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人狼物語 三日月国


124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】

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視点:


【赤】 灯守り 冬至

  
――回想:菴とのひと時


[ 灯守りにも 闘うものはある

 自分 家系 環境――灯守りの数だけあれど
 綺麗事だけではどうしようもない翳が 闇が誰しにもある。

 普段 如何に溌溂としている者であろうと
 癖のように笑みを浮かべる者であろうと
 一人の人間となんら変わりない感情を例外なく抱えている。

 己が闘うもののあるように 小雪――菴もまた。

 彼の内情や心といったものに
 己がどれだけ踏み込んでいたかは
 結局の所、彼しか論じれぬものでしかなくとも ]
(*2) 2022/01/27(Thu) 1:31:38

【赤】 灯守り 冬至

[ ――唯。

 己にとっては繋がりの深い相手だった
 灯守りとしてではなく 一人の人間として
 繋がりを持てたような気がした存在の一人だった。

 己より近く強く深い繋がりを持つ存在達が居て
 彼を支える手も 託す相手が居ることもわかりきっていたけれど

 ある日届いた 眞澄からの文>>2:133
 菴への"鍵"を開いたのはその時。

 恐らく既に灯守りでは無くなっている彼に
 一方的に鍵を開けた心を論じるつもりはないが

 …雪塗れの雪国の上 普通に解り辛い場所にある
 開けていたとて気付かれない可能性はそれなりに>>3:*41 ]
(*5) 2022/01/27(Thu) 1:32:47

【赤】 灯守り 冬至

[ 遠すぎれば難しいのは道理
 けれど近いが故に難しいことがあり
 親しすぎるが故に話せないこともある。

 もし、己が彼にできることがあるのなら
 その距離からだろうとも 思うが故に

 話したくないことは話さず
 話したいことがあれば話せるよう
 友と過ごすことにした温泉旅行の如きひととき。

 途中、フェイを呼ぼうと言おうとして>>3:*42
 菴が口にしないのなら それは機ではないと
 口を閉ざし―――…何処かへ旅だった ]
(*6) 2022/01/27(Thu) 1:32:52

【赤】 灯守り 冬至

[ 実年齢はともかくとして 身体は幼女
 普段酒を嗜むことは少ないながらに
 彼とのひととき それなりの酒を口にした。 ]


  思えば あの時からでしたね
  あなたとたくさんの声を交わすようになったのは

  あなたの天才的発想がなければ
  ひょっとすれば 今は無かったかもしれません

  …改めて 感謝をしなければなりませんね


[ 微笑んで また、ちびりと酒に手を出して ]
(*7) 2022/01/27(Thu) 1:33:06

【赤】 灯守り 冬至


  あなたは 見ているだけで楽しい人ですけど
  フェイとやんやしているのを見るのは
  もっと楽しくて、好きでした

  友達―――親友というのは
  あなた達のようなことを言うのだろうと
  少し、うらやましく思った時がありました。

[ そんなことも、口にできる無礼講だった ]
(*8) 2022/01/27(Thu) 1:33:36

【赤】 灯守り 冬至

[ 妹について 最後まで多くを語る事は無く
 けれど、普段は聴く事の無い声で触れた時>>3:*43

 菴から一度酒に視線を移し
 やがて盃を机の上に置けば 立ち上がった ]


    ………。


[ 立てばこそ見下ろせる存在。
 座る菴の頭に手をのせれば のんびりと 髪を梳くように。

 どうせ、幼女の無力に等しい力だ
 拒もうと思えば其れはあまりにも容易い現実。
 故に、拒まれなければひとしきりそうする心算で ]
(*9) 2022/01/27(Thu) 1:34:25

【赤】 灯守り 冬至



   …菴が手を尽くしたのなら
    それはきっと 最良の盤面です


[ 眞澄から届いた手紙、其の去り方を思えばこそ。
 「お役目、お疲れ様でした」と 小雪の灯守りに労いを ]
(*10) 2022/01/27(Thu) 1:34:33

【赤】 灯守り 冬至

[ 旅立ちの時。
 いつもと変わらぬやりとりの結びに
 少しばかりの願いを込めて 付け加えたもの ]


