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人狼物語 三日月国


113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】

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視点:


フランドルは投票を委任しています。

【独】 哀れな役者 フランドル

/*
襲撃できる気がしねえって言ってたら吊られるのか…
(-7) 2021/12/15(Wed) 21:08:03

【秘】 哀れな役者 フランドル → 死霊術師 ペトルーシャ

 
「さあ。
 ご同輩や上のご意向は新参者にはわかりかねる。
 確かなのは、
"理解"は求めていない
という事くらいだ」

そう、きっと誰も"理解"など求めていない。
理解されずとも、如何なる手段を用いても賛同させるだけ。
或いは初めから、他人からの理解など求めていない。
"彼ら"の言動にはそのような意図が見えるのだ、どうにも。

「脅迫程度で答えを翻すほど可愛い我が身ではなくてね。
 彼らもきっと、初めから私に信用など無いだろうさ。
 つまりはこちらも君が何をしようと、ではあるが…」

「まあ、善処はしよう。
 彼らの敵が一人でも減るのであれば損は無い。
 何より君を敵に回せば、一人では済まないだろうしね」

もしも、貴方が他の手段で失せ物を取り戻した時。
"無数の死者を操る死霊術師"を敵に回すという事。
それがどれほど厄介な事かはこの蝙蝠もよくよくわかっている。

兎角、契約は成立した。
"卑怯な蝙蝠"と言えど、一度取り決めた事を反故にはしない。
何より、貴方との取引を反故にする理由もこちらには無い。
つまりは"善処はする"のだろう。そして。
(-24) 2021/12/15(Wed) 23:03:18

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
──曰く。

フランドル・スキアーは、折れる事ができない。

切掛一つで忽ちに自らの命を奪う首輪を着けられても。

頭が割れるかと思うほどに思い切り殴り付けられても。

視界がぐらつき崩折れかけた所を強かに蹴り飛ばされても。

前後不覚の中、身体のあちこちが床や壁に叩き付けられても。

その背や腹や手足を骨が軋むほどに踏み躙られても。

皮膚にあかあかと灼けた鉄を押し付けられても。

悪態を吐き続けた末に毒を飲まされ喉を焼かれても。

或いは胸の悪くなるような幻覚を見せられ続けても。

フランドル・スキアーは、折れる事ができない。
(+7) 2021/12/15(Wed) 23:26:57
フランドルは、もっと死にたくなるような事を知っている。
(c5) 2021/12/15(Wed) 23:27:08

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
フランドル・スキアーは、折れる事ができない。
これはきっと、折れないのではなく、折れる事ができない。

縋る先、生きるよすがのある限り、心折れる事などできやしない。
縋る希望は不確かで、けれど諦める事は誰よりも自分が許さない。
そんな"どっち付かず"の状態では。

最初から、最後まで。
自ら望むものは、剣を捧げる先は、望む居場所はただ一つだけ。
生かすも殺すも、自ら定める事などできやしない。
自分の意思では、生きる事も、死ぬ事もままならない。
(+8) 2021/12/15(Wed) 23:27:44

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
むかしむかし、鳥と獣の戦争があった際に。
コウモリは、獣の味方をしていました。

しかし、鳥に襲われて捕まってしまったコウモリは
「私は翼が有るので、獣ではなく鳥なのです」
と弁明しました。コウモリは鳥の軍勢に寝返りました。

やがて戦争が終わり、鳥と獣は和解しました。

しかし、双方にいい顔をしたコウモリは
鳥からも獣からも嫌われて追われることとなり、
鳥が活動する昼間も、獣が活動する夜中も活動することが出来ず、
その中間の夕暮れ時しか外を活動できなくなったということです。

これは寓話的な末路であり、そして。
どっち付かず、何処にも属さないという事は。
何処にも味方が居ないという事。
自由である事の、そのツケを払う時が、今来ただけだ。
 
(+9) 2021/12/15(Wed) 23:29:44

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
──御布令に名が載った翌日の事。
役者騙りは、そこかしこに乱暴狼藉の名残を残したまま。
つまりは随分と草臥れた様子で酒場に現れて。

「『人生は歩き回る影法師、哀れな役者だ──』」


いつものように、台本を諳んじようとして。
けほ、と空咳を一つ。

「……役者は廃業だ。
 今日び、わざわざ演じなくたって悲劇か喜劇がやってくる。
 ずけずけと、独りでに街は笑顔を取り戻す。
 予定外ではあれど、"怪盗役"も演じ終えた事だしな…」

