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人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


カンターミネニコロを道連れにした。

【独】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

/*
へ〜死ぬと役職窓って見えるんだ……
これまでの窓見に行くのもいいかな〜と思ったけど
エピ入ってからの方が楽しくなりそうだし、
そうしようかな。

歌い、歌わせた。満足です。
(-7) 2023/09/20(Wed) 21:24:52

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

摘発を目前にした夜。
『改装中』のモーテル、扉の向こうから歌が漏れ聞こえる。
歌っているのはここの主だろう、
子供達に歌うのと同じ声で歌っている。

「仕事」の為に起きているのか、
「誰か」を待っているのか、
ともあれ女はそこから動かず、過ごしている。
(-8) 2023/09/20(Wed) 21:38:28

【独】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

/*
「ひどくね!?俺メチャクチャ子供には優しいんだけど!?」
と言っていますが、妥当だと思います。はい。
(-15) 2023/09/20(Wed) 22:11:15

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

そんな貴女の下へ、来訪者があるだろう。
足音を殺しもせず普段通りの様相で。

「よう、先生いるかい?」

なんて声を掛ける。
気の良いおまわりさんだ。

『改装中』のモーテルに貴方が居るなんて
この男は知っていただろうか……?
(-19) 2023/09/20(Wed) 22:19:53

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「――おや。」

それは、声だけは意外そうに。
しかし落ち着いた様子で、あなたの来訪を受ける。

「開いてるよ。どうぞお入りください、おまわりさん?」

へらへらした声。モーテルの木製の扉を開けば、
受付のカウンターの向こうに座っている主が見える。
可愛らしいテディベアを抱いて、
その両手をぴこぴこ動かして手招きだ。

テディベアはどこにでもある代物だ。
もしかしたら、警察署にも置いてあるかもしれない。
子供達がおまわりさんに感謝のしるしとして渡したりして。
(-20) 2023/09/20(Wed) 22:25:34

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「急に押しかけて悪いね。
今ちょっと時間を貰っても良いかい?」

テディベアを動かす貴方に手を振り返す。
こんなところまで来る以外は、いつも通り。
世間話をするくらいの気軽さで。

中に入っても?と伺う素振りを見せる。
(-21) 2023/09/20(Wed) 22:29:33

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「いいとも。珍しい時間に珍しいお客様だ。
 つっても、缶コーヒーとエナジードリンクしか
 出せないけどな!さあご用件は?」

テディベアの手招きは続く。おいでおいで。
いつも外で会うのと同じ先生の顔だ。
(-22) 2023/09/20(Wed) 22:32:41

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「ああ、そこはお構いなく。
急に押しかけたのはこっちだからな。」

それじゃあ、と中へ入って見回して。
貴方が持つテディベアへと視線は自然に戻っていく。

「それ、アンタが作ったのか。
子供たちが持ってるのを見たな。
っとそうじゃねえ。」

「最近法の施行があったせいか署も街も不安定でね。
そっちは変わった事が無かったかと思って。
子供らは変わりなく元気かい?」

いつも通りの、自然な会話。
けれど状況は…何処か、不自然だ。
(-25) 2023/09/20(Wed) 22:37:40

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「器用なもんだろ?子供達が喜ぶんだ、これが。
 しかも男女問わず!すごくね?俺の腕。」

へらへら笑いながらその言葉を聞きつつ、
少し首を傾げてみせる。

「そりゃああんな法があって、マフィアだけならともかく
 おまわりさんも捕まってたらなあぁ。
 子供達もおまわりさんの数が減ってなんで、どうして、
 そんな状態だよ。困るぜ本当にさ〜。
 ……。それで〜?わざわざこんな夜中に、
 世間話でもないだろ。モーテルを警察の
 待機場所にでもしたいって話かい?」

あくまで、『先生』としての顔でそう返した。
(-27) 2023/09/20(Wed) 22:44:23

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「そうかい、それなら安心だ。
ッハハ、まさか。そんなことしねえよ。」

貴方へ一歩近寄って、その腕をとって。
かちゃり。

次の瞬間には冷たい鉄の感触が手首に掛かる。
“おまわりさん”の表情は、獲物を狩る“狼”へ

「アンタをしょっ引きに来たんだ。
ノッテファミリー情報チーム、カンターミネ・ヴォ―フル。
階級はメイドマン、だったか。」

「A.C.A所属、コードネームAlberoの名において
摘発と現行逮捕を執行する。モーテル内も調べさせて貰うぜ。」
(-31) 2023/09/20(Wed) 22:51:54

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「……。おー、面白いジョークだな。手品用か?
 その割には随分重いし、手首に痕でも残りそうだな」

一方で、『先生』はそのまま。

「A.C.Aねえ……コードネームも出すのか、
 秘密組織っぽい名乗りの割にお遊戯感が拭えないなあ。
 ……ふうん。まあ、いいか。俺、別に無罪だしなあぁ」

へらへら、笑う。まだ信じていないのかもしれない。
テディベアを片腕に抱き、なぁ?と質問するように。

もう、会話は親機に筒抜けだ。
さらにカンターミネの情報は部下がリアルタイムで編集し、
『謎の男』を捕えたニコロの情報だけが子機からは出る。


「調べたって寝床とゴミと帳簿しか出ねえよ。
 ただ、俺はひとつだけ、お前にとって重要な、それも
 今この瞬間にだけ必要な情報を持ってるんだがなあぁ……」

歌うように、そう告げた。
(-35) 2023/09/20(Wed) 23:00:49

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌う カンターミネ

「残念ながら本物だ。
アンタが関わっているという情報はとある筋から得てる。
確実な情報だ。何せ御同輩からのタレコミだからな。」

少しだけ悲しそうな顔をしたのは気のせいではないだろう。
仕事とはいえ、顔なじみの“先生”を摘発する事に
抵抗感を覚えない訳ではない。

だから。

「…何が言いたい。」

貴方の言葉にも、耳を傾けてしまう。
(-39) 2023/09/20(Wed) 23:06:09

【秘】 歌う カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「へぇ、御同輩ねえ。そりゃあ新しい情報をありがとう。
 まあどうでもいい事だな、俺にとっては」

こちらは、まるで変わらない顔だ。
信じていない。最初から誰も。・・・・・・
ただひとりを除いて。


「そうだなあぁ……じゃあ、無料の情報をあげよう。
 今、ニコロくん。キミは岐路に立っている。
 道を選べるのは今この瞬間だけ。以上。
 ……さあ、ここからは交渉の時間だ。
 キミが考える、キミだけしか知らない情報と交換しよう。
 それが教えるに足る情報と思ったら、教えてあげよう。
 俺が持つ、秘密中の秘密……それこそ、
 この瞬間に使う為に取っておいた、高級品をな」

カンターミネは、歌う。楽しげに。
いつもと同じ顔で。いつもと同じように。
(-42) 2023/09/20(Wed) 23:17:18

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌う カンターミネ

「………。」

暫しの間があっただろう。
果たしてそれに乗るか、否か。
吟味するだけの僅かな時間。

「分かった。取引に応じてやる。
ただ、情報を吐くのはお互い半分ずつだ。
どちらか一方だけが知って逃げるのはお互い困るだろ?」

詰めるだけの頭はまだ残っていた。
けれど、吐いた先にあるものまでは、この時は知らない。
(-76) 2023/09/21(Thu) 1:04:32

【秘】 歌う カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「成立だ。では、俺から半分教えてやる。
 それで、判断すりゃあいい。残り半分が必要か。
 必要なら、次はニコロくんが全部話すといい。
 そしたら、残りの半分を教えよう。それでどうだい?」

ちゃら、と手錠を揺らす。
そう、どうせ捕まるのは確定している。
つまり、元よりこちらが不利な取引なのだ。
その上でさらに譲歩をして、情報を先に全て引き出す。

「まあ、もう時間がないからどうだいも何も言うけど。
 そうだな……。俺が仕入れた情報によると、だ。
 この地域、あちこちに仕掛けられた物がある。
 キミ達では掴めてない情報だろう?そして、
 仕掛けた奴はそれを使って、ドデカい事をしようと……
 さて、ここまでだ。続きが知りたきゃ、どうぞ?」

