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人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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【人】 二年生 小林 友

[差し出した手のやり場もなく
 ただただ消え入りたくなる俺を他所に
 青柳は周りに声をかけて、半端なやつがいないかどうか
 ちゃんと俺の相方を見つけてくれた。
 流石イケメン、アフターサービスも充実ゥ!

 結局、俺は弓道部の佐々木(イケメン)と
 組むことになった。
 本当は、青柳と組んだら、聞こうと思ったんだけど。
 この学校に通う二年生の「アキナ」のこと。

 華やかな顔立ちの青柳と違って
 佐々木は力強い眉をしたイケメン。
 ハウル系と、アシタカ系。
 ……俺?さあ。]


  佐々木…クン、あのさ……


[恐々、あまり話したことのないイケメンに話しかけると
 彫りの深い目が、こちらを向いた。]
(41) 2020/09/30(Wed) 16:32:50

【人】 二年生 小林 友




  全然、授業とか、関係ないけど……
  「アキナ」って子、聞いたことあるかな……?
  二年生で、あの……
  

[逢ったことない子だから、外見も知らない。
 尻すぼみになった語尾を追って
 佐々木はしばらく沈黙していたが、やがて]


  「……オレ、あんまり女子詳しくないから」


[と、囁くような声で答えてくれた。
 別に俺も女子に詳しくなりたくて聞いてるんじゃない。

 ただ一人、会ってみたい子がいるだけで。]
(42) 2020/09/30(Wed) 16:33:14

【人】 二年生 小林 友


[青柳だったら「なんだコイバナ?!」なんて
 茶化しながらでも話を聞いてくれたかもしれないけれど
 高校二年生にしていぶし銀みたいなイケメン佐々木は
 それ以上口を開くこともなく、
 淡々と、粛々と、柔軟体操をこなしていった。

 「いっち、にー、さん、し……」と
 掛け声響くグラウンドを吹き抜けた風が、 ふさり、

 『祝 チアリーディング部 2019年度全国大会 優賞』

 の横断幕を、誇らしげに揺らして見せたのだった。]*
(43) 2020/09/30(Wed) 16:34:11
花の名 リフルは、メモを貼った。
(a9) 2020/09/30(Wed) 21:12:35

【赤】 在原 治人

 
[一気に想いを吐き出しすぎて
 脳がくらりとする。

 虚ろだった青い瞳が
 迷うように揺れて見えるのも>>*8
 そのせいだろうか。
 それとも…、己の切望が見せる幻か。

 諦めの気持ちが大半を占めているのに
 目は離せない。

 食い入るような眼差しの下、
 造形の神が形作ったような喉の隆起が上下して>>*10
 それから、

 信じられないことが起きた。]
 
(*12) 2020/09/30(Wed) 22:00:24

【赤】 在原 治人

 


   ……っ、



[乾ききった触覚や脚は脆い。
 下手に触れば
 折れてしまいそうな
 そんな儚さを隠しもせずに>>*10
 震える声が訊ねてくる、────俺に。]
 
(*13) 2020/09/30(Wed) 22:00:33

【赤】 在原 治人

 

[そう。
俺に
、だ。]

 
(*14) 2020/09/30(Wed) 22:00:42

【赤】 在原 治人

 
[水気を帯びても
 鱗粉が落ちてしまう心配の無い
 ふたつの青い輝きが、
 己をしっかりと捉えている。>>*11

 それを自覚した瞬間、震えが走った。
 今まで感じたことが無いくらい
 深く。鋭く。


 興奮と喜びが綯い交ぜになって
 酷く満ち足りたこの気持ちを
 何と呼んでいいのか分からないけれど、

 目元は柔らかく撓み、頬は緩む。]
 
(*15) 2020/09/30(Wed) 22:00:56

【赤】 在原 治人

 