今日もこの役者騙りは丸腰も丸腰だ。
ふらりと適当な席に着き、テーブルに両肘を預けて。
喉が痛い、だとかぼやいたのち。

「ノアベルト。
 張り紙と共に連れ浚われ消える事になったのは、
 俺ではなく、あんたの方だったな」

未だ姿の見えない誰かに、一言だけ。
この陰は、未だ変わらずここに在る。
(+10) 2021/12/15(Wed) 23:32:59

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
「──ペトルーシャ。
 
"打ち捨てられた灯台の裏、鼠どもの通り道"。

 お望みのものが二つ、そこにあるだろうさ…」

その後に死霊術師の姿を認めれば、もう一つだけ。
気怠げに、簡潔に、確かな"取引"の履行を告げた。

「契約は満了だ。
 また何処ぞへ失せない内に回収する事だな…」
(+11) 2021/12/15(Wed) 23:33:38

【独】 哀れな役者 フランドル

/*

『人生は歩きまわる影法師、あわれな役者だ、
 舞台の上でおおげさにみえをきっても
 出場が終われば消えてしまう。
 白痴のしゃべる物語だ』

今日のシェイクスピア。それはさておき文章が長すぎんだよダアホ
(-30) 2021/12/15(Wed) 23:36:07

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>11 エアハート

「…………」

差し出されたレモネード。
それを持つ相手を見て物凄く複雑そうな表情をしたのは、
なんか不意に今日見た夢の事を思い出したからだ。

もはや高熱を出した時に見る悪夢みたいな光景だった。

「……お前、…いや、やらかしたんだろうな。
 まあいい、話しておきたい事がある。
 今じゃなくていい、後で少し顔を貸せ」

目の前の男目掛けて飛んできたスプーンと、
大惨事になるテーブルと、聞き覚えのある声。
それはまあ、やはり何とも言えない顔にもなるわけで。

流石にレモネードに罪は無い、ので、受け取っておいた。

基本的に、他人の作った飲食物は受け取らない。
ただ、金銭を支払った上で提供されるものは別。
そして、相棒とも呼ぶべき者の作ったものもまた例外。
それだけのことだ。
(+14) 2021/12/16(Thu) 0:27:52
フランドルは、俺は何を見せられているんだろう。
(c7) 2021/12/16(Thu) 0:36:27

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>+15 ノアベルト

は?
いやいけずも何も無いだろう
 俺からあんたに話す事は特に無いし…」

あの時また会いに来ると言ったのはそっちだし、
そもそもあの悪夢にはこいつも居たが…みたいな顔をしている。
心当たりは、あるため。

そもそもあの悪夢にはこいつも居たが……


言った。
(+17) 2021/12/16(Thu) 0:47:25

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>13 エアハート

「非があるんだろう実際に。
 レモネードに罪は無い、お前に罪がある」

当然の如く抗議はにべもなく、ばっさりと。
普通のレモネード以外の何だと思ってると思ったんだ。
そんな気持ちはまあ置いておいた。

「……いや、
ちゃんと清算しろよ。

 飲み終わるまでは待ってやるから…」

言外に雑に片付けるなと言っている。
助け舟は期待できそうにないですね。
(+18) 2021/12/16(Thu) 1:01:27

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>15

きっと視界の外からの、『怪盗』への感謝の言葉。
灯屋の声に一度そちらへ視線を遣って。

役を終えた元役者は、何も言う事はなかった。

が、自分個人に勧められたなら…
チキン……まだいっぱい……これ、チキン?
鳥なら……チキン?そうかな…そうかも…
(+20) 2021/12/16(Thu) 1:14:38
フランドルは、喉が痛いのはもう今更だからチキン食べる。
(c10) 2021/12/16(Thu) 1:14:49

【独】 哀れな役者 フランドル

/*
ここまでの反動でどんどん変になっていっています。
許してくれ。反動がすごいんだ。
(-36) 2021/12/16(Thu) 1:15:40

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>+19 ノアベルト

「生憎と俺は不器用な生き方しかできないらしい。
 或いは、ブレるほどに
 他に目を向けるような余裕も無いだけか」

曲がらないのか、曲げられないのかは定かではなく。

趣味が悪い、という言葉にはほんの少し眉を顰めて。
けれど特にそれ以上突っ掛かるような事はしなかった。
この世は趣味の良い人間の方がずっと少ない。
(+22) 2021/12/16(Thu) 1:25:49

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>19 レイ

そうか……


力強い肯定を受けたので、これはチキンらしい。
とにもかくにも、チキンはチキンらしい。
路地裏育ちには細かい品種による肉の違いがわからぬ。
つまり結局これは鳥だからチキンなのだ。

「……まあ、何人かは尋問を受けたわけだからな。
 口答えしてやったら随分手厚く饗されたよ」

何気ない疑問には、誰に言うでもない呟きだけを零して。

まだ温かいレモネードの嵩をちびちびと減らしながら、
のろのろとチキンだのシチューだのつつく。
ご機嫌な夕食だ…喉さえ痛めていなければ。
(+24) 2021/12/16(Thu) 1:49:36
フランドルは、踵を返す死霊術師の背を見送った。有意義な取引である事を願う。
(c15) 2021/12/16(Thu) 1:55:57

【墓】 哀れな役者 フランドル

 
「消毒ついでに酒でも飲んでろだとか
 そういう事を言われなくて正直ほっとした。
 自分で自分を痛め付ける趣味は無いんだ俺は」

役者は廃業で正解だ。
きっとこのご時世では三文芝居は流行りもしない。
生きていれば、喜劇も悲劇も勝手に舞い込んで来るのだから。

「一度尋問を受けてしまえばもう尋問に怯える必要は無い。
 気楽なもんだな…下手な事さえしなければ。」

かつん、首元の枷を爪の先で叩く音。
元役者は、それが何であるかをよく知っている。
(+25) 2021/12/16(Thu) 2:03:19

【墓】 哀れな役者 フランドル

>>23 レイ

「嫌がるからか、単に煩かったのか。
 あの手合いのことだ、両方かもしれないな。
 …どうせ大人しくしていても温情なんか掛けられないんだ
 なら、暴れてやった方が気分が良い」

それで負う痛手と見合うかは諸説あるものの。
結局は大人しく痛め付けられるという事が
どうにも我慢ならない人種なのだ、これは。
大人しくしていれば、と期待ができないだけかもしれないが。

「…………」

それから、ころり。
目の前に転がった飴を見て、少し考える。

他人は、信用できない。
けれど、ある程度腹の底を見せ合った相手なら?
未だ距離感は一定を保ち、けれど他人とも言い難い。
これは、互いの目的や意図に対する信用とそう変わらないのではないか。


