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【秘】 飼い狗 ムルイジ → 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル「よォ」 ――こんなところで、奇遇じゃねェか。 信じられないことに両手同士を鎖で繋がれた状態で、 あなたの入れられた部屋に『男が訪ねてくる』。 幾分薄汚れた顔で、その薄汚れの顔にした張本人に、 軽薄な笑みを浮かべながら、無思慮に、無遠慮に。 今度は鍵の掛かってない部屋に侵入して、笑う。 「随分とまァ、大きく張ったじゃねェか。 ……お陰で、こんなところで逢えることになって、 心から嬉しいぜオレは。 どうだよ、気分サイコーだろ。 独り占めするには、勿体ないくらいによ」 皮肉気に言うが、幾分相手への当て擦りは少ない。 同じ立場になった以上、どうしようもない現実が、 否応なしに互いの周囲を取り囲んでいるから。 (-74) 2021/07/11(Sun) 13:48:16 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>43 ダビー 緑色を見つめる緑色が鋭くなった。 「……煩い。余裕そうに揶揄うとか腹立つな。つい最近私に騙されてたって言うのに」 隠しもせず舌打ちし、苛立たしげにボルジュウを啜る。ああくそ、気に食わないけどスープは美味い。 こくんと一口飲み込んだところで、女は少し考えるように沈黙を置いた後おずおずと口を開く。 「……ダビー。君はさ、大事なこと……掴めそう?」 抑揚のない静かな声で問いかける。真摯な色を滲ませて。 (44) 2021/07/11(Sun) 13:59:04 |
【秘】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル → 飼い狗 ムルイジ来た。 「……、やあ」 ほんの僅かに反応が遅れたものの澄ました顔で言葉を返す。あれだけ汚してやったのに、この船で会った頃と変わりない調子で。 やっぱりこの男は心が折れてなんかいなかった。 ダブルアップの件は、私の負けだ。 「……まあね。欲しいものを手に入れるにはあれくらい賭けなきゃいけなかったから。反吐が出るくらい"サイコー"だった。 …………それで、何しに来たの。って言っても。私と君がやる事なんて、決まっているだろうけどさ」 凪いだ水面のような、静かな調子で言葉を紡ぐ。 かつて見せた剥き出しの怒りや嫉妬も見当たらない。 ……今のところは。 (-75) 2021/07/11(Sun) 14:08:31 |
【秘】 飼い狗 ムルイジ → 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル部屋のあちこちに、これ見よがしにカメラがある。 ここも自分の部屋と同じように、プライバシーなどない。 環境としちゃ、どっちもどっちだなと口の端を持ち上げた。 「そうかよ。そりゃ重畳。 熱狂も怒号も侮蔑も嘲笑もありゃ、 勝負師冥利に尽きるってもんだな。 何をしに来たかと問われ、 やることは一つと言われると鼻で嗤い。 「……だよなァ。 狭い密室に、互いを知らないわけじゃねェ男女が二人、 ヤるこた、いつだって一つだな」 適当に椅子を取って、座る。 ようやく、目線が合う位置まで、辿り着けた。 「……約束を果たしに来た。ほら客が席に座ったぜ。 何でキメるよ……ディーラーさんよ」 オレの、こいつとの賭けは。 ――まだ終わっていない。 (-76) 2021/07/11(Sun) 14:24:45 |
【秘】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル → 飼い狗 ムルイジ「……」 一歩分、さらに距離を詰める。手を伸ばせば触れる距離。 近づいてきた緑色が、かすかに揺れる。 「……せっかち。 女を急かす男は嫌われちゃうよ。君は気にしないかもしれないけど」 男に呪いを掛けられた。忘れる筈が無い。 自分と男の勝負は、まだ続いている。 ──でも、その前に聞きたいことがあった。 「何で勝負するかは決めてる。でも……でもさ。 君、"私を見て"勝負してくれるの?君が救いたかった女と重ねたままじゃないの?」 どろり、胸の中に重たいものが渦巻いて。 「私は今まで一度も、君をどんなギャンブラーとも重ねて見てなんか、いないのに。 私は君しか、見ていないのに」 (-77) 2021/07/11(Sun) 14:46:02 |