  菴。
  世界を回って 心行くまで堪能したら
  また、ここで飲み明かしましょう

  フェイも誘って 露天宴会なんてしながら
  あなたから見た世界を 聴いてみたいです


[ 微笑み一つ、手を振って見送った ] *
(*11) 2022/01/27(Thu) 1:35:01

【人】 灯守り 冬至

  
――小雪と>>18


[ 声は届いていた
 だが 浮き上がることもなければ
 止められることもないぽてぽてタイム。 ]


   …………。


[ むぎに少し近付いた場所
 くるりと振り返った時 小雪との距離は如何程であったか ]
(30) 2022/01/27(Thu) 20:18:27

【人】 灯守り 冬至

[ 遠ければ 少し近付いて見上げる ]


  ……。
  今からお話しすることは、私の勝手な憶測

  あなたが気分を害するだろう
  独り善がりのお節介です。

  聞くに堪えないと感じたら どうぞ、背を向けて下さい


[ 二本の足で立てば 少しばかし、声を抑えるように ]
(31) 2022/01/27(Thu) 20:18:54

【人】 灯守り 冬至


  あなたが "誰のため"と称している様は
  自分が見たくないものから
  ただ、顔を背けているように見えます

  大人のふりをして
  大人らしい言い訳を嘯く影で独り震え
  そうして どこにも行けず蹲っているように。

  それは 決して悪い事ではないです
  誰しもが一度は通る――通る事こそ正常で健全な
  大きな 大切な一歩だと私は考えています

  その一歩を越えて行けるかどうか
  どのように越えて行くかが 重要であるとも。
  
(32) 2022/01/27(Thu) 20:19:20

【人】 灯守り 冬至


  私は あなたのことが嫌いではありません

  だからもし、自分ではどうする事もできず
  このままどこにも行けないというなら
  
  私は このままむぎの所に行って
  年寄りよろしくお節介を焼こうと思います
 
(33) 2022/01/27(Thu) 20:19:47

【人】 灯守り 冬至


  ――でも。

  もし、真澄にとってむぎとのことが
  ずっと胸につかえた儘であるほどに大切なら
  自分で 一歩を踏み出してほしいとも思います

  ……。
  あなたの言う通り 彼女は既に小満の蛍
  全てがあなたの望む結末になるかと言われれば
  それはきっととても難しい。

  けれど 結果を変えるためでなく
  何が起きるかわからないこれからのために

  その、絡まった糸をほどくことは
  真澄にとって みっともないことでしょうか?
  
(34) 2022/01/27(Thu) 20:21:36

【人】 灯守り 冬至

[ 少女は視線を移す。
 棚に飾る写真達を目に留めて ]


  言うほど簡単なことではないけど
  その上で、私は わがままを言ってみようと思います


  …――どうか、あなたの心を大切にして下さい

  想い続けた心を 明日への枷に
  苦いままのものにしないでほしい

  口にしなければ伝わらない気持ちを
  届くうちにどうか――… 伝えてほしいと願います


[ 端末の瞳が捉える彼女は 其処に居ただろうか * ]
(35) 2022/01/27(Thu) 20:21:49

【赤】 灯守り 冬至

  
――回想:二人の英雄の話


[ 先代冬至と出逢ったのは
 私が五つくらいの頃と聴いた事がある。

 冬至域で今尚"英雄"と讃えられる存在
 先代の冬至とその蛍たる男が
 ある日、己の家にやってきたのが始まり。

 浮世離れした美貌を持つ女性――雪姫 ゆき
 傍ら控える 老齢ながらに只者では無い居住まいの――枯草かれくさ

 母や父から繰り返し聴かされた お伽噺のような存在達
 その二人が家に来た時の事は 未だに記憶に残っている ]
(*57) 2022/01/28(Fri) 0:59:09

【赤】 灯守り 冬至

[ 彼女はまるでお伽噺から出て来たような
 見目に浮世離れした美女――そんな灯守りだった。

 雪のような肌に整った顔立ち
 触れれば融けて消えそうな儚さを持ちながら
 其の眼差しは凛と強く 紡ぐ声には不思議な温かさがあった

 彼女に手を引かれ歩くひと時
 伝わる温もりに 漸く彼女を人と認識できるような心持ちで
 偶然にも同じ響きの名を持つ彼女を 見上げていた。

 私は其の日から、領域と呼ばれる地で暮らし始めた ]
(*58) 2022/01/28(Fri) 1:01:08

【赤】 灯守り 冬至

[ 蛍になる訳で無く
 弟子とされる訳で無く
 ただ、一つ屋根の下共に過ごしながら
 まるで親子のような間柄で 様々なことを教えられた。

 今とは全く違う領域の在り様
 雪が積もり 蕾が芽吹き 桜が散り 緑が茂り 紅葉を拾い
 そんな四季を感じることのできる其の地で

 冬至の灯守りとしての姿
 傍らに在り 完璧に補佐をこなす蛍の姿
 英雄として讃えられる二人の背を見て過ごした ]
(*59) 2022/01/28(Fri) 1:01:34