…ほんの少し考えたのち、飴は受け取る事にした。
(+27) 2021/12/16(Thu) 2:59:50
フランドルは、気まぐれなやつだ、とぼやいた。
(c17) 2021/12/16(Thu) 3:03:17

【独】 哀れな役者 フランドル

 
「猫を自称するだけあってということか?」

これは誰にも聞こえない程度のぼやき。
聞こえるように言ったら、引っ叩かれそうなので。
(-48) 2021/12/16(Thu) 3:04:26

【秘】 哀れな役者 フランドル → 灯屋 レイ

「同情や仲間意識は仕事には持ち込まない。
 持ち込まない、が…
 周りが馬鹿な事をしているとわかっていて、
 それに付き合ってやるほどお優しくもないのさ」

きっと、革命勢力にも、そして政府にも与さないからこそ。
内部を中立的な立場から俯瞰し、そう感じるのだろう。
この先に待ち受ける結末は、彼らの望みに適うものではないと。

曲がらぬ刃は、曲がれぬ刃は、時に無慈悲な程に。

「…"ホド"の事は、こっちでどうにかする
 精神操作にはある程度理解がある。それで駄目なら…
 その時は、一発ブン殴ってやるだけだとも。」

つまり、叩いて直す。
人を何だと思っているのか。
とはいえ痛みのショックは実際結構利くものだ。そうらしい。

「こっちとしては問題は"野良猫"の方だ。
 あれもまた、行き場を失ったものの一つだ。
 上にも下にも、何処にも自分の居場所が無い。
 どうにもそんなこの街を嫌っているらしい。
 …君もこの街を憂いているのなら、丁度いいかもしれないな」

もしかすると、わかり合えるかもしれない。

それだけを告げて、今は未だ役者を騙る者は席を立つ。
随分と長話になってしまった。夜は随分更けているに違いない。
引き留めなければそのまま踵を返し、その場を後にするだろう。
(-58) 2021/12/16(Thu) 3:43:02

【秘】 哀れな役者 フランドル → 羽無し妖精 アイシャ


「なに、気にする事はない。とはいえこちらも…
 茶の一つも出せない有り様だが、まあ勘弁してくれたまえ」

せっかく作った笑顔を無下にはしない。
痛々しい有り様に眉を顰めたのも束の間の事。
貴方を部屋へと通せば、テーブルの傍に椅子を適当に並べた。

最近この街に来たばかりなのか、部屋に物は少ない。
テーブルの上には、黄色のラナンキュラス。
あの日貴方から受け取った花は、今もそこにある。
(-66) 2021/12/16(Thu) 5:08:51

【秘】 哀れな役者 フランドル → 羽無し妖精 アイシャ


そして貴方が気掛かりを零せば、一つ声の調子を下げて。
 
「──
私があの二人を告発していれば。

 きっとこれも、すぐに終わったのだろうけどね。」

とはいえそう不穏なものでもない。
喩えるなら、そう、内緒話でもするような。

「というのはまあ、意地悪な話なのだろうなあ。

 これを早く終わらせる手段は幾つかあれどもさ。
 どうにも、何も犠牲にせず、とは行かないものだ。
 きっと何れも、君達の望む幕引きには至らないのだろうな」

とはいえこれは、まったくよそ者としての見解であり。
ともすれば、幾ら貴方とて、場合によっては。
他者を犠牲にしてでも、結論を急ぐのだろうか、とも。
まあ、まあ、考えないわけでもないのだ。
(-67) 2021/12/16(Thu) 5:10:05

【秘】 哀れな役者 フランドル → 残氷 の エアハート

 
"蝙蝠"が政府に連行される少し前の事。

極力足のつかないような形で、貴方の元に一つの報せが届いた。

曰く、"骸糾問"の死霊術師と取引を行った、と。
彼女が此方に求めたものは、奪われた装備品の奪還。
先方の提示するものは、革命勢力への部分的協力。
そして──貴方個人に向けたものが一つ。
〈焔喰らい〉の情報提供。


何よりの対価は、彼女が敵に回らない事ではあるものの。
もしも何らかの助力を求めるなら、彼女を尋ねるといい、という旨。

目を通し終え、再び封をすれば
書かれていた内容は幻のように消えてしまう。
そんな封書だった。
(-68) 2021/12/16(Thu) 5:48:31

【秘】 哀れな役者 フランドル → 埃運び オーウェン

 
"蝙蝠"が政府に連行される少し前の事。

極力足のつかないような形で、貴方の元に一つの報せが届いた。

曰く、"骸糾問"の死霊術師と取引を行った、と。
彼女が此方に求めたものは、奪われた装備品の奪還。
先方の提示するものは、革命勢力への部分的協力。

何よりの対価は、彼女が敵に回らない事ではあるものの。
もしも何らかの助力を求めるなら、彼女を尋ねるといい、という旨。

目を通し終え、再び封をすれば
書かれていた内容は幻のように消えてしまう。
そんな封書だった。
(-69) 2021/12/16(Thu) 5:49:13

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
──そして、酒場での一幕を終えた後。

前言の通り、役者騙りの騎士は貴方を連れて。
一先ず何れかの宿の部屋にでも向かったんだろう。
きっと、それなりに込み入った話になるはずだから。

「…それで。
 俺は言った通り、こうして戻って来たわけだ
 あの時お前に預けたものは返す気になれそうか?」

預けたもの、つまりは二つの自身の得物。
随分と念入りに痛め付けられたらしい様子を見るに、
案の定、尋問中は大人しくなどしていなかったらしいが。
それでも"貴方の剣"が心折られてなどいない事は明白だ。

