【人】 水子たちの霊 ヒルコ─処置室 四谷、千早と─ 揶揄われた方が、自身を追いかけてきても>>59、笑い声は止まず。 むしろ、彼らからつかず離れず、誘い込むように、地下室への階段の奥から、そして地下廊下の向こう側から、最後はとある部屋の中から。 そこまで至って、ようやく止まった。 ーー…『堕胎室』。 部屋のプレートには、部屋の名前が刻印されていた。 部屋の入るかどうかは、彼らの自由。 もっとも、彼らが部屋に踏み入ったとして、自分はそこには居ないがーーもしかしたら、別の住人はいるかもしれない。 (64) 2022/08/09(Tue) 18:45:56 |
【秘】 水子たちの霊 ヒルコ → 四谷 隆史「『僕達』は、ここで死んだ。 『君』の子供も、同じ様に殺された。 『お前』が殺した。 『貴方』が殺した。 かわいそうな、『私達』。 かわいそうな『 』くん。」 (-26) 2022/08/09(Tue) 18:46:30 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a20) 2022/08/09(Tue) 18:53:03 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a21) 2022/08/09(Tue) 18:53:42 |
【秘】 四谷 隆史 → 水子たちの霊 ヒルコ 「まなぶ、って。名前、呼んであげてよ。」 [女は言う。俺の子を孕んで。俺の子を堕ろした女が。 同級生の。一番好きだった奴が。 母親の顔をして言う。もういなくなった子を。>>9 まだ経済力もないし 責任だってとれないと言い訳ばかり用意して 逃げた。殺した。生まれる前に捨てた子供の名前を呼べという。] (おとうさん、まなぶのおなまえ、よんで。) (俺には届かぬ声で、息子は父親を呼んでいるのに その声は父親には届かず、俺を責める声にしか聞こえない) (-32) 2022/08/09(Tue) 20:53:23 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ―病院入り口 名坂と― は あ い ♪ [人気もなく、静まりかえり、冷水に触れたような空気が肌に触れる。 そんな入り口のロビーで、少女の呼びかけ>>66に応じるモノが居た。 少女が振り返れば、手近な椅子に腰かけた子供の姿があるだろう。] (84) 2022/08/09(Tue) 22:00:43 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ (85) 2022/08/09(Tue) 22:01:12 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコねぇ、『僕』も一緒に探してあげようか。 まだ生きてるとは思えないけど、身体の一部ぐらいは見つかるかもしれないし。 [この病院で消息を絶ったなら、つまりそう言う事。 言葉には、少女への温情などなく、事実を突きつける。 だって、自分は生きていた事なんてないのだから。 生きている者の気持ちなどわかろうはずもない。] その代わりに、『私達』のお願いも聞いてくれる? [爛々と、光る眼が少女に注がれる。 この少女こそが、自分たちの「母親」になってくれるかもしれない。 歪んだ欲求を、彼女に向けていた。*] (86) 2022/08/09(Tue) 22:01:18 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ[少女に話しかけていたところ、こちらに歩み寄ってくる姿>>83が見えた。] ――あの人が、雪? [目の前の少女に問う。 はてさてどうしたものか。 少女が望むなら、三人で探すことも構わない。 自分が邪魔ならば、潔く身を引こう。]* (87) 2022/08/09(Tue) 22:03:56 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a29) 2022/08/09(Tue) 22:06:59 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a30) 2022/08/09(Tue) 22:09:05 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ―いつかの話 カナと― 「―〜~※§Ж〜―♪」 彼女が時折口ずさむ歌>>63を、彼女が横たわるベッドの横で、懸命に真似をする。 生まれた事のない自分達には、声を出す感覚などわからないから、酷いものだけれど。 言葉に込められた意味など、わからないけれど。 それゆえにか、彼女の歌に籠っている想いはわかる。 心が壊れて、それでもなお、刻まれた記憶。 それを、羨ましいと思う。 同時に、腹の底から憎く思う。 ――自分は、そんな風に歌ってくれる相手すらいないのに。 (95) 2022/08/09(Tue) 22:29:48 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ「ねぇ、おねぇさん。 教えてよ、『僕たち』だけじゃあ、わからないんだ。」 彼女の名前を聞いた事は無かった。 だから、いつも「おねぇさん」とだけ呼んでいた。 「どうして、そんなにキレイに歌えるの? 「歌う」って、どんな気持ちで歌えばいいの? ―――誰かを愛してるって、どんな気持ちなの?」 何一つわからない。 何せ、経験する事すらなかったのだから。 歌に籠めるべき思いが、からっぽだった。 「―〜~※§Ж〜―♪」 調子はずれな声が響く。 彼女のベッドの横で、日が昇るまで。* (96) 2022/08/09(Tue) 22:30:02 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ―病院入り口 名坂さん、カナさん― 「イモウト? 言葉の意味はわからないけど、生きた人間なら、さっき地下の堕胎室に案内した。 『お姉ちゃん』って、呼んでる人も知ってるよ。」 言葉の意味はわからないが、言葉の響き>>92なら知っている。 もっとも、「お姉ちゃん」と呼んでいるのは>>72の事なので、要点を理解しているとは言い難いが。 「ねぇ、さっき言った、『僕達』のお願い>>86、聞いてくれる? この人>>97を、連れて行ってあげて。 『僕達』より、ずっと大切な物を探し続けてる人だから。 『私達』は後ろについて行かせてもらえればいい。」 そう、少女に懇願する。 自分達の願いより、そちらの方が重要であろう。* (99) 2022/08/09(Tue) 22:54:32 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a32) 2022/08/09(Tue) 23:08:12 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ―病院入り口 名坂さん、カナさん― こちらの願いに、了承を返す少女>>105の様子に、ほっと息を吐く。 「――…ありがとう。 『私達』は、質問して貰えたら応えるから、困ったら呼んでね。」 それだけ伝えて、後は二人の成り行きに任せよう。 特に聞かれる事が無ければ、黙って後をついて行くし、邪魔ならば早々に離れて他に行くとしよう。** (111) 2022/08/09(Tue) 23:34:14 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a35) 2022/08/09(Tue) 23:38:45 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコー病院入り口 名坂、カナさんとー 少しぼんやりした様子のおねぇさん>>118の手へと、そっと自分の手を重ねる。 今日は、比較的記憶の状態が良いのだろうか? 「怖いお話に、休めそうな場所? ーーなら、死体安置室かな。 誰かが食べちゃったりしてなければ、『イモウト』の身体も、あるかもしれないよ? 『俺達』も、何人かそこにいるから、見せてあげようか?」 死体安置室なら、彼女の目的に叶うだろう。 曰くの多い地下に有って、『イモウト』を見つけられる可能性があり、皆んなぴくりとも動かずに休み続けている。 「それとも、屋上? 高いところからなら、探し物もしやすいし。 みんな、『これで楽になれる』って言って、飛び降りるんだ。 『楽』って、休むって事でしょう?」 少女へと問いかける。 どちらが、少女の目的に沿うだろうかと。 (132) 2022/08/10(Wed) 9:48:30 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a43) 2022/08/10(Wed) 9:53:50 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a49) 2022/08/10(Wed) 17:51:01 |
【秘】 水子たちの霊 ヒルコ → 名坂愛子――自分が死んでいく痛みと恐怖を、『私達』は覚えている。 生暖かい液体に満たされたお母さんのお腹の中で、助けもなく、悲鳴を聞いてくれる相手もいないまま、自分が死んでいく感覚を覚えている。 この病院内で、同じ苦痛を味わって死んでいった多くの人たちを見てきた。 少女は優しい。 『僕』のお願い>>99を聞いてくれた。 彼女がこれから同じ末路を辿るかもしれない、そう思うと、もう動いていない心臓が、縮み上がる様な胸苦しさが湧く。 ――地獄に堕ちる事が避けられないなら、彼女自身が堕ちてしまった事に気付かなければいい。 そう願った。 (-48) 2022/08/10(Wed) 19:27:26 |
