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人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

受け入れられないなら。
君の手に持たれたままの鋏を、奪い取って。

「もっと……もっと………っ」
「ぼくをいっぱいにして…………」


振りかざして。

肩に思いっきり振り下ろす。


何一つの躊躇もなく。
牛肉を得るために作業のように牛を屠殺するがごとく。
樹液を出すために木の皮を剥がすがごとく。
傷つけて、溢れたそれに貪りつくだろう。
(-117) 2022/05/08(Sun) 0:40:28
エルナトは、「今の方が君の事を沢山知れるのかもね」と車椅子の彼に笑って
(a35) 2022/05/08(Sun) 0:44:08

エルナトは、君が食堂に顔を出すと言えば、嬉しげに笑って。だって、友達と一緒の方が楽しいから。
(a36) 2022/05/08(Sun) 0:45:03

エルナトは、るんるんと、楽しげに君の車椅子を押しただろう。
(a37) 2022/05/08(Sun) 0:45:36

【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタイン

ちなみに、道中にて。

「…ねぇねぇ、バレンタインくん。」
「君の体って、動きはしないけど……」
「汗とか、泣いたりとか……トイレとか」
「そういうのも、完全に機能してないの?」

そんな質問をしたことだろう。
(-118) 2022/05/08(Sun) 0:47:08

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

まるで、口を汚して食事をする幼児のようだ。と思う。
もしくは怪物か。もう少し綺麗に食べるものだと思っていた。

「はッ……く……」

分からない、と繰り返す君に何かを言いたげな顔をするものの、頭は回らない。
パンを焼いてもらったからと言って、パンを焼いた人間を好きになるものか?
君は、誰の体液だろうが同じことを言うのだろうに。

「、っ……馬鹿を、言うなよ……お前は"家畜に口付ける"のか?
 それに、僕も……飯を提供する、だけの相手に、唇を許すほど寛容では ない……ッ」


どれだけ泣きそうな声を上げても。
それだけは、
受け入れなかった


だから、鋏を取り上げる事も出来ず 君に
肩を抉られるのだろう。


思い切り目を見開いて、息の詰まったような声を上げる。
どくどくと溢れ出す鮮血が、ブレザーの肩口に染み出し 君が口に入れ損ねた分は床に広がっていく。
目が霞み、焦点が合わない。体の温度が下がっていく。

けれど、王の矜持か。意地か。君が動きを止めるまで、意識を手放すことはないだろう。
(-119) 2022/05/08(Sun) 1:08:22

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

今までは、もっと奇麗に食べていた。
そりゃあ、舐めたり吸ったりはしたけれど。
傷口に貪りついて、肉ごと食らいかねないほどに
獰猛に食事することはなかった。

でも

(-122) 2022/05/08(Sun) 1:19:27

【秘】 充実 バレンタイン → 司書 エルナト


『藪から棒に……まあエルナトにならいいか。
 人形にされたわけじゃないから、
 そういう代謝?とかはきちんと働いてるみたい。

 おむつとか履かされたの何年振りだって話。
 あまり言いふらさないでくれよな。
 恥ずかしいって思う気持ちだって残ってるし』

顔には全く出せなくなったけど。
(-124) 2022/05/08(Sun) 1:27:39

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

        自
       分の病
      の気持ち悪
     さと、病のせい
    で誰一人真の意味で
   愛する事ができないと言 
  う苦痛と、それらが溜まりに
 溜まった結果、重度の過食症にな
 ってしまって、ただでさえ満足に
 取れなかった食事は、常に飢餓を
 訴える体を満たすことが難しくて
 それでも今日まで出来るだけ頑張
 って我慢してきたのだけど、もう
 限界で、その時に貴方が声をかけ
  てくれたから、もう、飢えた
   獣は貴方に縋るしかなく
    て、お腹をみたして
     
(-125) 2022/05/08(Sun) 1:35:10

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

受け入れられない。
苦しい、もっと、もっと食べたいのに。
この飢えを満たして、満たして。
満たしたらきっと、ちゃんと人を人として見る事が出来て、
そしたら僕も普通に人を愛したり、愛されたりできて。
もう親に捨てられるような、気持ち悪い子供でいずに済んで。
だからもっと食べないと、もっと、もっと。