   ああ、良いに決まってる

   頼むから…さ
   ”こんな”とか、もう言うなよ

   どこもかしこも魅力的で
   俺を魅了して止まないっていうのに
   良くない訳がないだろ

   俺の手で、その美しさを
   更に際立たせてやりたくて
   今も、どうしようもなく、うずうずしてる



[愛おしさを隠しもしない
 甘い声音で、諭すように静かに囁いて

 それから、少し遠慮がちに
 座面で乱れている金色の毛先を一房
 そっと掬い上げた。

 先程は拒まれてしまったけれど、
 今度は構わないだろうかと問いかけるように。]*
 
(*16) 2020/09/30(Wed) 22:01:16

【赤】 アクスル

 
[泪が一時的に止まっていたから
 はっきりと見えた。

 僕を見つめる彼が、微笑むのが。>>*15


   ……ッ


[――母さんは、顔に皺が寄ることを気にして
 余り表情を変えようとしないひとだった。

 誰かの心からの笑顔を見たのは
 もしかしたら、初めてだったかも知れない。]
 
(*17) 2020/10/01(Thu) 1:38:46

【赤】 アクスル

 
[トクトク、心地よく胸が鳴っている。
 草木が芽吹くようなこの気持ちを、
 僕は知らない。
 貴方なら、知っているんだろうか。]
 
(*18) 2020/10/01(Thu) 1:39:55

【赤】 アクスル

 
[愛おしさが全面に載る声の囁きは
 鼓膜からするりと滑り込んで
 砕かれたばかりの心の傷を癒してしまう。

 金の髪ごと救い上げられて
 心の奥底からこれまで感じたことのない歓びが
 胸の奥から泉のように溢れて、溢れ出して

 目元から透明な雫となって発露する。]



   …………………うん



[うずうずすると言った貴方の
 思うが儘にして欲しい。
 そんな想いを込めて、頷く。

 優しく細めた左右の瞳から
 ぽろぽろと温かい雨が降り落ちた。**]
 
(*19) 2020/10/01(Thu) 1:40:47

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[ユウ君と話すことで、少しずつ言葉を覚えていく。
 一度間違えた言葉は、かえってよく記憶に残った。特に香具師。
 お香売らないなら「香具」なんて漢字使わないでほしい。
 ……まぁ確かに、なんでアロマ屋さんが人魚を欲しがるんだろ、生臭そうなのに、って、ちょっと不思議には思ったけどさ。]
(44) 2020/10/01(Thu) 6:07:51

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[あざらしとラッコを間違えた理由は分かっている。

「SEA OTTERS」。
 クマとか水牛とか、他のチームはもっと勇ましい動物の名前を借りてるのに、うちはラッコ。
 海にぷかぷか浮かぶ、のんびり癒し系動物、ラッコ。
 せめてスイミングだったら分かるけど、陸の競技で、ラッコ。

 名づけについて、部員たちの間で囁かれている逸話がある。
「チア部を立ち上げた部員が、雲を泳ぐラッコを見たんだってさ」
 いくらなんでも無理があると思う。
 せいぜい、雲みたいなラッコ、だろうに。

 と、言いながらも、私はちょっとだけラッコの絵が上手くなってしまった。
 あざらしだったはずなのに、おもわずラッコを描いてしまったのも、きっと癖みたいなもの。

 だいいち、私だって初代のことを笑えない。
 雲を泳ぐラッコなんて、よく思いついたよねって笑ったけど。
 ユウ君との不思議なやりとりだって、きっと「よく思いついたよね」って笑われるような妄想話。
 それとも、「頭大丈夫?」って、心配されるかな。
 楽しいから、何でもいいけど。]
(45) 2020/10/01(Thu) 6:09:01

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 何って……
 誇りを守った!

 
(L5) 2020/10/01(Thu) 6:09:31
公開: 2020/10/01(Thu) 6:10:00

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[『乳より先に肩を褒めろ』って言ったらフラれた、とは言えなくて隠す。

 元カレたちと長持ちしてたら、手をつないだり、キスをしたり、その続きもしたのかもしれないけれど、そのまえに別れてばかり。
 だって、「喧嘩したら負ける」とか「ワンパンで人殺せそう」とか「足太くね?」とか。

 もっとか弱い方が女の子らしいのは分かってる。
 だけど、私の強さに目をつぶって、女の部分だけを求められるのが気持ち悪かった。

 私のこの大きな体は、メンバーを支えたくて、チアでみんなを笑顔にしたくて、死に物狂いで手に入れたもので。
 喧嘩のためとか、誰かを傷つけるためのものじゃない。
 だから、この体じゃモテないのが分かっていたって、卑屈になるのだけは、絶対に嫌だった。]
(46) 2020/10/01(Thu) 6:10:12
(a10) 2020/10/01(Thu) 6:13:40

