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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【人】 ガット・リベロ ルチア

【路地裏】

──薄暗い路地裏を歩く。
嫌な予感がして、悪い予感がして。
きりきりと目の奥が締め付けられるような感覚がして。

──歩く。右を、左を、見て回る。
転がっているのは、放られたゴミか。
自由猫たちは、珍しい来客に足元までやってきて。

「……ねこさん、ねこさん。
 わたしの大事なひとを、知りませんか?」

そっと、猫に語り掛ける。
それに応えてくれたのかは、わからないけれど。
つい、と首を振って、猫が路地の奥へと駆けていった。
予感はその先へ、わたしの足を促している。

──嫌な予感がする。
おぼろげな記憶。わたしが、ここにいる理由。
頭が痛くて、はっきりとは思い出せないけれど。

──嫌な予感がする。
昔の記憶、それを路地の壁模様がなぞっているよう。
少しずつ、少しずつ、潜り込んでいく。目の眩むような暗闇に。

──嫌な。予感は。
いつだって、当たるんだって。知っていた。
(1) 2022/08/17(Wed) 23:33:06

【人】 ガット・リベロ ルチア

【路地裏】

「……アベルさん?」

──そこにあったのは。
首に穴を空けて、その周囲を真っ赤に染めて。
虚の瞳で天を見上げている──。

「……あは。うそつき。無茶はしないって、言ったのに」

こんな所でひっそりと。
──きっと、何かをしようとしたのだ。
真相に近づいたのか、それを追跡していたのか。
深奥へ触れ過ぎたのか。引き際を誤ったのか。

「……ねえ、大丈夫だよって。言ってたのに。
 わたしを置いて行かないって、言ってたのに。
 ひとりぼっちになんてしないって、言ってたのに」

あなたが拾ってくれたから、わたしは今ここにいるのに。
──太腿に括り付けたホルスターから、ハンドガンを抜いて。
お祈りをするように握って、ホロサイトを額に押し付けた。
(2) 2022/08/17(Wed) 23:34:37

【人】 ガット・リベロ ルチア

【路地裏】

「……うう」

崩れて、膝を折る。

「うぁ、ああ……」

縋るように、天を仰ぐ。

「ああああぁ…………」

雨も無いのに、床が濡れる。
(3) 2022/08/17(Wed) 23:35:29

【人】 ガット・リベロ ルチア

【路地裏】

今、すぐに。あなたに触れたい。触れたくない。
駆け寄って泣き叫びたい。けれどそうしてしまえば。
砂のように──崩れ去ってしまいそうな、気がして。

いいや。そうだ。
わたしの、このつかの間の幸せだった時間こそ。
砂で固めた、脆い牙城で。それをわたしは。
もっと、全力で、出来る限りのことをして守るべきだったのに。
わたしは、また。

こうしてすべてを失うまで、結局。
また、何ひとつすら出来なかったのだ──。
(4) 2022/08/17(Wed) 23:36:41

【人】 ガット・リベロ ルチア

【路地裏】

ふらふらと。
少女は歩く。

コーヒーショップは、仕事にならないから。お休みをもらって。
なんのあてもなく、ただ、周囲を窺って、なにかを探すように。

うつろな表情で、瞳だけをぐるぐると回しながら。
……歩いている。
(14) 2022/08/18(Thu) 12:39:47
ルチアは、捜している。
(a46) 2022/08/20(Sat) 20:18:21