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【雲】 サルコシパラ語られていく花の歴史は 想像していたよりも重く 共感と呼ぶにはあまりに絶する痛み 独りで居たいのではなく 独りになるしかなかったのだと そんな叫びに聞こえてならなくて。 共感とは程遠い理屈としての理解が サルコシパラの顔に陰りを見せた。 (D35) 2022/08/17(Wed) 10:00:15 |
【雲】 サルコシパラ彼女を受け止めたいと。 彼女の全てを受け入れたいと。 青い少年の戯言のような誓いが あまりに無力で滑稽であることを サルコシパラは思い知る。 自分が彼女にしてあげられることが 何も無いことに気づいてしまったのだから。 (D36) 2022/08/17(Wed) 10:00:42 |
【雲】 サルコシパラ家族は皆自分を置いて逝ってしまった。 置いていかれたと嘆いた事がないわけではなく。 そういう意味では彼女の言うことは正しい。 このままでは辿る未来が いつかの悲劇と同じであることも。 (D38) 2022/08/17(Wed) 10:02:44 |
【雲】 サルコシパラいまだ幼かった頃 かつて小言のように言われた言葉を思い出す。 独りとなったサルコシパラに浴びせられた同情は 身勝手に家族を非難する言葉に乗せられて。 こんな小さな子を捨てて死んでしまうなんて なんて酷い家族なんだ、と。 赤の他人が憶測で家族を語るその様は 当時サルコシパラの怒りを買うのに十分だった。 (D39) 2022/08/17(Wed) 10:05:19 |
【雲】 サルコシパラ「私の家族を悪く言うのは たとえ貴女でも、許さない。」 それがたとえ彼女自身の自己卑下であっても 家族 を否定されるのはいい気がせず。仮面を外した姿のまま 「私は貴女を信じています。 私を悲劇の子供と決めつけ情けを口にする ような下劣な人々を知っているからこそ 貴女のような人が、私は好きなんです。」 そう、己の胸の内を明かすことになる。 (D42) 2022/08/17(Wed) 10:07:23 |
【雲】 サルコシパラ「私には、理解者も、家族もいない。 この痛みを知る人など この街には決して居ないでしょう。 だから私はこの痛みを知る人を その痛みを慈しめるような人を ずっと探していたんです。 私が貴女の傍で力になりたいと願うことに これ以上の大きな理由など要らないでしょう?」 (D43) 2022/08/17(Wed) 10:08:37 |
【雲】 サルコシパラサルコシパラは伸びた手に指先を絡めて それから小さく笑うとウユニの頭を撫でて。 「この病気の治療法…… あなたが知らないのであれば 私は今からでも探すために全力を尽くします。」 そう言って立ち上がり 荷物をまとめようとするのだ。 残された時間は少ないのだから。 (D44) 2022/08/17(Wed) 10:10:10 |
【独】 ウユニ/* 治療法を言わないor言うで全私が喧嘩している なんで手記に最後まで書かなかったんですかaliceさん!!! どっちがよりウユニさんっぽいかな……。 (-7) 2022/08/17(Wed) 11:56:52 |
【雲】 ウユニ「きっと私も。 貴方が下劣と思う 人々の側に立つ人間だったのよ。 花が知らなかったことを 教えてくれただけ。 人より、運がよかっただけの事。」 運が悪かった 貴方に信じてもらえるような人になったのは 花が見せた現実のおかげ。 満たされた場所から落ちた私は 満たされた場所にいる人々の考えも 多少なりともわかるから、 わかってしまうから。 感じた後ろめたさを隠さず口にして。 (D48) 2022/08/17(Wed) 12:57:46 |
【雲】 ウユニ「こんな私を好いていてくれるのなら 力になろうとしてくれるのなら それ以上に嬉しいことなんてないわ。 貴方の痛みを、 全ては理解出来ないかもしれない。 でも、私は貴方のことをもっと知りたい。 貴方の家族で、いたい。」 絡む指先から伝わる体温が 貴方の気持ちが、温かくて。 静かに終わりを見据えていたはずなのに 生きたい、 と思ってしまった。 (D49) 2022/08/17(Wed) 12:59:37 |
【雲】 ウユニこの人を悲しませたくない、裏切りたくない。 そして貴方は私の気持ちを裏切ったりしない。 手帳の続きを口にするのは、そんな理由。 「 ……感染せば、助かる。 それが、私が知る全て。」 でも、それは望まない。 誰であろうと、この病を感染したいなんて 思えるわけがなくて。 (D50) 2022/08/17(Wed) 13:00:23 |
【雲】 ウユニ 私にとってのW最善Wは恐らく 静かに、足掻かず過ごすこと。 治療法がまだあるかもしれない、と 期待して、それが裏切られて 絶望を見るよりも。 胸をふたぎ、貴方と暮らす方が、まだ、なんて。 (D51) 2022/08/17(Wed) 13:00:49 |
【雲】 ウユニでもそれは、あくまで私にとって。 貴方が、見失いかけた希望を探そうとするならば。 「何処に、いくの? 治療法を探すのなら、私も連れて行って。」 独りにしないで、と願うように すこし遅れて立ち上がると ふらり、と立ち眩みを起こして 貴方の方へ、よろけてしまった。 残された時間がないと示すように。* (D52) 2022/08/17(Wed) 13:01:31 |
【雲】 サルコシパラとなれば選べる選択肢は 全て最善とも最悪とも遠い ズレた折衷案しか残されておらず。 「もちろんです。 貴女を独りになんてしません。」 まるで迫る現実から逃避するかのように 立ちくらみに揺れる彼女を支えて。 サルコシパラは外へと出るのだった。 (D55) 2022/08/17(Wed) 23:45:12 |
【雲】 サルコシパラ 心の奥底では理解していた。 この先に望む未来などないことなんて。 もしその時になれば自分は選択を迫られる。 愛する人を死なせて悲哀に突き落とすか。 愛する人を救いあげて、悲哀に晒すか。 その事を全て承知の上で サルコシパラはこの未来を選んだのだ。 (D56) 2022/08/17(Wed) 23:45:41 |
【雲】 サルコシパラとはいえ行先をこの街にしてしまえば 花がわかりやすく目立ってしまうウユニが 忌避の目に晒されることは容易に想像がつく。 サルコシパラは仮面をつけ直し 少し迷った素振りを見せたあと。 「そうだ。 この帽子、よければ使ってください。」 そう言って自分が愛用していた帽子を差し出す。 少しでもその姿が周りに晒されないためには 必要なことだったから。 (D57) 2022/08/17(Wed) 23:50:01 |
【雲】 サルコシパラそれから サルコシパラはウユニから視線を逸らすように 蒼空を見上げると。 「実は……隣町で行きたい所があるんです。」 いつもは彼女に伺いを立てる配慮をするのに 今は何も言わずに彼女の手を引く。 有無を言わさずに、彼女を連れていくために。 (D58) 2022/08/17(Wed) 23:50:48 |
【雲】 サルコシパラそうして歩いて数十の刻 辿り着いた先にあったのは 店先に色々な花が飾られている しかし花屋ではない、古ぼけた店だっただろう。* (D59) 2022/08/17(Wed) 23:51:18 |
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