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人狼物語 三日月国


124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】

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視点:


【人】 灯守り 芒種

[ 液体以外が物理的に通る気がしないので
  用意された食事に一切手をつけないまま
  暖かいお茶を啜っているふりだけして時間が流れる。

  妹だけを眺めていた視線は、その視界に
  ひとりまたひとりと別な顔が映り込む度
  その景色に焦点を合わせることを放棄してゆく。

  明るく社交的な妹。
  誰とも関わろうとしない陰気な姉。

  比べて責められる事にはもう慣れた。
  そんなことが辛いわけではない。
  あの子の世界が広がることを喜びきれない自分と
  上手く向き合いきれずにいるだけだ。

  あの隣に並んでほかの誰ともにこやかに、なんて
  努力しようか悩んだこともある。
  けれど向いていないのだ。
  あの子がいる場所でそれ以外になど
  まるで興味が湧かないのは目に見えていた。
  楽しく過ごすあのこの邪魔をしたいわけではない。 ]
(7) 2022/01/27(Thu) 2:18:05

【人】 灯守り 芒種

[ ピクニックシートの小さな家に
  ずっと二人きりなら良かったのに。
  それだけでよかったのに。

  あなたはそうじゃないのでしょう?
  それが普通だ。その成長が喜ばしい。
  けれど
  あなたはそうじゃなかったことが
  こんなにも苦しくてたまらない。
  わたしにはあなただけなのに
  あなたにはわたし以外が在ることが。

  閉じ込めたいわけではない。
  あなたには自由で在ってほしい。

  子供みたいな我侭な独占欲と、それに伴う矛盾とに
  喉の奥が締め付けられて苦しい息が
  もうすっかり湯気もあがらぬお茶の水面を揺らした。 ]
(8) 2022/01/27(Thu) 2:18:51

【人】 灯守り 芒種

[ 俯くことはできない。
  辛い顔をすることも。
  きっとあの子は心配しをして駆けつけてしまう。
  邪魔をしたいわけじゃない。
  邪魔をしてしまいたい。けれど……
  わたしになんか気付かなかったらどうしよう。

  ほんの少しでも気付かれない時間があれば
  きっと心が死んでしまうから試せない。
  しにたい気持ちは今日も絶えず心の中に燻っていたけれど
  しにたいなんて願望、しねない人間が抱くものだ。
  所詮自死を選ぶ度胸なんてない。
  心を殺す度胸もない。 ]


( かえりたい )


[ 何もかもがどうでもよくて何も考えずにいられる
  陰鬱で退屈な日常にはやく帰ってしまいたかった。
  気が滅入る湿っぽさすらもはや恋しく思える。 ]
(9) 2022/01/27(Thu) 2:20:10

【人】 灯守り 芒種

[ それなのに

  焦点が逸れてぼやけた視界でも
  幼い頃よりも少し落ち着いた柔らかな亜麻色を
  意識しなくても目が追いかけてしまう。
  離れてしまったほうが楽なのに、離れることが苦しい。

  だから来たくなかったんだ。

  抱きしめたぬくもりも握る手の力強さも甘い肌の香りも
  他と話す時とはまるで違う甘え切った声も
  すっかりと鮮明に思い出してしまった 。
  甘ったるい毒に自ら侵されている気分だ。 ]


 (ばかみたい)


[ もう何度も繰り返した自嘲を口の中に持て余して
  結局吐き出すこともできずそっとお茶で流し込んだ。*]
(10) 2022/01/27(Thu) 2:20:56

【赤】 灯守り 芒種

── >>4:+0天乃との昔の話 ──



  こんな話、殿方にすべきではないのでしょうけれど……


[ 胡散臭く恥じらってみせたのは
  そんな前置きをした後の話題のためだ。
  生憎恥じらいなんてものは生娘であった頃から
  一切持ち合わせてはいなかったけれど。

  はじめての時だってご苦労なことだなと思うだけだった。
  可愛げの欠片もない小娘相手に無理に興奮して見せ
  媚まで売らなければならないことに。
 『芒種』という名の台座でいるだけのわたしよりも
  きっと苦労も多いことだろうと気の毒に思っている間に
  なにもかも終わっていた。 ]


  無理に結婚を推し進められない立ち位置になったせいか
  毎晩ね、寝室に……
  代わる代わるおとこのひとがいるのよね。

  うちはほら、先代までは『女に灯守りは継がせられない』
  なんてちょっと偏った風習だったくらいで……
  女は子供を産むもの、っていう考え方がね、
  少し強くいひとが、まだおおくて。
(*18) 2022/01/27(Thu) 2:50:17

【赤】 灯守り 芒種

 『後継にならない子を産ませたい』のか
 『子供を産ませることで引退させたい』のか
  それとも単純に『気に入りを見つけさせたい』のか……
  目的はよくわからないのだけれど、
  なんであれお断りする理由がなくて困っているの。