そう、今この瞬間にしか効果がない。
だから、『デカい事』をこの瞬間に起こそうとしている、
それを餌に――釣る。

カンターミネは、歌う。歌い続ける。
(-82) 2023/09/21(Thu) 1:17:29

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌う カンターミネ

「上手い事やりやがるな。
分かった。それで応じる。」

貴方の方が不利であることはよく分かっていて。
そして且つやはり、貴方は顔見知りだから。
多少の情も動いたのかもしれない。

「10年前だ。付き合っている奴が居てな。
そいつはノッテファミリーの人間だった。
名はダフネ。秘密の恋路、って奴だな。」

「今でなくてもヤバイ関係だ。
密かに会ったりはしてたんだが、警察に動きがバレてな。
追われて、彼女はそのまま射殺された。」

「誰も俺と彼女がそういう関係だった事は知らねえし
俺の口からも言った事は無い話だ。これで満足か?」

幼馴染ですら知らない話。
それを貴方に曝け出す。
(-83) 2023/09/21(Thu) 1:25:49

【秘】 歌う カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

ピューゥッ。口笛の音。やるねえ、とでも言いたげな。
実際の所は『今日の俺は運が良い』、そんな意味の。

「そりゃあ凄い秘密だ。
 満足だよ。つまりこういう事だろ?
 10年前、あんたはマフィアと恋仲だった。
 さらに、その恋人は警察に殺されちまった」

親機の口から、語られる。
子機の口から、語られる。

「いや〜悲しい話だ。俺もそういうのはごめんだね。
 でもよ、それを聞いた奴は……こう思うだろ?」

歌う。高らかに。さあ聞けよ、全員。
結局、『単に良い奴』なんてこの世にはいないんだ。
おまわりさんも。先生も。結局、見る視点でしか変わらない。

「ニコロくん、キミは警察であり!
 さらにこの法律の執行部にいるような人間なのに!
 未だに警察を恨んでいる!・・・・・・・・・・・
 ああ、つまり、つまりはそういう事だよなあ!
 ってことは――もしかして……」

「君は未だにマフィアとつながりがあるんじゃあないか?」


そこでようやく、『カンターミネ』は。
テディベアを、投げ捨てた。
がしゃん、と重い金属の音がした。
(-87) 2023/09/21(Thu) 1:38:02
カンターミネは、歌う。君は未だにマフィアとつながりがあるんじゃあないか?
(c2) 2023/09/21(Thu) 1:38:45

カンターミネは、そこでようやく、テディベアを投げ捨てた。通信は切断された。
(c3) 2023/09/21(Thu) 1:39:08

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「あっはははははははははは!!!!!」

カンターミネは、高らかに歌う。

「最高だよ、ニコロ!君ってのは、いいや、
 この馬鹿げた法律を作った能無しと、
 それに乗って秘密組織みたいな名乗りをした君は、
 最高だ!こんなに面白い事があるか!?」

もう通信をしていたテディベアは動かない。

「ああ、ああ。残りの情報を与えよう。
 この地域中にばらまかれたテディベアには、
 スピーカーが入っている。俺のお手製のな。
 警察にも、各家庭にも、そこら中に!
 そのスピーカーから今の音声全てが垂れ流しだ!
 悪いな、ニコロ。せめてキミじゃあなければ、
 他の執行部の奴が俺の所に来ていれば、
 この件が終わった後のキミは自由だったろうに」

お喋りな先生は、最後の時だけ、あなたを哀れんだ。

「ああ、俺の声は今頃部下が編集して、
 『誰かもわからぬ男の声』で流してるぞ。
 評判が下がったのはキミだけだ。残念ながらな」
(-89) 2023/09/21(Thu) 1:46:37

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌い、歌わせた カンターミネ

満足そうにする貴方。
その口がまくしたてる言葉を最初こそ聞いていたけれど。
それは、だんだんと怪しい方へと向いていて。

「待て、違う!
別に俺は警察を恨んだりはしてねえよ!
ましてやマフィアとの繋がりなんてある訳がない!」

がしゃん。
およそテディベアからする音ではないそれに目を向けて。
中にあるものに、まさか、と目を見開く。

「おい、このテディベア、まさか。
仕込んでやがったのか…?」

血の気が引くような心地がする。
嫌な予感が心臓の鼓動を早めて、バクバクと五月蠅くなる。
(-90) 2023/09/21(Thu) 1:47:18

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌い、歌わせた カンターミネ

「………はは、なるほどなぁ。
これは、俺はしてやられたって訳だ。」

全てが繋がって。
自分が辿る運命もまた、容易に想像がついた。
乾いた笑いを漏らしながらも、何処か安心していた。

「まあいいさ。それを受けたのが俺で、良かった。
他の奴だったら、永遠にアンタを許さないところだったぜ。」

心臓の音は相変わらず五月蠅いけれど
それでも、自分がそうなるくらいなら、まだ。
まだ、覚悟はある。

「お手柄だよ、先生。
だが、それでもアンタはお縄だ。
俺がしょっ引かれても、逃がしはしねえ。」

狼は嗤った。
責は果たした。その代償が酷く重くなっただけだ。
(-93) 2023/09/21(Thu) 1:51:59

【秘】 法の下に イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

/*
こんばんは。お休みのところ失礼します、バナナマンパナマ湾です。
結論から言いますと墓下拷問秘話の打診に参りました。
キャパシティの問題や暴力の好みの問題、諸々理由やご都合あると思いますので、あまり乗り気ではないなあという場合は遠慮なく断っていただいて大丈夫です。

受けて頂ける場合はイレネオが尋問官として貴方に取り調べを行うことになります。カンターミネさんのことですからこの男が捕まったことはご存知かもしれませんし、捕まった男がなぜか活動できている理由についてもご存知かもしれません。もし秘話に応じて頂けるようでしたら、その部分の情報も開示させていただこうと思います。

ご一考いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。いい村を!
(-107) 2023/09/21(Thu) 2:56:07

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「そりゃ仕込むだろ。俺をなんだと思ってたんだよ、
 クマちゃんが大好きなだけの間抜けか?」

へらへら、この後の処遇が分かっていながらそう返す。

「まあそういうことだ、が。意外だな。
 この場で殴りかかってくるか、じゃなきゃ
 恨み言でも延々言ってくるかと思ったのに。
 思ったよりさっぱりしてるじゃないか。
 大抵の人間は『なんで俺なんだ』とか言い出すと
 思ったけどまさか真逆の事を言い出すとはなあぁ」

いっそのんびりと、手錠を揺らす。

「ああ、まあ、別に逃げる気はないぞ。
 俺はやることをやったしな。キミと同じだよニコロくん。
 これから向かう場所も、多分これからされる事もな。
 だからキミを恨んだりしないし、恨まれても困る。
 この件がいつ片付くかはわからないが……
 片付いた後はメシでも食いに行こうぜ。
 あ、それともこういう事やった後はヤダって感じか?」

相も変わらず、これは殆ど『先生』のまま、犯罪者となる。
放っておけばあなたの逮捕までお喋りが続く。
無論、連行されるなら抵抗はしない。困ったもんだねえ、
なんてのんびり呟いて、牢獄へと向かうだろう。
(-217) 2023/09/21(Thu) 17:19:56

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

/*
おはようございます(夕)。悪魔を着たプラダです。
自ら描写するのに悩んでいた所でした、是非お願い致します!

