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【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテいない、返事も帰ってこない。 彼らの暮らす部屋にも、何処にも。 何処を探しても、バラニの姿を見つけることはできない。 少なくとも午前中の間は、あなたがいくら懸命に少年の事を探してもその行いは徒労に終わることになってしまうだろう。 (-12) 2022/05/04(Wed) 21:44:15 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニあんな別れ方をしたのに、どんな顔をして会えばいいんだろう。 朝、目覚めたときに抱いた不安は、今、別の不安に塗り替えられた。 あなたの教えてくれたあれが、もし、本当なら。 あなたが酷いことをされたのなら。 あなたが苦しんでいるのなら。 少■はそれに耐えることができない。 少■があなたにできることなど、何ひとつないのだとしても。 ただ、そばにいたかった。 授業にだって出席せず。 頽れそうになる脚を叱咤して。 少■はそれこそ、日が暮れるまであなたの姿を探すだろう。 それが無意味な行いだとしても。 何度だって同じところを確認し、狂ったように、ずっと。 (-15) 2022/05/04(Wed) 21:56:39 |
【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ首を振ったときに散った雫が、綺麗に見えた。 こんなにあなたは綺麗でいるのに。 苦しめるものから守れないのが歯痒かった。 その呪縛を解くことができれば、どれほど良かっただろうか。 引きずり込まれないために掴まる切れ端程度しか、与えることはできなくて。 だからどうにかするための方法を、二人で探ることができたら良い。 『お父さんは、難しい人のようですね』 『私が今思いついた方法は二つです』 『"シャルロッテちゃん"をやめてしまうか、』 『"お母さん"をやめてしまうか』 『シャルロッテちゃんは、どう思いますか?』 あなたを義務感で捕えて離さないもの。 離れがたい何かがそこにあるのだろうか。 (-17) 2022/05/04(Wed) 22:03:31 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテあなたの行いが実を結ぶのは、日が傾き始めたその頃。 午前中はどこを探しても見つからなかったバラニは、ふらりと姿を現す。 ちょうど部屋に戻ろうとするところなのだろうか。 どこか足取りも重たげにしながら、ゆっくりと周囲を警戒するようにしているようだが。 (-20) 2022/05/04(Wed) 22:34:30 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス「————————」 それは、『シャルロッテ』であることをやめて『■■■■』になるか。 或いは、『シャルロッテ』のまま『お母さん』になることをやめるか。 どちらも、少■は想像さえしなかったことだ。 潤み、揺れる視界の向こう。 夜空のような瞳を見つめる。 「……そんなことが、ゆるされるの?」 これは償いなのに。 (-25) 2022/05/04(Wed) 23:33:25 |
シャルロッテは、バラニを探している。 (a7) 2022/05/04(Wed) 23:40:30 |
シャルロッテは、狂ったようにあちこちを駆けずり回る。 (a8) 2022/05/04(Wed) 23:40:44 |
シャルロッテは、校舎裏の防護服を見て、けれど、今は。 (a9) 2022/05/04(Wed) 23:41:13 |
シャルロッテは、そして、日の暮れる頃—— (a10) 2022/05/04(Wed) 23:41:43 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ立ち止まれば折れてしまうから、急き立てられるように、恐怖から逃げるように。 休まず走り続けて、そのうちに。 遂に枯れ果てたかとさえ思った涙が、再びこぼれる。 あれこそ探し求めた姿に違いない。 或いは、焦がれるあまりに幻覚を見ているのかもしれない。 それでも。 「…………バラニ、」 「————バラニ」 潰れた醜い声が、あなたを呼ばう。 (-26) 2022/05/04(Wed) 23:42:31 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテどこか隠れるようにしながら部屋に戻ろうとしていたところに。 間違いなく自分の名前が呼ばれたのを聞いて、咄嗟にそちらに顔を向けた。 「……シャルロッテくん?」 こちらは驚いたような調子で、あなたの名前を呼び返して。 「私を、探していたのかね……? そんなになるまで、必死になって……」 心配そうにあなたを見つめるその姿は、以前のバラニと何も変わらないようにも思える。 むしろ、昨日の出来事があったことを考えるといつも通りすぎるほどだ。 目立つような外傷も見当たらず、酷いことをされたかもしれないというのは杞憂なのかもしれないとも思えるほどだが。 ただひとつだけ、以前のバラニと比べて明らかに違うところがある。 あなたとそう変わらないほどだったはずの背の丈が伸びているのだ。 (-29) 2022/05/05(Thu) 0:19:48 |