もっと食べるには、こうするしかなかった。



噴水のように溢れる血を、ごくごくと喉を鳴らしながら飲んで。
やがてその音が徐々に、徐々に感覚を長くしていって。
満腹にはなれないまでも、軽く満たされれば。
捕食行動は、もうとる必要が無くて。
顔を、あげて。


「……リアン………さん………?」
「だい、じょうぶ………?」


ようやく、欲望が覚めてきた頭で貴方の状況を見下ろして。
少年は、もう甘ったるくない声で、そう問いかけた。
(-127) 2022/05/08(Sun) 1:40:47

【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタイン

「へぇ……そうなんだ。」
「……そうなんだ……………」


と、相槌を打つ声は。
少しばかりの熱を帯びて。
絶対に逃げない餌がここにいる。
じゃあ次、我慢できないくらいお腹が減ったら。


「……おむつとか変えてあげようか?」
「……なんてね。ふふ………」

ドキドキと高鳴る鼓動。
きっと君に聞こえることはないまま、食堂までの道を歩いた。
(-129) 2022/05/08(Sun) 1:45:10

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

君の抱えている病気が深刻で、生きづらいことは分かっても。
全てに応えられないことが歯痒い。
どんなものでも差し出せる、というには関係が浅すぎるだろう。

今は、自分が提供出来るものを 満足いくほど渡せていればいいと思った。

「……満足、出来たか…?」

声の方向に顔を向けて、掠れた声で問いかける。
大丈夫というには、血が足りなくて。起き上がれないどころか、腕ひとつ動かせない。
(-130) 2022/05/08(Sun) 2:01:27
エルナトは、本音を冗談の皮で隠して笑った。
(a38) 2022/05/08(Sun) 2:06:03

エルナトは、人が  にしか見えない。
(a39) 2022/05/08(Sun) 2:06:23

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

決して君が悪いわけじゃない。
少年は元から、誰とも関係を深められない。
だって、他人と自分を対等に見れないのだから。
例え長く交流をしていたってきっと、誰かの特別にはなれない。

少年はきっと、救われる術が存在しない。


「うん………だいぶましになった………」
「ごめんね、僕………ご、ごめんね………」

ペットを虐待してしまったような気分だった。
可愛がっていたのに、つい衝動的に。
申し訳なくて、とりあえず傷口を抑えて。
でも、出来るのはその程度で。

「どうしよう………トットくんがいればな……」
「このままだと死んじゃうかな……医務室まで運べるかな……」

床に広がる血が、したことの重さを物語る。
直ぐに安静な場所まで運ぶからね、と声を掛けつつ。
大人を呼ぶか、と思案を巡らせた。
(-134) 2022/05/08(Sun) 2:48:08

【秘】 王 リアン → 司書 エルナト

「気にすることは、ないだろう……僕が、許可したんだ。
 他の、どの体液を提供するより……これが、一番良かったからな」

最善だった。だから、これで君が少しでも満たされたなら良かった。
だが、これと同じだけのものを毎食提供するのは難しい。
輸血用のパックを使うわけにもいかないだろうし、何かしらの方法を考えた方がいいだろうか。
まあ、今は深く考えられるだけの頭が回らないのだ。後ほどの課題になるだろう。