【秘】 飼い狗 ムルイジ → 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル言っとけ。じきに強請るようになると言いかけて、 微妙な、本当に些細な言葉尻の変化に眉根が寄った。 「………」 相当に。 自分の打ち込んだ楔が効いたとみた。 ……こんな女だったか……? いや……こんな女だったんだろうな。 だからオレは――。 「卓囲んで目の前の相手以外の別のモン見てる暇あるかよ。 少なくともテメェと向き合ったとき、 オレにそんな余裕は一匙もねェ。 ディーラーを前にしたギャンブラーはそういうもんだ。 ああ、ただ……そうじゃねェとき。 賭け台に向き合ってないときまで、 全ての時間の視線や思考を釘付けにしたきゃ……。 お前しか見えねェようにしたきゃ」 舞台の上で、お前がやったように――。 ▼ (-79) 2021/07/11(Sun) 15:46:07 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル「――賭け、勝ち、奪うしかねェだろ。 オレ達は、そういう生き物なんだから。 ただ、正式に、言葉にしてほしいなら、 ちゃんと言ってやる」 軽薄な笑みが、スと消える。 それは恋人には絶対向けない表情で、 恋人に向けるよりも強く、濃い感情。 一人のギャンブラーであり続けた男が、 その人生全てをテーブルの上に乗せる、 熱病に似た灼熱の感情と妄執の"告白"。 「――サダル。 お前と勝負がしたい」 一人の賭け師と、賭け師として。 (-80) 2021/07/11(Sun) 15:47:43 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>46 ラサルハグ 「…………え?」 淀みなく返ってきた答えにもはや悲しみさえも浮かばずに。 ただ黙って聞いていたが、続けられた言葉に目を瞬かせる。 「望みが叶えばいいって……思ってた?え、あの、えっ!?」 ずい。ずいずい。ずずずい。 にじり寄る。 「……す、スロウス。それっていったい、あの、どうして……?」 最早それは仕事、役割には関係のない範疇の話だ。 生きる為に仕事をするのではなく、仕事をする為に生きていると答えた貴方からその言葉が出てくるなんて思ってもみなかった。 くるりと瞳を丸くさせ、共犯者のガラス玉にも見た目を覗き込む。 仮面を投げ捨て素直に驚きの表情を浮かべた女の顔が、きっと貴方の水色の瞳に映り込んでいることだろう。 (51) 2021/07/11(Sun) 16:13:21 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>49 ダビー 「知らない。君の事なんか分かる筈ないでしょう……ばかなひと」 あれだけ騙したのに、それでも生き残れと言ってくる。その優しさは一体どこから出てきていると言うのか。 ああ、眩しい。ああ、妬ましい。 「……ふうん、そう」 ただそれだけ答えた後、スプーンを置いた貴方とは裏腹に食べ進めていく。まるで興味がないと言わんばかりに。 「もう取り返しのつかないことはしてしまったんでしょう。 それなら無理に心を制御する必要なんてないんじゃないかな。 一度受け止めてもらって、それで関係が壊れていないなら……きっとまた受け入れてくれるよ」 ▼ (52) 2021/07/11(Sun) 16:32:10 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>49 ダビー 「だから、さ」 貴方を見つめる緑色がゆるやかに歪む。 獣のような獰猛な、相手に噛み付くような光を宿して。 「早く君も呑まれるといい。楽になれる」 自分は掴めるかも分からないのに、君はもう欲しいものを手にしている。 全くもって羨ましい。ずるいったらありゃしない。 「ねえ、ダビー。 仮面を捨てて曝け出すのって……"サイコー"だよ?」 だから、女は囁いた。 地の底から緑色の怪物が、共に狂えと手招きをしている。 (53) 2021/07/11(Sun) 16:33:13 |
【秘】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル → "賭け師" ムルイジ「……ッ」 ぞくりと肌が粟立つ。 こちらを食い殺してしまいそうな、正真正銘掛け値なしの鋭い感情。 煌々と燃える炎を点けられたように体の奥が熱くなる。 ──嗚呼、これだ。私はこれがたまらなく好きなんだ。 「私に昔燃えるような勝負の心地よさを教えたのは君。 私に誰より一番重たく狂おしいほどの妬みを抱かせ続けたのも君。 私をとっておきの話で傷つけたのだって勿論君。 ……ずるい。ずるいよね。 私、ずっとずぅっと、君にめちゃくちゃにされてきたんだよ?」 気付いてしまった。 嫉妬の炎の底にある欲望を。 騙し傷つけ、自分と同じ場所に堕とすだけじゃ全然足りない。飢えて飢えて、決して満たされるなんて事がない。 欲しい。 欲しい。 君の全てが── たまらなく欲しい! ▼ (-83) 2021/07/11(Sun) 17:00:12 |
