【人】 雅楽 雅 ── 花畑 ── [頬を叩く水粒が心地よいと思った。 すべてを覆い身体を濡らす雨が、まるで 涙を流しているみたいで、暖かい気がした。 鈍色の向こう、遥か遠くにある陽よりもずっと。] ……… [過去を薄めて。 思いを薄めて。 願いを薄めて。 どうか。] (288) 2020/07/30(Thu) 20:35:55 |
【人】 雅楽 雅…あの頃、私は、君の笑顔が好きで。 何もない、そのままの私を慕ってくれた あの子達の笑顔が好きだった。 あの頃の私の、救いだった… [流行りのゲームとか買えなかったから お金のかからない遊びを工夫して。 外で遊んだときは、手を繋いで歌いながら 帰ったね。 いつだったか、こんな雨の中遊んだ君が熱を出して、 桃缶を持ってお見舞いにいったこともあった。 夕暮れの公園で指差し教えた星座の名前、 君はまだ覚えているかな。] あの頃の私は、ずっと無理をしてたけど、 麗央くん達と一緒にいると、なんだろう。 ああ、私、生きてていいんだなぁって。 存在を許されるみたいな… [優しくて暖かくて。 だからすべてを無くした今は、 それと同じくらい悲しい思い出。] (368) 2020/07/31(Fri) 1:20:15 |
【人】 雅楽 雅────麗央くん。 [きっと、これが最後だから、 最後だと思って話す。 あの頃みたいに精一杯、お姉さん風を吹かせて。] もし今、嫌なことがあるなら、 無理してることがあるなら…、 逃げていいんだよ。 [何があったのかわからない。 的外れなことを言っているかもしれない。 でも、それでも少しでも、 あの頃のお返しがしたい。] 案外ね、無職でも生きていけるから。 [そういう問題じゃないか、と小さく自嘲しながら、 落としたラッシュガードを拾って、土が付いていたら 払って、差し出す。] (369) 2020/07/31(Fri) 1:20:19 |
【人】 雅楽 雅いーい? ここで、この街で私たちは会わなかった。 麗央くんのこれからに私は……居ない。 [目を閉じて空を仰いて、雨を受ける。] ほら、早く帰らないと。 また熱出すから。 [そうして背中越し、 引き止めた先の道へと促した。] ────さよなら。** (380) 2020/07/31(Fri) 3:59:28 |
【人】 雅楽 雅 ── 花畑 ── [麗央くんが歩き始めた気配を感じれば、 私は振り返ることなく、反対方向に足を進めた。 元いた場所には置き去りのままの鞄。 雨の滴を吸って、しなだれているウィッグ。 食べかけのお弁当。] …… [私はその場に膝をついて、 それらを片付けると 芝生の上に仰向けの大の字になって寝転がった。 止めどなく降り注ぐ滴を受けながら、 意識を手放して、 目覚めたときの空は、 息を呑むような満点の星空で、 そこから青白い月明りが一筋伸びて 私を照らしていたのだった。] (399) 2020/07/31(Fri) 9:47:26 |
【人】 雅楽 雅 ── 夜 ホテル ── [携帯でハイヤーを呼んで、 冷え切った身体でホテルに戻る。 異様な私の姿が今いる人達にどう見られているのか、 フロントのひとが心配して、全身濡れ切った私に タオルをいくつか持ってきて渡してくれた。] ご飯、行かなきゃ… [薬を飲むためにも。 暖かいお風呂に入って、着替えて。 身体に気怠さを感じながら、洗ってドライヤーで 乾かしたウィッグに手を伸ばした。] (400) 2020/07/31(Fri) 9:47:29 |
【人】 雅楽 雅 ── 廊下 ── ……はぁ。 [壁に頭を凭せ掛ける。 こういう時に無理をすると駄目だとわかっていたけれど、 頭がクラクラする。 ウィッグの締め付けが辛い。] ルームサービス頼めばよかったなぁ。 [そう思うも後のまつり。 館内に人々の声がやけに頭に響いて、 どうしようもなかった。] (この調子だと賑やかな場所は無理かな。 静かにご飯が食べれそうな場所あったっけ。) [案内図を広げるもそれはすぐに、足元に落ちた。] (…う、文字が気持ち悪い。)** (401) 2020/07/31(Fri) 9:47:34 |
雅楽 雅は、メモを貼った。 (a109) 2020/07/31(Fri) 9:51:35 |
雅楽 雅は、メモを貼った。 (a119) 2020/07/31(Fri) 19:02:13 |
【人】 雅楽 雅…体温低いとわかるんだ? [ということは私って体温高いのかな。 家に体温計ないし、あんまり意識してなかった。 治療中に高かったのは副作用だし。 男性の話を聞きながら考えて。>>471] そんなことない から。 私より細い子はたくさ――…うん、大丈夫。 …ありがとう、ごめんなさい。 [いつもだったら、無理をしてでも下ろして貰って 自分で歩くところだけれど、この男性独特の空気 というか雰囲気に流されていた。] …あ、あの、今更だけど、名前聞いていい? [専用エレベーターを示しながら尋ねて、 戻りたくなさげな私を見て、 足を止める男性に瞬いた。] (488) 2020/07/31(Fri) 22:38:36 |
【人】 雅楽 雅…―――優しいひと、なんですね。 [くすりとして、] …屋上、庭園があるって。 夜だし、静かじゃないかな…? [朝、教えてもらった庶民の店で 暖かい食べ物を買って、 と思ったけど、今の状態で外はナイ…かな?] やっぱりお部屋で休んでるべきですよね…… [しゅんと眉根を下げる。 修学旅行で熱を出すと、 こんな気持ちなのかなと思った。*] (489) 2020/07/31(Fri) 22:38:40 |
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