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人狼物語 三日月国


153 『Override Syndrome』

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【人】 内科医 カナ



   あの時、生まれて初めて
   他人に
怒り
を感じたの。


         許せなかった。


            本当に、許せなかった。



(52) 2022/06/12(Sun) 18:56:50

【人】 内科医 カナ



  [不意に目線は机の天板へと向かう。
   そこにあったのは私が卒業した来年に発行された
   学会が監修する学術誌。

   私が卒業時に書いた論文は今もここに掲載され
   当然引用された論文だって書かれている。]


   『精神障害における腎機能の症状と
        神経伝達機能との因果関係』



  [この研究だってヒントを貰ったのはあなたの論文。
   けれどその栄光はハリボテのお坊ちゃまに向けられ
   本当に栄誉を受けるべき人は消えたまま。]


(53) 2022/06/12(Sun) 18:59:26

【人】 内科医 カナ



  [あの論文の研究者名を黒で塗りつぶしたページを
   開いたまま机に置き直すと
   新人の看護婦の子に声をかけて。]


   次の方が今日の最後の診察です。
   
   適宜休憩しつつ、入院されている
   患者さんの様子を診ておいてください。

   
  [Override Syndromeの重症化に苦しむ患者達の
   様子を案じなが指示を出すと、予約されていた
   患者の名前を確認して目を丸くするのだった。]**


(54) 2022/06/12(Sun) 19:06:13

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 診察が終わって帰宅をすれば、真っ先にスマホを見た。
  今日、友達と行った、気になっていたカフェ。>>0:34
  SNSに上げた、オープンサンドのランチプレート。
  "亜結実"のアカウントに同じ写真を載せた時と、
  ファボの数は一桁違う。


  
……でも、"真結実"にしては、明確に少ない。 ]

 
(55) 2022/06/12(Sun) 19:22:01

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 火事以降、暫くこのアカウントは放置状態だったから、
  単純にその間にフォロワーが減っている
  というのも勿論ある。
  それでも、私がこのアカウントを引き継いで
  定期的に投稿をしても、
  フォロワー数やファボの数は緩やかに減少していった。


  それが全てではないと分かっていても、
  それこそが真と亜の力量の差なのだと、
  突きつけられているようで……。
  
付け焼刃の努力など、しょせんこんなもの。 ]

 
(56) 2022/06/12(Sun) 19:22:38

【人】 女子大生 マユミ

 
[ きらきらした、幸せな、
  ちゃんとした人生を引き継いだはずだった。
  "船越真結実"は、今もこの世界に生きている。
  私がその名を引き継ぐことで、
  一縷の希望を現実に結び付けたつもりだった。

  ……厚顔無恥にもほどがある。
  この体たらくはなんだ?
  SNS上ですら、きらきら女子大生を維持できていない。 ]

 
(57) 2022/06/12(Sun) 19:23:14

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 先生から貰った、チケットの入った封筒。>>18
  開けて中身を確認する。
  勿論、ちゃんと鼠ランドのペアチケットが入っている。

  先生は友人と行くことを勧めた。
  恋人と行くと別れるというジンクスがあることは、
  私も知っている。
信憑性はあまりないと思っているけれど。


  言われなくても、慶人を誘おうとは思わなかっただろう。
  火事から半年経過した今、
  彼との間柄は非常に微妙なものへと変わっていた。 ]

 
(58) 2022/06/12(Sun) 19:23:52

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 法学部のイケメン彼氏の存在、
  私だって羨ましいと思わなかった訳ではない。
  "亜結実"であったときは、口をきいたこともなかったが、
  二人の仲睦まじい様子は、何度も目にしてきた。


  彼は顔だけが良い男ではなく、
  人柄も信用に足る人物だと、実際接してみてよく分かった。
  辛い思いをしたからと、煮え切らない態度の私に対して、
  不満を露わにすることなんて一度もなかった。

            「いずれ迷いもきっと晴れるから、
             それまでずっと傍にいる」


  そう言って私の心を支えようとしてくれた。


          
……恋人に成りすます詐欺師相手に。 ]

 
(59) 2022/06/12(Sun) 19:25:08

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
 
 
           
[ その優しさが、私は怖かった。 ]

 
(60) 2022/06/12(Sun) 19:25:26

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 抱きしめられれば、体は震え。
  唇を寄せられれば、涙が滲んだ。


  そんなに近づかれたら―――……
見破られてしまう!
 ]

 
(61) 2022/06/12(Sun) 19:26:04

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 何度もエデンにアップロードされた、
  真結実の幸福体験を味わった。
  
本当に、本当に幸せで。



                   
羨ましかった、

                   
妬ましい程に。
 ]