「……実習生の先輩に頼むと、いいだろう。アオツキ先輩、あたりは…親身に、聞いてくれるはずだ」

止血をしてくれているのなら、暫くすれば起きて歩けばするだろうが。
もし誰かを呼んで運んでもらえるのなら、自室前までと指定していただろうか。

「トットは……力仕事が、得意なようには みえなかったが」

ふと、気になったことを尋ねる。
(-135) 2022/05/08(Sun) 3:15:26

【秘】 司書 エルナト → 王 リアン

「それは」
「そうだけど…………。」

その為に人を傷つけてしまったことも。
血を飲むことに、何一つの抵抗が無くなってる事も。
傷つけたのに、心の底からそれを悪いと思えない自分と。

色んなものが申し訳なく感じて、言葉尻は下がっていく。

いずれ自分は、本当にただの怪物になってしまうのではないか、
そんな不安を、抱えて。

「……うん…………わかった。」
「聞いてみる……けど、今はあんまり喋らないで……」

体の負担だから、とぐっと傷口を抑えて。
多少痛いだろうが、我慢してもらうほかない。
きっと後程大人を呼んで、しっかりとした器具で運んでもらうはずだ。

「……トットくんの血を飲むと、回復力が上がるんだって。」
「だからきっと、それを飲めばすぐよくなると思うんだけど…」

本人から聞いた話。
どの道、今はまだ姿が見えないから、叶わぬ話。
(-149) 2022/05/08(Sun) 12:45:24

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

「……トットくん。」

ちらりと見かけた姿は、昨日とは若干変わっていて。
なんとも華やかな右目になっていた。
人によっては怖さすら感じるビジュアル。

「………大丈夫?」

昨日までは、ころころ表情が変わっていたのに。
今は夢見心地な笑顔だけな君に、声をかけた。
(-150) 2022/05/08(Sun) 12:55:09

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

「あれえ」


声を掛けられると、ゆっくりそちらを向いた。
緩慢な動作は水にでも浮いているかのようだ。

「エルナトだあ」
「あ〜 あ〜? そだ こないだごめんねえ」
「おはな……あるよお まだ」


そう言って、手に持っていた紙袋を見せた。

「……? あ」
「えへ おれねえ だいじょうぶ! いまふわふわなの んふふ」
「ずっとおはなさいたあとみたい んふ」
(-151) 2022/05/08(Sun) 13:05:45

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

流れのない水たまりに浮いた花弁のような動き。
花の蜜みたいに甘ったるい声。

可愛らしいけど、ちょっぴり不気味。


「うん、昨日帰ってこないから心配してたんだよ。」
「無事………ならいいけど。」

本当に無事かはおいておいて。
掲げられた紙袋に目を向けた。
お腹が減った。


「それは……大丈夫なのかな?」
「……お花の位置も変わってるけれど……」
「その目の花は、抜けないの?」

ちらり、見えてるかもわからない右目に視線を移し。
(-152) 2022/05/08(Sun) 13:10:28

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

「きのう? きのう……」
「あは んふふ そだねえ! えへー なにしてたかナイショ……」
「……これねえ なんかねー フクハンノー? だって」
「ないてもおはなさいちゃうからなかないでねっていわれた」


自分の右目を抑えてトットはそう言う。
しばらくしたらもどるって、と告げる声には、動揺も感傷も何も含まれていない。
頭に咲いていた花と同じ花。薄桃色がそこにある。

それから、貴方に紙袋を差し出して。

「あげる!」
「おれたち、エルナトにもらってほしーから」
「いる?」
(-154) 2022/05/08(Sun) 16:14:37

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

「副反応………」

と聞くと、最初に思い浮かぶのは薬だが。
何か、されたのだろうなというのだけがわかる。
……気にしても仕方ない、そう思う。
どの道何かしてあげられることもないし。
きっと、望まれてもいない。

「戻るならまぁ、良かったかな。」

片目だけじゃお勉強もしにくいからね、と微笑んで。
それから、差し出された紙袋を受け取って。
ふわっと、花の香り。
大事なご飯。


「うん!ありがとう、すっごく欲しかったんだ。」
「………俺達って、前も言ってたけど。」
「君以外に誰かいるの?」
(-156) 2022/05/08(Sun) 16:25:03

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

相変わらずトットはにこにこと笑顔を浮かべている。
にこにこと言うにも力が無く、顔が緩んでいるだけのようにも見える。
見えている左目の焦点も、傍から見れば定かじゃない。
次いで夢遊病でも患ったのではないかと思われても仕方がないくらいだ。

