうやって決めるんだろ……」 あ、ここですよね、と目の前の建物、wellcomeのノブに手をかける。 [押す]タイプ。カラン、頭上で揺れたベルのかろい効果音。 先に入ってしまって、戻ろうとする扉を片手で留めて。それからそっと、パスを回す。話の続き。 「どうしたい、とか。あるんですか?」 言いたくなかったら、いいですよ。 あなたが選ぶ色に染まるボールを、緩やかに投げ返す。 (-152) 2022/02/21(Mon) 13:12:45 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ『よかった!ありがとう。』 ぽん。ぺこりと恐縮するうさぎのスタンプ。 操作の挙動はぎこちないながらも、こういうのだけはいち早く身につけていた。 『見られてたの?恥ずかしいな…。 直接会った方が話しやすい?』 場所とか合わせるよ、と砕けた調子で申し出る。 あなたのメッセージがそんな感じだったし、プロフィールを見る限り、後輩のようだったから。 /* ありがとうございます、よろしくお願いします! (-153) 2022/02/21(Mon) 13:26:46 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ『見てたよ。 最近もたまに見るかも。祝日とか…』 友達と遊ぶのもお昼からだから、宿題とかしながら。 少女の住む地域では、金曜の午前に放送されているらしい。 そんな当たり障りのない話へ繋げる。 『ツルギくんは休みの日とか、何するの?』 誘導線。雑談と、身の上話のゼブラゾーン。 (-154) 2022/02/21(Mon) 13:50:30 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ『バイトしてるんだ。 工務店ってどんなことするの?』 あなたの推測に応えるように、 先を促す相槌と、問いへの答えが返る。 一問と一答、交換の会話。 『私はしてないよ。 去年の夏休みはしてたけど』 赤と黄色が目印のファストフードの店名。 促音を挟んで、三文字。 少女は首都圏で主流の略し方で呼んだ。 (-160) 2022/02/21(Mon) 14:31:53 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ『海を』 困惑の区切り。そして電球マークのうさぎ。 気づきました、のシンボライズ。 『出せる!VRだから。すごいね…。』 話し言葉のような、短い言葉の連続。 ちょっと他人事の感嘆は、そのまま不慣れを表している。 じゃあ海に行くね、と続けて。 これからすぐで大丈夫?と念のための確認が添えられた。 (-162) 2022/02/21(Mon) 14:46:46 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ『建築はイメージできるかも。 大工さんであってる?修理は、雨漏りとか?』 電気は電気屋さんだっけ、とふんわりしたQ。 自分で調べろと言われそうな内容だが、 残念ながら少女は検索機能の有無すら知らなかった。 『うん。今年の夏は補習漬け。』 そしてA。特に補足もなく、短めの。 (-170) 2022/02/21(Mon) 15:35:17 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ 方針、判断、基準となる何か。 それはメッセージを送ってきた彼も言っていたことで。 「…………」 鮮やかな造花をただ見つめる数秒が過ぎた。 逃れるように伏せた瞼の内は現実を誇張して、青みが強い。 ほどよく照明の落とされた室内で、強い光に照らされたときの色をしている。 現実投影、10代女性向けのデフォルト設定は少しだけ少女にやさしい。 「その、方針っていうの。 みんながどうやって、決めたのか」 それが知りたいかも、と呟く。 合成音が再現したのは、よろよろと転げるボールみたいに自信なさげな声で、そんなところだけ、この世界はリアルだった。 (-173) 2022/02/21(Mon) 15:57:22 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ ぽん。なるほど。頷くくま。 そこでバイト先についての問いはいったん終わり。 興味を失ったとかではなく、したい話に合わせたつもり。 あなたがどう思うかは分からないけれど。 『大学って言っても、短大だけどね。』 栄養学部を受ける予定だったこと、 親も先生も進学を勧めてきたことを綴って。 『あ、でも言いなりってわけじゃないよ。 たしかに資格はあった方がいいし、 それならお父さんにも体にいいもの作ってあげたいし…』 (-175) 2022/02/21(Mon) 16:18:30 |