当たり前の事だ。
あれよりも、もっと目の眩むような絶望を知っている。
それさえも上回るような"よすが"を知っている。
だからフランドル・スキアーは、決して心折れる事はない。
貴方以外の、誰に折れるはずもない。
(-70) 2021/12/16(Thu) 7:32:42

【独】 残影の フランドル

/*
こいつの人の行動に対する不信と信用のロジック、
どうなってんだろうな…と思ったけど(PCに理解の無いPL)
多分無償の善意を信じないんだろうな…

理由と意図が明らかであるかビジネスライクな関係ならOK、
そうでなくとも信じるのはエアハートだけ……なん…やろな…
(-83) 2021/12/16(Thu) 15:26:02

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「気が変わったんじゃないかと心配でな」

本気か冗談かは定かではないが。
ともあれそんな軽口と共に、
返却されたものをあるべき場所へと戻した。
やはりこれがちょうどいい重さだ。身軽すぎても落ち着かない。

特に何か細工をされていると疑う事もない。
感情以外にこれを奪い続ける理由が無いのも事実だ。

「そうしたいのは山々なんだがな。
 生憎と休んでばかりも居られないらしい。
 "卑怯な蝙蝠"は仕事が多いんだ、それに…」

「…ああ、そうだ」
(-84) 2021/12/16(Thu) 17:09:16

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

/*

 ♡ごめんあそばせ、これから少々確定的な描写をしますわ♡
 
(-85) 2021/12/16(Thu) 17:09:54
フランドルは、こいつは一発殴られても文句は言えないと思う。
(c25) 2021/12/16(Thu) 17:10:20

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
信頼されているのはわかる。こちらもそうだ。
そう、いつだってこちらもそうだった。"あの時"も例外なく。

「──もう一つ、ついでに返してもらおうか」

言うや否や、貴方の左頬目掛けて、腰の入った右拳を振り被る。
幾ら貴方が人と比べて丈夫な方とはいえ、とはいえだ。
されども当然誰しも痛いものは痛いはずで、そして何より…

「『──咄嗟の不意打ちで顔を殴られれば、
  思考の低下に加えて隙も生まれやすい』。
 さて、お前はどうだった?」

問いの返事はあってもなくてもいい。
この暴挙を受けて貴方が蹌踉めいたならつかつかと歩み寄り、
そうでなくとも更に距離を詰めるだけ。
(-86) 2021/12/16(Thu) 17:10:54
フランドルは、だからそのようにした。
(c26) 2021/12/16(Thu) 17:11:04

フランドルは、ただ貸し借りを帳消しにしただけだ。そしてこれからも同じこと。
(c27) 2021/12/16(Thu) 17:12:05

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


「──お前は昔から俺の眼に弱かった」

それは有無を言わさず"聞かせる"ような響きをもって。
視線を合わせ、掠れた声が囁いた。

実際のところ、事実そうだったかは定かではない。
けれど貴方がこの言葉を耳で聞き、
脳が理解し、思考を誘導され、意識すれば、それで十分。

曰く、精神干渉の術とは思考誘導から成るものなのだと。
だから魔術師狩りは口を揃えてこう言うのだ。
『術師の言葉には耳を貸すな』、と。

『今は俺だけを見てくれよ』。

 相棒の"お願い"、聞いてくれるだろう?」

利便性から煙霧を媒介とし、幻術という形を取っているだけで。
この騎士が扱う術は、本来精神の操作や魅了の系統に程近い。
その事で後ろ指を指される事も、今までに何度もあった。


精神干渉には精神干渉を。実に力技じみた"命令の上書き"。
痛みによって作った隙に差し込めば、
少しくらいは綻びが生じる事もあるだろうか。
(-87) 2021/12/16(Thu) 17:15:05

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
理由は明白だ。
単なる意趣返し、つまり目には目を、という意図も
無きにしも非ず、ではあるものの。

一番の狙いは、精神的な隙を作り出す為。
手段は何でも良かったが、何でも良いなら、といった所。
そして凡そ目論見通りになったらしい。らしい、が。

胸倉を掴まれた所まではよかった。
暗示を掛け損ねて反抗される事は想定していた。
或いは、以前のように食って掛かられるか。
けれど、これは、

──あ、まずい。

重ね合わされる唇ではなく、
その行為によって分け与えられるものに。
そう思った頃には、手遅れだ。
(-103) 2021/12/16(Thu) 20:55:51
フランドルは、それではだめだとわかっているのに、
(c33) 2021/12/16(Thu) 20:56:04

フランドルは、
もっと血が欲しい。
(c34) 2021/12/16(Thu) 20:56:30

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

もっと。

渇望じみた、衝動じみた欲求のまま。
与えられたものを自ら望み好んで貪って、それで、

それではまだ足りない。


──曰く、リロワーズ家は吸血鬼の末裔だという。

その血は薄れて久しいが、
今でも時折、ごく薄くはあれど、先祖返りのように
それらの特徴を持つ者が現れる事があるのだと。

幼少の砌より、貴方の血に対して。
きっと心の内で奇妙な執着を抱いていたのだろう。
その衝動の根源を知ってからは、抑圧していたのだろうが。

フランドルは、不義の子だった。
だというのに、その血を証明するような体質を生まれ持った事。
恐らくそれは決して幸運な事ではなかった。


「…なら、言い方を変えよう。
傍に居てくれよ


「ずっと」

「なあ、ずっとだ、ハーディ…」

離れた唇を惜しむように、請い願うように貴方を呼ぶ。
暗示めいた言葉は懇願のようであるくせに、
身体を寄せて、背に腕を回して、逃がす気は無いようだった。
(-104) 2021/12/16(Thu) 20:58:12
フランドルは、結構やんちゃらしい。
(c35) 2021/12/16(Thu) 21:17:06

