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【赤】 少年水夫 カイル[こんな所に最高にイイ女など居ようものなら、 どんな酷い目に遭ったことか、子供の僕にも知れたこと。 既にこの世に存在しないものを盗むことは出来ない。 だから僕は心の底から、 母さんが生きていなくて良かったなどと、 罰当たりなこと思ったんだ。] (*6) 2022/05/28(Sat) 7:24:21 |
【赤】 少年水夫 カイル[希望と愛を乗せていた船から、 幸福は残らず奪われた。 最後に僕たちの船は油を撒かれて火をつけられ、 夕日みたいに沈んでいった。 僕たち女子供は、そのまま海賊のアジトへ拉致された。 最早暴れて抵抗する元気を持つ者も、 泣き叫ぶ元気のある者もいなかった。 アジトには他にも何処かで僕たちのように 拉致されてきたのであろう、 女性や子供たちが沢山いた。] (*7) 2022/05/28(Sat) 7:25:12 |
【赤】 少年水夫 カイル[そして今度は、僕たちを奴隷として売るために、 船で奴隷市場のある場所へと移動する。 不衛生な船室には、絶望に塗れた子供たちが、 ぎゅうぎゅうに犇めき合っていた。 一日に一度、魚に餌をやるように、 パンくずが僕たちの押し込められた船室にばら撒かれる。 それをわれ先にと、奪い合いながら貪った。 最早、人としてまともに生きているとは、 到底言えない有様だった。] (*8) 2022/05/28(Sat) 7:25:52 |
【赤】 少年水夫 カイル[いつしか狭い船室内で、しきりに咳をする子供が出てきた。 人数はどんどん増えていき、死者も出始める。 海賊は子供がこと切れているのを確認すると、 面倒くさそうに船室の外へ運んでいった。 まともに葬ってくれるような連中じゃない。 船外へと子供たちの屍は投げ捨てられていたのだろう。 当然医者が診ることなどありえないから、 これは僕の推測だけれど、 あれは恐らく肺結核だったのだと思う。 生きているだけで満身創痍な子供たちに、 病は翼を開く様に軽やかに蔓延した。 当然僕も、同じ病気を患った。] (*9) 2022/05/28(Sat) 7:26:43 |
【赤】 少年水夫 カイル[高熱に、止まらない咳、血痰……。 最初はすし詰めだった船室内に、 ぽつりぽつりと穴が開いていく。 「助けて」と、声にならない叫びをあげた時、 僕の瞳が捉えたのは、幸せだったころの幻。 助けて欲しいのは、皆の方だったと思う。 僕は今の今まで、のうのうと生きてしまった。] 助かってしまった (*10) 2022/05/28(Sat) 7:28:16 |
【赤】 少年水夫 カイル[高熱で痛む節々に無理をさせ伸ばした手は、 何も掴むことなく沈んでいった。 を叶えることもできず、 を守ることもできず、 に一矢報いることもできなかった。 悪寒で震える体に、熱に浮かされ燃える憎悪。] (*11) 2022/05/28(Sat) 7:28:59 |
【人】 砂の民 スティグさて食うか… [目の前のクレープが乗った皿に正面から向き合う。 しかしどこから食べようか。 皿全体にチョコレートソースで繊細な模様が書かれており、どこから食べても何か崩れる。 暫くの後、首を軽く振った。 あきらめよう。 むしろこのチョコレートソースを皿に残さず皮で攫い尽くす事が重要だ。 手元にあるスプーンで皮を切りつつ皿の上に直に描かれた部分のソースもその皮で拭うように取る。 そしてクリームを少しと、初手から豪華にブルーベリーとラズベリーを一個ずつ乗せた。 そのまままとめて口に運ぶ。 うまい。 この薄い皮大好きだ。 しかし構成要素全部好きなため、より残量のバランスを考えて食べて行かなければ… 暫く、クレープに無言で向き合い、食べ進めていただろう。] (49) 2022/05/28(Sat) 8:03:41 |
【人】 砂の民 スティグ[暫く真面目に食べていた後、席に来てくれたのは、先ほど書いた地図を持って一旦裏手に入って行った店員の少年だった。 手元には、あの瓶がある。 中には赤いサングリア、そして、黄色い果実…スターフルーツが浮かんでいた。 さっきの流れ星の話をすぐに思い出す、鮮やかな黄色だった。 瓶を持ってきた彼の話を聞く>>35 …彼の父親は、今どうしているのだろう。 それとも一緒に亡くなったのだろうか。 少年がどうやって死んだかなど、自分には知る由もない。 それでも、続く話>>36には、そうなんだ、とほっとしつつ納得した。 「ここで飲むホットワインはとても美味しい」 よくわかる。 少年のほかにも酒を持って来てくれた彼らのことを思い浮かべる。 あの年齢で亡くなっている。 語りたくないこともありそうだった。 けれども、優しかった。 傍から見れば、幽霊に憑りつかれているとしか見えないのかもしれない。 でも、もう自分にはそうとしか思えないのだった。] (50) 2022/05/28(Sat) 8:05:50 |