捕まった事は「あーなんか捕まったらしいなー」くらいの
興味で知っていますが、後者は捕まった奴が尋問するんだ……
やっぱこの警察ダメだな……程度に捉えています。

煽りや軽口、叩きまくりとうございます。
宜しくお願い致します〜!
(-218) 2023/09/21(Thu) 17:22:49

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

/*
快諾ありがとうございます! 尋問をするからには何かを聞き出そうという目的があるはずなのですが、カンターミネさん側でここを目標にしてくれたらロールしやすいかな、という場所はありますか? なければ薬物の仕入先、テディベアの仕掛け先や母数、これまでダメにした人数などを聞こうかなあと思っています。

またこちらから一つ提案がありまして、せっかくならカンターミネさんから押収した薬物をカンターミネさん自身に使いたいなあと思っているんですがどうでしょう。使いすぎて効かないとか、押収されるほど間抜けじゃないとかで難しいかもしれないので確認です。また押収が可能だった場合、その薬物を他者に使うことは可能でしょうか?
(-246) 2023/09/21(Thu) 20:10:28

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

/*
折角だから受けたいですもんね、逮捕後の尋問!
そうですね、そちらで挙げられた点であれば
ファミリーに関わらない限りはむしろ平然と答えるでしょう。
なので尋問としては物足りないかもしれません。
逆にファミリーに関する話は*絶対に*零さないので、
尋問(物理)等する場合はその辺りかなと。

薬物!いいですね。カンターミネは自分に薬物を使う事は
ありませんでしたから、それなりに焦ると思います。
押収自体は……そうですね、ほとんどは片付けられて
いるはずですが、私室のどこかにぽろっと落ちてた、
なんてことはあるかもしれません。

効果としては興奮剤・精力剤・自白剤・睡眠薬など、
人の認識や状態を変化させるものが多いです。
また大半は錠剤タイプで、液体型(アンプルや注射器の類)はあっても1本。

それらはカンターミネ自作の薬物ですので、数は少なく、
効果もまちまちですが、他者に使おうとする事には
とびきり強く抵抗します。誰かに使われるくらいなら
無理矢理にでも自分が全部服薬する事を選ぶでしょう。

勿論、それを無視して他者に使っても構いません。
が、メッチャクチャ恨まれます。刺客、送られます。
自宅や住む場所がバレたらある日帰ったら家の中には
薬物ガスが溢れていました、みたいな事になります。

……と言った具合でつらつら書いてみましたがどうでしょうか……
なんか良い感じに扱えそうならつまんで頂ければと……!
(-254) 2023/09/21(Thu) 20:55:14

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌い、歌わせた カンターミネ

「理不尽を押し付ける側にまわると決めた時から
覚悟は決めてるからな。」

自嘲気味に笑う。
不平不満、非難を浴びる側に立つ事の意味。
自分に降りかかる結末すらも、織り込み済みで。

「それにアンタのことを見くびってた訳でも無い。
ただで抑えられてくれるとも思ってなかった。
だから安心してるよ。俺だけで済んで。」

付き合いがあったからこその覚悟だった。
そして守るべき者を巻き込まずに済んだ安堵が
男を冷静に見せていた。

「アンタこそ、抵抗はしないんだな。」

最後っ屁こそあれど、他に抵抗らしい抵抗をしない。
貴方の方こそ不思議だ、と。
(-255) 2023/09/21(Thu) 21:04:12

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

/*
了解しました! ではせっかくなのでするっと出てくる話も聞いて、そこからファミリーの話に切り込んでいこうかなと思います。よろしくお願いします!

薬物の使用も快諾ありがとうございます。うれしい〜! ずっとしたかったので!
効果と形状についても承知しました。アンプル、一本しかないんですね……悩むな……流れで考えながら一番楽しい道を走って行こうかなあと思います。楽しみですね。何か思いついたらまた打診を挟ませていただくか、地の文で匂わせを挟ませていただきますね。

こちらからの確認事項はひとまず以上です。そちらも問題なければ次レスから、取調室に来るところから始めて頂いて大丈夫です! こちらから始めるのが都合がよければ言っていただければ!
(-262) 2023/09/21(Thu) 21:14:12

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「へえ。まあ、いい覚悟だと思うよ。
 そういやどっかの誰かも似たような事言ってたな、
 男って皆そんななん?」

拷問をする側に立った者が身に受ける恨み。
それに気付かぬ『先生』でもない。

「だって俺、被害増やしたい訳じゃねーもん。
 殴られたら殴り返す、当たり前だろ?それだけ。」

そういって肩を竦めると、また手錠がじゃらりと鳴った。
呈された疑問には相変わらずへらりとした笑み。

「無駄だからな。例えば腕力で俺が勝てると思うか?
 速度?万年徹夜の俺に基礎体力なんてないね。
 殺害?馬鹿馬鹿しい、アホなのはこの法律だけで充分。
 俺は俺の為に、最も刑が軽くなる道を選んだだけだ。
 仕事は済ませた、後はお休み。だろ?
 アホ署長代理がさっさと誰かにブン殴られるのを
 牢屋の中でグーグー寝ながら待つとするさ」
(-263) 2023/09/21(Thu) 21:18:07

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

/*
わーい!プロの(?)尋問楽しませて頂きます〜、よろしくお願いします!

ほんとは沢山あったけど今回の件を察知していたので、
それに際して隠したor処分した感じだと思います。
錠剤3〜4錠、アンプル1本あれば多い方かな〜?
効果の程は先に挙げた物からお好きにお選びくださいませ。
ラベル等は貼ってないのでカンターミネに聞くか、
まあ投与すれば効果出るのでわかるみたいな感じで……。
なお全部カンターミネが服用した場合、
最終的にはオーバードーズで血を吹いて気絶するかと思います。
後遺症の類は……長期的な物はないと喜ばしい、くらいでしょうか。
一時的な症状ならなんでもござれと言った所です、よろしくお願いします。

あっじゃあ折角だからお呼び出しくらった感じで
そちらから開始して頂けると……!
そこまでの扱いに関してもお任せします〜
(乱暴にとか、普通にとか、逆に丁寧に等……)
(-265) 2023/09/21(Thu) 21:25:18

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌い、歌わせた カンターミネ

「知らねえよ。
見栄っ張りで意固地なとこはそうかもしれねえけどさ。」

男がみんなそうかと言われれば肩をすくめる。
ある程度はそうかもしれないし、そうでないかも。

「なるほどな。アンタらしいや。
俺は先生のこと、恨んだりしねえよ。
アンタは殴られたから殴り返しただけなんだから。
俺の方が恨まれると思ってたくらいだぜ。」

息を吐いて。
けれどこれで終わった訳じゃない。

「こんな法律、長くは続かないさ。
戦おうとしている奴もいる。
市民の反発なんて言わずもがなだ。」

「さっきの話。
もしお互い無事だったら、その時は付き合うよ。」

貴方だったからこそ、だろう。そう言えたのは。
そうして貴方を、警察署まで連行する事となる。
とはいっても…きっと、途中で貴方と別れて
この男もまた、同じ場所へと連行されることになるのだ。

貴方の、友人の手で――
(-270) 2023/09/21(Thu) 22:13:57

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ

「ああ、なるほど。やっぱ似たような事言ってるわ。
 傷の自慢したがり、だったかな向こうは……」

きっと、やはりどこかで似ているのだろう。
それはある種の、『筋』の通し方なのだ。たぶん。

「生憎、恨むほど――まあいいや」

長々と話す事でもあるまい。
互いに恨まず、互いに憎まず。
終わったらメシでも食いに行こう、それでいい。

「よし、んじゃさっさとこのトンチキな騒ぎが
 収まる事でも祈っておくとしようぜ。
 ……あ、お代はそっち持ちな!」

カンターミネは、最初から誰も信じていない。
それゆえに、カンターミネは誰の事も恨みはしない。
たったひとつ――
『ダニエラに手を出す』というタブーさえ、侵さない限り。

故に、手錠で繋がれたその手を、別れ際のあなたに振った。
何を奢るか考えておけよー、そんな風に投げかけて。
(-274) 2023/09/21(Thu) 22:25:11
カンターミネは、手を振る。手錠の鎖が音を立てた。
(c13) 2023/09/21(Thu) 22:26:48