サダルは、ギャンブラーだ。 (a38) 2021/07/11(Sun) 17:00:28 |
サダルは、君の全てが、心から欲しい。 (a39) 2021/07/11(Sun) 17:00:44 |
【秘】 "賭け師" サダル → "賭け師" ムルイジ「──やってやろうじゃないか。巻き上げるのは得意だもの」 燃え広がる炎に身を委ねる。 もう我慢しなくていい。仮面を被る事なんてしない。 自分の生きる為の薪であった、自分の業とも言うべき"嫉妬"を剥き出しにして。 恋なんて生温いと思わせるほどの炎を燃やし。 自分の全てを、相手に叩きつける。 身も心も焼き尽くすような激情に身を委ねながら、勝負師は隠し持っていた"ゲーム"を用意する。 「──ムルイジ。これが正真正銘、最後の勝負だ。 勝ったら相手の全てを貰う。分かりやすいオールイン。 用意したゲームはロシアンルーレット。 実弾を込めたその銃で──私を、撃てる?」 指先一つで相手の命を攫える鉄の塊。 噛み付くように睨め付けて、賭け師はそれを差し出した。 文字通り、命を賭けてやろうじゃないか。 (-84) 2021/07/11(Sun) 17:02:49 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → "賭け師" サダル余りにも温度の高すぎる焔に触れると、 人は肌に冷たさを覚えるという。 このディーラーを前にしてオレが覚えていた、 絶対零度の透徹した思考と理論はやはり、 その奥に潜む情念の緑色の炎の裏返しだった。 皮膚の表面を炙られるような緊張感に、 己の中の賭け師としての血が騒ぐ。 差し出された鉄の塊。 引き金を引けば弾が命を奪うそれを見て。 ――ああ。成程確かに。 これなら、どんな結果が出ても、 二度と忘れることはできないだろうな と思った。このディーラーの。 この賭け師の。 この女の執着と執念を、鉄の温度で感じた。 「………」 ――命を。――間違いなく、乗せてきやがった。 それは、自身がめちゃくちゃにされてきた 可愛い女の稚気のように。意趣返しのように。 オレ自身を――オレの心を、めちゃくちゃにするために。 ▼ (-85) 2021/07/11(Sun) 17:47:51 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → "賭け師" サダル必要な情報は与えられない。 必要な幸運に縋りつくことも許されない。 選ぶのは自分で、それを選ばせるのが目の前の"賭け師"だ。 選択肢は山ほどある。 ――弾が込められているのか。 ――引き金を引いたとき銃の挙動は。 ――撃った後に起こることは何だ。 ――これ自体が罠の可能性もある。 ――イカサマが含まれているか。 ――この"賭けの真意"は何だ。 ――真の、勝利条件とは。 ――どこに向けて。何を撃つかが――オレの手の中にある。 ニアの言葉が脳裏をよぎる。 『……だから、次からは賭ける前から。 それがギャンブルかどうか、よぉ〜く確かめるっすよ』 分かってる。 今度はしくじらない。 だけどな……ニア。 本当に勝ち取るためには、 先に賭け金をテーブルに置かなきゃいけねェんだ。 ▼ (-86) 2021/07/11(Sun) 17:49:05 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → "賭け師" サダル銃口を。 ―― 己の頭に向ける 。「……一つだけ、聞かせろ。 サダル。 それで、このギャンブルに決着をつける」 相手が命を差し出す覚悟なら。 こっちも相応の物を支払わないといけない 。これは"賭け"なんだから。 どんなに不平等だろうが不条理だろうが、 それに勝つには、自分の心すらも何もかもを捻じ伏せなければ。 ――そこに勝利なんて、ない。 嫉妬の怪物に。 豪運の調伏者は問うた。 「オレに――勝てると思うか?」 かつて自分を地獄に落とした女に――問うた。 (-87) 2021/07/11(Sun) 17:51:18 |
【秘】 "賭け師" サダル → "賭け師" ムルイジ「……ッ、な……!」 炎を浮かべた緑色が見開かれる。 自分を撃ってもらう筈だった。 自分を殺すかもしれない、けれどそれを乗り越えてでも自分と勝負して奪いにきてくれるかどうか、それを確かめるつもりだった。 地の底に落ちた自分を迎えにきてくれるかどうか──それが、女が五日目に吠えながら行った賭け事だ。 男は本当にやって来た。牢獄に入れられた囚人のように、厳しい枷を嵌められてでもなお。 あとは命を賭けて、奪りに来てもらうだけ……そう思っていたのに! ▼ (-92) 2021/07/11(Sun) 18:39:30 |