 
(62) 2022/06/12(Sun) 19:26:45

【人】 女子大生 マユミ

 
[ けれど実際同じ幸せを現実で喰んでみれば、
  同じものであることを疑ってしまう程、
  味わいが異なる。

  だって、現実で幸せを享受するには、
  その幸せを掴み取れるだけの"価値"がなくてはいけない。
  イケメンの彼氏に見合う、イイ女でなければいけない。
  皆に慕われるほどの、徳がなければいけない。


  それを持たない人間が手にすれば、
  分不相応な幸福は
から
に変わる。



         
見限られ失う怖さだけが、舌に残った。 ]

 
(63) 2022/06/12(Sun) 19:28:05

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 私は一度も幸福体験を、
  エデンにアップロードしたことがない。
  真結実は生きていた頃、定期的に投稿していたのに。


  
それは、"今の真結実わたし"が幸せでない何よりの証拠。 ]

 
(64) 2022/06/12(Sun) 19:28:43

【人】 女子大生 マユミ

 
[ こんなことではいけないと、
  アプリを起動して、イヤホンを付ける。
  "船越真結実"は、
  きらきらした人生を謳歌する素敵な女性。
  彼女は生きている。
  変わらず、幸福であるべき人間として。
  だって、この国に生きる全ての人間に、
  幸福を追求する権利があるのだから。>>0:n0

  味覚が麻痺するまで、
  幸福体験をオーバードーズすればいい。 ]

 
(65) 2022/06/12(Sun) 19:29:26

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
 
 
         
[ 
を食らわば皿まで。

           
You might as well be hung for a sheep as for a lamb. ]

 
(66) 2022/06/12(Sun) 19:29:50

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 現実と仮想の境目が曖昧になるほど、私は過食を続けた。

  
幸せになる事って、

  
実はそんなに難しい事ではないのでは?

  
ただ耳から流れ込む多幸感の海に、耽溺するだけでいい。

  
現実で幸せを掴もうとするより、

  
ずっとずっと確実で効率がいい。



  
私にだって、簡単に出来てしまうじゃない! ]

 
(67) 2022/06/12(Sun) 19:30:39

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 寝食を忘れて、ただただ耳だけを傾けた。
  邪魔をされるしうるさいから、
  スマホの通知機能をオフにした。



             
もう私には不都合は何も見えない。 ]

 
(68) 2022/06/12(Sun) 19:31:12

【人】 女子大生 マユミ

 
[ とは言え、今の私は実家で生活している身。
  家族が当然その異変に気付いた。
  ろくに食事もしなければ、自室から出てくることも
  少なくなった娘からスマホを取り上げて、
  「兎に角、病院に行きなさい!」と母が一喝。

  口答えするのも億劫で、適当な服に着替えた。
  意識はしていなかったけど、
  真結実なら絶対に選ばない暗い色の服ばかり。
  本当はメイクも面倒だったのだけれど、
  流石にすっぴんでの外出は躊躇われた。
  ファンデーションにフェイスパウダーを重ね、
  雑にチークをはたいて色付きのリップを塗った。
  目の下のクマもコンシーラーなど使う事無く放置。

  先生に貰ったペアチケット、そのままだったな……。
  そう思って、チケットをバッグの中に忍ばせた。
  私は使わないから、返した方がいいかもしれない。 ]

 
(69) 2022/06/12(Sun) 19:32:12

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 受付では、一瞬びっくりされたようだった。
  それが、死んだ姉の様だったからなのか、
  生き残った妹らしくなかったからなのかは分からない。


  診察を待つ間、
  ついバッグの中にスマホを探してしまうけれど、
  スマホは取り上げられたままだった。

                  
……落ち着かない。


  玩具を取り上げられた子供のように、母を疎んだ。
  やがて名前が呼ばれれば、診察室へ。 ]



               
―――――……。



[ 濁ったように虚ろな瞳が捉えた相手に、
  かける言葉を今の私は持たなかった。 ]**
 
(70) 2022/06/12(Sun) 19:33:07

【人】 医者 サキ


[ 今日も変わりなく、時間が過ぎていた。
  
お大事に
、と何万と言ってきたフレーズを
  また1つ積み重ねる、日常。

  そんな日常に薄くヒビが入ったのは、
  次のカルテを持ってきた看護師が
  どうにも落ち着かない様子を見せたその時だった。 ]

 
(71) 2022/06/12(Sun) 23:08:07

【人】 医者 サキ



   そうしたら次の方を───…
何かありました?



[ 尋ねれば、
  「船越さんの娘さんなんですけど…」

  と歯切れ悪くカルテを渡される。

  船越真結実。ここ半年見てきた名だ。
  半年前、久しぶりに持ってきた時だって
  こんなに驚いた様子はなかったのに。
  …驚いているのは、それだけの何かがあったのか?


  考えを纏めるのが精一杯、深く尋ねている暇はなく。
  呼んできますと言って看護師は待合室へ出ていった。

  少しして、入ってきた彼女の姿を見て。
  俺は思わず、持っていたペンを床へと落とした。 ]

 
(72) 2022/06/12(Sun) 23:09:49

【人】 医者 サキ



     ……っ
ッ、!