ナツメは、ざぁ。待ち合わせ場所へ、先に着いた。 (a37) 2022/02/21(Mon) 16:40:45 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ あなたが四角い海に着くと、少女は波打ち際に立っていた。 清掃された砂浜、焦茶のローファーに飛沫がほんのちょっとだけかかる、ぎりぎりの距離。 「返事くれて、ありがとう。 急にごめんね。びっくりさせたかな」 プログラムされた太陽の位置に見合った挨拶のあとで、そう言って。眉を下げて、ちょっと笑う。 好き勝手な話し合いのときより。そう、比べるまでもなく、少女の唇は滑らかに動いた。 (-181) 2022/02/21(Mon) 16:52:26 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ『すごいかな?ありがとう。』 それから、間がひらく。 徐々にテンポよくなってきていた会話が、途切れて、再開。 『実はうすうす思ってたんだけど…』 『ずっとメッセージしてるより、 会った方が話しやすくない?』 そんなこと無かったらこのままでもいいよ。 つけ加えられた文言で、あなたに選択がゆだねられた。 (-193) 2022/02/21(Mon) 17:25:12 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「ううん、さっき着いたとこ……」 振り向いて、テンプレートの語尾をぼやかしながら数歩。 互いに歩み寄れば、駆け寄るくらいの早さにすこし近づくだろうか。 「そうだね。緊張するし……みんな、真剣だから。 何言えばいいのか、分からなくなっちゃった」 恥ずかしいな、見られてないと思ってたのに。 少女は自分のセーラー服の手首をゆるく掴む。皺の描画。そうして、あなたを見上げて笑う。晴れ晴れしくはない顔で。 笑いかけながら、何の話する?と尋ねた。 (-203) 2022/02/21(Mon) 18:18:47 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ『ありがとう。 忙しかったら後でもいいからね。』 ツルギくんの都合に合わせるよ。 そう添えて、行き先にはOKのスタンプ。 それからきっと当たり障りなく、予定を合わせて。 約束した時間に、少女はマップを開きつつ図書館へと向かう。 (-212) 2022/02/21(Mon) 20:02:53 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ わかりません、少女は叱られた生徒のように俯いている。 歩み寄る足取りに強張らせて、屈みこむ気配に目を瞑って。 「あ――――」 薄く唇を開いて、けれども喉奥へ、言葉はひっこめられた。 穏やかな音が、少女の脳を揺らしたから。 カラン。閉まる扉の上部、ドアベルが鳴って。 合わさった瞳が、ぱち、と瞬く。 下を向く少女を暖かく包むような笑顔が、まんまるの瞳が、輝いている。 (-240) 2022/02/21(Mon) 21:50:36 |
![]() | 【独】 普通 ナツメ あ、と私は思った。 この人、会ってすぐの私なんかに、こんなこと。言えるんだ、と思った。 八方美人。たぶん、絶対、そう。 そう思っている間にも、私の口は勝手に、あんなことを返しはじめてた。 (-241) 2022/02/21(Mon) 21:51:45 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ「はい、」 「……はい、」 緊張に強張って冷たくなった指先が、じんわりと解される。 口が弧を描いて、持ち上がった下まぶたに瞳が隠されて。 「はい。一緒に、探してほしいです。 こんなの、ひとりじゃ絶対、見つけられないから……」 あなたから優しく手渡されるそれに、ゆるやかに笑む。 きゅ、と小さくあたたかな温度に触れた指先が、控えめにその手を握り返す。 挽きたての香ばしいコーヒー豆のにおい。やわらかな照明、塵一つ落ちていないエントランスラグ。 造り物の体で、紛い物の世界で、少女は淡くほころんで。 (-242) 2022/02/21(Mon) 21:52:33 |