【赤】 灯守り 冬至

[ 先代冬至の在任期間は 凡そ三十年程
 その間に 先代達は様々な偉業を成し遂げた。

 雪のとける事の無い冬至域に
 根付く慣習の礎を 確かな安寧をもたらし
 多くの民達に希望の光をともし続け
 其の数多の功績から 後世に名を残すに至った。

 冬至が代々受け継ぐ能力――" 灯想 "
 ふれた灯りの心を識ることの叶う力

 彼女は 其の人柄と能力を持って
 民達の陽となり 癒しを齎し
 蛍と共に近く遠く 寄り添い続けていた ]
(*60) 2022/01/28(Fri) 1:01:55

【赤】 灯守り 冬至

[ ――灯想。

 冬至たる其の力は
 持って初めて実感する諸刃の剣

 その力はあらゆる心を拾う。
 覆われた想いを 閉ざされた本音を
 時には本人でさえ意識しなかったような心を。
 喜び 怒り 悲しみ 苦しみ 未練 後悔 愛情 憎悪 何もかもを。

 触れながらに揺れ動き続ける心
 其れを何百何千 或いは何万以上。

 多用すれば己が心を壊しかねない力
 使えば使うほど己の命を散らすが如き代物

 それが、冬至が代々受け継ぐ"灯想"だった ]
(*61) 2022/01/28(Fri) 1:02:17

【赤】 灯守り 冬至

[ 其れを 何十年も。

 生きている内に救わんと
 民達の安寧のために只管に行使し
 只人と変わらぬ言葉を 心を持って癒し
 手の届く場所に居る全ての灯を癒そうと努めた
 
 雪姫という存在は紛れも無く英雄であり
 悲しい程に、大した人間だった ]
(*62) 2022/01/28(Fri) 1:02:27

【赤】 灯守り 冬至

[ 彼女は強かった
 それ故に弱さの見え辛い人だった。

 只人とは思えぬ程に優秀で有能な蛍は
 彼女にとって 公私に渡り最も近しい存在で 特別で
 此の目にも 彼女が確かに頼れる存在であるとわかる程だった

 だから気付けなかった
 一番傍に在った蛍でさえも。

 本当の意味で弱さを見せない
 見せることができない人だったのだと
 そう理解したのは、彼女が死んだ時だった ]
(*63) 2022/01/28(Fri) 1:02:51

【赤】 灯守り 冬至

[ 雪姫から ゆきへ。

 先代に代わり冬至の席に座したのは
 彼女が亡くなってひと月と経たぬ頃のこと

 冬至域を出歩く事はあれ
 会合の折 顔を出していた訳でも無い存在。

 長年先代を支え続けた初候たる蛍を差し置き
 見た事も無い どう見繕えど幼女が其処に座した時
 周囲がどう想ったのかなど知る由も無い。

 ――唯。
 傍らに控える"冬至の英雄"が
 変わらずに其処に佇み 支えんと在った事が
 其の幼女を冬至たらしめたのは一つ、確かな事実だった ]
(*64) 2022/01/28(Fri) 1:03:33

【赤】 灯守り 冬至

[ そうして 十年と――少し。

 伝承の如くに噺に出る英雄
 祖父のように 父のように在った枯草
 常に 傍で支えて続けてくれた蛍。

 少しずつ関係性を変えながら
 変わる事の無い そのあたたかな距離で
 私は彼に数えきれないほど教えられ 助けられた ]
(*65) 2022/01/28(Fri) 1:03:54

