［　ここはしっかり師匠にも締めさせなさいよ。
　　

　　退屈しない日常も悪くはない。

　　


　

　　

　
　

［　



　　　　　>>n0



　　　　　　　　　　　　　　］
　

　　あら、珍しいわね

　　アガーテからなんて……
　　　
　　　
［　閉じられた手紙の前後を見ながら
　　封蝋を見つめて色の違いを楽しみながらも
　　旧知の友のことを思い出す。

　　一癖も二癖もありすぎるほど持っている大魔女
　　

　

　　

　　　先生、何かありました？
　　　それは手紙……それも魔法が掛かっている

　　　
［　先生が持っていた手紙。
　　虹色に色が変わり明らかに
　　それを未だ開けずに持っているだけの先生の様子にも
　　違和感を覚えた。
　
　　
　　先生と過ごしてきた時間は
　　私にとっては人生の半分以上経っていて
　　この城での暮らしも楽しく
　　魔法を学ぶ場でありながら居心地の良さも感じている。


　

［　ただ、ということ
　　そして先生はということ。
　
　　悪い魔法使いが住んでいると噂があり>>23
　　人から恐れられていると知りながらもここにいる
　　それは何故だろうか、と
　　疑問に思えばすぐ口に出てしまう私は
　　先生に投げつけたことがあった。　］
　

　

［　そんな答えが返って来ただけ。
　　
　　

　　
　　単純に興味もある。
　　と確証はないが核心を得ていた。　］

　

　　　　そう、手紙
　　　　私の……知り合いからよ


［　手紙を開ければまるで話している言葉が
　　聞こえるかのような
　　貴女の言葉の並びにと笑みが溢れるのよ>>0

　　久しく会えていないわね。
　　アガーテの顔を
　　突っつきに行きたいわ。

　　本当貴女らしい言い方。

　　王国の為
　　

　

　　　　多言無用。
　　　　



　　……アガーテ、それは
　
　　弟子が横から


　　そうして続きに目を通す。　］
　

　　　万能の魔法薬パナシーア


　

　　　

　　　　　　　　


　

　　　
　
　　　夢のようじゃないか
　　　”万能”つまり
　　　素晴らしい魔法薬があったのだな
　　　先生、その依頼受けましょう
　
　　　
［　城の書物でも見たことがない万能の魔法薬パナシーア

　　未知の万能薬に心が躍る。
　　それに反して　］

　

　　

　　　　何気に私は凄いのよ

　　　　さあ、


［　自慢できるのは今このタイミングしかない！と
　　


　

　

　　　


［　顔に熱が集まっていくのがわかる。

　　

　

　
　　　パナシーア
　　　

　　　リアント
　　　万能薬というのはそんな
　　　確かになんでも治せる凄い薬なのかもしれない
　



　　　だから万能の魔法薬パナシーアは隠されているの
　
　

　　　それでも製法を、使い方を、知る人がいなければ
　　　知識は衰えるばかり、だから私は伝えるわ
　　　貴方に
　　　
　　　私の弟子だもの、

　

　　俺はと思った。
　　製法だけではなく　］
　

　　　ああ、私は
　　　


　

　
[分家筋とはいえ、名門に連なる家に生まれて
恵まれた生活を送ってきた。
だからこそ、名に実力がそぐわぬと
謗られる事も多かった。

一族の者なら、家門の人間に師事するのが当然。
そんな家柄に生まれついておきながら、
一人家を出た時も、後ろ指をさされたものだ。

そのまま今に至るまで、
外に構えた居で暮らしている。
しかし、実家に戻れば子供の頃と変わらずに、
自室が整えられているのを知っていた。

もっと顔を出しなさいと、不孝者の弟に詰め寄る
口の五月蠅い姉がいたから。]
　

　
[……今の家は、職場からそう離れていない、
街中の古い一軒家だ。
借家で、少々家賃が嵩むけれど
魔術師可の物件だから仕方ない。
諸々の条件を考えれば、悪くない選択だった。

そのような計算ができる程度の生活力も、
いつの間にか身についていたが。
元々、そういった分野に
明るい人間ではなかったもので。]


　……ペーパーナイフを頼む。


[呆れたようにこちらを見る>>5
弟子の、冷めた視線には慣れてしまった。




こちらを見る目へ視線を合わさず、用を申し付けた。

　

　
[人の出入りが多くなるのを好まないから、
この家に顔を出す人間は限られていた。
使用人も、通いの一人だけ。



今はそこに、居候の弟子が一人加わった。

　

　
[まさかこの自分が、シュバルツシルトの人間に
師と呼ばれる日が来るとは――

　
[はい、と頷いてご所望の品を渡す。>>46
自分で取った方が早いのに、と思っても
それは口にしないまま。

こちらが馴染めないのと同じように、
あちらも距離感を掴みかねているような。
そんな雰囲気は、ずっと感じていた。

私もあまり、社交的な方ではないと思っていたけど
あの人ほどではないのかもしれないと。
そんな気付きを得たのは、ここに来てからのこと。

だからといって、
踏み込むわけでもないのだけれど。]