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![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ 後から到着した少女は、きょろきょろと館内を見まわした。 閲覧席にあなたの姿を認めると、足早に歩み寄る。 正面の椅子の背もたれに両手を乗せて、開かれたページを逆さまに見て。 「どこの写真?」 メッセージの延長で、そう、軽く話しかけてから。 あ、と小さく声を漏らす。 少女とあなたが直接言葉を交わすのは、そういえば、これが初めてだったかもしれない。 「メッセージ。ありがと、ね。 えっと、ナツメです。ツルギくん。よろしくね」 (-252) 2022/02/21(Mon) 22:19:31 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ ふたりきり、静かなカフェの入り口、はい、はい、と。 少女はあなたの言葉ひとつひとつに頷きを返す。 明るく弾む声と穏やかなアルトはともすれば、身長差も相まってどちらが歳上か、なんて表されそうで。 けれど慰める言葉と慰められる相槌を聞けば、取り違えなんてきっと絶対に起こらない。 そんな優しい、それゆえに作り物めいた時間の中で、 あなた が動いた。仕草をもって告げるそれは、少女の青い瞳を揺らす。 「――――ぇ、」 薄い肩がびくりと震えて、手のひらが布地から浮かされる。 けれど振り払うほどには思い切れなかったのだろう、指先はまだ心臓のあたりに触れていて。 「……どうして?」 少女は、まず、そんな音を漏らす。 揺れた瞳が見つめる先は、あなたの胸元のリボン。 「あの、あかの。 他人のために……えっと、どうして、そこまで……?」 四文字では伝わらないと、考えたのか。 ささくれ一つない唇は、たどたどしく、問いを吐き出して。 票を集めたら死んじゃうんですよ。 教科書にも載っている、当たり前のことを口にした。 少女は、自分が誰かの特別であるはずがないと、思う。 (-286) 2022/02/22(Tue) 1:00:26 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ テーブルを挟んで腰掛けた少女は、閉じられて露わになった表紙へと目を落とす。 外国のかな。あなたはどうやら、そんな雑談は必要としていないようだから、すぐに視線は上げられた。 「ほんとに。みんなに、聞いてまわってるの? その……」 あなたの瞳のちょっと下の辺を見つめながら、みのうえばなし、と穏やかなアルトが紡ぐ。 妙にハキハキとした発音は、用意された原稿や台本のそれに近い。 自身の語彙、脳のメモリにない言葉を読み上げるときの。 (-288) 2022/02/22(Tue) 1:25:59 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ 透けた水とあなたの体を、驚いたように見て。 隣でしゃがんで、同じように波へ翳す。少女の手はひたりと海水に沈んで、ぬかるんだ砂へ触れた。 それから一度、二度。唇が薄く開閉して。 「……うん。死ぬのは、こわい、かな」 手を水に浸して、そこばかりを見つめたまま呟くように答えを口にした。 死にたくない、と。 当たり前のことを言うのすら、もう、少女には憚られる。 「でも。たぶん、私、提供者になるんだと思う」 口にしたばかりの簡単な二文字を、わざわざ置き換えて。 ちょっとだけ迂遠な言い回しで、ぼんやりと終わりを悟ったふうにして。 一際大きく寄せた波で、セーラー服の袖口が湿って重くなった。 (-297) 2022/02/22(Tue) 2:03:25 |
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![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ 少女は、二度、三度、瞬いて。 現実を少し誇張した深い青色の瞳が、瞼の裏へ消える。 唇が薄く開いて、けれど音は発されなかった * 。「……そう、だね。ごめん、ね。 あの、みのうえばなし、とかは。むり、かも」 音を区切るように、読み上げる速度で、声に出す。 震えた声に少しだけ混じる湿り気。 だけど一滴も零したりはしないから、安心してね。 眉を下げて、ぎこちなく笑いかける。 「好きなものとか。バイトの話とか。 ……そういう話は、したくない?」 したくないなら、帰ります。ごめんね。 そう言って、少女はセーラー服の手首を握る。 テーブルの下で描写された皺は、誰の視界にも映らない。 * ちがう。かすかな息漏れだけが、早とちりを否定した。ちがうのにな。 (-310) 2022/02/22(Tue) 2:58:36 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ うーん、と声をあげながら、水面から手を浮かす。 皮膚を伝って指先から落ちる雫。 ちろりと赤い舌先が触れて、しょっぱい、と呟いた。 「どう、言ったらいいのかな。 ……いやな感じになっちゃうけど、ゆるしてね」 (-314) 2022/02/22(Tue) 3:49:23 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ 私、かわいそうな子じゃないから。 躊躇いののち、穏やかなアルトがあなたの鼓膜を揺らす。 「みんなに話すほどのことがね、ないの。 小さい頃に出ていったらしいから、お母さんはいないけど、ほとんど覚えてないし。 事故とか、事件とかにもべつに、遭ったこと、ないし。 将来の夢とかもね、そんなに、何がなんでも叶えるぞ!ってことも、ないし」 話しながら脱いだローファーと靴下を砂浜に残して、ちゃぷんと海水に素足を晒してしゃがみこむ。 腿の裏に添えた手がスカートのプリーツを伸ばして、折りたたんだ膝に乗せられる。 「選びやすいから、2番を選んだだけ。 3は怖いし、1もなんか、丸つけにくくて」 少女は隣のあなたを見上げて、困ったように笑う。 「そんなだからたぶん、明日も何も言えないし。 投票していいですかって聞かれたら、断れないと思う」 どうしてかな。怖いのにね。 (-315) 2022/02/22(Tue) 3:50:22 |
![]() | 【人】 普通 ナツメ〜いっぽうそのころ:翌朝編〜 朝と昼の中間地点くらいの時間。 寮、購買っぽいとこ前。 無地の紙袋を抱えて、きょろ…と瞳が動いた。 「どこで食べよう……」 部屋に籠るのもな。あんまりね。そんな感じ。 (151) 2022/02/22(Tue) 11:05:31 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「乾くから、いいよ」 隣へ行くのに躊躇うそぶりはなかった。 ……溺れる深さだったら、流石に無理だけど。 海水に浸って、皺を伸ばしたスカートが色を濃くする。 明け透けな言葉にきょとりとして、そうだね、アピールポイント。くり返して、頷いた。 その続きには、ありかな、と言うだけで、首はどの方向にも振られなかった。 「メイサイくんは、どんな人? 話したくなかったら……でも、ちょっとは、知りたいかも」 メイサイくんのこと。せっかくだし。 少女が小さく首を傾げると、肩口で揃えられた黒髪がちょっと揺れた。 「好きな色とか。そういうので、いいから」 (-326) 2022/02/22(Tue) 11:08:33 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ「つまんなくても、いいよ」 雑談ってたぶん、そういうものだよ。 ちょっと退屈で、欠伸をかみつぶすようなの。 そういう話をあまりしないのかなと、あなたの前で少女は思う。 思うだけで、言わない。言えない、とは違う。 「先生とか、テレビの人じゃないんだし。 てきとうに話そう。……続かなかったら、やめればいいし」 でも、笑いすぎて頬が痛くなるようなのも、 だらだらと続けても悪くないのも、雑談、ではあるから。 面白くなったらいいな、とは思っているけど。 「……じゃあ。こういう島、行ってみたい?」 ぽつりぽつりと言葉を吐いて、話題を探す少女の視線が留まったのは、トリミングされた綺麗な景色。 テーブルの上の表紙へ指を滑らせて、尋ねてみる。 困らせるようなことを言ったから、少女はあなたの目をうまく見れない。 (-343) 2022/02/22(Tue) 13:43:33 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ 矢継ぎ早な声の隙間に入り損ねた音が滑り落ちていく。 やまない言葉が上から被さって、 その上を次の言葉が覆って、 精査する暇も与えられずに埋もれていく。 強張る体、冷えた指先がブラウスの布地を突っぱねる。 造花の瞳を捉えて、揺らぐ青色がじわりと湿る。 壊れたものを前にして、途方に暮れる、子どもかのような。 「 …………へ、へん、です、おかしいです、よ、 」そこまで、して。 少女はあなたが握る手を震わせて、話す唇も、震えていた。 じんと痺れた頭の中では目まぐるしく、まんまるの綺麗な瞳、あなたの発言のいくつも、朝露をはじくチューリップのフリー素材、あなたと少女の位置関係、扉と腕の距離だとか、牛乳パックの賞味期限、臓器提供意思、選択項目の印字、朝の改札、必要と不必要が混ざり混ざって過ぎ去っては不意に返ってくる。 「 どうなりたいんですか、わたしになにしてほし、いんです、 」か…… 急きたてられるように、なぜ、なに、を。 吐く息の勢いだけで出し切って、語尾がか細くよれた。 (-375) 2022/02/22(Tue) 18:14:47 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ 海水に浸かって、何かが琴線に触れた横顔を見ていた。 