  わたしが理由もなく追い返せばきっと
  役目を全うできなかったお叱りを受けてしまうでしょう?
  誰か一人を気に入るのは無理でも
  せめて任された仕事はさせてあげたいのだけれど

  いい加減、少し疲れてしまって……


[ 殿方に、以前にほぼ初対面の相手に
  ぺらぺら暴露する話でもない。
  毎夜代わる代わる違う男に黙って抱かれていますなんて話。

  いくら世間知らずとて、ちょっと異常なことはわかる。
  けれど、中央勤めのこの男なら家の事情を
  多少理解してくれそうな気がしたから。 ]
(*19) 2022/01/27(Thu) 2:51:30

【赤】 灯守り 芒種

[ ……なんて評価を興味もない彼に下したわけではない。
  回りくどく偽るよりは本当の話をした方が早い、と
  単純に思っただけの話だった。
  惚れたふりをして努力して両思いになるのも
  適度に距離を取ってその関係を維持することもなにもかも
  心底、とにかく、面倒だったので。

  この場合恥ずべきはそんなことを
  強要しているまわりであって
  自分自身に恥じらいもないので、まぁいいか、と。

  一方的な会話は言葉を挟む隙を与えずに続く。
  きっと断ろうと開きかけた口を
  ぱんと手を打って封じ、黙って訊けとばかりの
  穏やかなのに、圧のある、にっこりとした微笑みと共に ]


  それでね。思ったの。
  想い人ができたからもう出来ないと言ってしまえば
  角が立たずにお断りできるかしら、って。

  わたしが一方的に想いをよせたところで
  お相手の方にその気がないことが知られてしまっては
  諦めさせられて終わるでしょうけれど……
(*20) 2022/01/27(Thu) 2:54:09

【赤】 灯守り 芒種

  ……つまり、ないのなら、
  あることにしてしまえばいいでしょう?


[ 男を誑し込むやりかたで視線を奪って、妖艶に微笑んだ。
  そんな『教育』だけは、当時熱心にされていたから
  多分そんなに悪くはない出来だったと思うのだけれど
  どうにも怯えられたような気はする。
  なにがいけなかったのかは未だにわからない。]


  あなたにいいひとが出来るまでで構わないの。
  口実になってくださらない?

  わたし、とっても困っているの。
  このままだと追い詰められて……
  なにか、あなたたちが困るようなことも
  してしまうかもしれないわ。


[ 手を伸ばして、口付けでも強請るみたいに
  ひやりと冷え切ったゆびさきが、
  引き攣ったそっと頬に触れた。
  心底嫌そうなその顔が新鮮で、無意識に口角が緩んだ。* ]
(*21) 2022/01/27(Thu) 2:56:33

【赤】 灯守り 芒種

[ ひとの寿命を超越した存在はにがてだ。
  だって気味が悪いじゃないか。
  なに食わぬ顔をしてひとのかたちをしているけれど
  もうそんなものひとではないと子供心に思っていた。

  早めに次を探さなければわたしもじき同じものになる。
  鏡の向こうに、ちっとも変わらなくなった自分をみつけて
  そうと気付いたのはいつだったか。

  現金なもので、あんなに気味悪がっていたものに
  自分がなるかもしれないと気付いても、
 『都合がいい』と思っただけだった。
  自分がひとでなくなろうとも、そんなことはどうでもよくて
  あのこを最期まで看取れる可能性があるのなら
  それでいいと。

  けれど。

  灯守りの役目を終えても
  あのこはきっとわたしのもとへ帰ってくることは
  きっとないんだろうと、わかっている。

  わたしの傍が帰る場所であったことなど終ぞないのだから。

  姉で在りたいと淡い希望を抱きながらも
  家族になることから怯え逃げ続けたわたしの傍が
  あのこの帰る場所になるなんて都合のいい結末
  未来永劫訪れることはないだろう。 ]
(*99) 2022/01/29(Sat) 20:47:25

【人】 灯守り 芒種

[ >>65年少者を見守っていた大人びた顔が途端に綻び
  >>89駆け寄ってくる頃にはすっかり妹の顔に戻る。

  優越感に似た感情の明確な名前は知らない。
  知らぬままただ無性に胸が苦しくなる。
  あなたの唯一にはなれないわたしにも
  あなたの唯一で在れるものがまだ残っていることに。

  あぶないからはしってはだめよ、なんて何度言い聞かせても
  ちっとも変わらない事が無性に愛おしくて。
  背筋を正して澄ましていた顔が思わず緩む。

  きらきら目を輝かせているあの顔はきっと
  新しくみつけたすてきなものをわたしにも共有したい顔だ。
  なんてわかったふりをしてちょっとした充足感を得る。
  本当はあなたのことなんて殆どなにも知らないのに。  ]
(140) 2022/01/29(Sat) 20:48:44

【人】 灯守り 芒種



  あら、すてきね。
  じゃあ、ひとついただこうかしら……


[ 無論入るか入らないかではなく入れるのである。
  幸い潰せば殆ど水分だ。いける。
  意気込んでフォークに手を伸ばそうとすれば
  心配性の双眸に見透かすように覗き込まれた。