【独】 残影の フランドル

/*
次の笛吹き、スカリオーネさん行くんだろうな。
やべえよやべえよ…いよいよ風邪引いた時の悪夢だよ…
(-109) 2021/12/16(Thu) 21:31:50
フランドルは、なんか方々にやんちゃだと思われてる気がする。
(c36) 2021/12/16(Thu) 21:56:22

フランドルは、まあ概ね事実だしいいか、と思う事にした。
(c37) 2021/12/16(Thu) 21:58:31

【独】 残影の フランドル

/*
がんばれ〜ッ(内通者顔ダブルペンラ)
(-115) 2021/12/16(Thu) 22:08:43

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「……ん、…っ…」

唇を重ねようとすれば、拒まれるはずもなく。
ゆっくりと口内を探り、血の味を探し、目を細めて。
この渇望には耐えられない。
血には抗えない。


自らの行動がそれを証明してしまっている事が、
何よりも嫌で仕方なく、それでも。
貴方が欲しいという欲求に嘘を吐けはしない。


どんなに身を寄せようとも、きっと鎧が阻むのだろう。
血を啜る酩酊の中、それを取り払おうと手を這わせる。

曰く、鎧というものは他者が着脱を手伝うものなのだという。
二人共にあった頃は、きっと互いにそうしていた。

「…今、……今は、そうだとしても
 お前はまた、俺を置いてどこかに行くんだろう。
 ああ、なら、今だけじゃだめだ。ずっと傍に居てくれよ。
 
ずっと傍で、俺以外の何にも囚われないでいてくれよ。


 俺はお前の陰、お前の傍だけが俺の居たい場所だ
 お前が居ないなら、生きていたって意味がないんだ…」

半ば給餌のような口付けを終えた頃。
お綺麗な愛を囁くには重すぎて、切に請い願うには甘すぎる。
掠れた声がもう一つ、貴方に"お願い"を重ねた。
(-126) 2021/12/16(Thu) 23:13:58

【独】 残影の フランドル

/*
ピピーッ!その感情、重くはありませんか?
重いに決まってんだろ!文句あるかよ!
(-127) 2021/12/16(Thu) 23:20:29

【独】 残影の フランドル

/*
思えばここまで不義の子開示はすれど
吸血鬼の血筋真実は誰にも出してなくないか…?
おめでとうございます!元気な初解禁ですよ!

まあお貴族様が吸血鬼どうこうというのは
創作物ではよくある話よな。
(-130) 2021/12/16(Thu) 23:30:20

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

「嫌だね」

たった一言。
貴方の陰は、低く、低く否定を返した。

「何にも囚われない為に、俺達が俺達のままである為に。
 その為に為さなければならない事があるのは別に良い。

 だが、その為にこの街で何をする必要がある?
 だが、この街の革命はそれと何の関係がある?
 革命軍はその為にお前に何かをしてくれたか?
 なあハーディ、
手段と目的が随分ちぐはぐじゃないか?


否定を突き付けた先は、破綻。
そう、今は手段と目的の相関にあまりにも違和感がある。

そうでさえなければ、そこに第三者の意図さえ無ければ。
貴方の剣は、曲がらぬ刃は、それに異を唱える事はしなかった。
貴方の誘いを受け入れない理由は無かった。
(-148) 2021/12/17(Fri) 1:34:01

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「なあ。
随分と回り道をするじゃないか。

 それともそれは、俺の"お願い"より優先すべき事なのか?
 ここで凡そ無益に時間を浪費する事が、
 決して俺達のこれまでとこれからを蔑ろにはしていないと
 お前は本当にそう思ってやっているのか?」

荒れた喉も厭わず、淀みなく問いを投げ掛ける。
そうしながら、ぐ、と身軽になった貴方の胸を押して。
突き飛ばすというよりは、追い込むような動きだった。

大丈夫、後ろにはベッドがある。

貴方がその上へと倒れ込めば、
その顔の横に手をつき、首筋にもう片手を這わせて、

「これが俺の為、本当にそう思ってるなら、お前はばかだ」

ほんの少し、僅かに呼吸を奪う程度。その指に力を込めた。
言葉と表情に、綯い交ぜになった感情を滲ませながら。
(-150) 2021/12/17(Fri) 1:35:24

【独】 残影の フランドル

/*

Q. なんで急にガン詰めし始めたの?

A. だって俺の為言うて全然俺の事見てないじゃん……
  この街の革命俺の為となんか関係ある?無くない?
  無い気がするから、拗ねるね。

だそうです。
(-152) 2021/12/17(Fri) 1:49:27

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
──平行線だ。

矛盾点への正論は揺さぶりにこそなるが、
どうにも揺さぶりを掛ける以上の成果は生まないらしい。
破綻を認識した瞬間認識が擦り替えられてでもいるのか。

そもそもの話、この妙な様子が鳴りを潜めるのは
大抵は現在の目的とは関係の薄い話の時だったようにも思う。
とはいえ引き離すだけで直るものでもないだろうが。

一度ひどく混乱した後、すぐさま平静を取り戻す様子を見て
抱いた所感はそんなものだった。
何れにせよ、言葉によって、論理的に突き崩す事は難しい。
となれば、となれば、だ。結局の所、結論は。