変なタイミングで笑うひと。と、思ったのかもしれないけれど、定かではない。少女はそれに触れなかったから。 「……えらいね。 知らなくても、移植は受けられるんでしょ?」 うん、と頷いて、笑い声には少し困ったような、曖昧な笑顔を返してからそう言った。 「青かぁ。私もけっこう、好き」 (-425) 2022/02/23(Wed) 2:13:02 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ「……職業病? え、いのしし、出るんだ」 少女はちょっと笑って、驚いて。 あなたが繋げてくれる会話に、ほっと、少し肩の力を抜く。 「えっと……都会のほう、かな。 住んでるのはマンションで、高校は電車で通ってて……」 これで答えになっているだろうか。 そう伺うように、あなたの顔をちらりと見た。 (-428) 2022/02/23(Wed) 2:30:59 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ ため息に肩を揺らして、優しい声にも力はもう抜けなくて。 目を背ける。 店内の大声、路上の死骸、飛び込み自殺からそうするのと、同じように。 「むり、です、むり……」 何に対しての。 皮膚の表面、分かち合う体温が、それすらも溶かしていく。 混じる、濁る、どろりと沈む。 少女はあなたの胸元、かわいらしいリボンを見つめて。 数度、呼吸をした。 「……ごめんなさい、あの。ありがとう、ございます。 …………どうしても。 決められなかったら、そうしますから……」 手を。離してください。 その場しのぎ、逃れるための返答だったのかもしれない。 けれどそれがきっと、少女の間違いになる。 このとき、あなたが提示したそれを、選択肢に加えたことには変わりないのだから。 (-431) 2022/02/23(Wed) 3:26:33 |
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![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ「へー……こっちはカラスとか、猫とかしか見ないかも。 ――――あ、うん。これよりは、こっち」 あなたが挙げた動物へのイメージは写真よりはぼんやりと、むしろイラストに近い。 先ほど示した緑の島から、塗装剤と灰色の人工物へ目を落とす。 「そう、満員電車。 三年でだいぶ慣れたけど、夏は地獄だよ……」 少女はラッシュを思い出してか、遠い目。 多少乗車時間をずらしても、ずらした人と重なってまあまあ混み混みだ。 「ツルギくんのとこは、電車、短い?」 (-470) 2022/02/23(Wed) 13:03:33 |
ナツメは、泳げない。 (a90) 2022/02/23(Wed) 13:21:23 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「うん」 意表を突かれた顔をしている、あなたを見て。 えらいよ、その意味で少女は頷く。 「うーん……」 それから、凡そ98uの青い海。 浅瀬に浸って、向こうの方を見つめる。深いのかな。 ただ同じ色が広がって、少女には判別のしようがなかった。 「…………」 泳げないから、ここまでにしとく。 そう言って立ち上がると、波に逆らって水揺れが起こる。 制服の裾から滴り落ちる雫が、小さな波紋をつくって、流されていく。 引いていく波の向こうから潮のにおいのする風が吹いて、 くしゅっ。 「……。……冷えた、かも」 (-471) 2022/02/23(Wed) 13:35:52 |
ナツメは、♪ 大声を聞きつけた。 (a91) 2022/02/23(Wed) 13:45:13 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ はい、と頷く少女の顔は、未だ浮かない。 けれど、少なくとも。離された手を寂しく思う、我儘で甘ったれた心はまだ、手折られていなかった。 「……。ハナサキさん、も。 困ったことがあったら、言ってくださいね」 だから少女は、そう言った。 あなたが優しく、丁寧に、言葉を注いでしまうので。 一緒に見つけましょう、その約束はまだ、生きている。柔い心に根を下ろしていた。 それから、思い出したかのように口に出す。 「あの、飲み物。……どうしよう、持っていきますか……?」 みんな、解散しちゃったかな……。 (-476) 2022/02/23(Wed) 14:17:11 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ「へぇ、汽車……」 声色的に、少女の脳内の汽車、明らかに煙突がついていた。 顔をあげたあなたと目が合って。 あ、違うんだ、と恥ずかしそうに笑ってごまかす。 「見た目は似てるんだ。 ……あれ? 電車と汽車って、どう違うんだっけ」 (-483) 2022/02/23(Wed) 14:44:02 |