[ 形だけはこちらを向いているのに、
  まるで掴めない遠くの何かを
  見ているような、
ろいの瞳。


  しばらく、言葉が出なかった。
  言葉になり損ねたものが  
なんで、

  喉奥でつっかかって、押し返されて、
  胃の腑に帰っていく。  
どうして、


  カラカラと、落ちたペンの回転する音が
  虚しく時の進みを知らせていた。

  ───俺はその瞳を、知っている。

  同じだ。
  …10年以上前、嫌という程見せつけられたそれと。 ]

 
(73) 2022/06/12(Sun) 23:11:37

【人】 医者 サキ



   …とりあえず、こっちおいで。
   座りな、…ね。


[ ただ手招きすればいい距離だというのに
  どことなく落ち着かなくて、立ち上がって。
  この歳の子に話すには随分と幼い言葉を向けた。

  歩く様子が無ければ近づいて誘導したけれど、
  とにかく椅子につくまでは
  その様子をじわりと滲む目で見守って。 ]
 
(74) 2022/06/12(Sun) 23:12:54

【人】 医者 サキ

 
[ ───色濃い隈、…食欲不振か。
  化粧で顔色は多少誤魔化せても、
  若干痩けた顔の形までは隠しきれていない。

  ……でも、内科の仕事じゃ、ないだろうな。
  もし、この子の病気がOS*なら。
  精神科…心療内科の仕事だ。


  手が震える。声も。
  俺の管轄じゃないと分かっているのに、
  身近な人間であるという情が。
  助けられるんじゃないかと、淡い希望が。


  …見捨てられない。 ]

 
(75) 2022/06/12(Sun) 23:15:10

【人】 医者 サキ



   ……色々と聞きたいことはある、けど。
   先に1つ、聞かせてほしいんだ


   君は、………
"船越真結実"で、間違いないか?



[ じ、と虚ろな瞳に焦点を合わせ、
  あくまで、柔らかく。
  震えている以外は、優しい声で、尋ねる。

  これからの何もかもを、
  分けてしまうのはきっとここだ。 ]**

 
(76) 2022/06/12(Sun) 23:16:14
医者 サキは、メモを貼った。
(a2) 2022/06/12(Sun) 23:18:04

【人】 会社員 ツグアキ



[ もう、今更どうでもいいのだけれど。

  どうせ研究するなら、対象を
  脳にすればよかったとだけはつくづく思う。

  忘れたいことを綺麗さっぱり消し去るような
  奇跡の仕組みがあれば

  脳に血糊の手型がべっとり張り付いて
  離れないこの靄に

  覆われることもなかっただろうに。  ]
 
 
(77) 2022/06/13(Mon) 13:46:12

【人】 会社員 ツグアキ


[ 結論から言えば俺の論文の出来は
  かなりよろしく、ぱっとしない後継の
  箔付にぴったりだと見染められたと
  いうだけの話。

  今思い出しても笑いが止まらない。

  それは取引、などという対等なものではなく
  強要、恫喝、脅迫を、
  礼儀正しい体裁と言葉で包みかくした
  結論ありきの交渉だった。

  なんのことはない。
  俺は多額の金と引き換えに
  未来とプライドを売り渡した、

  売り渡さざるを得なかった、だけの話。 ]
 
(78) 2022/06/13(Mon) 13:46:56

【人】 会社員 ツグアキ



[ 持ち得る者、の無敵感。チート。
  相手には有った居場所>>0:122
  俺にはなかった、だけの話。  ]


 「敷かれたレールを踏み外してはいけないよ。
   踏み外したら最後、
    二度と戻って来れないからね。」>>0:6
 
 
(79) 2022/06/13(Mon) 13:48:07

【人】 会社員 ツグアキ


─── 光の丘診療所

[ 病院の名前は知識としては知っている。
  Override Syndromeという病状も知ってはいる。

  だからこそ俺が今この病院の待合室に
  座っていることだけがひどい違和感。

  落ち着かない気持ちを無理矢理
  落ち着かせるように柔らかな椅子に背を預け
  持ってきた本を開く。

  変わらぬ穏やかな表情のまま
  口角の位置はゆるやかに弧を描いている。
  ただ、ページを捲る指先は小刻みに震える。 ]
 
(80) 2022/06/13(Mon) 13:51:45

【人】 会社員 ツグアキ




  蟾蜍。
それが、自分だ。
  世間がゆるすも、ゆるさぬもない。
  葬むるも、葬むらぬもない。
  自分は、犬よりも猫よりも劣等な動物なのだ。
  
  蟾蜍。
  のそのそ動いているだけだ。
**
 
 
(81) 2022/06/13(Mon) 13:52:38