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

尋問にかけられるという話は逮捕当初に聞いていたはずだった。半ば脅しめいたその言葉を貴方がどう受け取ったかは分からない。テンプレ的でつまらないと思ったか、僅かでも焦りを感じただろうか。
呼び出しまでの期間のことだって、貴方はどう感じたのだろう。案外長いと感じたかもしれないし、短かったかもしれない。
実際のところ、貴方に呼び出しがあったのは、共に捕まった数人よりも後のことだった。

「カンターミネ・ヴォーフル、『取調べ・・・』の時間だ」

二人の警官が貴方を引き立てる。一応の気遣いか、それ以外の理由か、どちらも女だ。
ここは警察署内。例の法への反発もある中で、被疑者を目に見えて乱暴に扱うのはまずい。そういう気遣いがあってか、貴方を連れる動作はそう強引ではなかった。
取調べ室に入るまでは。

(-366) 2023/09/22(Fri) 14:39:06

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

開いた扉の中にいたのは男である。
手に持った資料に粛々と目を通していた男は、その音で顔を上げた。

「お疲れ様。」

声をかける先は貴方ではなく、警官たち。
彼女らは溜息をついて貴方の尻を蹴飛ばした。もう触りたくもないという風に。
さて、貴方はそれでよろめいただけかもしれないし、転んでしまったかもしれない。
どちらにせよ男は気にかける様子を見せず、「座れ。」と言うだけ。
(-367) 2023/09/22(Fri) 14:39:21

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 法の下に イレネオ

牢に入ってからというもの、それはそれは退屈な時間だった。
何せ普段は休まる時が殆どない訳で、
その全てを情報の摂取に使う女はそれら全てがない
牢獄の中でやる事もなく、ただ惰眠を貪る一方であった。
故に、尋問の引き立てが来た時も欠伸混じりで。

「あぁ〜あ。……取り調べ、ね」

はいはい、と素直に応じ、道中でも大人しく、静かに。
抵抗した所で無意味だし、この手の連中が
まとも・・・だった試しがない。

そうして取り調べ室に入った途端の行動を
鼻で笑いながら、「ほらな」と内心で呟いた。

となると、それを平然と見ているこの男もまた、
まともではない。よろめきから立ち直ると肩を竦め、
用意された席に大人しく座るだろう。

「……あいつら可視化法って知らないのか?っていうか
 あんた逮捕された側だろ?よく尋問する側になれたな」

へら、と笑いながらまずは出方を見る。
さて返る反応はどんなものか。
(-383) 2023/09/22(Fri) 16:32:14

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

マフィアお前たちには適応されない。」

事もなげに言う。
それはつまり、貴方は例外であって、
この一室はある種治外法権的な空間であるということを示していた。
言いながら、男はさっと壁の方に視線を走らせた。それが本当に機能していないか、疑って確かめるような視線だった。


「そうだな。毎日毎日頭の湧いた悪人の相手をするのは気が滅入る。」
「お前もさっさと吐いてくれると助かるよ。」
「そうだな、まずは例のテディベアについて。仕掛け先と総数、利用目的から利用した内容、データの所在まで。全てだ。」

貴方からの問いにはずれた答えを返して、こちらの聞きたいことばかりを押し付ける。
まるで自分の立場が絶対的に上であるというように、自分の手に裁きの天秤があるのだというかのように、男はつらつらと言葉を続けた。
(-402) 2023/09/22(Fri) 18:41:49

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 法の下に イレネオ

「ヒューッ。世も末だな。真っ先に捕まったクセに?
 自分は正義だって信じて止まないツラだな。
 ……その癖『パパ』からの視線は怖いか?
 言いつけを守れてるかビクビクするガキみてえだ」

情報を食う女は、視線を食い、その結果を歌う。

「ああ、俺も同じ気分だ。一日だってごめんだね」
「だから頭の湧いた正義面した犯罪者相手でも、
 素直に答えてやるからよく聞けよ」
「仕掛け先はそこら中。総数は渡し過ぎて忘れた。50か60か。
 利用目的は大体プレゼント。内容はお喋りクマちゃん。
 データの所在?録音した音声ならテディベアの中だ、以上」

まともに答えないなら、こちらも同じ。
情報屋は対価なき情報取引に精度を保証しない。

実際、『子機』のテディベアにはお喋りの機構がついている。
事前に録音された音声を小型のスピーカーから再生する。
それとはまた別に、『親機』から遠隔でデータを受け取り、
それを出力する機構もついていたが、
残念ながら子機から親機は辿れないようになっていた。
(-405) 2023/09/22(Fri) 19:02:28

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

その歌声は男にとって酷く耳障りだ。

「余計な口を開くな。」
「それとも怯えているのか? 追い詰められた鼠はよく鳴くらしい。」

一睨み。
それで黙ってくれるほど、貴方は優しくないだろうが。

それきり再び、視線は紙面に落とされた。

「データの受送信の機能がある。」
「大元の親機があるだろう。どこへやった。」

それくらいは警察の方でも解析できる。
やはり目を向けないままに問い詰める。

「俺は全て吐けと言ったんだ。」
「お前には薬物についても聴取の必要がある。」
ほか・・より手間がかかるんだ。さっさと話せ。」

とんとんとん。ペン先が紙面を叩いている。
苛立っている仕草だった。
この男は、マフィアが嫌いだ。
それでも────何か、貴方のことは特に気に食わないらしかった。どの発言が気に触ったのだかわからないけれど。
(-474) 2023/09/22(Fri) 23:52:25

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 法の下に イレネオ

「おお、そうだな。おっかなくて震えあがるね。
 天下の警察サマで犯罪者がデカい顔してるから」

睨まれるとおお、こえ〜。そんな風に声をあげた。

「へぇ、そんな機能が?そりゃ知らなかったな。
 機械音痴なもんでね。中に入れたのも
 適当な店で買ったレコーダーだし。
 最近あるだろ?『ハッキング』って奴?」

けろりと吐いて・・・みせる。
何を、とは指定していないのが悪いとでも言うように。

「ははあ。そりゃ大変だね。簡単にストレス溜めて、
 苦労が絶えないな。薬物?そりゃ調剤免許もあるしなあぁ。
 おっと、だからってその辺の子供に配ったりはしないぜ。
 これで『先生』なんて呼ばれてるくらいだからな、ハハハ。
 俺がこうやってさっさと話す、協力的な奴でよかったろ?」

変わらず、にやけ顔で形式上は質問に答える。
実際調剤免許も捜査の一環で発見されるだろう。
これに関しては本物だ。何故取得したかと聞けば
『趣味で』程度の答えしか返ってこないだろうが。
そうして苛立つその仕草を見て、一度息を吐くと口を開いた。

「手を煩わせる気はなかったがね。
 入るなりケツを蹴り、法の下に平等って言葉を忘れ、
 『パパ』の盾を使ってデカい顔してるような奴に
 素直に従えってのが無理筋だと思わねえ?
 逆の立場ならすらすら喋るか、あんた?」
(-485) 2023/09/23(Sat) 0:34:40

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い、歌わせた カンターミネ

革靴の底が鳴る。こつ、こつ。
牢獄を繋ぐ通路。…目当ての場所まで、真っ直ぐに。

「…ミネ」

とある牢獄の手前で立ち止まった女は、底に収容されたあなたへ声をかける。
今は、眼鏡を外していた。
不安げで悲しげな面持ちが、そうっと檻の中を覗く。
(-492) 2023/09/23(Sat) 0:56:11

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

カンターミネは、通路に背を向けて横たわっていた。
どこかぐったりとして見えたが、
足音が牢の前で止まり、そこに声がかかれば
のっそりと転がってあなたの方を向いた。

「……わお、エ……エーコじゃん。元気そう……でもないな。
 いやー捕まっちゃったぜ、酷くない?
 俺別にそんな悪い事してないってのになあぁ」

へらりとした声。いつもと変わらない声。

眼鏡を外しているなら、顔に浮かぶ憔悴の跡に気付くのは難しいだろうか。
その分、いつもと変わらないように聞こえる声の奥に
ほんのりと我慢の色が見えるかもしれない。
(-496) 2023/09/23(Sat) 1:12:23