叩いて直すしかないのかもしれない。


過程は少々違えど、辿り着く手段は同じ事。
何処ぞの灯屋には少々疑問符を浮かべられはしたものの、
精神面への操作を行う側としては結構本気で言っていた事だ。

痛みによるショックや動揺は存外に人を正常にする。
それで術が解ける事も、わりとある。あってしまう。
(-175) 2021/12/17(Fri) 4:06:05
フランドルは、もうちょっと叩いてみる事にした。
(c44) 2021/12/17(Fri) 4:06:21

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
となれば、まあ。

「馬鹿が」

首から一度手を離し、溜息混じりに零して。
その手で容赦なく片頬にもう一発くれてやった。
あの時は結局何度殴られたんだったかな。覚えてなどいないが。
何より、今は殴るよりも。

「ああもうだめだ、最悪だ。
 手酷くやられたせいもあるし、お前が煽るせいで余計に」

ぶつくさ言いながら、する、と隠し持っていた短剣を抜いて。
刃を貴方の首筋に当て、ぶつり、浅く食い込ませた。
そんな事をすれば当然傷口からは血が伝うわけで。


からん、適当な所に短剣を放って。
傷口に唇を寄せ、舌を這わせ、割り込ませて。
唯一この身が求めてやまない血を啜る。
時折もっとと強請るように傷口に歯を立てながら。

空いた片手は貴方の服の下へと潜らせて、
手慰みに腰や脇腹を擽るようになぞる。

レモネードは嫌いじゃないが、今はこっちの方が良い。
(-176) 2021/12/17(Fri) 4:10:07
フランドルは、"レモネード"より中毒性の高いものを知っている。
(c45) 2021/12/17(Fri) 4:20:24

フランドルは、正直今のこいつは"レモン"だと思う。
(c46) 2021/12/17(Fri) 4:29:24

【独】 残影の フランドル

/*
レモンからレモネードを作る…
役に立たない物から役に立つ物を作り出す、という諺。

或いはレモンとは、欠陥品という意味のスラングですね。
(-180) 2021/12/17(Fri) 4:31:09

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
因果応報、意趣返しの節はあると言っても。
殴り付けても特別胸のすくような気持ちは無かった。
様子を見てもやはり生半可な衝撃ではだめらしい。
まあいい、憔悴させた方が精神面の操作はしやすいものだ。
何も無意味ではないだろう、とはいえ。

湧き上がる衝動は、与えられた分だけでは満たされなくて。
もっと血が欲しい。
渇望は既に無視できない所まで来ていた。

だから、怯え竦む声も、拒絶の声も。
どこか遠くに聞きながら、血を啜り、牙を立て、血に酔って。
喉を鳴らし、合間合間に熱い息を漏らして。
忌むべき血筋によって与えられる歓びをただ享受していた。

ずっとずっと、我慢していた。
貴方の血を見る度に奇妙なざわつきを抑圧し、自制していた。
不思議と、他人の血では決してそうはならなかった。

深く血に酔う感覚と、向けられる恐怖は、これが初めてだった。
(-184) 2021/12/17(Fri) 8:50:59

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「──ああ、
随分恐ろしいものでも見るような目をするんだな。

 受け入れられないか、受け入れられないよな。
 俺が不義の子だと知った時のようにお前は拒むんだろう
 俺だって受け入れ難いくらいだ、当然だ。
 結局は何処も同じだ。それが普通の事なんだろう」

ああ、居場所がない。

結局は居場所がない、居場所がないのだ、何処にも。
上流階級には棄てられ、中流階級には見向きもされず。
下層の吹き溜まりでは流れる血のせいで擯斥される。
人間とも言い切れなければ、人ならざるものとも言えはしない。
政府に与する事も、革命勢力に与する事も無いよそ者だ。
他人を心から信用する事はできず、友の心の在り処も曖昧だ。

何もかもが"どっち付かず"、居場所の無い人生だ。

「これに限って言えば、"餌付け"をしたのはお前だったがな」

"蝙蝠"は自嘲めいて嘲笑う。どこまでも暗い笑みだった。
幾ら血を与えられたからと言って、自ら牙を立てれば、それは。
理性に欠ける化け物と取られても致し方なくはあるのだ。

わかっている。
もしかしたら、と期待する事の馬鹿馬鹿しさなんて。
もう、痛いほどにわかっている。
(-185) 2021/12/17(Fri) 8:52:51

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「なーあ、ハーディ。
 お前のことは何も取って食いやしないさ。
 俺にはお前が俺にしたみたいに手酷く抱く理由はないんだ。
 昔みたいにうんと優しく抱いてやるからさ、
 だからそんなに怖がらないでくれよ…」

怯える子どもをあやすように、掠れた声が甘く囁いて。
暗示めいた言葉が脳裏に刷り込まれていく。
嘘か本当かに関わらず、貴方の恐怖と後悔を煙に巻く。

「それとも、
 
良い子にしていろよ
…と言った方が良いか?」

貴方の下穿きをずり下げ、潤滑剤を垂らしてやって、それから。

"命令"を重ねた後、着けっ放しの手袋を咥えて外して。
そうして宥め賺すように再度口付けを交わし、
その傍らに貴方の下腹部へと指を滑らせた。
先ずは前から。粘着質な水音がする。

今は局部は恐怖に萎えているかもしれないが、まあ。
貴方がこちらの身体をよくよく知っていたように、
こちらもどうすれば貴方が好くなるかを知っているわけで。
(-186) 2021/12/17(Fri) 8:54:19

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


「………うるっさ…」

がつん、額に走る衝撃と遅れて感じる痛みにやや呻いた後。
うるさいのはお前じゃん、みたいな顔をした。
確かに大人しくしてろとは言わなかったけどさ、
良い子にしてるって何だっけね。認識の相違を感じます。