【秘】 水子たちの霊 ヒルコ → 名坂愛子コンクリがむき出しになった硬質な床に、自身の影が落ちている。 ――ふいに影が揺らいで、影の中から黒い煙が立ち上る。 指の先程の、摘まんでしまえそうな煙が、彼女に気付かれないように忍び寄って――そのまま、彼女の下腹部へと吸い込まれるように消えていった。 これは切り離された『私』、そして少女の為の「お守り」。 少女の胎の中で根を張って、「ある感情」を糧に、彼女の心を塗り替えていく。 (-49) 2022/08/10(Wed) 19:27:59 |
【秘】 水子たちの霊 ヒルコ → 名坂愛子感情の名前は、「恐怖」。 痛みや苦しみ、孤独感――そんな感情に、彼女の心が折れそうになると、「恐怖」を「快楽」で塗り替える。 彼女が「恐怖」に負けず、生きてここを出ていけるなら、それでいい。 糧が無ければ、胎に巣食った『俺』は消滅するだろう。 彼女が「恐怖」に折れてしまったなら、彼女の心は「快楽」に塗り替えられていく。 もし、彼女の全てを塗りつぶしてしまうような「恐怖」に出会ったなら、胎の中の『僕』は彼女の心を「快楽」で塗りつぶす。 これ以上、恐怖を感じなくて済むように。 これ以上、苦しまなくていい様に。 ――自分が地獄に堕ちていくことを認識なんてしなくて済むように。 せめて、彼女の死に救いがあるようにと、生まれてこれなかった『全員』からの、「お守り」。** (-50) 2022/08/10(Wed) 19:28:24 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a50) 2022/08/10(Wed) 19:29:58 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ─病院入り口 名坂、カナと─ 「死体安置室なら、こっちだよ。」 少女から了承>>140を得れば、二人に先立ち、先導して歩き始める。 向かう先は、地下室へと降りる階段。 鼻を抜ける地上より濃い黴臭さと、皮膚に纏わりつく水分を含んだ空気。 そんな中を、二人がついて来ているかどうか、時折振り返りながら――。 (153) 2022/08/10(Wed) 22:03:27 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ→死体安置室 ――部屋の中央には、赤黒く錆びた大きなベッド。 壁には、無数の金属の扉が並んでいる。 その中に何が仕舞われているか、かすかに漂う生臭さから、あえて言うまでもないだろう。 おもむろ、並んだ扉の一つに手を掛けて、躊躇なく開いてみせた。 「この身体が、『イモウト』?」 もし、少女が扉の中を覗き込むのなら。 まず鼻の奥に突き刺さる様な刺激臭を感じる事だろう。 次に、真っ黒な袋に包まれた大きな何かが、横たえられている事が目に映る。 (154) 2022/08/10(Wed) 22:03:47 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ「この身体だった人は、何人か前の■■さんだったかな?」 記憶は朧気ながら、この身体も「■■さん」呼ばれていたのだったと思う。 もしかしたら、一緒に案内したおねぇさんが、詳しい事を知っているかもしれない。 (155) 2022/08/10(Wed) 22:04:02 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ「――『俺』の役割は、ここで終わりだけれど。 どうする?」 少女の願いはかなえた。 ならば、もう『僕』が少女に同行する理由は無い。 少女がこれ以上、『私達』に望むものがないのなら、あとは二人に任せてしまおうと思うけれど。* (156) 2022/08/10(Wed) 22:04:06 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a53) 2022/08/10(Wed) 22:07:58 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ─死体安置室 名坂、カナと─ どうやら、自分の働きは少女の満足に足るものだったらしい。 これで、ここを立ち去っても後腐れはないという事だ。 ならば、あとはカナおねぇさんに任せてしまおう。 「『イモウト』、見つかると良いね。」 『私達』に礼を言う二人>>169>>175へ、『僕ら』も言葉を返しておいた。 (178) 2022/08/11(Thu) 0:21:40 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ部屋の出入り口、重く冷たい金属製の扉に手をあてて―――手が、扉の中へと潜り込んだ。 続いて肘が、肩が、頭が、扉の中へと潜り込んでいって、一番最後に残った脚が扉に飲み込まれて、子供の姿は綺麗さっぱり部屋の中から消えた。* (179) 2022/08/11(Thu) 0:21:47 |
(a59) 2022/08/11(Thu) 0:23:56 |
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