【人】 砂の民 スティグありがとう。 …あのさ、君が願ってほしいことはないのか? 僕はこれから、この酒を持って故郷に帰る。 何日も、馬車や歩きで草原を越えていくんだ。 きっとよく星も見えるだろう。 流れ星だって何日ものうちにはいくつも落ちる。 もう、願いのかけ方も覚えたし、ここの場所も知っている。 君が僕のために祈ってくれたように、僕も君のために祈るよ。 [少年の酒を受け取りながら、彼に聞いてみた。]** (52) 2022/05/28(Sat) 8:08:51 |
【人】 ヴィム[ そう伝えるとちょうどブイヤベースが届いて。] それじゃ、ごゆっくり。 [ ありがとうと一礼をすると 青年は仕事へと戻っていく。]** (58) 2022/05/28(Sat) 9:08:17 |
【人】 偽冒険者 キンウ ──霧の夜:『MiraggiO』店内〜扉付近── [ ──「何故、この酒場に来たのか?」>>2:38 そういえば少し前に、その問いには何て応えたっけ? ──美味しい海鮮料理が出る!って聞いたから。 多分、そんな感じで応えた。 酒場の各テーブルから漏れ聞こえてくる“人”の声を拾えば ゴーストの存在に一番懐疑的だったのは 自分だったのではないかと思う。 それでも、仮にも招かれるに足る要因はあったはず……。 ──「ここには“いいゴースト”しかいない”>>36 少年の唇から発せられた“ゴースト”という言葉には 何か暖かいニュアンスが混じっているように感じられた] 強く、願えば、会えるのかな。 生きていても、死んでいても。 例えゴーストになっていたとしても。 [そう、呟く] (59) 2022/05/28(Sat) 15:02:58 |
【人】 騎士 ノア ── 回想:霧の昼 ── [ 彼女の記憶を奪って数日間 まともに起き上がることすら出来なかった。 どこを向いても、目を閉じても、 気味の悪い三日月型の目がこちらを見ている。 脳裏に焼き付いた痛み。 同じ器官などないはずなのに 鮮烈に感じる抗えない、恐怖。 自分が目の前で見せられた光景だからこそ 余計に 酷く 覚えてしまうという、のに。 ] (60) 2022/05/28(Sat) 15:05:24 |
【人】 騎士 ノア[ ────わらったのだ。 彼女はこちらを見てわらった。 僕の目に映る彼女の口角は、 ひきつりながらも上を向いていた。 判断能力もまだ大人には遠い歳 命が奪われないのなら そう言って散るのをどう止められよう 代わりになる重さは変わらないのに 口が鉛のように重い 身体だけは耐えられず 今にも剣を抜きかねなかった ...私の動きはその笑みに止められた。] あ" 、 あ"ぁあああああ!!![ 男の嗤い顔が頭から、消えない。 ] (61) 2022/05/28(Sat) 15:05:32 |
【人】 騎士 ノア[ 僕が一番についたから 考えもなしに飛び込んだから まず一人の少女が死んだ 二人を助けられる力を持っていなかった 自分の力を過信したから もう一人の少女の心が死んだ 唯一無傷で助かれた最後の少女さえ 守ったのは私ではない 二人分の死を 消えない罪を 背負って 背負って 背負って ここまで歩いてきた。 ] (62) 2022/05/28(Sat) 15:05:36 |
【人】 騎士 ノア[ 座り込んだ暫くの間 誰かが居るなんて思ってもいなかった。 不意に思い出したのは、 ずっと前にした約束。 美味しい飲み方は知らないまま 飲める歳も大分すぎた。 まだ覚えてるよ 信じる強さを宿した緑眼と 少し遅くに知った貴方の名は。 忘れたくなかった何もかもの中 声がもう、 思い 出せ ない 人は声から忘れていく ] (63) 2022/05/28(Sat) 15:05:41 |
【人】 騎士 ノア[ ───帰り道、 町へ向かって歩いていた。 住宅地を駆け回る子どもからは 無意識に目を逸らしながら 少し店も増えてきて ちょうど花屋の前に差し掛かった時だった 店番...にしては、少し小さな お店の子に 声をかけられたのは。 ] (64) 2022/05/28(Sat) 15:05:46 |
【人】 ウーヴェ帰りたいと思うか? 今でも、その場所に 生きてるんだから 恋しいのなら 確かめに行ったら良い その足は飾り物か? 動ける足があるじゃねぇか [ なんて、今でも逃げ続けている俺が 言えたことではないのだけれど。 俺とは違う意志の強さが見えたから。 窓の外、霧で先は見えないけれど きっと彼女には何かが見えてるのだと思う。 ] (70) 2022/05/28(Sat) 16:46:48 |
【人】 ウーヴェ人の足は 前に進むために在ると思う 後ろに戻るのだって 進む、って使うだろ? 戻るのだって前に進んでいるんだ 同じ道にはもう戻れない 同じ場所には帰れない だからこそ前に一歩踏み出せ 未来に進むためにな ** (71) 2022/05/28(Sat) 16:46:55 |