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【妖】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ 今の感情は何て言えばいいのだろう。 友人が想いを実らせた嬉しさと 私の想いが実らなかった辛さ? 悲しさ? そんな綺麗な言葉で言い換えなくても分かっている。 私の心は、進行形でどんどん醜く黒ずんでいる自覚がある。 セシリーへの嫉妬心が無いといえば嘘になる。 だから声を掛けられない。 直視できない。 歓喜に包まれた声をすべて遮断したい。] ($0) 2022/09/22(Thu) 23:36:50 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ でも、聞きたくない言葉ほど するりと抜けて耳に入り込むもの。>>2] …………、ぁ、 [ 醜い嫉妬が静かに、蠢く。 直視出来ないけれど きっと最高の笑顔をしているのでしょう。 気付いていないフリも出来ただろうけど これ以上堕ちたくない、パンドラの箱の僅かな光は 未だ残っていたようで。>>3] おめでとう! お幸せ…… にっ ……。 [ 大声を出せば気が紛れるかと思ったけれど 言い終わるまで持たず、最後の方は灯が消えるかの如く か細く、涙を含む声になっていた。 歓声で涙声がかき消えていたことを祈るけど セシリーの声はまだ続いていた。>>4] (12) 2022/09/22(Thu) 23:36:56 |
【妖】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム( あんなに大きな声出して。 一緒に旅を続けている間でも、戦っている時でも。 こんなに声を張り上げたセシリー、 一度や二度程度しかなかった気がする。 ……それだけ、私の事を思ってくれているのね。 本心から。 ……それが貴女という人だものね。 アスベルが好きになる理由だってよく分かる。 私も男に生まれてたら、絶対好きになっていたもの。 でも。] ($1) 2022/09/22(Thu) 23:37:09 |
【妖】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ 今の私には、貴女の汚れ無き純粋な心が 海よりも深い優しさが。 ──────…………。 [ 嫌いになってしまいそうで、怖、い ] [ 今の私はどんな顔をしていただろう。 きっと嫉妬に狂った般若のような もしくは…………。] ($2) 2022/09/22(Thu) 23:37:21 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム…………!? [ 予兆も何も無いまま、体がふわりと浮かんだと思えば 次の瞬間には、エドゥの腕に抱きかかえられていた。>>9] え、っ、ちょ [ 何が起こったか瞬時に理解出来ず ただ、抱きかかえられていることだけは理解できて 涙声は一瞬引っ込んだものの、 胸元に引き寄せられ、体が密着しているものだから どきっと身が跳ね上がってしまう。] (13) 2022/09/22(Thu) 23:39:52 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ とはいえ、強く抱えられている腕は びくともしなかった。 エドゥこんなに力があったの、と思いながらも 彼が走り始めたのは理解できた。 顔を上げようとすれば出来たけれど ただ、瞳を閉じていた。 暴れる元気も振り落とす余力も無いので 力を抜き、行く先もただ任せるままに。 もっとも、暴れる気も振り落とす気も無かったけれど。 ] (15) 2022/09/22(Thu) 23:46:26 |
【秘】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム → 狩人 エドゥアルト・レイフェルス ( ………… あたたかい ……。) [ 体に感じる温もりに触れ 閉じたままの瞳が微かに滲んでいく。] (-4) 2022/09/22(Thu) 23:46:31 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ どれほどの時間、エドゥに抱えられていたのだろう。 そっと下ろされ、目を開けると 橙色の空が、庭に咲き誇る花たちを 染め上げていく光景が広がっていた。 その美しさに息を飲み、改めて声の方を向く>>11。] エドゥ……。 …………そう、ね。 本当、驚い……。 [ 真実は鮮明に当時の記憶を連れ戻す。 エドゥは私の想い相手を知っていたはず>>2:10。 ──きっと、見てもいられなかった酷い状態の私を 会場から遠ざけてくれたのだろう。 ] (16) 2022/09/22(Thu) 23:46:35 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウムお似合い過ぎて逆の意味で驚いたわ。 子供が出来たらきっと可愛く、もしくは 格好良くなるのでしょうね。 あんなに幸せそうに、してた、から きっと…………すぐ……。 [ 普段通り取り繕おうとしても、数秒が限界だった。 一筋の涙がつ、と頬を伝い落ち 橙の輝きが悪戯に輝かせ、きらりと光る。] (17) 2022/09/22(Thu) 23:46:43 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウムご、め……ん……。 [ 堰を切られれば一瞬。ぼろぼろに涙は零れ落ち 化粧を施して貰い、褒められた顔も崩れていく。] ……私は、大丈夫……だから。 アスベルたちの、所に…… って……お……で……。 [ 嗚咽の合間に絞り出された言葉は 既に聞き取られているか怪しい程に ぐちゃぐちゃになっていた。 こんな綺麗な光景に場所。 もっと元気な時に来たかった、 なんて思う余裕も無く、嗚咽は続く。] (18) 2022/09/22(Thu) 23:48:51 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ エドゥに手は伸ばせなかった。 迷惑を掛けている自覚があるのと、 もし手を伸ばしてみて、この景色やエドゥが 消えてしまうことが怖かったから。**] (19) 2022/09/22(Thu) 23:49:20 |
