情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 聖杯のジン ナディル>>3:13 シャフリヤール:秘密開示 辺りに満ちてゆく紫煙のなかで シャフリヤールは滔々と自らの罪を語った。 くだらぬ、くだらぬと唱えながら かつての恋人のことを語る男は 誰より悔恨に囚われているようで、 それは何処となく…ナディルを今の姿に変えた 契約者の女に少し似ていた。 『さあ、語れ、『死神のジン』よ。』 いつになく上機嫌な舌回りで 稀代の為政者は謡う。 その声に魔術的な力があるというのは 確かに嘘では無さそうだった。 「──では、何から話そうか。 お前を楽しませる話ができると良いが。 母の話から始めようか……」 (0) kintoto 2021/09/20(Mon) 21:14:21 |
【人】 聖杯のジン ナディルジンに人間の母が居るのは珍しいことだろう。 ナディルの母は神殿に仕える巫女のひとりだった。 あるとき天啓を得て神の寵愛を受け、 子まで為した。 ───それがナディルだ。 ジンであることも、その力も 生まれる前から母親には知らされていた。 ナディルは神の子としてそれはそれは大事にされ、 神殿の奥で傅かれて育った。 物心つく頃には、母と共に 礼拝堂で人々の願いを叶えるようになった。 祝祭日には祭壇で父たる神にも目通りを賜った。 それは確かに輝かしい日々だった。 ……母親が亡くなるまでは。 思えば、母に相当守られていたのだろう。 母を喪ってから、ナディルは人を導けなくなった。 誰の願いを叶えても、皆不幸な死を迎える。 何故上手くいかないのか 全くわからないままに失敗を繰り返し、 挙句の果てに『怠慢の罪』で 父たる神に罰を受けて煉獄に堕ちた。 (1) kintoto 2021/09/20(Mon) 21:17:53 |
【人】 聖杯のジン ナディルそれは怠慢だったのだろうか。 与えても与えても満たされぬ人間たちに どれほどの加護を授けただろう。 「……我は疲れた。 報われぬ使命に仕えるのは…もうたくさんだ。」 ====== ■ナディルの秘密 ・神の子であり、強い力を持ったジンである。 ・煉獄こそが自分の居場所だと感じている。地上へは行かない。 ・ファルーサの、「強さ」を軸とした裏表のない振る舞いに好感を持っている。 【サーリフに賛同する】 ====== シャフリヤールのいうように 確かにナディルとシャフリヤールの哀しみは 同じ色彩を帯びていた。 [〆] (2) kintoto 2021/09/20(Mon) 21:20:54 |
【人】 聖杯のジン ナディル話したいことがたくさんあるのに 何も言えなくなったり 伝えたいと思うこととは 真逆の言葉を口にしてしまったり そんなふうに、 自分を上手く制御できないことがあるなんて。 煉獄に堕ちなければ きっと知らないままだった。 (5) kintoto 2021/09/20(Mon) 22:55:59 |
【人】 聖杯のジン ナディル>>5 長い沈黙のあと、 やっとのように伝えられた懇願とともに 目の前に差し出された サーリフの白い手を見つめながら、 ナディルはずっと抱いていた疑問の 答えを探していた 「あのさ……俺はさ。 別にこんな鎖があろうとなかろうと 地上になんか戻りたくないし サーリフが何を言っても言わなくても それは変わらない。 俺が俺で在れるのは煉獄だけだ。」 サーリフはそれを聞くとふにゃあと力を抜き、 あからさまに安心した顔を見せた。 (6) kintoto 2021/09/20(Mon) 23:01:14 |
【人】 聖杯のジン ナディル「でもそうじゃなくてさ……」 膝の上に落とされたサーリフの手に そっと…本当にそっと触れて、 自分の掌に載せるように掬い上げる。 「俺の願いはお前の願いだって言ったよな?」 俺の願いがなにか、サーリフは知ってるのか? サーリフの願いがなにか、俺は知らない。 サラに戻りたいとかそっちじゃなくて…、 なんでお前は俺を導きたいの? [パス] (7) kintoto 2021/09/20(Mon) 23:02:50 |
【人】 聖杯のジン ナディル── 『キミと共にいたいから』 本気で言ってんのか?って思ったけど、 頬に指先が触れて、それで。 ちょっと温いその手も外側から包むように握った。 「あのさ……、」 言いかけて、 サーリフの俺を覗き込むような視線を避けて 目を逸らす。 「それがサーリフの願いなのか?」 ──なんでお前はナチュラルに俺もそうだって 思ってんだ? とか ──『サーリフの一番が俺』じゃなくて 『俺の一番がサーリフ』なのはなんで?? ずるくねそれ?? とか ──だいたい俺がサーリフを放っておいたんじゃなくて 逆だよな??? とか 諸々言いたいことはあったが飲み込んだ。 (13) kintoto 2021/09/21(Tue) 6:22:41 |
【人】 聖杯のジン ナディル「俺はお前に『導かれたい』と思ったことはないよ。 『導く』のも『導かれる』のも、もう要らない。」 ……俺はそんなに変わったんだろうか。 少なくとも『サーリフに望むこと』は あんまり変わってないと思うんだが。 サーリフはなんだか少し神妙な面持ちで 俺の言葉を待っている。 そうして黙っていれば、 ちゃんと天使らしいのに。 けれど天使らしく在ろうとする故に 懸命にもがいて滑って転ぶ、飛べない片翼の姿は 地上での俺の姿に重なった。 「………堕天しないか?」 翼なんかラナーにあげてしまえばいい。 煉獄に居るなら要らないだろ。 誰の目を憚ることもないはずなのに ごく密やかに頬を寄せて、 俺はサーリフの耳に囁いた。 [パス] (14) kintoto 2021/09/21(Tue) 6:23:42 |
【赤】 聖杯のジン ナディル (*53) kintoto 2021/09/21(Tue) 6:59:28 |
ナディルは、みはいるを摘み上げてアルバリの頭に乗せた。 (a10) kintoto 2021/09/21(Tue) 7:47:55 |
【赤】 聖杯のジン ナディル (*64) kintoto 2021/09/21(Tue) 10:55:57 |
【赤】 聖杯のジン ナディル (*81) kintoto 2021/09/21(Tue) 12:19:17 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新