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

「自分のことか? 立場をよく分かっているじゃないか。」

わざとらしく嘲って笑う。
とんとんとんとん。紙面を叩く速度は段々上がる。
実のところ、この男は普段こんな風には話さない。
悪人と話すことなどないというように冷ややかな面差しを向けているのが男の常だ。
貴方の言葉のどこかがこの男の心情を逆立てている。貴方のペースに巻かれている。


「そうか。直ぐに辞表を出した方がいい。」
「『協力的』の意味も正しく知らないんじゃ役不足だろう。それに」
「お前は存在自体・・・・が教育に悪い。子どもたちが可哀想だ。」

とんとんとんとん。
とんとんとんとん。
渋面とにやけ面が向き合っている。
紙面を叩く速度は徐々に上がっている。

お前たちマフィアには適応されない。」
「法による権利も庇護もお前たちに与えられるべきではない。」
「それを享受していいのは法を守っている人間だけだ。」
「抜け道ばかり探しておいて利用しようなどと」
「都合が良すぎると思わないのか?」

とんとんとんとんとん。
とんとんとんとんとん。
問いには答えない。
答える義理はない。
(-504) 2023/09/23(Sat) 1:46:03

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

「ん?ああそうか、自分の事は省みれないタイプ?
 そりゃそうでもなければ厚顔無恥すぎて尋問なんか
 出来るわけないもんな、あっはっは」

普段のあなたを知らない女は、歌う。

「人のふり見て我がふり直せって言葉が極東にある。
 あんたの辞書には書いてなさそうだな?
 じゃなきゃやっぱ鏡は見たくないタイプか。」
「へえ。その可哀想な子供達が頼りにしてるのが
 『正義のおまわりさん』じゃない方が
 よっぽど可哀想だと思わないか?あ、悪い。
 自称・・正義にはわかんないよな」

歌う、歌う。叩く音はメトロノームの如く。
言葉の切れ味はスタッカートで。歌う、歌う。

「おや?また同じ言葉。録音機を相手にしてたか?」
「爆笑モノだな。大体の奴は2回言えば理解できるが、
 あんたには3回目が必要らしいや。」
「鏡を、見ろよ、犯罪者くん。
 法も守れず、人も守れず、苛々だけため込んで、
 次はなんだ?物にあたる?それとも人にあたるか?」
「なあ?抜け道を通ってそこに座ってる奴がさあぁ」
「"都合が良すぎると思わないのか?"」

これは、鏡のふりをしてみせる。
お前は俺だ。或いは、お前の方が醜いと、歌う、歌う、歌う。
(-508) 2023/09/23(Sat) 2:05:22
カンターミネは、歌う、歌う、歌う。
(c23) 2023/09/23(Sat) 2:38:49

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

「どうせお前が唆したんだろう。」

決めつけだ。

「お前たちの十八番。口八丁で無知な子どもを誑かす。」

偏見だ。

「二回で理解出来ないのはお前の方だろう。」
「俺が法を守らないんじゃない。法はマフィアお前たちを守らない。」
「────、」



激しい音を立てて男が椅子から立ち上がったのと、
取調室の扉が叩かれたのは同時だった。

立ち上がった男はびたりと動きを止め舌打ちをする。そうして長い息を吐いてから返事をすれば、一人の警官が入ってくるだろう。
彼は何かを手に持っていた。そうして貴方の方を伺いつつ手短に男と言葉を交わし、それを渡して、また出て行った。

さて。
再び室内には静寂が訪れる。しかし状況には変化があった。
男が手の中で弄ぶそのケース、或いは瓶を、貴方は見たことがあるはずだ。
(-521) 2023/09/23(Sat) 3:00:33

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

「クハッ!ハハ、ハハハッ!
 質問には答えません、相手の事はきちんと見ません、
 自分と向き合う事も出来ません、
 権力を振りかざす事しか出来ませんか!
 いいねえ、『パパ』そっくりになってきたな?
 あー笑える。ひとつ予言してやるよ、その内お前、
 ママにも署長代理パパにも見放されるぜ!」

見てみろよ、あいつの動き。
今ノックが聞こえる前、なにをしようとした?
所詮、法を守るとか言ってる正義面でもこの程度だ。
警察なんて肩書も、紙屑以下の嘘っぱちだ。
裏で嘘を吐き、人を嘲り、笑い、貶める。
そうとも、誰も彼も信じるに値しない。


「――その程度なんだよ、お前の正義も、法も。」

へらついた笑みを張り付かせたまま、口を開く。
……正直言って、あまり見たくない物が見えているが。
それをわざわざ態度に出してやる程、
こいつに優しくする理由はない。
(-523) 2023/09/23(Sat) 3:15:53

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

新しい玩具を手に入れた赤子のようだ。
まるで不思議そうな顔で手の中のものを見る顔はそういうものによく似ている。
それ以外への興味が抜け落ちたような、奇妙に冴えて一途な表情。
警官から何かを受け取った男はそういう顔をしていた。そういう顔をしているだけの、やはり苛烈な男だった。

へらりと笑う貴方が言葉を切る。
それとまた、ほとんど同時に。

ガシャン!


先程より大きな音が部屋に響いて、貴方はそのまま後ろに吹っ飛ばされることになるだろう。
顔面に強い衝撃。
椅子ごとひっくり返り、頭を強かに打ち、手錠で戒められた腕では身体を庇えもせず転がったはず。目の前の男がテーブルをひっくり返したのだと気づいたのはどのタイミングだろうか。
どうあれきっと全身が痺れたように痛むはずだ。打ち付けた頭も方向感覚を失うだろう。それでも貴方は立ち上がろうとしたかもしれない。それくらいは出来たかもしれないが。

仕掛けた側の方が状況の理解は早いものだ。
貴方が起き上がる前に、この男は貴方の左肩を踏みつけている。
(-528) 2023/09/23(Sat) 3:41:34

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

……ああ、マズったな。処分が甘かったな。
そう考えた時には、ぐぶ、なんて湿った音が鼻奥から響く。
脳の天辺なのか、後ろか、ともかく痺れの波が
寄せては返し、きいんと耳鳴りが続く。

頭の奥では冷静に、やっぱりこうだよな、と笑う。
表情にもまた、笑みは張り付いたまま。
呂律が回らない事は口を開くまでもない、
いやそもそも口を無思慮に開けたら不味い・・・
せめてどれかひとつでも砕ければ、そんな考えの元
身体を起こ――せない。二度、三度と試して、
やっと左肩を踏まれている事に気付いた。

女の扱いも知らないのかよ。声もないまま、
赤く揺れる視界に映る、鬱陶しい顔に毒づいた。
(-529) 2023/09/23(Sat) 4:03:08
カンターミネは、歌うのをやめさせられた。
(c24) 2023/09/23(Sat) 4:05:35

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い、歌わせた カンターミネ

乱視の視界に鮮やかに灯るライムグリーン。
女には
受け止める
意気地がなかった。
…そんなあなたの様子や顔色をだ。

「…」

いつも通り、――ううん、ちょっと違う。
ただそれだけなのに胸が痛い。
そうっと手を持ち上げる格子に触れて。
指先には、ぞくりとするほどの冷たさだけが残った。

「…あはー。そおだよねえ。」
「ミネはちょおっと、盗聴とかそゆことしてただけでえ。」

…頬を緩めて、へにゃりと笑う。
この特技はきっと、こんな時にこそ役立てるべきものだった。
それにしても発言は身内贔屓が過ぎるが。

「……あたしは。」
「だいじょおぶ、元気だよお。」

えへへと笑って、左手を翳す。
少し傷が入ってしまっても剥がさずにいるこの小指のネイルは、あの日あなたに塗ってもらったものだ。
…だから、大丈夫。ダニエラ・エーコは、まだ頑張れる。
(-531) 2023/09/23(Sat) 4:45:17

