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【赤】 SE 榊原 皇仁──ある日の彼 …家行こうか?何か作るよ。 [ ある日、彼女と約束をしていた時のこと。 ドタキャンされてしまった。 ドタキャン自体は慣れているけれど、 彼女がそんなことをするのは 珍しいことだから、 電話越しに聞いてしまった。 彼女に住所をもらえたのなら 財布と鍵だけ持ってとりあえず 彼女の家を目指したのだが、 家に行った時の彼女は血色が悪かっただろう。 そして、そんな彼女を見たなら、 彼は不安に駆られて大丈夫?から入ったはず。 ] (*54) 2021/05/07(Fri) 8:20:19 |
【赤】 SE 榊原 皇仁 * 嘘はダメだよ。 ……うん、そばにいてあげられる。 それは、…ぼくも望むこと。 [ 何を言いたいのか、よく分からなくて。 でも彼女のことをぎゅっと抱きしめたまま 逃げさせるつもりもないから 優しく彼女にこえをかけるのだけれど。 もっと良い人にもらわれたほうが 彼女の今後の人生も薔薇色になると考え、 彼は偶に虚無を覚える。 ] (*55) 2021/05/07(Fri) 8:20:54 |
【赤】 SE 榊原 皇仁さくらちゃんとうちで何か食べるのって 久しぶりだね。あ、ほらワンコちゃんの家 行った時あったじゃん? [ 彼はガトーショコラを冷蔵庫から 取り出して、選んで良いよと促す。 チョコはよく糖分摂取で選ぶ癖があり それで今日もガトーショコラを選んだ。 コーヒーはアイスでよければ ペットボトルのものもあったので 彼女に聞いてOKならグラスを用意して ダイニングテーブルに持っていった。 ]* (*56) 2021/05/07(Fri) 8:21:18 |
【人】 SE 榊原 皇仁────ちいさいころのおはなし [ 昔は、好きな名前だった。 だっておうじさまだから。 キラキラした夢の舞台に立つ人。 それが、幼い彼が知っているおうじさま。 でも現実では、そう簡単にはいかず。 小学生というのは良くも悪くも純粋で、 素直に物事を言ってしまう。 ] (3) 2021/05/07(Fri) 14:17:07 |
【人】 SE 榊原 皇仁『おうじって、なんか変な名前ー』 「お前の親、変なやつー」 “にあってねー” [ 流石に、彼もまだ幼くて。 両親のことを悪くいう言葉も 彼の名前を悪くいう言葉も 全てが耳に入って、脳まで届いていた。 だから、彼は恰好のイジメの対象だった。 多分、顔が良かったことも相まって。 ] (4) 2021/05/07(Fri) 14:17:41 |
【人】 SE 榊原 皇仁母さん、ぼく…… 高校通信制にするから。 [ 高校の進路を決める時、 彼は引きこもることを決めた。 最初は反対されたけど、 通信制の良さと大学は対面に行くことを きちんと話して、OKを貰った。 ] (5) 2021/05/07(Fri) 14:18:20 |
【人】 SE 榊原 皇仁……女の人って、どういう感じなんだろ。 [ あの場所を使い始めるきっかけは、 まさにそんな感じだった。 大学生になってあの場所を見つけて、 彼は足を踏み込んだ。 でも誰とも心の底から仲良くなるなんてことは 一切なくて、あの時もまた そうなるんだろうと彼の中では思っていた。 ] (6) 2021/05/07(Fri) 14:18:48 |
【赤】 大学生 葛葉 桜子 ― 自室にて ― 食欲ない からそれは…… …………○○大学の近くの――― [ 来て、とは言わなかったですし、 来るなんて思ってはいませんでしたが 住所を教えたのは、心のどこかで 会いたいと思っていたからでしょう。 ……本当に来た時は驚いたけれど。 ] ……だいじょうぶ、だよ [ あんまり心配をかけたくないというか 病院に行く、なんて言われたくなかったので ついそうやって強がってしまいました。 あがって、と小さく言って招き入れれば グラスに麦茶を入れて差し出しました。 白とピンクを基調としたワンルームには ミニテーブルと座布団、勉強机と椅子が それぞれ置いてあり、座れる場所はどちらかなので 適当に座って、なんて言えば再びベッドへと。 布団の中で丸くなって、彼にあまり 顔を見られないように背を向けていたことでしょう。 ] (*57) 2021/05/07(Fri) 15:54:48 |
【赤】 大学生 葛葉 桜子* ……うそじゃないよ。 そばに、いてほしい。 いまだけで、いいから……。 [ 彼も望んでくれるのは… やっぱり体が目的でしょうか? ……傍にいて欲しいけれど もしそうであるなら、束縛は出来ません。 だから、今だけなんて言うのです。 ―――嘘ばっかり、なんて心のどこかで 泣いている私がいるのは見ないふり――― ] (*58) 2021/05/07(Fri) 16:06:59 |