【赤】 在原 治人

 
[俺の言葉を聞いて
 表情が柔らかく変化していく。>>*19

 まるでその様は
 雲間から光が差し込んで
 七色の橋が架かる瞬間を目の当たりにしているようで

 目だけでなく、心も奪われた。]
 
(*20) 2020/10/01(Thu) 16:22:50

【赤】 在原 治人

 
[彼が生きているからこそ
 見ることの出来る、嫋やかな変貌に
 感嘆のため息が止まらない。]



   ああ……、本当に凄いな

   先程まで在った最上を
   易々と超えて
   更に高みへと昇って行ってしまう

   今の、その顔、 堪らなく綺麗だ…



[青いふたつの泉から
 零れ落ちる雫に
 どうしても触れてみたくなって、
 金色の房をそっと降ろすと
 両方の掌で濡れた頬を包み込んだ。]*
 
(*21) 2020/10/01(Thu) 16:23:54
花の名 リフルは、メモを貼った。
(a11) 2020/10/01(Thu) 21:42:30

志隈は、メモを貼った。
(a12) 2020/10/01(Thu) 21:53:29

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 やった、読書家のユウ君にほめられた!
 だけど、俺には無いもの>>L4だなんて、変なの。
 ユウ君だって生きてるのに。



[図書館で出会った影を思い出して、ちょっと自信が揺らぐ。]


 ……生きてるよね?

 

[むしろ、私の方が幽霊だと思われていたりして。
 ちょっと想像して、くすりと笑った。]
(L6) 2020/10/01(Thu) 22:36:46
公開: 2020/10/01(Thu) 22:40:00

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月


 すっごい変なこと聞くんだけどさ、
 ユウ君、図書室で、私のこと見てびっくりしてなかった?
 意味わからなかったら、全然スルーしてほしいんだけど!



[なんて、そんなこと聞いてみたり。]**
(L7) 2020/10/01(Thu) 22:37:42
公開: 2020/10/01(Thu) 22:40:00

【人】 二年生 小林 友



  なんでも、しんとした、
  澄みわたった夜が、星たちには、
  いちばん好きなのです。
  星たちは、騒がしいことは好みませんでした。
  なぜというに、星の声は、
  それはそれはかすかなもので
  あったからであります。

  ─────『ある夜の星たちの話』
             小川 未明

 
(47) 2020/10/01(Thu) 22:50:26

【人】 二年生 小林 友

[結局「アキナ」の情報もないまま
 家に帰ってきてしまった。

 顔色を覗き込むような母親の顔から逃げるように
 自室に籠って、俺はまた本を開くだろう。

 読み慣れた本の世界に、ではなくて
 目に見えない女の子との会話に夢中。

 いっそ、ソシャゲの推しを引くために
 ウン万つぎ込んでる、とかの方が
 親も心配しなかったかもしれない。
 ……なんて、部屋の外から話しかけてくる
 か細い母さんの声を聞いて思うんだ。]
(48) 2020/10/01(Thu) 22:50:44

【人】 二年生 小林 友


  「……ねえ、リビングでお茶しようよ」

  …………。

  「あなたが好きだった、裏のケーキ屋の
   バームクーヘン、あるわよ」

  …………。

  「ねえ、友。何かあったら話した方がいいわ」

  ……何も無いよ。今、本読んでる。

  「何も無いなら、それでいいから。
   一緒に顔みてお茶飲もうよ」

  ……本、読んでるから。

  「…………そっか、ごめんね」
(49) 2020/10/01(Thu) 22:51:33

【赤】 アクスル

 
[それは例えば寝癖で一束だけ跳ねた髪を
 見つかってしまったときや
 声を上げて笑ってしまったときに
 吐き出された溜め息とは
 質が異なるものだ。>>*21

 温かい吐息と彼の言葉が
 開かれたワイシャツの間の肌を撫ぜ
 熱を持つ二粒とその奥の心を震わせる。]


   ……、……


[脂汗を噴き出させる痛みは
 相変わらずあった。

 けれど、味わったことのない幸福感が
 次から次に溢れてもいて
 痛みによる辛さと綯い交ぜになる。]
 