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

わかってる。だって『エリー』は優しいから。『エーコ』は聞き分けがいいように見せているから。
鼻血の跡、きちんと拭けてるよな。よだれ、垂れてないよな。


「そうそう、ちょっとだけってオーイ。しーてーまーせーん。
 俺のテディに変な仕掛けがされてただけですぅー。」

ふざけるように笑いながらも、近づかない。
普段なら絶対に駆け寄って、その手を握るのに。
悪い。今はふらついて真っ直ぐ立てないからさ。


「そりゃあ、……元気ならよかった。おまわりさんも
 日々激務だろうけどさ、ここからのんびり応援してるよ」

そう言って寝転がったまま、片手を上げる。
この仕事のない場所をそれなりに満喫しているらしい。
お前だけは同じ場所に入らないでくれよ。


そして、少しの沈黙があって。ふと、思い出したかのように。

「あそうだ。今度あいつ、あのーあれ。ほらあいつ、
 花屋で『マリーゴールド』をよく買ってた奴。
 あいつにもし会う事があったらさ」

あなたの指を見る。フレームの歪んだ眼鏡だと、
少し見え辛いけど、きっと約束の花はそこにあるから。

「……無理すんなって、伝えといてくれない?
 あいつ、すーぐなんでも我慢しちゃうだろ〜?」

へにゃりと、ブレてても見えるように大きく笑った。
(-532) 2023/09/23(Sat) 5:08:19

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い、歌わせた カンターミネ

守りたいものが、あった。ひとつ、ふたつ。…ふたつとも、こぼれ落ちて行く。
守ることができなかった、その想いだけで枷なのに。
そのふたつの現在いまを知ると今度こそ先に進めなくなってしまう。


「…ふふっ。」

何がおかしいのか、あなたの様子を見た女は笑う。

「…大丈夫だよお、ミネ」
「カメラとか、全部、弄ってきたからあ」

びっくりしたあ?なんて女は悪戯に笑った。
元から女は警察に忍び込む内通者。これくらいなら、易くあり。
…更に言えば、上層部が検挙されたこの署内を好きにするのは、日頃より少し、更に易かった。

「…あんまり長くは保たないけど、でも」
「話したいことが、あったのお。」

とはいえリスクは多分にある。
毎度面会でこんなことはしていられない。
…リスクをとる必要があったのだ。だから、今こうなっている。

「その、お兄さんのこと、なんだけどお。」
「…ううん、あんまし長く話す時間もないしい、要件だけ、言うねえ。」

指先が上がる。5本。時計を見ながら、1本減った。
時間の猶予は、それだけだ。

「ミネのモーテルに、まだ仕事道具が残ってるなら」
「場所と使い方、教えて欲しいんだあ」
(-542) 2023/09/23(Sat) 6:58:20

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

「……。あーもうほんとびっくりした。
 俺のお姫様はおてんばな事で……
 いっそ王子様って呼んだ方がいいかもしれん……」

いや、その座は譲る気ないけど、とも思うが。
ともかく、軽口を叩くほどの時間はなさそうだから。
『お兄さん』の事も気になりはするけれど。

「……おいおい、あそこに踏み込まれたんだぜ?危ない……」

そこまで言って、かぶりを振る。この子は、子供じゃない。
隣に立つ相手。唯一、信を置くその人だから。息を吸い込む。
(-593) 2023/09/23(Sat) 11:38:38

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

「……連中も色々探ったろうが無茶は出来ないと思う手間のかかる大型の備品は運び出してないはずだベッドまだ買い替えてなくてよかったよ『あのベッド』のマットレスを外してスプリングの中から緑色の部品を全部抜いてくれそしたら頭側にある収納に幾らか道具が落ちるからそれを組み立てて使ってくれ番号のシールが貼ってある」

一息に伝える。それが、あなたに渡せる唯一の仕事道具。
誰も信用していないカンターミネが、
万が一、億が一に備えて用意した最後の"武器"だ。

「フェイクの部品も入ってるから、番号を間違えるなよ。
 正しい組み合わせはフィボナッチ数列の順だからな。
 起動すれば後は5番の部品を捻って、
 チャンネルを合わせればいい。
 34番と、55番がそれぞれ送信機と受信機。
 13番が録音機だ。全部本体のスイッチ一つで起動する」

なるべく簡素に、必要な情報は確実に渡す。
後は、あなたに全てを任せて、女は息を吐く。

「……もし、万一……本当に万一、エリーが捕まったら。
 全部俺が指示したって言ってくれ。俺に脅されてたって。
 昔馴染なのを利用して、無理矢理やらされたって」

実際、それに近しい事をするんだから。
自分の道具を渡して危険な橋を渡らせるんだから。
これくらいのリスクは、せめて背負わせてほしかった。
(-596) 2023/09/23(Sat) 11:39:55

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い、歌わせた カンターミネ

「やあだ、王子様はあ、ミネだもん


そう口を尖らせたのも一瞬のこと。
すぐに和やかににこりと笑った。

ありがとう。信じてくれて。
その言葉だって本当は嬉しいんだ。
でもただ守られるだけのお姫様では、やっぱりいたくなんてなかった。


立てた指が曲がる。1本、2本。
その間あなたの言葉を1字1句忘れることなく聞いた女は、密やかな吐息をまたひとつ落とした。

「…うん。ありがとお、ミネ。」
「でもお、あたしは優秀だからあ。そんなことにはならないよお。」
「…ふふ。見ててよねえ。」

そう嘯いたのだって、もしかしたら強がりかもしれない。
それだってあなたにはわかるはず。だって女は、笑っていたわけだし。

「『マリーゴールド』の子にも、伝えときまあす。」

けれどからかうように、あなたのお転婆姫はいう。
茶化して笑って、ゆるりと変わらないあのモーテルでのことみたいに。

指が、あと1本。
反対の指先を冷たい格子に滑らせて、その向こうに薄い微笑みを向ける。
…本当に、あっという間なのだ。最後の指も、次第に折られるだろう。
(-600) 2023/09/23(Sat) 12:12:36

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

長身が室内の光源を遮った。
逆光のせいで男の表情はよく見えないかもしれない。
概ね無表情のようなそれと、やはりにやけ面の女が向かい合っている。

貴方は解っているだろう。男がこれから何をしたいか。
男もまた解っている。貴方が解っているということを。
ここからは根比べだ。けれどそれも、貴方に分が悪い。
人は痛みに耐えられる。
痛みになら耐えられる。
大抵は、絶叫を対価に。

薄暗い顔の中で金色の瞳だけが光っていた。

裸足ならまだしも、靴を履いた状態で人体を​────しかも腹や胸ならともかく肩を踏みつけるというのは難しい。肉の薄い部位では骨と関節で作られた凹凸が目立つし、靴底の形はそれに添うものではないからだ。

ぐ。
ぐい。ぐり。

だから自然、強く力を込める必要が生じる。
硬いラバーが肌に食込むだろう。骨と皮膚の間で押しつぶされる神経が悲鳴をあげるだろうか。
(-603) 2023/09/23(Sat) 12:36:07

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

説明が終わって、お願いも終わって。
指折り、時間の流れを見ながら、
ため息とともに笑みがこぼれる。

「見てるさ。一番近くでな。
 しっかり伝えといてくれよ」

きっと、そう遠くない内に朝が来る。
真っ暗な内はライムグリーンの方が目立つけど、
明るさを交えた頃にはミントブルーが輝き出す。

「……なあ、残りの時間の間、目ぇ瞑ってくれる?」

言って、立ち上がる。ふらつきながら。
一度、二度とたたらを踏み、二度目には壁にぶつかりながら、
あなたの方へ。最後の1本が折られてしまう前に。

「後は頼んだ、エリー。いってらっしゃい」

あの夜と同じように、送り出す。
今はネイルを塗り直す事は出来ないから。
ふらつく姿は見せたくないから、
片膝をついて、少し背伸びして。

格子にかかる指先に、ほんの一瞬のくちづけを。
あとは、指が折れるだろうから、また床に転がった。
(-604) 2023/09/23(Sat) 12:36:34

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い、歌わせた カンターミネ

笑んで頷き。
続いた言葉に、一瞬だけきょとん。
あなた相手に身構える必要はないけれど、多分このときの女は他の人に同じことを言われると警戒の色を見せていた。


「…いいよお。なあにい?」

そうして目を瞑ってのしばしの時間。
ゆっくりとあなたが近付く気配がして、…少しして、指先に湿ったやわらかな感触。
それだけでぎゅうと胸が潰されるくらい痛くって、手が届く距離にいるはずのあなたに今すぐ触れたいってそんな我儘が過ぎっていく。