それでもトットは問題なかった。
とっても幸せ
だから。
だからきっと気を遣われたとしても、どうしてなのかわからないだろう。

「んへへ よかったー! あんしん」
「おとどけしたかったので」

「……おれたち?」


トット以外の誰かは、勿論ここには貴方しかおらず。
それでもトットは
「いるよお」
と言う。

「ほら」「ね」


指を差すのは 紙袋。それから、右目。


「おれたち、みんないるよ」「いっぱいいるよ」
「きみにたべてくれてうれしかった」「みんなによろこんでもらってうれしかった」

「おれたちずっとおもってたの みんなのやくにたちたいって」
「みんなのやくにたってみんなのなかにもさくんだ」

「ね」
「おれ おいしかった?」
(-159) 2022/05/08(Sun) 16:48:32

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

夢見心地、がきっと一番正しい表現。
脳みそまで溶けてしまってるんじゃないかというほどの。
そんな印象を、抱いてしまう。

それで、君の言葉を聞いて。
指すものを見て。
想像することが正しいかどうか、分からないけど。

蛞蝓に寄生して、脳を乗っ取る虫がいるように。
君にとっての花が、そうなのかなとか。
だとしたら、それを食することは。


急に腕の中のものがなんだかおぞましく見えて。
それを。

(-161) 2022/05/08(Sun) 17:09:03

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

…手放すことが出来ないくらい、
少年はもうずっと、追い込まれているから。



紙袋の中に手を入れて、掴んだ何かも分からない花弁を。
口に運んで、舌先で転がして。
よく噛んで、飲み込む。胃が僅かに満たされる。

「…うん、とっても美味しいよ………」
「…君達の事、大好き…………」


熱っぽい瞳と声でそう告げる。
お腹が減った、満たしたい、満たしたい。

「本当は、その目の花も………」
「君自身も、食べちゃいたいくらい。」


君から出るご飯を、すべて食べたらお腹いっぱいになれるだろうから。
でも、そんな事をしたら気持ち悪く思われる。わかってる。
分かってるから、紙袋のもので我慢しなきゃと、また一つ、口に運ぶのだった。
(-163) 2022/05/08(Sun) 17:14:20

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

「……えへ」「んふ ふふふ」

「は、あは、ははは! 
、ひ、っは、あは」
「ッ、あ……そ〜お? そおかなっ? あはっ、ははは」


美味しい、大好き、食べちゃいたい。なんて素敵な言葉だろう!
しあわせ、しあわせだ。しあわせ。しあわせ。


貴方のその言葉で、トットは自身の身体を抱く。
けれどその仕草は全く恐怖からではなく、……過ぎた幸福感から。

泣くなって言われていたのに、トットの身体に収まりきらなかった幸せが涙となって転げ落ちて。
そこからまた、花が咲いた。

「エルナト」
「エルナトっ、おれあげる」「もっとあげる」「もっと」

「でも、ぜんぶはあげられないし」「じぶんのうでってじぶんできったらだめなんだって」

「だからね、えっと」

「……あった! ハイ!」


貴方にもう一つ、潤む瞳を向けて差し出した。

(-179) 2022/05/08(Sun) 19:08:51

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト


差し出したのは カッターナイフだ。



「ね」
「エルナトがさかせて」「エルナトがおれをさかせて」

「おれじゅーぶんしあわせだしさー もうさかなくていっかなっておもってたけど」
「でもほしいならあげたいじゃん?」

「あ。おれおもいだしちゃった」
「うしやぶたといっしょっていわれたことあんの! おれこんなんだし」
「ほんとにくいものになってる ふふ んふふ」
「でもおたがいきもちよくておいしいならいいよね?」