【赤】 大学生 葛葉 桜子あった、ね。 本当に来るとは思ってなかったけど…… [ おうじくんはガトーショコラを選ぶようです。 特に気を遣っている様子もなかったので 私も遠慮なくミルクレープを選ぶことに。 コーヒーもあると言われて欲しいと頷きました。 ダイニングテーブルに持っていくのを手伝えば 二人でケーキを食べ始めることになるのです。 ……来年の春、同じことが出来たらいいなと 夢見るくらいは、許されるでしょうか。 彼にはもちろん、言わないのだけれど。 ]* (*59) 2021/05/07(Fri) 16:07:51 |
【人】 婚約者 宮内 理子 ― ひとりだった時のこと ― かぞくがほしかった [ 幼い頃から施設で育った私は ずっとひとりだった。 友達はいても家族はいない。 学校に行くようになってから 家族がいないという事実はより強く 突きつけられていた。 例えば、運動会の親子競技では、先生か 善意で組んでくれる他の子の親と 組むことばかりで。 親子で楽しそうにしている同級生が たまらなく羨ましかった。 そこには私がもらえなかった 愛情があったから。 ずっと家族は出来ないと思っていたから――― ] (8) 2021/05/07(Fri) 16:36:08 |
【人】 大学生 葛葉 桜子 ― ぐずな女の子のお話 ― [ 私はとてもぐずな子でした。 かけっこはいつもびりで、 ハンバーグとオムライスどっちがいい? なんてちょっとした選択に 延々と悩んでしまうような、ぐずだったんです。 だから、でしょうか。 ぐずな葛葉、なんて言われたことは 数知れずありました。 ] (10) 2021/05/07(Fri) 17:03:27 |
【人】 大学生 葛葉 桜子……お母さん、名字って変えられないの? 『どうして?……何か言われた?』 ぐずなのはくずは、だからだろうって 『……あのね、桜子。そんな言葉は気にしなくて いいのよ、それを言った子達は失礼なことを 言っていて、あなたが気に病むことはないの。 変えたいなんて思う必要もないのよ?』 ……私は、悪くない? 『そう、悪くないの。 名前にはね、誰かが込めた思いがある。 それをバカにすることは許されないこと。 だから、桜子がもし自分と同じ目に遭っている そんな子を見つけたら…… 味方でいてあげるといいわ。 きっと、その子も救われるから。』 (11) 2021/05/07(Fri) 17:04:17 |
【人】 大学生 葛葉 桜子[ 都恋(みやこ)ちゃんに出会ったのは そんなことをお母さんに言われてからでした。 その子は名前を読んで貰えないことを 寂しがっていて…いじめられていました。 変な名前、とか言われたり、 話しかけても無視されたり。 直接的ではないけれど、そんな悪口の積み重ね。 見える範囲で、止めようとしたけれど―― 彼女は結局、心を病んで 転校していってしまったのです。 ] ……守れなかった [ ぐずな私は、見えてないことが多すぎて 彼女に寄り添えてなかったんだと思います。 次なんて、あって欲しくはないけれど もしあるのならその時は絶対に その人に寄り添いたいと、思っていました。 ] (12) 2021/05/07(Fri) 17:05:26 |
【人】 大学生 葛葉 桜子素敵な名前だよ [ あの時の言葉は、心からのものです。 彼の容姿は本当に王子様みたいですし ……あの時のキスは、あまりに優しくて おうじさまみたい、って思ったんです。 彼にとても似合っている名前だと思います。 だからこそ、あなたの言葉が、苦しかった。 名前が嫌いなんだろうと推しはかれる あなたの言動が、くるしくて。 もう一度、と思ったのは そんなあなたに寄り添いたいって、 思ってしまったのもきっとあって……。 ]* (13) 2021/05/07(Fri) 17:06:25 |
【赤】 SE 榊原 皇仁なら…会いに行くね。 [ 彼女から住所を聞けば 急いで準備をすると出来るだけ早く その場所に向かおうとした。 ちょっと離れていたから すぐには着かなかったけれど 彼女に迎え入れられると 様子を彼の中で確認した。 ] (*60) 2021/05/08(Sat) 0:43:24 |
【赤】 SE 榊原 皇仁………さくらちゃん? 病院行こう? ぼくがお金全部出すから、 産婦人科に行こうか? [ 麦茶を一口飲んで勉強机に置くと、 ベッドで丸くなる彼女に掛け布団越しに 跨って、優しく言い聞かせた。 生理が重いのは一種の病気だと 誰かに教えてもらったから、 彼は彼女がうんというまで ずっと、いこう、いこうと耳元で囁いた。 ] (*61) 2021/05/08(Sat) 0:44:17 |
【赤】 SE 榊原 皇仁 * ……いつか、綺麗なウェディングドレスを 君が着ているところをこっそり見たいな。 [ 抱きしめた彼女の顔を見ると、 ふと頭に浮かんでしまったそんなこと。 彼女にはもっといい人がいるはずだから そう、こっそりでいい。 出席もしないし、日時も教えなくていい。 ただ、人伝に聞けたらそれでいい。 でもそんな話は長くは続かなかったかな。 ] (*62) 2021/05/08(Sat) 1:12:32 |