だけど、女はそうはせずしっかりと目を閉じたまま。

指を折るまでの時間は心の中で正確に数えた。
最後の指まで折り曲げた後、目を開いた女は恥じらうようにはにかみ笑っていた。

「…ミネ」
「早くこんなとこ、出られるといいねえ。」
「ミネはなあんにも、悪いことしてないんだからあ」

カメラに載せられるぎりぎりの本音に虚言を添えて。
…ただでさえ小細工もした今日はあんまり長居ができないから、それを別れの挨拶みたいにこつこつ靴音を立てて立ち去っていくんだろう。
(-613) 2023/09/23(Sat) 13:34:53

【秘】 いつもあなたの傍に居るから カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

「ふふん」
「なーに、きっとすぐ出られるさ」
「なんせ今日の俺は運が良いからな、
 わざわざ面会に来てくれる奴がいるくらいだから」

いつものように、笑い、歌う。そして手を振る。
くた、と脱力しながら、心中で笑う。
何言ってんだか。俺はもうとっくに出てるよ、お姫様。
だって――。

そうして、また、眠りに落ちる。
床の冷たさが、心地良かった。
(-616) 2023/09/23(Sat) 13:40:57

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

「ぎ」

真っ先に出た音は、それだった。
或いは、揺さぶられた脳と、やられるままでたまるかという、
微かな意地が見せた歯を食いしばる抵抗の音だった。
ことここに至って、女の口元は未だ形だけは笑んでいた。

それでも、例えこの女がマフィアであったとしても、
手足のように扱う機械ではないから。
鼻の奥から流れ込む血が喉に落ちていき、
踏み躙られる肩からの悲鳴はそのまま口から出ようとする。

女は拷問も担当していたから、今何をされたら不味いか、
手に取るようにわかっていた。だから、靴底から
"緩急"が与えられた瞬間があったなら、
「あ、終わった」と。そう思う事だろう。
それでも、ほんの僅か。

「ぐ、あ、ぎぃ、ああ……」

その程度で済ませたのは、きっと意地と張り合いのおかげで。
しかし同時に"その程度"こそが、分の悪い根競べの敗北を、

即ち、天秤の傾きを意味していた。
(-621) 2023/09/23(Sat) 13:58:38

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

引き絞れるような声が耳に届けば、男は口の端を軽く歪めた。
やはり不快そうだった。不愉快そうだった。
つまらなそうだった。


とはいえ、これは仕事・・だ。
快不快で判断して辞めていいものではない。

貴方の口が僅かも開いたなら。
男はその隙を見逃さなかった。

錠剤をひとつ。
手のひらで覆うようにして放り込む。こうすれば貴方はもう逃げられない。
口の中に入りさえすればこっちのものなのだ。飲み込まずとも溶け切るまでこのまま待つだけのこと。傾いた天秤は一層男に利する。
どうあれ長い根比べが始まるのは明白だった。

男は、貴方の口に入った薬の効果を知らない。
途中で一緒くたにされてしまった錠剤の見分けを知らない。
ただ、先程の警官の言葉によれば。
この場にあるのは
興奮剤
自白剤
の二種類で、
貴方が感じた効果によると​────それは興奮剤の方だ。
(-626) 2023/09/23(Sat) 14:29:10

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

その表情に「煽り所」を見つけはしたものの。
口元を覆う手のひらが相手では、声もほとんど出せず。
どうせ一度開いたならもう変わらないから
喚きでもしてやろうかと思ったのに。

現状を考えれば。男が肩を踏み砕くような姿勢でなければ、
女に覆いかぶさって口を塞ぐ男という図式は、
強姦魔に等しいもので。或いはそこを突けば、多少なれど
男の動揺か、怒りか、その辺りを引き出せるかもしれないが。
今は煽りより、「何」を入れられたかだ。

普通は、薬は目で確認するのだから、色と形で薬を判断する。
だが手のひらに覆われた状態ではそれを判別は出来ず。
しかしケースに入っていたのだから、数種類までは絞れる。
処分しそこなったものなら、数世代前の物か。
味は知らん、飲んだことなど一度もないから。
どれにしろ、致死の薬はなかった。ならば――。


カンターミネは、考えをシフトした。
即ち、いずれ朽ちる『正義』と遊んでやる、と。だから、

ぴちゃり。


嫌がらせの念を多分に込めて、手のひらをぬるりと舐めた。
目元にまた、張り付かせる。痛みを越えて、にやついた顔。
目尻を下げて、掌の向こうで口角をあげる。
もごご、と口の中で僅かに溶けた錠剤と共になすりつける。
『雑魚が』。たった3文字、ただの笑み。
即効性のある薬なのか。痛みは少しずつ、和らぐ。
分泌されたアドレナリンが、恐れを削いで笑みを返した。
(-635) 2023/09/23(Sat) 15:14:51

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

手のひらに濡れた感触。
それを感じた男は、反射的に貴方の頬をその手で・・・・打った。
まったく拷問官にあるまじき態度。口に物を入れさせておいて、あまつさえ吐き出させかねない真似をする。
男がこういった行為に慣れていないのは明白だ。そもそも感情的すぎる、筋道だってそう整えられていない。


そうしたとて貴方は笑っているのだろう。
優位を取ったと思っていた男は、再び鋭い舌打ちを。不機嫌そうに視線を一度逸らせば、唾液と共に吐き出された薬が目に入るだろうか。
(-640) 2023/09/23(Sat) 15:49:44

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

プッ、とそれは男の平手と同じく反射だったに違いない。
吹き、転がった錠剤に首が向き、きっと眼鏡も飛んでいる。
しかして目だけは男に戻る。途端、破裂したように笑った。

「アッハッハッハッハッハ!!!クク、フ、フフッ、は、話にならない!平手!?抑えてた手でか!?そ、それで、薬を吐き出させた!?自分で!!?ばーーーーーーっかじゃねえの!?」

舌打ちに、視線の逸らしに。また笑い、歌う。
肩の痛みなんてもう気にならない。
だってこいつは「失敗」したから。

「尋問だのをする時に必須の事を教えてやるよ。相手の前でイラつかない事。ミスしない事。それでムキになって暴力を振るわない事。お前はひとつも出来てないな?ん?しかも使った薬は相手がご用意したって?そ、それを吐き出させ……ふっ、フフッ、一生笑えるぜ、『へたくそ』。その様子じゃおまわりさんとしても碌な仕事は出来てなさそうだな?錆びきった前時代の正義モドキを抱いて、まともに相手からの情報も引き出せない、パパの庇護がなけりゃ尋問のおぜん立ても出来ない、出来るのは乱暴な真似とイライラしぐさか?一生一人でシコシコやってろ、自分の牢屋ン中でな」

捲し立てる。もう怖くない。痛いだけ。
尋問相手に失敗した人間は、どうやったってもう、
道化か下っ端のチンピラ以外になれはしない。
朦朧としていたはずの瞳に強い光と、
歪んでいたはずの顔ににやけた笑みが帰ってきた以上、
きっとまとも・・・な方法ではもう何も出ないだろう。

諦めて捨てるか、或いは――ケースの中にあった、
他の薬を試すか?申し訳程度に、あなたの脳に
そんな選択肢が示されるだろうか。
(-643) 2023/09/23(Sat) 16:08:19