【妖】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ 秘密にされたことは ショックでないと言えば嘘になるけど どうしようもなかったのも事実だった。>>$4] 怒ったり妬んだりする気持ちもなかった。 出し抜かれた、なんて思いもしなかった。 それに、二人の幸せそうな表情を見て “ああ、私じゃ勝てない。無理だ。” 最初から土俵にすら上がれていなかった、 と、即悟ってしまったから。] ($5) 2022/09/23(Fri) 21:07:40 |
【妖】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ でも。 私かセシリー。どちらが先に 恋心が芽生えていたのかは分からないけど もし、私がもっと早くに アスベルに想いを伝えていれば。 もし、私が先に告白したとしても。 良い返事を貰えていたとしても。 ──セシリーと出会った段階で 想いはあの子に向いていくんだろうな、って。 恋が散った感情は、マイナスの方にばかり向いていく。] ($6) 2022/09/23(Fri) 21:07:45 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ 泣き顔を見られたくないから、下を向く。 エドゥの表情は見えないまま 優しい声だけが聞こえてくる。>>22] ……ち、……が……。 [ 違う、大丈夫。すぐに元気になるから。 ──ううん、きっと暫くは無理。 既に言葉にはならず、ただ泣きじゃくるだけ。 周囲を見ようともしなかったけど エドゥは、まだ近くに居てくれているのだろう。 一人になりたい思いと、 傍に居てくれて嬉しい想い。 二つの相反する感情が、胸の中を駆け回る。] (26) 2022/09/23(Fri) 21:08:51 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ 静かな庭に、傷心を掠る冷たい風が吹きつける。 橙の空が、色と気温を落とし始めてきた。 ──と同時に、露出した肩に布の温もりが降りかかる。 エドゥの上着だとは察せた。] ( あたたかい……。 でも、そんなことしたら エドゥの方が寒いでしょう。 いいの、私はもうすぐ戻るから。 貴方は、アスベル達を祝福に行って……。) [ と思っている間に、腕が背に回ったと思えば 人の温もりが、全身を覆っていた。 ] (27) 2022/09/23(Fri) 21:09:18 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム…………エ、ドゥ……? [ 私を抱き締めている人の名を、呼ぶ。 背に掛かる上着の、抱き締める腕の 頭が埋まった胸元の温もりが ────あまりにも優しくて。] (28) 2022/09/23(Fri) 21:09:21 |
【妖】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム [ やめて、そんな優しい言葉 ますます泣いてしまう。 ──── やめないで。ひとりにしないで。 やめて、仲間の幸せも喜べない 醜い私に構わないで。 ──── やめないで。 ]その言葉が…… 嬉しいの 。 ($7) 2022/09/23(Fri) 21:11:37 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ 腕を彼の背に回す。 憐れまれてもいい。 鬱陶しがられてもいい。 でも、このぬくもりが離れていくことが、怖かった。 今はただ、一人になりたくなかった。] (29) 2022/09/23(Fri) 21:11:50 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム[ 嗚咽を漏らし、泣き続けること数分。 ずっとこのままで居られることは出来ない。 ぐしゃぐしゃになった顔を上げ、エドゥの方を見る。 酷い見せるのは、勿論恥ずかしいけど ずっと私に付き合ってくれたのだから 向き合わないと失礼になる。] ────……ごめん、ね……。 [ 碌に言葉も出て来ない。 もっと他に言うべきことはあるのに。 見上げた空は、丁度マジックアワーの時間帯。 息を呑む程に美しい光景に、言葉を忘れ しばらく見入っていた。 夕陽と同様、もっと気分の良い時に見たかったけど ]同時に、私のちっぽけさを、改めて感じてしまう。 気分を損じたのは自分自身のせいなのだから、と (30) 2022/09/23(Fri) 21:17:15 |
【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウムもうすぐ、ディナーよ……行っておいで。 私は、体調が悪くて、寝てる、って ……ごめんなさい、って 伝えておいて……。 [ 私はこの顔で、この状態で とても参加できる気はしなかったけど いつまでも付き合わせる訳にはいかない。 一人になりたい訳では無い。 でも、優しいエドゥの時間を ずっと拘束する訳にもいかない。 それにアスとセシリーも、心配しているだろう。] ありがとう……。 暖かかった、居てくれて、嬉しかった……。 [ 掛かったままの上着を返し、彼の背に掛ける。 闇を帯び、消え入る寸前のマジックアワーの光が 潤んだままの瞳をきらりと照らした。**] (31) 2022/09/23(Fri) 21:17:19 |
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