【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ『今とは違う自分に』 『なってみても、良いのだと思いますよ』 夜空は確かにそこにある。星を映して。 流れ星などではないけれど、この星は簡単に無くならない。 星に願いを込めてみたって良い。 『私はゆるします』 『許さない人がいるなら、私がその人を許しません』 償いは、いつか赦されるときが来ると少女は信じていた。 誰か一人でも味方がいれば、心が救われることがあると信じていた。 だから、己の信じるものをあなたにも教えたかった。 それを受け入れるかどうかは、あなたの自由だ。 (-31) 2022/05/05(Thu) 0:44:04 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニあなたの前へやってきて、ようやく少■は足を止めた。 荒く息をつき、その様子を確認する。 外傷はどうやら見当たらない。 あれはやはり噂にすぎなかったのだろうか。 けれど少■は、校舎裏に打ち捨てられた防護服を見た。 「……っ、そ、う、だよ、…………」 「バラニが、いないから」 「酷い目に遭ってるんじゃないかって、怖くなって」 あなたの様子は以前と変わりなく見えた。 昨日、あんな別れ方をしてしまったのに。 それは少■があんまりにも慌てているから、驚きが先に立ってのことだろうか。 けれどなにか、違和感がある。 「——————」 近付くことで顕著になったその違和感に、少■は首を傾ぐ。 そう変わらなかった筈の目線が合っていない。……たった一晩で? 「……ねえ、 なんだか、背が、伸びた、?」 (-58) 2022/05/05(Thu) 4:29:24 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピスすぐには答えられなかった。 それは、今まで信じてきたすべてと対極にある。 けれど、何かがおかしいことからも、もう、目を逸らすことができない。 ハンカチを握るばかりだった手を、そっとあなたへ伸ばす。 星に触れようとするみたいに。 大好きなお姉さんが味方でいてくれることを心強く思いながら。 縋るように小さなからだを抱きしめて、少■は、それ以上何も言わなかった。……言えなかった。 (-63) 2022/05/05(Thu) 9:16:11 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「……」 「言われてみれば……確かにそうかもしれない……」 近づくことでその差はバラニにもはっきりと認識することができた。 首を傾げる君を少し見下ろすような形になりながら、どこか戸惑うように見つめて……その手を静かに取って。 (-64) 2022/05/05(Thu) 9:31:05 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ不安も緊張も、何もなかった。 あんなに感じていたものがさっぱり失せてしまったよう。 けれども、それに対しても不思議だとしか思うことができなかった。 「心配をかけてしまったようですまないね……」 「だがこの通り、私は健在だよ……先生たちと、大事な話をしていてね」 つい先日、君に不確かな情報を与えてしまった。 それが原因となり、これほどまでに君を心配させてしまった。 そのことを恥じねばならないという思いばかりが先に浮かんでくる。 君の頼りになるよう、立派な大人にならねばならないというのにと。 (-65) 2022/05/05(Thu) 9:32:22 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「父上が、私に早く戻ってきて欲しいとのことでね……」 「病気の治療も……これからは、積極的に行おうということになった」 つい先日、あんなことを言ったばかりだと言うのにね、と少し気恥ずかしそうに笑う。 その姿はすっきりと晴れやかなものにも見えるが、どこか空虚なものであり。 「背が伸びたのは、きっとその影響だと思う」 「私の抱えている病気は精神と身体が密接に関わりあってるものだったから」 クロノくんの抱えるものと、似たようなものかなと。 下級生を引き合いに出して、背が伸びた理由を語って見せたのだった。 (-66) 2022/05/05(Thu) 9:33:52 |
【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテすぐには答えの出ない問いかもしれない。 でも、きっかけを見つけられたことが大きな一歩だ。 縋るように抱きつくあなたを、抱きしめ返す。 ぎゅっと抱きしめて、また背を撫でて。 甘えられる、頼れるお姉さんがちゃんと居ることを伝えるために。 星が道しるべであれるように。 何も言えないままのあなたをただ受け入れ続けた。 落ち着くまではずっとそうしているだろう。 (-75) 2022/05/05(Thu) 11:47:15 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニあの日あたたかかった少■の手は、今、酷く冷えている。 跳ね回る心臓が厭な音を立ててうるさい。 おんなじように手を握っているのに。 それは、勇気を出して触れたあの瞬間の心地よさとは、あまりにもかけ離れた感覚だった。 「……『酷いこと』は、なかった?」 やっぱり先生は、いつも正しい。 ————本当に? 「家族に認められると、バラニはうれしい?」 望まれるなら、それはいいことだ。 ————本当に? 「バラニの病気って、何? 早く治ると、バラニはうれしい?」 跡を継ぐためには病を治さなければと、そのためにあなたはここへ来たのに。 快方へ向かっていると言うのなら、それは喜ぶべきことの筈なのに。 ————本当に? 息がくるしい。 (-83) 2022/05/05(Thu) 13:08:33 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ酷く冷えたその手。 息を詰まらせて苦しそうな表情を浮かべる君を見れば、力にならなければと思う。 けれど、昨日まで感じていたような胸が裂けそうになる苦しみは、今はどこにも。 君が嬉しければ、私も嬉しい。君が悲しければ、私も悲しい。 そのように感じていたはずの気持ちを、どこか他人事を見るような感覚すらある。 力になりたいと思う気持ちは嘘ではない。 けれど、心から湧き上がり、身を焦がすような熱が君の身体を暖かくなどしない。 「……なかったとも、安心したまえよ」 優しい調子で、努めて君を安心させようと微笑みながら言葉を紡ぐ。 「嬉しいとも、家督を継ぐに相応しい立派な男にならねばと思っていたのだから」 つい先ほどのように、少し気まずそうには言うけれど。 そこに籠っていたはずの強い想いは感じられない、どこか軽い調子のままだ。 けれども。 ▼ (-87) 2022/05/05(Thu) 15:06:54 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「…………」 自らの病症について尋ねられると、ようやく少しばかりに困ったように眉を顰める。 「それは、言えないことなんだ……すまないけれどね」 何か言えない事情があるのか、言いたくない理由があるのか、そこまでは伺い知れない。 いずれにしても、君からそう尋ねられて、バラニがそれを拒んだのは紛れもない事実だ。 「嬉しいかどうかは、少し……わからないけれど。 これでも、よかったのかもしれないとは思うよ」 (-88) 2022/05/05(Thu) 15:08:36 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス少■はただじっと、あなたに抱きしめられていた。 ひとりでなくてよかった。 あなたがいてくれてよかった。 まだ答えは選べない。 ――それでも。 ひとりではきっと、選択肢すら見つけられなかったのだろうから。 そうして、ちいさく目映いお星さまを抱いているうち、空にも夜の帳が下りてくる。 「戻らなきゃ」と、シャルロッテはようやく、少しだけ笑った。 (-112) 2022/05/05(Thu) 20:06:16 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニあなたはやっぱり優しい。 酷いことがなかったのなら、それに越したことはない。 言えないにしろ、言いたくないにしろ、それならそれで、無理に尋ねるつもりはない。 けれど。 冷えた指先に力を込めて、きゅっとあなたの手を握る。 昨日のことを気にしている風でもないのに、どうして今日、あなたはこんなにも違ってしまっているのだろう。 未来の話をするあなたは、昨日、もっと強い想いを、確かな意志を持っていた筈だ。 少■へ向けてくれた感情はともかく、それさえ見当たらないのはどうしてだろう。 「――バラニ、やっぱりへんだよ」 病が早く治ることをうれしいのかどうかもわからないだなんて。 これでもよかったのかもしれないだなんて。 そんな曖昧な言い方しかできないのなら、それは。 少■には、納得できないことだった。 (-113) 2022/05/05(Thu) 20:18:01 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ/* こんばんは! ところでこちら、反魂師ですので反魂される準備をしておいてください。 今のところ考えている手段は、シャルロッテが大人に働きかけて回り、そのうちの誰かがたまたまお願いをきいてくれて、バラニの治療が中和されるといったような方向です。 シャルロッテの独断によって断行されるので、この秘話がどう転がっても反魂は行われる見込みです。 (-114) 2022/05/05(Thu) 20:20:03 |
【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテようやくその顔にほんの少しでも笑顔が戻って、 安堵を表すように微笑みを返した。 何か一つでも選べるかもしれない道を見つけられたのなら、 二人で悩んだ甲斐もあったというものだ。 こくり、と頷く。 お互いそろそろ部屋に戻らなくてはならない時間だから。 不安になったときにはいつでも頼って。 そんなことを最後にまた伝えて、 小さく手を振ってその日はお別れをしただろう。 (-117) 2022/05/05(Thu) 20:28:29 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ/* ご連絡ありがとうございます、あなた反魂師でしたのね。 もちろん、甘んじて反魂を受け入れますわよ……(お嬢様化) 現状は、その方法でも大した支障はありませんわ。 今のバラニは不安や恐怖のようなストレスになる感情を無理矢理押さえつけられている状態なので、中和されれば戻った反動で少し不安定になるかもしれませんけれど…… それと、もう薄々察してらしてるかもしれないけれどPL発言でCOしておくと、バラニの病気は不安や恐怖で身体が女の子になっていく類のものですわ。 もしも地雷だとしたら、まだ軌道修正はできますのでお申し付けくださいまし。 反魂に関して何か良いアイデアが思い浮かびましたら共有致しますわね。 返信にはまだまだお時間をいただきますから、ゆっくりお待ちになってね。 それでは、ごめんあそばせ…… (-131) 2022/05/05(Thu) 22:50:01 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ/* やった〜♡ なんかココ性別がベキボキになっててサイコーですわね……サイコーですので、何も問題ございません。 