【秘】 "賭け師" サダル → "賭け師" ムルイジ勝負師は一瞬動揺したものの、すぐに意図を汲んで唇を引き結ぶ。 勝負をするなら賭け金が必要だ。だから男は差し出した。自分と同じ額のチップを。 なんてことない、賭け事の基本じゃないか。 唇を歪めて笑う。 賭け事はある意味理不尽で、ある意味公平だ。 けれど、辛気臭い顔をした人間を女神が愛する筈がない。 吹っ切れた人間にこそ、女神の気まぐれは訪れる者だ。 「ムルイジ」 "……あなたは、運命というものがあると言われれば信じるかな。" 占い師の、協力者の言葉が脳裏をよぎる。 もし運命が存在するのなら、きっとこの大一番の勝負さえも結果が既に出ているのかもしれない。 "…………嫌だ。そんなの" でも、私は運命なんて信じない。 「分かりきったことを聞くね」 嫉妬の怪物は。 豪運の調伏者に答える。 ▼ (-93) 2021/07/11(Sun) 18:40:44 |
【秘】 "賭け師" サダル → "賭け師" ムルイジ「──勝つよ」 長い長い年月をかけて燃やし続けた嫉妬の炎。 その煌めきを瞳に宿し──地に落ちた女が、男に微笑んだ。 (-94) 2021/07/11(Sun) 18:41:07 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → "賭け師" サダル仮面がねェと。 ……本当に、可愛い女だなこいつ。 ただ、その反応で確信した。 その言葉で、その笑顔で確信した。 この勝負が、どういう勝負なのかを――。 「――そうか。 ありがとよ 」▼ (-97) 2021/07/11(Sun) 18:50:11 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → "賭け師" サダルだったら。 これが。 これしか。 オレが出す答えは、ない――。 オレ達は今。 誰にも、邪魔なんてされないから――。 激動すぎて―― もっと別の出会い方が出来たらなんて、 思う隙間もなかったな。 ▼ (-98) 2021/07/11(Sun) 18:51:31 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → "賭け師" サダル息を止める。 オレは、自分のこめかみに向けていた銃を。 その銃の引き金に指を掛けたまま。 ―― 銃口を、サダルに向けて、 引き金を、引き絞った。 (-99) 2021/07/11(Sun) 18:53:50 |
サダルは、一発の弾丸に貫かれる。 (a42) 2021/07/11(Sun) 19:10:19 |
【秘】 "賭け師" サダル → "賭け師" ムルイジ貫かれた箇所に手を当てて。 愛おしそうにそっと這わせて。 音もなく溢れてくる紅色の命で手を濡らしながら、貴方へ歩み寄る。 「……っ、あ、はは…… ほん、とうに……来てくれた…………」 胸の中を満たす充足感。 頭が痺れるような快感と、初めて感じる"しあわせなきもち"。 「ムル、イジ……、……ムルイジ」 踊るように何度もたたらを踏みながら。 貴方の元に倒れ込む。 ▼ (-101) 2021/07/11(Sun) 19:11:29 |
サダルは、"賭け師"の唇に自分の唇を重ねた。 (a43) 2021/07/11(Sun) 19:12:03 |
サダルは、今度は手で隔たりなど作らなかった。 (a44) 2021/07/11(Sun) 19:12:18 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → "賭け師" サダル銃弾は、発射された。 ――血の色の睦言を耳にして。 重ねられる唇の感触に、 籠った温度に火をそのまま口にしたような痛みがあった。 指先が。 銃弾を発射したその反動で、 痺れていて。 力なく、紅を零しながら倒れ込んでくる身体を。 唇を噛み締めながら、抱き留めた。 最後まで、嘘吐きが。 いや違うな。 これでもう。オレがお前のことを。 この感触を、指先と唇から忘れられなくなることが。 ――最初から勝利だったっていうのだろうか。 『すきだよ』 耳に残るその言葉がずっと、ずっと脳内を駆け巡る。 ▼ (-104) 2021/07/11(Sun) 19:32:34 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → "賭け師" サダル胸の中の女に向けて、 小さく、囁く。 聞こえているかは分からない。 