「……あのさ〜
 "くらい"じゃないんだよ俺にとってはさぁ…
 お前には革命軍があっても俺にはお前しか居ないわけで、
 お前に否定されたら何もかもそこで終わりなの。わかる?」

なら我慢しろという話になりそうなものの、それは棚上げ。
だって餌付けしたのはお前じゃん。
たとえ反論されてももはやそう開き直るつもりしか無い。
血を与えた貴方と怯えを見せた貴方は異なるのだろうけど。

事ここに及んでは流石に見当も付いてきた。
今は異なる二つが揺らぎ鬩ぎ合っているから非常にやりづらい。
そしてそれらは必ずしも二つに一つなのだろうか。
決して共存し得ないものなのだろうか。
本当に?
(-219) 2021/12/17(Fri) 21:42:27

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


いいや、曲がりなりにも同じ人間から出づるものなら。

何も消えやしないだろう。

 俺がお前に望むのは俺以外のものに囚われない事だけ。
 今はあんたの存在を否定してるわけじゃないし、それに
 たとえそれで"あんた"が消えたとしても。

 あんたがあんただった事が消えて無くなるわけじゃない。
 あんたがこの街で過ごした時間が嘘になるわけじゃない。
 今となってはあんたという存在も、
 確かに"エアハート"という人間の一部だろう。

 仮にそれが"お前"にとってどんなに忌むべきものであっても。
 たとえこの血を抹消しても、この生まれだったからこそ
 俺がお前と出会えた事実が変わらないように。」

貴方の肩口に頬を擦り寄せ、掠れた声が静かに言い聞かす。

「あと、俺は別に同じ事をされてもああまでは怖気付かない。
 お前になら何をされても構わないし、
 "エアハート"が俺に危害を加える事は無いと知っている。
 まあ"あんた"がどうかはどうにも測りかねる節があるが…」

これは単に人格的に、というよりは命令の強度に懸念点がある。

結局の所。
殆ど強姦じみて手酷く抱かれても口答えをするだけで、
拘束の上とはいえ抵抗らしい抵抗はしなかったのがこの男だ。
何かこう、変なのかもしれない。情緒とか感性が。
(-220) 2021/12/17(Fri) 21:44:09

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


もう一度、与えられた血を種の本能のままに啜って。
貴方の肩、或いは首を単なる甘噛みとして柔く一噛みした後。

「…『お望み通りに』«What You Will»。
 元はと言えばそっちが煽ったんだ。
 泣いて懇願してもいいが、俺に聞き入れてやる義理は無い。

 たとえ"お前"が怖がっても、その時は
 いっそ恐怖心も何もわからなくなるまで。
 目一杯溺れさせてやればいいわけだ」

「そうだろう、ハーディ?」

貴方を見下ろす笑みは捕食者のもの。

すっかり中断されていた愛撫が再開される。
再度下腹部へ伸びた指は前を通り過ぎて後孔へ。
手付きは依然甘ったるいほどに優しいまま、
けれど快楽を逃がす事は許さない。
気が済むまで執拗に、勝手知ったる貴方の身体を暴き立てる。
(-221) 2021/12/17(Fri) 21:47:04

【独】 残影の フランドル

/*
スーッ(エアハート吸引)
(-222) 2021/12/17(Fri) 21:52:38

【秘】 残影の フランドル → 羽無し妖精 アイシャ

 
「──白羽の矢が立つ、か。
 いいや、違うな。
それは君達を指すものだ。

 不特定多数の中から選ばれた罪なき犠牲者を指すものだ。
 つまり、この"蝙蝠"が裁かれる事を指すには不適切だ。」

ゆっくりと、椅子へと着いた貴方と向き合って。
役者騙りは、淀みなくただ事実を告げる。
この街の裏で動く者達を、たとえ貴方が知らずとも。
貴方達と違い、尋問を受けるに足る理由がある事は明らかだ。

「何れはこの騒ぎも沈静化するだろう。けれどそれも一時の事。
 きっとまた、同じ事が繰り返される事になる。
 政府にとって都合の悪いものが全て根絶されるか、
 或いは、革命が成るまで。」

「君が、君達が傷付いて欲しくないと願うものを巻き込んで。
 この街«ヨルムガルド»が黄昏に潰えるまで、幾度でも。
 …そうだとしたら、君はどうする?」

なんて、これもきっと意地悪な問い掛けだ。

この街は、この世界は、一朝一夕に変わりはしない。
誰にだって、全てを劇的に変えてしまえはしない。
一人の人が変える事ができるのは、せいぜい手の届く範囲だけ。

役者騙りの内通者、よそ者の"卑怯な蝙蝠"は知っている。
きっとこの街の誰しもが、
自分の手の届く限りを変えようと藻掻いているという事を。
(-230) 2021/12/18(Sat) 0:00:44

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

耳朶に掛かる吐息に、這わされる舌の、その濡れた感触に。
ぞくりと背筋を震わせ、それでも指が動きを止める事は無い。
貴方が甘えるように首筋に顔を埋めれば、
きっと"役者騙り"らしく上品な香水の匂いがしただろう。