(*22) 2020/10/01(Thu) 22:51:38

【赤】 アクスル

 
[新しい自分に変わっていく。
 けれど、不思議と怖くはない。

 
────かの男も、復活を遂げる前には

 
手足を貫かれて磔られ、痛みを伴ったものだ。


 生まれて初めて吸った空気は彼の――、
        在原治人の、匂いがした。]
 
(*23) 2020/10/01(Thu) 22:51:41

【赤】 アクスル

 
[濡れる顔を包むように触れられれば
 混ざり合ったそれらはいよいよ
 結合してしまったのだろう

 嬉しい、正の感情だけが残り

 とろりと蕩けた瞳で
 彼の左目、……右目、…また左、と見つめ
 頬は血色を取り戻し淡く色づいていった。

 同じ色の唇を、ゆっくりと動かす。]


   ……、……


[けれど、饒舌になった彼とは裏腹に
 僕の口からは言葉が出てこない。

 貴方のことをもっと知りたい。
 僕のことを知って欲しい。

 そんな欲が確かにあるのだけれど
 音に換えることが出来ない。
 頬に伝わる温もりに、声を奪われてしまって。]
 
(*24) 2020/10/01(Thu) 22:51:45

【赤】 アクスル

 
[七週の間、
 何度焦がれ、何度妬んだことだろうか。

 あの標本を作り上げたこの掌に。]



   (あったかい……)



[安くはない代償を払って
 危険な海の外に出て
 最期には泡になって消えてしまうだなんて
 馬鹿のすることだと思っていたけれど

 W声を犠牲にしてでも逢いに行きたいW

 その気持ちが少しは理解出来た気がする。]
 
(*25) 2020/10/01(Thu) 22:51:48

【赤】 アクスル

 
[言葉で教えて貰うのではなくて
 この世界一の職人の掌を通じて
 教えられたい。

 贅沢にも、そう願ってしまう。]


   ……。


[唇を結び直せば、緩く弧を描かせて
 ふ……、とただ微笑みを浮かべた。

 貴方に仕上げられることを
        望むだけの作品だ。**]
 
(*26) 2020/10/01(Thu) 22:51:51

【人】 二年生 小林 友

[─────昔、小学校の頃
 俺はいじめにあっていた。

 嫌なくじ引きに当たった……みたいな
 特に深い理由もなくそれは始まった。
 朝一番の「おはよう」に誰からも返事がなくて
 それを切っ掛けに、靴が無くなり
 教科書やノートも消えた。

 友達だと思ってた人達が、
 ある日突然敵に変わる。
 何故?と問うても誰も答えない。

 それで……少しだけ、堪えてみようと思った。
 何が原因かは分からないんだから
 少し待てばまた前みたいに友達になれると思って。

 待って、待って、待って、待って、
 待って、待って、待って、待って……
 でも全部元通りになるより先に
 俺の心が折れる方が先だった。]
(50) 2020/10/01(Thu) 22:52:00

【人】 二年生 小林 友



  かあさん、おれ、がっこういきたくない。


[そう、勇気を出してしぼりだした時
 母さんは半狂乱になって、自分を責めてしまった。
 何も気が付かずのんきに息子を学校に送り出して
 暗い顔してても勇気を出せと言うばかりの
 何も分かっていなかった自分を。

 結局、母さんが学校に突撃して
 いじめは急速に収まったけど……
 でも元通りにはならなくて。
 というか、元通りに接しろ、なんて
 俺自身が無理だった。

 元通りに笑えないし、喋れない。
 何話していいかも分からない。
 相手の目を見た時、冷たく歪んでたらどうしよう
 ……そう考えたら、目すら合わせられなくなった。]
(51) 2020/10/01(Thu) 22:52:31

【人】 二年生 小林 友

[そうして小学校を卒業して
 中学から、高校まで。
 幸いまたいじめられることはなかったけど
 一度ついたオドオドした態度は変えられない。

 特にこの桐皇なんか、良い奴ばかり。
 ……だけど、俺だけがずっとダメなまま。

 何も心配いらないよ、母さん。
 あんたの息子は今日も
 良い奴にだけ囲まれて過ごしてた。]
(52) 2020/10/01(Thu) 22:53:04
 




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