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![]() | 【人】 空虚 タチバナ[時間の歪んだ世界において、ひとつ提案をした。 眠らない夜は一日を終えなくていいし、 置きたくない朝はまだ訪れなくていい。 甘やかすようで、すべてを彼に与える重さに 結はどんな反応をしただろう。 ふたつめは彼からの提案だったか。 私にとっては味のしない飲み物だが匂いは分かる。 インスタントの粉がお湯に溶け、 湯気を立てる様は決して嫌いではなかった。 彼が自分のために用意してくれるなら尚更。 断る理由なんて何もなくて、素直に同意を示した。] (76) 2022/08/17(Wed) 6:05:56 |
![]() | 【人】 空虚 タチバナ[最後の議題は今日を何日とするか≠セった。 結も当然自身もここに入ってからの時間は曖昧だ。] じゃあ……うーん、17ね。 今日≠ヘ8月17日。 [適当な選択だったのはどう見ても分かっただろう。 一列七マスの枠の中、中心の辺りに数字を書く。 日にちや時間に執着はなかった。 死んでどれだけ経つなんて数えたこともなかったし、 誕生日だって祝う人がいなければ呪いの日だ。 ――でも、理由ができれば話は別。] (77) 2022/08/17(Wed) 6:06:57 |
![]() | 【人】 空虚 タチバナ[数枚奥のコピー用紙を引っ張り出して花丸を描く。 それから「むすぶの誕生日」と続けた。 クリスマスの気配はどこにもない。 重要なのは今日≠ェ今日≠ナあることで、 ちょっと先に絶対忘れたくない日があること。 あなたが私に与えてくれたように、 私もあなたの”生”に祝福を与えたいのだ。] …………ダメ? [たった一日≠サこらで本質が変わるはずもなく、 不安そうに彼へ尋ねる。 答えを待つのも怖かったのか、 返答から逃げるように立ち上がった。] あっ、…… あー、そうだ、そうだ。 シーツ片づけなきゃ。ね。 (78) 2022/08/17(Wed) 6:09:47 |
![]() | 【人】 空虚 タチバナ[腰に巻いてしまえば、 彼の言っていた服に見えないことは……ない。 腰からだからスカートなんだけど。 全身を包めるシーツが余りに余って 足どころか床まですっぽり覆っているけれど。 それでも白いパジャマと合わせれば、 辛うじて形は成り立つはずだ。] あの……ね。 その、むすぶは……ワンピース、好きなの? [果たして不安確認の逃げ道がこれで良かったのか。 全然良くないけどもう後戻りはできない。] (80) 2022/08/17(Wed) 6:14:57 |
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![]() | 【人】 空虚 タチバナ[彼の名前がちはや むすぶ≠ニいうこと。 私の名前がたちばな かれん≠セということ。 相手を呼べる音があれば、他にはもう何もいらない。 手先が器用なことだって、彼を蝕む病だって、 もっと彼が馴染めば気にならなくなる。 だってそれが、それだけが日常なんだから。 彼が景色に新鮮さを抱くのと同じように、>>60 次第に日常に馴染んでいくのだろう。] ……あれ。 [そういえば、最後に頭痛がしたのはいつだろう。 彼と強く触れ合う間だけ止まっていた痛みが いつの間にか見当たらないことに気づいた。 線を引く手を止め、前のめりだった身体を倒す。 背後に体重を預けて顔を上げると、 彼の顔がさかさまに見えた。] (103) 2022/08/17(Wed) 23:00:10 |
![]() | 【人】 空虚 タチバナ誰のせいにもしない……うん。分かった。 じゃあ私も――わた し、も ……っ、ぅ、あ ……――私にも、そうしてね。 私が結をいっぱい困らせたら……叱って。 [彼に寄りかかったまま一日≠フ話をする。 一つ目の提案に彼は好意的だった。>>86 その上でもっと柔軟な考えを与えてくれる。 過去の私にとって叱責≠ヘ恐怖の象徴だった。 しかし今の私に過去はなく、 手に取ったのは結と共にする永遠だけだ。 だから、お願いする時に少し声に詰まったけれど。 彼を見つめる瞳に恐怖は微塵も滲まなかった。 そのせいで彼を𠮟る気が全くないことが 表情から伝わったとしても、許して欲しい。] (105) 2022/08/17(Wed) 23:06:16 |
![]() | 【人】 空虚 タチバナ[朝≠フ役目を終えたカップが 真っ白な底を晒してふたつ、寄り添っている。 明日≠ヘ何色が満ちるのだろう。 同じかもしれないし、違う色かもしれない。 明日のことは明日にならなきゃ分からない。 それでいいんだ。 彼の提案に頷いて、 差し出された小指に己のそれを優しく絡めた。]* (106) 2022/08/17(Wed) 23:06:59 |
![]() | 【人】 空虚 タチバナ― 8月17日 ― [白を纏った身体は今、彼の腕の中にある。>>89 彼の返事も待たずに離れ(と言っても数歩程度だ)、 腰に回したシーツは床まで広がって 咄嗟に踏ん張ろうとした足先を掬った。 結果、一瞬だけ全体重を預けることになってしまい、 あわあわと彼の胸へ飛び込んだ。 どうやら私の夢が届けた幻ではないらしい。 再び天才との評価を受けて>>90 気恥ずかしさを孕んだ表情を隠すように 額を彼の左胸へと押しつける。] そ、そんなの当然でしょ……だって、 [ワンピース大好き。結はワンピースが好き。 明日≠烽ワたシーツ探しに行こうかな、なんて 逸る気持ちを抑えつつ顔を上げて、] (107) 2022/08/17(Wed) 23:07:40 |