【赤】 灯守り 冬至

[ 冬至が初候 乃東生なつかれくさしょうず

 英雄 参謀 軍師 色男 賢人 剣聖 ――等。
 ありとあらゆる賛辞や肩書を手にした男は
 冬至の灯守りの蛍を二代に渡り務めた。

 無力な幼女が灯守りとしてその座に在り続けられたのは
 間違いなく、彼の存在が其処に在ったからこそだ。

 ――通称 枯草。

 其の名は 彼の死後 百の冬を越えた今も尚
 冬至域の英雄として 雪姫の名と共に伝わり続けている ] *
(*66) 2022/01/28(Fri) 1:05:24

【人】 灯守り 冬至

――小雪と>>60>>61>>62>>63


[ 其処は温かいのだろう
 絡まる糸の繭として守られるが如く ]

[ 只一つのみを希い
 其れ以外を否とするのならば
 己の言葉が届かぬのもまた道理 ]
(98) 2022/01/29(Sat) 11:18:17

【人】 灯守り 冬至

[ ――知っている ]

[ 知らなければよかったこと
 知らなければ幸せだったこと
 知らぬからこそ保たれるものがあると ]

[ 良かれとした選択の先
 致命的な観測がある事も知っている ]
(99) 2022/01/29(Sat) 11:18:28

【人】 灯守り 冬至


     あなたは今、幸せですか?
  
(100) 2022/01/29(Sat) 11:18:39

【人】 灯守り 冬至

[ 良くも悪くも淡白な問いかけ一つ
 彼女から返るものはあったか 無かったか
 何れにせよ、端末は口から紙を取り出して ]


  ――今日は良い月が出る予定です

  この後、温泉に来ませんか?
  特別なひとときへご招待致しますよ
  たまにはのんびり 羽を休めにきて下さい。

  露天風呂はいいものです
  言葉などなく いくらでも時を過ごせますから


[ "雪見温泉 ご招待券"
 白紙に墨文字――手書き感溢れる長方形を二枚差し出した ]
(101) 2022/01/29(Sat) 11:18:46

【人】 灯守り 冬至

[ 丁度そこらへんに居た小満に ]


  あ。
  小満 あなたパンプキンパイがお好きでしたね

  この後家に寄って行って下さい
  絶品のパンプキンパイをご馳走します


[ 予定は未定なれど。己の蛍は優秀であるが故に * ]
(102) 2022/01/29(Sat) 11:19:30

【人】 灯守り 冬至

[ 気楽に誘える間柄というのは よいものだ>>103 ]

  甘くてほくほくで
  ほっぺたが落ちてしまうやつです
  くふふ。それでは決まりですね

  お菓子にアルコールは合わないでしょうか?
  合うものがあれば――天乃に用意してもらいましょう

[ もし真澄がむぎを誘ったなら
 二人が温泉に浸かる間のひととき
 のんびり茶でも飲もうとそんな心算で * ]
(105) 2022/01/29(Sat) 13:08:25

【人】 灯守り 冬至

  
――小雪と>>9>>110>>111


[ 彼女の心の内の全てなど知らない
 知れたとして 今、知るつもりは無い ]


   ………。


[ 差し出す紙は ずっと其処に。
 彼女が自らその紙を手にしたなら ]
(116) 2022/01/29(Sat) 15:02:05

【人】 灯守り 冬至

[ 一つ、くふふと笑う声 ]


  お風呂上がりのデザートは何がいいですか
  特別に用意しておきます


[ フェイに声をかけたのは その頃だったか>>102 ]
(117) 2022/01/29(Sat) 15:02:14

【人】 灯守り 冬至

[ そうして、ぴょんと小雪の肩にとびのって ]


    むぎ!

       むぎ、――ここです!


[ ぴょんぴょんとはね むぎを呼ぶ。
 たとえ其の足が動かずとも 此の距離が埋まるのは自然の流れ ]
(118) 2022/01/29(Sat) 15:02:23

【人】 灯守り 冬至

[ むぎと相対するまでの間に 小雪の頭の上にちょこんと座して ]


  こんにちは、むぎ。
  突然呼びつけてしまいすみません

  今、真澄と話していたらあなたの話題が出ましてね
  なんでも むぎに渡したいものがあるそうで


[ むぎには見え辛い その角度で。
 その髪を撫ぜていよう。彼女が声をあげるまでは そっと ]