新品の、よく切れそうなカッターナイフ。
ナイフが取られてしまったから、こっそりしまってあったのを卸した。

この薄っぺらな刃一枚で、互いが満たされるかもしれない。


トットはそう思っている。

「おれのぜんぶはあげられないけど」

「エルナトのすきなときに、すきなよーに」

「おれのこと さかせていーよっていったら どーする?」
(-183) 2022/05/08(Sun) 19:18:52

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

一方でこちらも、多幸感に満たされていた。
食べられる、満たされる。
食べられるものをいくらでも、いくらでも。
それがどれだけ、嬉しい事か。


花が咲いた瞬間をみれば、それが皿の上に載せられた
最高級の料理のようにも思えて。
だからもう、我慢なんてできなくて。

顔を近づけて。

咲いた花を直接齧って、引きちぎる。



「あぁぁぁ………っ!」



嬌声にも似た声をあげて、満たされる胃袋をさすって。
取り出されたものに、視線を動かして。

(-186) 2022/05/08(Sun) 19:34:10

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

「………いいの?」


指を絡めるようにして、その薄い刃を取る。
手が震える。
恐怖じゃなくて、………過ぎた幸福感から。

「いいの?」


荒くなる呼吸。
まるで、ソフトクリーム食べ放題の機械の前に立たされた子供みたいに。
好きなものを、好きな時に、好きなだけ。
それより幸せなことがあるだろうか?

「いいの?」

エルナトは、人が家畜にしか見えない。
だって、全てが自分の餌を生み出す存在だから。
だから。
家畜からご飯を得ることに、何の躊躇を持つことも無くて。


「いいの?」


だから、そんな事を言われてしまったら、もう。
……我慢なんてできない。



君の肩口に刃を宛がって。
思いっきり、引き裂いた。


そうして、君を抱きしめたまま、かぶりつくだろう。
(-188) 2022/05/08(Sun) 19:40:06

【置】 司書 エルナト

大人達に連れられて、どこかに連れてこられた。
園芸部の管理する場所の一つ。

「…………はい、僕がやりました。」

ぼや騒ぎも。
初等部の子への悪質な悪戯も。
2名への
常軌を逸した加害行為
も。

「…だって、ただの家畜じゃないですか。」
「あの子達も、貴方達も。」
「ただのご飯じゃないですか。」

ご飯を得るために行動をして、何が悪いのか。
エルナトはまるっきりわからなかった。
エルナトは歪んでいる。

エルナトは、人間を家畜にしか見れないから。
エルナトは、人に、家畜に思う以上の感情を抱けない。

大人達が溜息をつくのを、不思議そうに眺めた。

フゴフゴ、という音が聞こえた。
(L4) 2022/05/08(Sun) 19:45:19
公開: 2022/05/08(Sun) 20:45:00

【置】 司書 エルナト

───家畜と人が違うという事を、学びなさい。

大人達がそう言って、部屋を出て行った。
意味が分からなかった。
ようやく暗闇に視界が慣れてきて、
ここが豚の飼育小屋である事に気付いた。

「………気持ち悪い。」


エルナトにとって、人が家畜であるならば。
本来の家畜は、何一つの益ももたらさらない、
ただの気持ち悪い生物でしかなかった。
臭いし、不味いし、可愛くないし。
人はあんなに可愛いのに、なんでこいつらはこんなに
気持ち悪いのだろう、と常々思っていた。

「……?な、なに……?」

豚たちが自分に擦り寄ってくるのを見て、壁際に後ずさった。
(L5) 2022/05/08(Sun) 19:49:00
公開: 2022/05/08(Sun) 20:50:00

【置】 司書 エルナト

ガン!
と強く体当たりされて、つい尻餅をつく。
そこに、自分よりずっと重い生き物が、覆いかぶさる。

「さ、触らないでよ、きもちわる………っ!?」

なんて、悪態をつき終わる間もなく。
視界に入ったものをみて、ひっと小さく喉から声が出た。

「や、やだっやだやだやだ!!なにするの!?!」
「や、えっやめて!僕はお前と同じじゃない!」
「きっ気持ち悪い……!やだっ!やめろ!!」

おかしいと思った。
此処に入る前に、服を脱がされたことも。
何かを体に塗られたことも。
今、こいつらが興奮していることも。
その興奮の象徴を、大きく主張していることも。

人が家畜を食べ、少年が人を食べ、家畜が少年を食べる。



「い”っ…!痛いいたいいたいいたいイタイ!!!
 ぐっぎ、………ぃぃいいい!!!」



叫び声も、ミチミチと何かが無理に広がる音も。
獣が獣らしく動く音も、それに合わせて出る苦悶の声も。

どこにも聞こえることはなかった。
少年は、人と家畜の違いを知れた。
(L9) 2022/05/08(Sun) 19:56:10
公開: 2022/05/08(Sun) 20:55:00