【赤】 SE 榊原 皇仁んー…美味しい。 だって心配だったから。 少しでも僕が助けられることあれば なんだってやりたかったし。 [ ガトーショコラを口にしながら、 アイスコーヒーにも口をつけ。 過去の話は、あまりしない気がするけど 彼女との思い出の話なら 話はまた違うらしくて。 さっきまで何にイライラしていたのか 飛んでしまったような気さえするので、 段々といつもの彼に戻っていったような。 ]* (*63) 2021/05/08(Sat) 1:13:07 |
【人】 大学生 井達 海*またあるとき* あ、あの! この間は、ありがとうございました…! [ この間隣の席に座っていらっしゃった人を 海斗くんと一緒にいる時に見つけたので 勇気を振り絞って声をかけました。 あの時は、空返事のようでしたが 今回はどうだったのでしょう… もし、聞けたのなら何かありましたか?なんて その方に聞いたかもしれません。 ]* (15) 2021/05/08(Sat) 12:41:41 |
【赤】 大学生 葛葉 桜子…病院はいや……。 [ 行きたくない、と首を振っていたのに おうじくんは全然引いてくれません。 耳元に囁かれる声はとても優しいもので 恋人に宥められているかのように 錯覚してしまいます。 ずっと囁かれて、根負けした私は…… ] 行く、から… おうじくん、キス、いっぱいして…? [ 病院に行く代わりに おうじくんにそんなことをねだってみるのです。 体が弱っていると心まで弱くなってしまうのか 甘えたくなってしまったのです。 満足するまでキスしてもらえるなら 私は渋々パジャマから着替えて病院へ おうじくんと行くことにするのです。 ] (*64) 2021/05/08(Sat) 13:12:42 |
【赤】 大学生 葛葉 桜子* ウェディング…?! ……近くだとだめなの? [ ドレス姿を見たいなんて言われて 顔が熱くなってしまいます。 でも……こっそり、なんて。 相手になっている可能性どころか 招待すらされないような言い方に きゅうっと心が締め付けられるような 気分になるのです。 あなたの隣で着たい、とは言えずとも 近くで、なんて言ったらどう思うのでしょうか。 彼を困らせてしまうのなら、 その話は切り上げたことでしょう。 ] (*65) 2021/05/08(Sat) 13:13:38 |
【赤】 大学生 葛葉 桜子美味しい、ね。 おうじくん、甘いの好きなんだ。 ……私が何してても おうじくんには、関係ないと思うけど。 [ ガトーショコラを美味しそうに食べている姿を 見ていると、この人はバレンタインにはチョコを 沢山もらえていそうだな、と想像してしまいます。 心配してくれているような言葉なのに、 その優しさの意図がわかっていない私は 冷たい響きを持つ言葉を言ってしまうのです。 ……ただのやさしさであそこまでするとは 思えないけれど、だとしたらその意図は 何なのか、なんてわからないのです。 少し微妙な顔をする私とは対照的に 彼は機嫌が戻ってきたようです。 ]* (*66) 2021/05/08(Sat) 13:14:41 |
【赤】 SE 榊原 皇仁そんなにしんどそうなサクラちゃん ぼく見てられない。 [ 頑なに嫌だと言う彼女に ずっと、いこうと言い続けていると 彼女は条件を提示した。 彼女が満足するまでのキス。 そんなもので行ってくれるのなら、 彼は喜んで口づけをするのだった。 ] (*67) 2021/05/08(Sat) 21:04:24 |
【赤】 SE 榊原 皇仁っ、ふ…は……… [ 彼女のよしの声は暫く出ず、 跨ったまま唇を重ねた後は 舌を絡め、指を絡めながら、 くちゅ、っと水音が立ち小さな部屋には 口づけをかわす2人の声だけが響くのだった。 漸くOKが出ると、彼女は着替えて。 その間に近くの産婦人科を見つけた彼は 彼女と一緒にそこまで行くのだった。 幸い、低容量ピルの使用を勧められて 彼女の両親に内緒にするために 彼が薬代まで全部現在に至るまで 毎月払ってあげているような状態。 ] (*68) 2021/05/08(Sat) 21:05:07 |
【赤】 SE 榊原 皇仁 * 近くで見られるほどの人間なら 喜んで、近くで見るよ。 [ なんて彼は言って、 彼女の頬を軽く指で撫でた。 隣で見ること以外は近くない。 だから、それは叶わないことと 彼の中では完結してしまっている。 彼女に新しい人が見つからないように 彼女のことを汚しているのは 見付かればと願っているはずの彼なのだが。 ] (*69) 2021/05/08(Sat) 21:05:51 |
【赤】 SE 榊原 皇仁…ワンコちゃん? あーんとごっくん。 [ ────関係ないこと。 そう言われると戻っていた機嫌が 徐々に悪くなって、彼は何かを取り出して 彼女の口を開かせ、 半ば無理矢理に彼女に飲み込ませる。 彼女に何、と聞かれたら彼の口は にやりと開いてこういうのだ。 ] (*70) 2021/05/08(Sat) 21:06:39 |
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