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【人】 “観測者” 処暑[ 元々の私は、世界や人間を研究する学者だった。 だから、本当は、私はこの世界が好きだった。 けれど、“灯守り”となってからは、世界への興味も、すっぱりと失くしてしまっていた。 ……そこに、答えがあるのかは分からない。 もう数十年も続けている事。未だに、はっきりとしたものは見つからないのだから。 けれど、もう一度世界を好きになれれば、私はまた笑える日が来るのかもしれない。 それに私は、灯守りと蛍を見守る事が好きだった。 好奇心が強いという、自己さえ喪失していた私に、灯火をくれた人たち。 答えを探すだけではなくて、その日々は、単純に楽しいものだった。 だから私は、何時しか心穏やかに過ごせるようになった。 ] (251) 2022/01/30(Sun) 18:36:21 |
【人】 “観測者” 処暑[ 私は“観測者”だ。 故に傍観者でもある。 積極的に灯守りに近付くつもりはなかったけれど、 ……『処暑の灯守り』としての繋がりも、増えているように思う。 それは、嫌ではない。これを、嬉しいと表現するかは、分からないけれど。 そして何時か、唯の『カナミ』として、誰かと向き合う日が、来るのかもしれない。 ] (252) 2022/01/30(Sun) 18:37:25 |
【人】 “観測者” 処暑[ “灯守り”というものは、これからも代替わりを続けながら、世界と共にあるのだろう。 私の灯り尽きるその時までは、その時々の灯守りたちを、見守り続けたいと願う。 ――それが出来るのなら、それは“私”の幸福と言える。 ] (253) 2022/01/30(Sun) 18:37:48 |
【人】 “観測者” 処暑[ 白かった手帳は、随分とインクで黒く染まった。 そんな分厚い記録 と、それから2通の手紙 を手に、私は中央域を後にした。 ] (254) 2022/01/30(Sun) 18:38:15 |
【人】 “観測者” 処暑[ “外”は夜であっても、今はまだ、 夕景 に染まる、黄金色 の領域。そこを、一際強い風が吹いて行く。 さて、“会合後”の灯守り達はどうしているだろうかと、 今日も私は“観測”する。** ] (255) 2022/01/30(Sun) 18:38:55 |
【人】 “観測者” 処暑『 立春 』 “ 雪の寒さを身に浴びながらも、小さな春のはじまりを確かに見つけられるひと ” 『 雨水 』 “ これまで積もった雪を溶かし、春を迎える強さのあるひと ” 『 菜虫化蝶 』 “ 春の暖かさの中で、美しい蝶となるために一歩を踏み出せるひと ” 『 春分 』 “ 春の陽光のように、皆を穏やかに見守ってくれるひと ” 『 雀始巣 』 “ 陽光に照らされて、空へと飛び立つ、始まりの美しさのあるひと ” (309) 2022/01/30(Sun) 23:27:49 |
【人】 “観測者” 処暑『 立夏 』 “ 新緑の爽やかさを身に纏う、優しい眩しさを持つひと ” 『 小満 』 “ 成長の恵みを与える陽の煌きのような、皆に愛を振りまくひと ” 『 麦秋至 』 “ 麦畑を吹く風のように、遠くから知らない景色を運んでくれるひと ” 『 芒種 』 “ 梅雨の陰のある空気と、息苦しさと、そして愛を訴え掛けるひと ” 『 夏至 』 “ 雨空の向こうに、眩しいぐらいに君臨する陽を秘めるひと ” 『 小暑 』 “ 熱い想いと遊び心で、皆を開けた世界へ誘えるひと ” 『 蓮始華 』 “ 蓮の花のように、可憐で美しくそこにある華やかなひと ” (310) 2022/01/30(Sun) 23:28:12 |
【人】 “観測者” 処暑『 立秋 』 “ 夏の陽の明るさと、秋の夜の寂しさを併せ持つひと ” 『 白露 』 “ 涼しくなる朝にも前を向き、朝露の美しさを見つけられるひと ” 『 霜降 』 “ 眠りに向かう人々を見送り、自身は夜の中で哀しみを背負うひと ” (311) 2022/01/30(Sun) 23:28:33 |
【人】 “観測者” 処暑『 小雪 』 “ 凛とする冬の始まりに、しっかり立ちながら、皆を導くひと ” 『 大雪 』 “ 降り続く雪に大切なものを失くして、それでも生きていこうとするひと ” 『 冬至 』 “ 夜闇に全てを覆い隠して、人を救おうと笑う人 ” 『 大寒 』 “ 終わりの哀しさを感じさせつつも、そこに確かに春への小さな光があるひと ” (312) 2022/01/30(Sun) 23:28:54 |
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