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

近づいた顔に怯みもしない。反応が出来ない。
浮いた頭では反射なんて物は無いに等しい。

だから、急だった。ブチ、と音がして、身体がやっと強張った。

繰り返し問う貴方の声が遠くに聞こえて、
でもすぐに答えられなくて。


目の前が一瞬白んだ。


「…………っ、
!?
 〜〜〜〜ッ、う
、ッ 
あ、」


血飛沫は無い。代わりにものの一瞬でトットの身体から花が咲き誇る。
切り裂かれた通りに行儀良く鮮やかに咲いた花は、咲いた側から貴方の胃へと収まる。

食い千切られる。 咀嚼される。 嚥下される。

過ぎた衝撃に、快感に、幸福に上げた声は紛れもなく嬌声の類だ。
嬉しいと幸せに塗り潰された頭じゃ自分がどんな声を上げてるかももう分からない。
無我夢中で貴方に抱きつき返して、痙攣して使い物にならなくなった身体を預ける。

「あ、
あぁ
…………ッ! っ、! か、は」
「える、な」「ぁ とっ ん、



幸いか不幸か成長する前に食されていくものだから、疲弊は前より感じられなかった。"治療"の効果もあるのだろうか。咲かずに流れる血もあった。

「あ、あ」「ぅ"、ふぅ、〜〜〜〜…………!」
(-192) 2022/05/08(Sun) 20:06:09

【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット

咲き乱れた花を食べる、食べる、食べる。
全部、ひとつ残らず、一つ逃さず。
口の中に、腹の中に収めては、悦に浸った声を出す。
君の声が、肉の焼ける音にすら聞こえるくらい、
もうエルナトは、君を食べ物にしかみれなかった。

「トットくん……好き……好きだよ………」
「君のご飯……美味しくて、気持ち良いよ………」


という愛の言葉も。
ただ、そう言えば、今までの"ご飯"はより多くの食べ物を
出してくれたからというだけの。
経験に基づく捕食行動でしかなくて。

強く強く抱きしめる。
傷口から血を絞り出すかの如く。
強く吸い付いて、互いの熱を伝え合う。

「もっとちょうだい?もっと……もっと………」
「壊れて何にも考えられないくらい…気持ちよくなって………?」


互いの快楽のために身を寄せ合う様は。
性交と何一つも変わらない様相で。
まだまだ、足りないから。

胴体をザクザクと突き刺した。


満足できるまで、ずっと。
(-204) 2022/05/08(Sun) 20:28:53

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

「ぇへ」 「
あ、っ?
」「っ」
「っへ、あは! 
あっ
、あ」


もう貴方の声も聞こえていないし、なんの音も聞こえていない。
花が咲くのも、引き千切れるのも、ただ気持ちいい。
気持ちいい。 気持ちいい。 
気持ちいい。


ふやけた瞳から転がる涙から花が咲く。搾り出された血からまた花が咲く。

「ぁ"〜〜っ、ゔ、はぁ、あ!〜〜ッ!ッ!」
「あ、えぅなと、
も、
えぅ、な"」


怖くなってきた。何がなんだかわからなくなってきた。
どうしてこんなことになったんだっけ?目の前にいるのは誰だっけ?
おれはだれだっけ? はな、
はながさいて、 きもちよくて、 あれ、 あ

はなが、


「、」「ぁ」  「♡」「ぇ" へ」



不規則に身体が跳ねた。手足が人形みたいにピンと伸びて、脱力して。段々身体が弛緩して。

「えへ」  「ぁ」「おれ」


何の反応も返さなくなった。
貴方が満足したかどうかもわからないまま。

花ばかりが貴方に微笑んでいる。
(-210) 2022/05/08(Sun) 20:52:27
エルナトは、もう動かなくなった"餌"を、自室に持ち帰った。甲斐甲斐しく手当てをしよう。
(a57) 2022/05/08(Sun) 20:58:15

エルナトは、人が家畜のお世話をするように。
(a58) 2022/05/08(Sun) 20:58:32