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

踏みつけた肩。前のめりになる身体。それだけ近づく顔。
逆光だろうと薄暗かろうとよく見えるはずだ。男の表情が歪む。歪む。歪む。
それは怒りであって、それは憎しみであって、それは嫌悪であって、それは恨みであって、それは蔑みであって、それは侮りだった。

貴方が囀る。
歌う。歌う。歌う。

それが。
やっぱり男には、酷く不快だった。
聞くに堪えない。だから、

(-649) 2023/09/23(Sat) 16:45:17

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

ぐぶ。


靴先が沈んだのはその腹だ。
不安定な肩から足を退け立ち上がった男は、見下ろす形で貴方の腹を蹴りつけた。
女の腹、肉の薄さは別にしてはらわたの柔らかさのある腹。特有の臓器を内包する身体の部位。
男の足は大きい。時々はみぞおちに衝撃が入ったかもしれない。一度。
二度。もう一度。



尋問でもなければ拷問ですらないただの暴力を貴方に加えている。
いくらアドレナリンが効いていたって衝撃をすべて緩和できるわけではない。貴方はうめき声をあげただろう。時々は小さく悲鳴をあげたかもしれない。胃の中のものが出たかもしれないし、呼吸が乱れたかもしれない。それとも、その全てをやりすごす術を知っているというなら話は別だけれど。

どうあれ貴方は、少しは大人しくなるはずで。
そうなれば再び、男はその身体に馬乗りになるのだ。

床に散った唾液に浮かぶ錠剤を拾い上げ、
貴方の舌に塗り込もうとする────無意味な嫌がらせ。
(-650) 2023/09/23(Sat) 16:46:01

【秘】 笑う カンターミネ → 幕の中で イレネオ

肩が軋む。笑う。歌う。男の顔が歪む。笑う。歌う。
男が靴を持ち上げる。笑う。歌う。靴先が叩きこまれる。流石に、笑いと歌は止まった。

「ご……はッあ、」

一度、喉に落ちて来ていた血が吐き出され床を汚す。
押し出される呼気と共に鼻に蟠っていた鼻血が噴き出た。

「ひゅ、がぶふッ」

二度、逃げた空気を取り戻す為に身体が反射的に息を吸う。
そこにもう一度突きこまれれば自然、内から外へと、
外から内への空気同士の衝突で胸が苦しくなった。
それでもまだ歌おうと、口を開きかけた所で、

「おま゛ェっ、げぽ、ぉぇ」

もう一度。女は身体を鍛えている訳でもない。むしろどちらかと言えば華奢な方だった。
故に、その単純な暴力は酷く突き刺さる。もっとも、精神を屈服させるには遅いのだが。

何度も咳き込む。その度、汗と涙と鼻水、それから唾液に、
胃液。覗き込まない限りはわからないが、少しの愛液も。
いくつもの体液が女から吐き出された。
馬乗りになった頃には、顔の付近に混ざり物の汚水池。
かひゅ、と薄い息を繰り返す女の舌に錠剤を押し付ければ、
それを見逃す訳もなく。すぼめた口から
べッ、とあなたに向けて唾を吐く。顔に届くか?わからない。
意味があるか?ない。無意味な行動にはお似合いだろ?

女はまた、鏡のようにあなたの無様を映す。また、笑う。
(-653) 2023/09/23(Sat) 17:08:40
カンターミネは、『お前じゃ無理だ』と笑う。吐いて、汚れて、まだ笑う。
(c28) 2023/09/23(Sat) 17:18:04

【秘】 幕の中で イレネオ → 笑う カンターミネ

大抵の場合、力を手に入れた者は傲慢になる。
それが公に認められた物なら尚更。是非を問うものもいるが、どうあれ新法は認められこの国で力を持った。
警察とマフィアの力関係を完全に傾かせる悪法だ。それでもそれは大々的に公布され施行された。
警察は力を手に入れた。賛成派はマフィアに裁定を下すガベルを手に入れた────お前は悪である。

力を手に入れた人間は、それを誇示するためにどんなことでもするものだ。
そして。
その優位性を脅かす背教者に対し、徹底的に冷酷に、残虐に接するものだ。


既に尋問を損じたことを、男も薄ら気づいている。
認められない頑固さが、新たな目的を作り出した。
この生き物
貴方
には罰が必要だ。それも、とびきりの。

(-662) 2023/09/23(Sat) 17:42:23

【秘】 幕の中で イレネオ → 笑う カンターミネ

吐きかけられた唾は男の顎から頬にかけて散っただろう。
それを男は甘んじて受け入れた。先程までの激昂から一転、酷く冴えた表情がそこにある。

貴方は笑っている。
覆い被さった男は、その笑みを更に広げさせるようにした。
笑っているということは、もちろん口は開いているんだろう。
口の両端に親指を差し込み閉じ切らないようにする。
貴方の舌が動かないように固定する。

そして、
それまでの間に何か手を打たなかったのであれば、
男の影が貴方に重なるようにして────ひとつ。
愛も情も好意もあるはずのない口づけを、貴方に。
(-663) 2023/09/23(Sat) 17:42:58

【秘】 笑う カンターミネ → 幕の中で イレネオ

そうして冷静さを取り戻した男の顔には、
この女はきっと狂気を読み取った。それは爆発。
何かしら、追い詰められたものが為す行動。
振り切ったゲージの針が止まった状態。
こうなってくると、目が覚めるまではおかしなことをし続ける。

そら、来た。指に噛みついて千切ってやろうか。
いや、きっとそれは難しい。歯の根を抑えるならまだしも、
口の端に指を差し込んだだけなら、精々皮が一枚程度。
舌を抑えられちゃ喋るのは困難極まる、
精々間抜けな音を上げるだけ。
そう考える間に、男の影がゆらりと重なってくる。
それはきっと、先に過った強姦魔のそれとよく似ていた。

途端、これは『先生』でも『マフィア』でも
『罰されるだけの生き物』でもなくなった。
ほんの僅かに頭を逸らすと、あなたの指で
口内が切れ傷つく事を厭わず、思い切り頭突きを振るった。
無論、大した威力ではないだろう。
だが人体で振るわれる、凡そ非常に硬い部位の直撃は、
互いの脳を揺らすはずだ。男の唇が重なったとしても、
この女はただでは済まさなかっただろう。
それはお前の物じゃねえよ、と内心に激昂を宿して。


(1/2)
(-669) 2023/09/23(Sat) 18:05:37

【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオ

そして、それがあなたの鼻柱に叩きこまれたのだとすれば、
これは侮蔑を持って高らかに歌う。
「最初の一撃の意趣返しだ」と。
机の代わりに骨を叩きこむ。負傷する箇所まで、鏡のように。

あなたの選んだ手段はきっと、最も正しかった。
拷問において重要な事は、相手の大事な物をけがす、
その素振りを見せる事。だから、きっと最初からあなたが
『正義』ではなく、下卑た生物として提案していたのなら。
或いは、この拷問、いや尋問は、実に正しく、
そして素早く、機能していたかもしれない。

それくらい、カンターミネにとって"それ"は大事な物で、
簒奪者には決して屈しない、その為の柱であった。


反撃が齎したものがどの程度の抑止になったかはわからない。
ただ、この『野獣』になった女は、アドレナリンの力を借りて
より、一筋縄ではいかない生き物と化した。

再び唾を吐く。今度はあなたではなく、汚水の中へ。
暗に「お前の居場所はそこだ」と言うように。
手近、いや足近な机を蹴飛ばし、可能なら椅子も、壁も。
暴れて事が大きくなれば、署員が駆けつける可能性もある。

同じ手段を続けるか、否か。
拷問官でないあなたは、正義の下に見極める必要がある。
尋問をこのまま続行するか。この女の逆鱗を刺激し続けるか

(2/2)
(-672) 2023/09/23(Sat) 18:15:56
 




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