反魂の方法についても、より都合のよいものがあればエモやら何やら追求して参りましょうね。 こちら常に置き気味ですのでゆっくり考えて下さいまし。 お付き合いありがとう……kiss……。 (-147) 2022/05/06(Fri) 0:18:29 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「そ、そうだろうか……? まいったね……私としては絶好調だと言えるくらいなのだけれど」 変だと言われても、自分自身ではよくわからなかった。 昨日までの自分と違うことは理解しているのだが、今のバラニにとってはこの状態こそが本来の姿のように思えて仕方がないからだ。 こちらの手を握った君の手を見る。 不安も緊張も何もない、これがいけないと言われればどうすればいいのだろうか。 「……へんな私は、好ましくはないか? シャルロッテくん……」 納得出来ないと雄弁に語るその顔を見て、気になったことを尋ねて。 (-163) 2022/05/06(Fri) 1:56:07 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ視線が下る。 握り合った手を、滲んだ視界に映す。 あなたがあなたの意思によって考えを変えたのなら。 立派な跡継ぎになるために、まずは病を治し、それから学ぶことに集中するのだと、そう決めたのなら。 それは、仕方のないことだと思う。 けれど。 少■はかぶりを振った。 結局のところ。 あなたを案じるふりをして、期限付きの蜜月の終わりを先延ばしにしたいだけかもしれない。 それでも。 ▼ (-192) 2022/05/06(Fri) 13:18:02 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ「――ううん」 あなたを見つめて、少■は微笑む。 腫れた瞼で。涙に濡れた頬で。乾いた唇で。潰れた声で。 「だいすきだよ、バラニ」 少■は、あなたを愛している。 ▼ (-193) 2022/05/06(Fri) 13:18:37 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ「でも、昨日までのバラニの方がかっこよかった」 「今のバラニに、大切な話はできない」 あなたが先生たちと話をしてこうなったのなら。 先生と『話』をしよう。『お願い』しよう。 あなたの手を引き寄せて、甲に口付けをひとつ。 それは覚悟の宣誓。 (-194) 2022/05/06(Fri) 13:19:18 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「────」 何よりも聞きたかったはずのその言葉にも。 不意に落とされる、この手の甲にする口付けにも。 自分で思っていたほどの感情が湧き上がってくることもなくて。 「そうかね……昨日までの、私の方が……」 そんな事を言われているのに、嫌だと思うこともできなかった。 昨日までならば、そんな事を言われれば酷く動揺しただろうに。 わからない。 どうしてこんなにも何も思えなくなってしまったのか。 「…………」 それ以上の言葉が出てこなかった。 ただ口付けをされた手の甲を呆然と見つめてから、視線を上げて君を見た。 (-218) 2022/05/06(Fri) 18:55:09 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニ「—— 私 、やることができたから、行かなくちゃ」戸惑うようなあなたの視線を、真正面から見つめ返す。 泣きじゃくっていた少■は、もう、どこにもいない。 「明日また、話をしよう」 「またね、バラニ」 少■は再びあなたの手を離す。 けれどそれは以前のように、そうしていられなくなったからではなくて。 成すべきことを成すために。 少■は踵を返すだろう。 あなたの心は、きっと、今ここにはない。 だから、それを取り戻しに行かなくちゃ。 (-230) 2022/05/06(Fri) 19:47:16 |
シャルロッテは、浅はかで愚かな■の子。 (a30) 2022/05/06(Fri) 20:43:14 |
【置】 恋の呪い シャルロッテ日の暮れる頃、バラニと話した後。 少■は一度シャワーを浴びて、服を着替え、それから学舎へ。 先生に授業を欠席したことを叱られながら、いつものように穏やかに笑っていた。 「ごめんなさい、先生」 「あのね————」 『少女』は囁く。 家族が教えてくれたから、どうすれば許してもらえるのか知っている。 家族が教えてくれたから、どうすれば男の人に優しくしてもらえるのか知っている。 家族が教えてくれたから、どうすればお願いを聞いてもらえるのか知っている。 やっぱりなにかがおかしい。 おかしいことに気が付いて、けれど、それを利用することにした。 少■は大人たちの間を渡り歩く。 たくさん頼めば、誰か一人ぐらいは気まぐれを起こしてくれるだろう。 ————さあ、美しき時を取り戻そう。 あなたがそれを望まないとしても。 あなたと大切な話をするために、その心を取り戻さなければ。 (L7) 2022/05/06(Fri) 20:44:21 公開: 2022/05/06(Fri) 20:55:00 |
シャルロッテは、その日、夜遅くまで部屋に戻らなかった。 (a31) 2022/05/06(Fri) 20:44:44 |
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