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【赤】 葛切 幸春………あんたを寝室へ誘っても? [互いが互いのものだと、知りたい。] [浅ましい欲求に抗えず―――熱に浮かされた眼で、双眸を覗き込んだ。*] (*0) 2024/04/29(Mon) 23:03:43 |
【赤】 葛切 幸春[―――寝室へ踏み入る前の、幾許の間。 抱き合う中で相手の心音が伝うような心地がしていた。 常よりも血色の刺す頬肌を、掌で撫ぜて口付ける。縺れるように呼気を喰い合いながら、ベッドへ乗り上げて互いを剥いで行く。相手のシャツへ指を掛けたのは、屹度己が早かっただろう。 触れる舌の熱さに確かな情欲を知り、早まる鼓動が抑え難い。咥内へ招いた舌を吸い、互いの粘膜を擦り合わせる頭の片隅で、彼の寝台が長身の男二人に軋まぬ造りだった事を幸いに思う。同時に、此処まで招かれた女性は嘗て居たのだろうかと―――そう考えて。 嗚呼、確かに。もっと早く逢えていたなら、あんたの体を満たすのも俺だけで在れたかも知れないものを。 ]……? なんだ、冬莉、 [視線で追った唇は潤いを得て目を惹き付ける。澱んだ思考に蓋をして 呼ばれた名に応えを返し、] (*3) 2024/04/30(Tue) 21:10:39 |
【赤】 葛切 幸春[そうして、自分の失言を悟った。] 何処まで………、 [真剣な双眸を前に一瞬言葉に窮する。 躊躇う隙間を愛撫に変え、色付いた下唇を指腹でなぞり、通った鼻筋へ唇を押し当てた。 そうする内―――じわじわと、心に広がるものが在った。彼の言葉がつい先刻存在の知れぬ女性に妬心を覚えた己に重なって。 まるで独占欲まで共有するかのような直向な心が、嬉しいと。 ]……心から好いた相手とするのは、全部あんたが初めてだ。 [だからあんたも、俺にこの行為の快さを教えてくれ。 額に額を重ねる至近の距離で、強請るように囁いた。] (*4) 2024/04/30(Tue) 21:19:00 |
【赤】 葛切 幸春あんたは何方がいい? [意図は伝わるだろうか。尋ねながら、その先を考える。 彼の負担を思うなら攻手を任せた方が良いのだろう。しかし心と体は時に乖離するものだ。柔らかな女体に慣れ親しんだ相手がいざ男の体を前にして不全に陥りはしないか、懸念が無いと言えば嘘になった。] もしもあんたが選べないようなら……、 [暫時、相手の様子を慎重に見詰めながら胸へ指を這わせる。 促す程度の力で軽く押したなら、その背はシーツへ沈むだろうか。シャツから袖を抜き、素の儘になった半身で後を追うように覆い被さった。] (*5) 2024/04/30(Tue) 21:21:26 |
【赤】 葛切 幸春あんたの最期になれるなら。 [口付けに混ざる睦言に、呼気の狭間で囁いた。>>*7 組み敷いた肢体を見下ろして、自然と身に籠る昂りを逃すように呼吸する。技巧を論えば他者と距離を置いた身に刺さり、軽やかな言に本の少しだけ眉尻を落として笑った。] ……冬莉が望むなら、俺はそれでも構わないが。 [敢えて問い掛けるよう目を細め、頸に掛かる指へ応えて今一度の口付けを落とす短刻。傍へ突いた片腕で幾許か身体を起こし、指の背で頬を擽った。 異性を好む相手に、過ぎた願いでしかない。彼が何かを選び取ってくれるならそれで良かった。何方の側においても備えのあった己にとっては。 だが返答に要する時間>>*8 は、彼の中に葛藤や検討の余地がある証左だろう。当然だ。過日の夜には生まれなかった筈の沈黙の時間。勘違いでなければ同性間での行為を知ったが故か、彼が何を参考にしたかは知れないが 己と過ごす為のその用意を愛しく思う。 だとしたら軽口は屹度、彼の精一杯の応えなのだろう。>>*10 ―――ならば、] 希望に添えるよう、励むさ。 [揶揄でなく真摯に受け止めたいと、胸に添う掌を掬い上げて手の甲へ唇を押し当てた。] (*11) 2024/05/01(Wed) 20:48:28 |