そうして貴方を暫く苛んだ後、指はずるりと引き抜かれて。
ベルトだの何だの金具の立てる僅かな音、
取り払われたものがベッド脇へと追い遣られた気配の後。

「カエルのままの王子を愛するのも自由だろう」

低く囁いて、勃ち上がった自身を貴方の後孔に宛てがって。
そのままずぶずぶと熱く蕩けた胎内に押し入った。

「んん、……俺としては、一つでも
 愛せる"エアハート"が減るのは…いや、そもそも役目とか
 俺が必要としてるからじゃだめなのか?だめか…?」

ある程度分け入れば熱い息を漏らし、一度動きを止めて。
切れ切れに零すのはムードもへったくれもない思考のだだ流し。

「だめか?」

ちょっと揺すった。

つまるところ。
貴方も"エアハート"の一部であるならば捨てる気は無いし。
仮に役目の終わりが凡そ死と同義であるのなら、
自分がある意味貴方にそうしているように、貴方も自分に存在意義を依存すればいい。
強欲で傲慢で暴論もいい所、そんな思考だ。
(-248) 2021/12/18(Sat) 3:36:24

【独】 残影の フランドル

/*
文章の温度差が変。変よ。
どうしてこうなるんやろうなあ(他人事)
(-249) 2021/12/18(Sat) 3:43:16

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


たとえ応えが無くとも構わない。
何せ貴方を追い続け、手を伸ばし続けるのは得意なのだから。
貴方の陰は、貴方の剣は、今までそのようにして生きてきた。

「っ、…そもそも、さあ
 あの時折れるなって言ったの、そっちじゃないのか。
 俺を認めたのは、お前"も"じゃないのか。」

そして、剣を預けた時の事。
貴方の剣として在り続ける事を許された時の事を覚えている。

「俺はお前に消えて欲しくないし、逃してやる気も無い。
 だって言い逃げなんて卑怯だろう」

だから今もこうして手を伸ばして、欲しがって。
我儘であろうと関係無い。その分望むものは唯一つなのだから。
それくらいの我儘は、許されたっていいだろう。

「ハーディ、…エアハート、かわいい俺のかたえ。
 
ずっと傍で、俺以外の何にも囚われないでいてくれよ。

 俺はどうにもお前が他人の為に在るのは我慢ならないらしい。
 お前でも俺でもない、他人の為のお前で在るくらいなら。
 俺がお前の為にあるように、お前も俺の為にあってくれよ…」

或いは命令を、或いは請願を、重ねるように。
掠れた声が切なく甘く蕩けるように囁いて、あとは望むまま。
縋るように収縮する粘膜を割り開いて、好い所を責め立てて。
時折首筋や肩を柔く喰んで、傷口に再び舌を這わせて。
欲のままに貴方を貪り、そして求められるだけ与え続けた。
(-309) 2021/12/18(Sat) 19:37:45

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


──じゃあ、こうしよう。

暫定的に、元あったお前をハーディ、
後から生じたお前をエディと区別する事にしよう。
そうする事で二つは一度明確に個として分かたれ、
混ざり合い混濁する事はある程度抑制されると考えられる。

次。
お前はハーディであり、エディであり、エアハートである。
こうする事で恐らく二つは矛盾せず共存する事ができる。
共存の形が統合か併存かは…まあ、お前次第ではある、が。
併存であった方が、望ましくはあるだろうな。

それから。役目が無ければ存在意義も無いと言うのであれば
お前を望んだ俺の為に在る事を役目とすればいい。後は…

…ちゃんと聞いておいてくれよ。
お前が聞いて、頭で理解して、意識しないと意味が無い。
無理矢理書き加えられた矛盾と破綻だらけの命令を整理して、
改めて整合性の取れた命令として上書きし直せば。
理論上は、どちらの"エアハート"も維持する事ができるはずだ。

──実に貪欲な情事を終えた後。そんな、いつかの会話。

…………
(-311) 2021/12/18(Sat) 19:50:20
フランドルは、… 
(c69) 2021/12/18(Sat) 19:53:04

フランドルは、それでも、どうしても受け入れ難くて、結局、
(c70) 2021/12/18(Sat) 19:54:01

フランドルは、一人になってから、全て吐き戻してしまった。
(c71) 2021/12/18(Sat) 19:54:11

フランドルは、どうあるべきかわからない。
(c72) 2021/12/18(Sat) 19:54:20

残影の フランドルは、メモを貼った。
(c73) 2021/12/18(Sat) 19:55:37

【独】 残影の フランドル


喉奥に指を突っ込んで、
反射的に、本能的に、迫り上がったものを、そのまま。

「ぅ"、………」

そうし続けて、すっかり胃の中が空になった頃。
顔を上げて、吐き戻したものから視線を背けた。
鼻の奥が、つんとする。

一度冷静になれば、待ち受けているものは自己嫌悪ばかり。
普通は受け入れられないなんてわかっていたのに。
この忌むべき血筋が齎す全てのものも、
それに抗う事のできない自分も、嫌で仕方ない。

そして、それによって見限られる事が、何よりも。
(-321) 2021/12/18(Sat) 20:32:53

【独】 残影の フランドル

 
──ちょっと怖がられたくらいで。

「も、嫌だッ!! い、」


くらい、であるものか。
本気に取るに決まっている。
自分でさえ受け入れ難いものを、反射とはいえ拒絶されれば。

"フランドル"に存在意義を与えられるのは、"エアハート"だけ。
貴方に拒まれるという事は、そういう事だ。
目の眩むような絶望とは、そういうものだ。

自分に非があるとはいえ、怯えもするわけで。
(-323) 2021/12/18(Sat) 20:36:29

【墓】 残影の フランドル

 
「…………」

役者騙りの騎士は、誰かと二人連れ立って。
暫くの間、何処かへ姿を消した後。
夜には酒場へ戻って来て、適当な席で茫としていた。

何処かへ消えていた武器は二つ、再び在るべき場所へ。

がり、ごり。
甘いものは、好きな方であるはずなのに。
乳白色の飴に歯を立てても、今は何も満たされない。
(+32) 2021/12/18(Sat) 20:59:23