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人狼物語 三日月国


124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】

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視点:


【赤】 灯守り“霜降” 月輪

 ─おもいで─


[ 私は生まれた時から、白銀と萩、二色の髪色でした。
 白銀と萩。一色だけでも縁起が良いのに二色が混在とは
 この子は祝福を受けた子だ、と
 親族が沸き立ったと聞いています。

 とはいえ、生まれ育った家は決して裕福とは言えず、
 有名高名な学校に通うことも無い普通の子供でした。
 珍しいツートンの髪をからかわれたり、引っ張られたり
 ──つまり、いじめられていたのです。

 過保護な家族にはいつも元気を振りまいて
 現実を語ることもしなかったのですが
 内面は既にぼろぼろで逃げ出したかったのです。

 あれは10歳の時。
 学校に行きたくなくて、勇気を出してサボると決意。
 普段と違う道をずんずんと歩き始め、
 迷子になるのに時間はかかりませんでした。
 
 周囲をぐるぐると見渡し、何処に行けばいいのだろうと
 不安になり始めたその時。
 背の高い男の人が、私のことをじっと見ていたのです。
 しかしこの年齢で他人からの見世物を見る目、奇異の目には
 すっかり慣れてしまっていたので
 いつものことだろうと通り過ぎようとした時。]
 
(*0) 2022/01/27(Thu) 1:31:30

【赤】 灯守り“霜降” 月輪

 

 
『君、どうだ? 俺の蛍にならないか?』

 
 
(*1) 2022/01/27(Thu) 1:31:37

【赤】 灯守り“霜降” 月輪

 
[ 見知らぬお兄さんから突然声を掛けられたのです。>>1:152
(後で聞いた話によると、この声掛けは
 付き合いの長い飛心様の影響>>0:235もあったとか)

 まだ10歳の私はあまりの唐突さに怖くなり、
 立ち去ろうとしたのですが]


 
『大丈夫大丈夫、怪しいものじゃないから。
  何ならお茶でも飲んでいくかい?
  立秋域産の美味しい茶に大雪域産のゆべしに
  今なら大寒域産の雪だるまサブレもあるぞ。』



[ これは普通にナンパ……
 いえナンパどころか誘拐の手口では???
 学校で習った、ついて行ってはいけない手口の
 代表例だと思うのです。

 それでも道に迷ったのは事実であり、
 現実から逃げ出したかったのと、
 この人が信頼できる気がしたので
 言われるまま、ついていってしまったのです。

 
(後日「あれはナンパではないですか?」と尋ねたところ
 「これくらい普通だ」と仰られておりました。)


 歩く事数分、立派なお屋敷に着いてから
 漸く、この男の人が灯守り様だと知ったのです。]
 
(*3) 2022/01/27(Thu) 1:31:42

【赤】 灯守り“霜降” 月輪

 
[ 私はお世辞にも立派とは言えない家に住んでいたのもあり、
 通された立派なお屋敷の玄関で、廊下で、庭で、部屋で
 目線が四方八方忙しなく動きます。

 先程言われた「蛍にならないか?」との声掛け。

 小さい頃から言われていた縁起の良い髪色。
 改めて紫明様から蛍───楓蔦黄への就任要請がありました。

 子供の私は、これは家族が言ってたことなのでは、と
 心が躍りました。

 蛍になればこのお屋敷に住むことになり、
 きっと家族も喜ぶ。嫌な学校にも行かなくて良い。 

 家族と離れて過ごすことになるのは、寂しくもありますが
 皆が喜んでくれるなら、と深く考えず頷きました。 

  この後、紫明様に家まで送っていただけたので
  家族といえば卒倒もの。両親も祖父母も
  一度も見たことのないような表情をしていました。
  奇声を上げた、まではいかなかったですが
  言葉が全く出なくなったのは事実だったようです。

 紫明様が事情を説明すると、家族も諸手を挙げて大賛成。
 そして手続き等が完了した数か月後、私は楓蔦黄となり、
 紫明様の御側に仕えることになったのです。]*
 
(*4) 2022/01/27(Thu) 1:31:47

【人】 灯守り“霜降” 月輪

 
[ 再びパーティー会場をうろうろと回っていると
 お饅頭たちの桜餅の存在に気付きます>>2:100
 茉莉が用意したものでしょうか。
 以前遊びに行った時、試食させて貰ったことが
 あったのを思い出します。

 勿論全部1種類ずつ手に取って、
 アンケートには「
こしあん!
]と書いておきました。

 そうこうしている間に、気付けば宴の時間も終了です。
 今年は両隣が不在で寂しくはありましたが
 初参加の方も数名いらっしゃいました。

 来年も、同じ顔触れが集まるかわかりません。
 もしかしたら、今年の会合が最後になる方も
 居るかもしれません。
 灯守りが急に消えることは、幾度と前例があるので。

 皆が帰り支度の準備を始め、再び人で混み合い始めます。
 準備しながらも、私は自然と“あの子”を探し──……。]
 
(128) 2022/01/29(Sat) 16:40:38

【人】 灯守り“霜降” 月輪

 
  ローザ! お疲れ様。
  最初の会合どうだった?

  良ければ私の家に寄って帰らない?  


[ 私が送り出した可愛い“妹”に駆け寄り、声を掛けます。

 会合の席でちらちらと気に掛けていましたが
 私の予想を遥かに超えて立派に見えて
 大人になったのね、なんて年寄りみたいな感想を抱いて。]
 
(129) 2022/01/29(Sat) 16:40:54

【赤】 灯守り“霜降” 月輪

 
[ 嬉しいはずなのに。


  同時に、距離が遠のいた感じがして

             ずっと、寂しくて────。]

 
(*91) 2022/01/29(Sat) 16:41:02

【人】 灯守り“霜降” 月輪

 
[ 私が、あの時あの子を白露に推薦しなければ

 今でも一緒に霜降の屋敷で一緒に過ごし、
 仕事し、笑い、戯れていたのでしょうか。

 会合だって、私と蛍である彼女が一緒に参加する
 未来があったのかもしれません。

 どちらが幸せだったのか、今の私にはわかりません。
 今の彼女の姿が、私の家に居た時よりも
 輝いているように見えて。
 おめかししている>>84だけでは無く、心も。]

 
(130) 2022/01/29(Sat) 16:41:09

【人】 灯守り“霜降” 月輪

 
[ 断られたならば「じゃあまた今度ね」と
 引き留めることはしませんが、
 表情に浮かぶ残念さは、きっと隠せなかったでしょう。]*
 
(131) 2022/01/29(Sat) 16:41:55

【赤】 灯守り“霜降” 月輪


 
 ────どうか、幸せに、お眠り下さい。

          
悪夢は、私が全て喰らうから。


*

 
(*149) 2022/01/30(Sun) 23:58:14