【赤】 葛切 幸春───嫌だと思ったら止めてくれ。 [緊張にも似た興奮に喉が鳴る。甲から離した唇で、額から頬、耳許までを転々と啄みながらそう言い置くのは半ば己への戒めだ。 最後に鼻先を寄せた首筋を戯れるように数度甘噛み、やがて強く吸い上げた。数日前の印が残っていたのならその横へ添わせるように。新たな鬱血痕が一つ、見下ろす肌に咲いて目を愉しませる。] あんたは何処が感じるんだろうな。 [肌蹴たシャツを脱がせて、彼を形作る線を確かめるよう均整の取れた体を視線と指でなぞって行く。肩から鎖骨を辿り、胸許へ行き着いた指腹に引っ掛かる未だ柔らかな尖りを掠める程度の力で撫ぜる。一度手を離し、また周囲を円描くように緩く押し掻いて──それから、きゅうと柔い力で摘み上げた。] ……擽ったいか? [問いながら今度はもう一方へ顔を寄せる。指でなく尖らせた舌先でゆっくりと舐り、濡れた其処を緩く吸い上げて、反応を確かめるように目線を起こした。] (*12) 2024/05/01(Wed) 20:50:46 |
【赤】 葛切 幸春[何にしても恐らくは、明確な快楽へ直結するには至らない事だろう。ならばと残る片手は腹筋の線をなぞって───下腹部へと。 男であるからには否応なく悦に直結する箇所を、衣服の上からつうと指先で爪掻いて。膨らみを確かめるようスラックスの前立てをなぞり、じ、と音を立ててファスナーを下ろす。 下着の隙間から挿し入れた手指に包み込む陰茎は、その頃にはどんな様相になっていただろうか。―――知れず唇を舐め摺って、目を細めた。*] (*13) 2024/05/01(Wed) 20:51:45 |
【赤】 葛切 幸春[肩へ触れた手は制止では無かっただろう。>>*15 一瞬目線を投げるものの、その儘吸い付いて他より薄い皮膚を味わう。胸へ埋めた頭上より溢れた掠れた吐息。 その声がもっと聴きたい。 欲に背を押され、指先は急所を過たず捕える。寛げた下着から取り出す陰茎は既に熱を孕みつつあり、手中で跳ねる様に唇を吊った。] どちらが。……だが、気分が乗って来たなら良い。 [明け透けな言葉遣い>>*16 に容易く腹の底が嬲られる。未だ、己の欲に向き合うには早いと深く呼吸を繰り返し──けれど首筋に這う舌に、その表情に煽られて。つい身を乗り出すように色を乗せる顔を覗き込んだ。] あんたの気持ち良いところ、探さないとな。 [拇指と示指で作った輪で緩く兆した陰茎を包み、締め付け、押し上げるようにゆっくりと根本から先まで扱き上げる。残りの指を軸に絡めて柔く揉み込み──そうしながら、先刻吸い上げた胸の尖りへ軽く歯を当て、甘噛みする。 不思議な感覚≠セと先刻彼が呟いた言葉を其処から先へ導くべく。今日には未だ悦楽を拾う事が無理だとしても、両方共が唾液で濡れそぼるまで順に、暫しゆっくりと育てるように。] (*18) 2024/05/02(Thu) 21:36:30 |
【赤】 葛切 幸春[──その内に 溢れる先走りを指先に掬い取って上体を起こす。指は濡れているが、相手の負担を思えば無論潤滑油には到底満たない。後ろ手にスラックスのポケットから個包装のローションを取り出し、歯と片手を用いて封を切った。そうして掌に出した粘り気のある液体を軽く揉み込むように己の肌熱で温めながら、相手の膝を立てるよう手を掛け、脚を開かせもしよう。] 中に、触れていいか。 [許諾を乞い囁いて、しかし注意を分散させるように手に捕えた儘の昂りを柔く撫でる。許しを待つ一方で密やかに息衝く後孔を指腹で摩り───僅かでも力が抜けた瞬間を見計らって、つぷ、と一指を飲み込ませた。顔色を伺いながら、纏ったローションを壁へ擦り付けるように関節まで慎重に進めていく。] ……この、辺り。如何だ? [多少馴染むのを待ってから途中、くん、と曲げる指で腹側を押し掻いた。指腹に触れ得た痼りのような其処が彼の、前立腺、だと判じて。柔く撫ぜるように数度。後は彼の反応を見ながら、時に落ち着かせるべく周囲をゆっくりと押して拓き、時に快楽を引き出す為に痼りをなぞって。 あんたはどんな顔を見せてくれただろうか。 ] (*19) 2024/05/02(Thu) 21:37:43 |
【赤】 葛切 幸春[見下ろす彼の肢体に、これまで敢えて意識から遠ざけていた下腹部がいよいよ熱を孕んで怠くなる。じわりと額から首筋へ掛けて汗が浮かぶ。着衣の下で主張する己が質量に、ふと熱の籠った息を逃した。次第に柔くなっていく内壁に、二本目の指を投じて── この中に入ったなら、どんな顔をするのだろうか。 否、未だだ。首を振る。 間を置いて やっと三本目を咥え込ませ行く。この速度が、早くなければいいのだが。*] (*20) 2024/05/02(Thu) 21:38:52 |
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