ナツメは、えい。74くらいの力でブランコを押す。 (a96) 2022/02/23(Wed) 14:56:25 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「うん、大丈夫。 図書館、あったかいかな……」 濡れた足の裏に砂をつけつつ、靴を指に引っ掛けて。 さくさくと一人分の足跡をのこして、砂浜と空白の境目。 用事があるから、またね。 来てくれてありがとう。 そう言って、小さく手を振った。 (-499) 2022/02/23(Wed) 15:46:30 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ よろしくおねがいします、と小さく頭を下げる。 嬉しそうなあなたと、ちょっと怖いあなたがうまく結びつかない。 それは少女の、ある種の逃避かもしれなかった。 「はい。あたらめて、明日。 ……あ。ハナサキさんは、何が好きですか?」 リクエストのメッセージはなかったので、適当に。 お茶請けは軽く、ナッツとか、ドライフルーツ程度なら食べやすいかな。 電子の世界は便利で、その場で何かと出せるから、本当はこの行為も必要とされていない。 VR初心者の少女はそれにも気づかず、お持ち帰りメニューなんかを確認している。 (-503) 2022/02/23(Wed) 16:05:19 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 剣道 ツルギ あなたの出したスクリーン。 使用者だけに見えるものであれば、不思議そうに首を傾げる。そうでなくとも、どうやって出すんだろうと疑問符。 どちらにせよ、調べてくれているらしいとはそのうち分かるだろうから、大人しく待って。 「あ、燃料が違うんだ。 ……煙かぁ……だめかも、やっぱり煙突が……」 イメージがそっちに引っ張られてしまうらしい。 頭を抱える、冗談めかしたジェスチャー。 それから、顔をあげて。 「でも、いいね。冬景色、って感じ」 (-511) 2022/02/23(Wed) 16:41:26 |
![]() | 【独】 普通 ナツメ/* 1日目の予想をおいておきます 参加者を把握してないPLです ヒメノ:ことりさん ナツメ:(このわたし) アクタ:おさとうさん そうじゃなかったら泣く カミクズ:許さん ツルギ:ご迷惑をおかけしております。誰? カイ:もちぱいさん フカワ:やいさん ユス:とーみんさん ハナサキ:わざきさん ぜったいそう ぜったいここ エノ:だれだ…?あれんだくんさんここか…? 見学席 ユメスケ:(PL確定枠) メイサイ: おなつ!!ここにいるんだろ!!!!そう言ってくれ!!!!!! (-521) 2022/02/23(Wed) 17:16:47 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ「コーヒー、飲めるんですね。 私は……お湯、持って行こうかな」 温かい水は、喉に優しい。味のついたものが飲みたくなったら、そこに紅茶のパックでも浸せばいいし。 量があって困るものじゃないし、ポットで持って行きましょう。使い捨てのコップと、セットで。 そう算段を立てる少女は“明日”の、直視できるギリギリを見ている。 あと少し目線をずらしたら、そこにあるのは肌を粟立たせる生と死の話だ。 誰が生きて誰が死ぬかの、話し合い。 「いいと思います、食べやすそう。 はい、これと……これ、もいいですね」 穏やかなひとときの輪郭をなぞって、カフェテリアの中で少女はちいさく笑う。 明日になれば、あなたたちの合議は本格的に始まる。 そのための準備をしながら、けれど誰かの身の上が語られることも、何らかの企みが為されることもなく。 夢のような約束だけが、結ばれた。 (-533) 2022/02/23(Wed) 18:50:29 |
![]() | 【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ「はい、また……明日。」 別れ際、少女はそっと、手を振る。 その挨拶は、日常のそれと。 ほとんど同じように思えてならなかった。 /* こんばんは、大丈夫です! めいっぱいお付き合いくださってありがとうございました…! (-552) 2022/02/23(Wed) 19:58:13 |