  そういえばいつからだろう。
  すっかり心配されることが当たり前になりつつある
  今への違和感がふいにぽつりと浮かんだ。
  駆け回っては転げるこの子の心配をするのがわたしの役目で
  心配される側ではなかったはずなのに。  ]
(141) 2022/01/29(Sat) 20:49:13

【人】 灯守り 芒種

[ 何も変わらないと言ったけれど
  変わらないものなんてないことを知っている。
  変われないのはいつだってわたしだけだ。

  最初に味わった暖かな幸せの時間から、ずっと
  ひとり残されたまま、動けずにいる。

  おいかけないと、おいつかないと
  あなたが戻ってくるはこないと知っているのに。 ]


  ‥‥‥‥‥‥ああ、違うの。大丈夫よ。
  お留守番の子がいるから、頂いていないだけ。

  心配症ね、茉莉は。
 

[ 運んできてくれたいちごをひとつフォークで突き刺して
  笑みの消えてしまった口元にひょいと押し込んだ。
  おいしい?って視線で訪ねて小首をかしげた。 ]
(142) 2022/01/29(Sat) 20:50:57

【人】 灯守り 芒種

[ 用意しておいた言い訳を淀みなく紡げば
  二つ目を突き刺して、自分の口に運ぶ。
  瑞々しい果肉に歯を立てて噛み締める。

  随分前から味覚が低下した舌先では
  酸いのか甘いのかよくわからないから
  おいしい、と笑みを含んだ声音で零して誤魔化した。  ]


  お食事は出るって伝えあるのだけれど、それでも
  きっとわたしの分も用意して帰りを待っているでしょうから
  お腹をいっぱいにして帰ると、拗ねてしまうから……。


[ 人が来るたびすぐに隠れてしまうから
  いることは知っていても顔を合わせたことのない筈の
  留守番の猫を口実にすれば疑われることもないだろう。
  そんな性格じゃないことを知る事はないでしょうから。*]
(143) 2022/01/29(Sat) 20:51:51

【人】 灯守り 芒種

[ 帰り際、大袈裟に別れを惜しむ妹を抱きしめる。
  いつ突然そうなるか、わからない能力を継いだこの子に
  今生の別れでもあるまいに、なんて気安くは言えない。

  何度わたしが「また遊びに来る」を繰り返しても
 「帰らないで」ではなく「行かないで」と泣きついた
  小さな頃と何にも変わらない寂しげで
  不安いっぱいの双眸を覗き込んで、
  頬を撫でて、こみ上げる愛おしさのまま
  昔と変わらぬ所作で、前髪の上から
  そっと額に唇を押し当てた。

  眠るのを嫌がる幼い子供に、彼女の両親を真似て
  何度も繰り返した、寂しさを吹き消すおまじない。 ]


  しばらくは忙しいでしょうけれど
  手が空く季節になったら、またいつでも遊びに、……


[ 何度も繰り返した「また遊びに来る」の言葉は
  この子が先代立春に弟子入りして
 「また遊びに来て」に変化した。
  この子の帰る場所はもう、芒種域あの土地ではないから。
  理解している。今更言い澱む言葉でもない。

  なのに

  もう何度も繰り返してきた言葉が
  喉に痞えて出てこない。 ]
(330) 2022/01/30(Sun) 23:59:12

【人】 灯守り 芒種

[ やられた。頭を抱えたくなる衝動と
  不自然に途切れた言葉に心配性の妹を
  心配させてしまうのとを
  掛けた天秤は一瞬で後者に傾いた。
 
  犯人はどうせこの場にはいないのだから
  お仕置きをするのもどうせ帰ってからだ。
  なら今すべきことは、
  この場をどうにか取り繕う事だけ。 ]
(332) 2022/01/30(Sun) 23:59:36

【人】 灯守り 芒種

[ 飼い猫はちょっとした能力を持っていた。
  どんな能力なのか問いただしたことはないので
  正確な能力も、いますぐ解除する術もわからない。
  関心を向けなかったツケだ。

  今かろうじてわかっていることは、猫の能力が
 『ほんの一言の指定した言葉をしばらくの間封じる』
  だとか、そんな感じの能力であるということだけ。

  そういえば出がけになにかぐずっていた
 「その気もないくせに無闇矢鱈にひとを誘うな」と
  社交辞令で紡ぎかねない「遊びに来て」を封じたようだ。
  社交辞令で紡ぐのなら「遊びに
いらして
」を使うけれど
  そのへんの些細な違いは理解していないのかもしれない。

 「遊びに
いらして
」なら言えるのか?
  茉莉にいうの?そんな他人行儀に?
 「て」がだめなら「る」で
  何かしら言い換えれば……?

  どうすべきか悩んでいる間にも沈黙は過ぎて、
  なんだかなにもかも面倒になってきた。

  いいか、もう、言ってしまっても。
  べつになにも間違ってはいないのだから。 ]
(333) 2022/01/30(Sun) 23:59:51