聞こえていなくとも構わない。 これは、そういう言葉だ。 「サダル。 ……オレの愛した女が、 お前に似てるなんて、―― 嘘だ 」――それは呪いでもあり。 ――答えでもあった。 "似てるだけの顔の女"を。 ――"オレが覚えるもん"かよ。 似ても似つかねえよ、お前の顔も、生き方も 。一個も似てねェし、そう言やテメェが嫌がるかと思えば、 別のとこに刺さりやがって、本当、面倒で簡単な女だ。 ケツの下から聞こえる負け惜しみに、まんまと騙されやがって。 それこそが ブラフだ って言ったら、今度こそ怒り狂うかもな、テメェは。 ▼ (-105) 2021/07/11(Sun) 19:33:39 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → "賭け師" サダルお前は、誰にも似てなかった。だから覚えてたんだ。 オレがお前に重ねたのは。 ―― オレ自身の中に芽生えた、お前への好意 だ。それが、どこかでお前と会えないかと願っていた俺の本心だ。 しっかりもう。 "アイツ"が残していった穴に、 しっかりと四文字を埋め込んでいきやがって。 本当に、お前は厄介な女だよ、サダル。 腕の中から、温度が失われていく。 呼吸もか細くなっていく。 ただ――それが、それこそが。 オレが選んだ。 オレ達の、"賭け札"だ。 ――あまりに不平等で不条理で。 聞けばきっと、誰もが指さして嗤うような、そんな選択だ。 ▼ (-106) 2021/07/11(Sun) 19:35:32 |
【秘】 "お前の愛した" ムルイジ → "賭け師" サダルオレは、銃弾を撃ちこんだ。 その上から、コイツが一番気になる言葉を捻じ込み蓋をした。 サダルの心に未練という形で存在していたとするなら、 それが『嘘』だと言われれば、次を求めるはずだ。 それしか。 それだけしか、オレが選べる手札はなく。 その銃弾が本当に貫き殺したかったのは、 こいつ自身が見に纏っていた『嫉妬』そのもので。 ――それが成功したのか、失敗したのかは分からない。 間に合うかも、助かるかも分からない。 その選択が全て間違いであることもあるかもしれない。 ただ。それがオレ達の。 "賭け師の生き方"だから。 「……オレも。 オレが勝つことを、信じてんだよ。同じだな」 オレはだから。 もう少しだけ"愛せたかもしれない女"に。 静かに――長く、唇を重ねた。 眠り姫は――まだ、目を覚まさない。 (-107) 2021/07/11(Sun) 19:39:37 |
【人】 "賭け師" サダル>>55 ラサルハグ 興味がある。 先日二人で話をした時に聞いた言葉だ。聞き間違いではなかったし、夢の中の出来事でもなかった。 「……そ、っか。そっか……」 共犯者の声を何度も脳裏で反芻する。三人いる共犯者の中で一番己の感情に振り回されている人間だ、今もずっと"怠惰"に対する嫉妬や憐憫、その果てに歪に芽生えた仲間意識などが整理されないままでいる。 故に、今女の中に生まれたものはひと匙のむず痒さと落ち着かない嬉しさ。 「……スロウス。私はね、きっとこれからも飢えたままだよ。 例え一度満たされたとしても、それだけじゃ足りなくて人から何かを奪おうとしたくなる。長年人を羨み妬んできた私が、一度満たされただけで納得できるとは思えない」 だから、と一つ言葉を置く。そうして軽い深呼吸。 ▼ (68) 2021/07/14(Wed) 17:07:19 |
【人】 "賭け師" サダル>>55 ラサルハグ 「興味が潰えるその時まで、走り続ける私を見ていてね。 走り切った私の物語が喜劇になるか悲劇になるかは分からないけれど……暇つぶしくらいには、きっとなると思うからさ」 唇を獣じみた笑みに歪め、そう囁いた。 これはただのエゴだ。傲慢な一方的な想い。 相手は何かを欲する事など無い"怠惰"。誰かから何かを与えられたいと思っていないだろう。 そうやって生きられる貴方が羨ましく、妬ましかった。自分には無い強さがそこにあった。 そんな相手に興味を持ってもらえるなら。 私はこれからも抱えた業のままに踊ってやろう。これからも人を騙し、傷つけ、地に引き摺り込んででも自分の飢えを満たそう。 決して交わることのない、平行線上にいる貴方。 そんな貴方に──私は私という傷を、贈り物を、与えてやりたいと思っているのだから。 羨んで、憐んで、嫉妬して、そうしておかしな形に生まれてしまった好意と庇護欲と仲間意識を抱えた身勝手な共犯者は微笑んだ。 大一番の賭けに挑み、長い眠りにつく前の事だった。 (69) 2021/07/14(Wed) 17:10:49 |
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