![]() | 【人】 空虚 タチバナ[その後、互いの「大切な日」を書き記した。 割れた窓ガラスが散乱していた。 私にはあと一つしかなくて、最初の紙を選ぶ。 ベッドはなぜか抉られてスプリングを晒している。 名づけの意味なんていらない。苗字も不要だ。 複数人の足音、指示を飛ばす籠った声。 彼の呼んでくれる響きだけがあればいいから、 元より成果が得られると思ってなかったのだろう。 「かれんの誕生日」と綴った。 「いません」と報告する声は淡々としている。 (109) 2022/08/17(Wed) 23:15:08 |
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![]() | 【人】 空虚 タチバナ[「おはよう」と挨拶を交わし、朝が来る。 結がふたつのカップに飲み物を入れてくれる。 最初は三つだった選択肢も、 備えつけだけでなく、購買の物がいくつか増えた。 コーヒーのことが多かったけれど、 空が暗く暑い夏は冷たいオレンジジュースにしたり、 入道雲の広がる乾いた秋は紅茶を選んでみたり、 眠れない長い夜の後にはホットミルクを準備したり、 眠らない夜を求めた日はただの水を交わしたり。 最初の頃はずっと同じ物を望んだけれど、 味に鈍い私でも炭酸が楽しめると分かってからは、 ごく稀にこちらから誘うこともあった。 別々になんてしませんとも。やです。 だって彼の感じたことのすべてが欲しいんだもの。 だからと言って彼に無理強いすることはしない。 一方が支配するのではなく、互いが望むまま、 話し合うことができるのだから>>87。] (122) 2022/08/18(Thu) 21:12:07 |
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![]() | 【人】 空虚 タチバナ[日記を書き終われば、暖房をつけて一緒に眠った。 睡眠が必要なのは彼だけだったけれど、 冷たくて、寝返りの邪魔もしてしまうけれど、 それでも私は彼の傍を離れない。 彼の寝息と一緒に心音を確かめるのが好きだった。 時折解け、また抱きしめてくれる腕が欲しかった。 眠らない情熱的な夜も、眠る静かな夜も、 彼のすべてが私に与えられる幸福を享受した。 実際そうなのか私が抱く夢なのか分からないけれど、 彼の鼓動は日に日に弱くなっていくようだった。 時折私の肌へ彼の体温が移るような気もした。] (125) 2022/08/18(Thu) 21:15:13 |
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![]() | 【人】 空虚 タチバナ[少しずつ、私の死が彼にのしかかっていく。 代わりに彼の抱えた病は鳴りを潜めていたはずだ。 現世から解放された時間は正しいものではないし、 私以外が彼を蝕むのを許すはずがないからだ。 具合が悪そうな様子はないはずだから、 彼の身体が弱っているという訳ではないと思う。 本当は私も眠ってしまい、夢を見ているだけかも。] (127) 2022/08/18(Thu) 21:16:19 |
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![]() | 【人】 空虚 タチバナ[手先の器用な彼は料理も上手にできるようだった。 あるいは、半年間の成果かもしれない。 味見のできない私は彼の隣でお手伝いをする。 彼ほどではないけれど、多少は成長したと思う。 その結果の料理が皿に乗り、湯気を立てている。 ワインクーラー代わりのパスタ鍋は少々大きく、 ラベルを剥がしたペットボトルの白い頭だけが覗き、 プラスチックの身体を悠々と氷の海に 半分浸していることが容易に想像ついた。] ……今日、結の誕生日だよ? [何よりも違うのは私自身だろう。 景色からもっと近い場所へ視線を戻すと、 主役より着飾った自分の姿が見えた。 普段パジャマの袖で隠れている白い腕は露わに。 反対に胸元は彼が与えた白で覆われている。 腕を持ち上げて頭を触れば、 三つ編みの凹凸が指の腹を擽った。] (130) 2022/08/18(Thu) 21:19:27 |
![]() | 【人】 XX タチバナ― 0年12月24日 ― [死に近づこうとも決して消えることのない命>>139が ゆらめき、瞬き、微笑む。 ふと何かに気づいた様子で目の前の彼を見上げた。] また……伸びたね。 [物も、場所も、私も。 ここに在るものはすべて解放されているのに、 彼の心音だけが未だ正しい時を刻んでいる。 己の目覚めだけが「刻」を示す中で、 彼は狂うことなく、順応すらしてみせて 今、ここに在り続けていた。 彼が元来持っていた思考>>86が この地に会っていたからなのか、 吞み込まれたことで少しずつ変異したのか。 彼が傍にいれば理由なんて何でもいいけれど、 私の存在が意味になればいいと思う。] (148) 2022/08/19(Fri) 0:25:15 |
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