   ―― ね、真澄。


[ 年寄りのお節介は 此処までだ * ]
(119) 2022/01/29(Sat) 15:02:46

【人】 灯守り 冬至

 
――小雪と>>125>>126>>127


[ 伝わらずともいい

 無理に変わらずともいい
 今日無理に変える事は無い
 ――変わるのならば 其れは其れ。

 ただ、たまに温泉を楽しむくらいは
 気兼ねせず 声をかけられるようになれればいい
 そんな願いを 紙切れに託して。

 温泉で何が起きても 起きなくとも
 それは今日、彼女達が掴み取る確かな現実だ ]
(132) 2022/01/29(Sat) 17:22:05

【人】 灯守り 冬至

[ 温泉券の行方を見守ったならば
 お邪魔虫は机に残した大福を回収しに向かう
 向かおうとして かかる声>>127 ]


  くふふ
  真澄のお願いなら腕によりをかけませんと

  ――はて。
  かぼちゃは柚子の親戚でしたかね


[ なんて。
 嘯いてぽてぽて大福へと
 可愛らしい棘は飲んでしまいましょうね ]
(133) 2022/01/29(Sat) 17:22:14

【人】 灯守り 冬至


 [ こたつに蜜柑
   パイを片手に柚子菓子作り

   其の内に珈琲でも飲みながら
   あたたかな部屋で ほかほかの二人を迎え入れる。

   ――まだ誰も知らない これからのお話 ] *
  
(134) 2022/01/29(Sat) 17:22:24

【赤】 灯守り 冬至

  
――回想:夕景、風にこぼした記憶


[ 何時からだったろう

 如何な力を持っていたとて
 守りたいものを守れる訳では無い。

 己は何処まで行っても無力な幼子で
 此の小さな手如きが救えるものなど あまりにも少ない

 …ならば。
 この手が個を救えないのならば

 この力で守れるものを
 この力があるが故にできることを

 この灯が消えるまで ――…そう想うようになったのは ]
(*104) 2022/01/30(Sun) 2:56:14

【赤】 灯守り 冬至

[ そう悟る内にも
 かけがえのない出会いはあった

 忘れることの出来ないひと時
 忘れたくないと綴るひと時

 どれだけ時が経とうと褪せる事は無い
 そういう、大切な想い出が確かにある ]
(*105) 2022/01/30(Sun) 2:56:22

【赤】 灯守り 冬至


[ ――金平糖。
 雪姫様と枯草様と初めて会った日
 通りがかったお店で買ってくれたもの


 「 初めて先代にお会いした時
   買ってくれたのが金平糖だったんです。

   先代の蛍と三人で食べたんですけど
   初めて食べたそれは あまくて きらきらしていて
   気付けば今も ついと手を伸ばしています ]


 好きなのかと訊ねられた折
 懐かしさとに緩んだ口が 多くを語った事もあった>>3:*94 ]
(*106) 2022/01/30(Sun) 2:56:38

【赤】 灯守り 冬至

[ 新しい蛍 いづる>>3:*93
 生みの親たる彼へ挨拶をした日>>3:*95

 夕景に跳ねるゆきうさぎは
 この世のものとは思えぬほどに
 酷く穏やかで 美しいものだった>>3:*96

 そこに佇み 微笑む灯守りの横顔も
 重ねた言葉も、忘れることは出来ない

 どれだけ時が経とうととける事の無い
 残り続ける彼の存在の痕跡は
 死して尚あの日々を鮮明に思い出させる
 
 夕暮れに溶かした "礼"のことも>>3:*97 ]
(*107) 2022/01/30(Sun) 2:56:48

【赤】 灯守り 冬至


[ " ゆき "
 英雄と同じ響きを持つ名は
 特段隠している訳では無くとも
 自ら進んで名乗ることもなくなった名 ]

[ 呼ばれれば遠く覚える懐古
 それと共に何処か、一人の人に戻れる気がした ]


  ……。
  ――…それは お礼になるのです?


[ 相対するまっすぐな眼差しを見上げて
 なんとはなし 夕陽が照らす彼の影を眺めた ]
(*108) 2022/01/30(Sun) 2:57:07

【赤】 灯守り 冬至

[ 暫しの後、もう一度穏やかな笑みを見れば ]


  あなたは立派な灯守りです
  私よりも、よほど。


[ 手近な場所へ腰を下ろせば 隣りを手で示して
 「年寄りの話は長いですよ。大丈夫ですか?」
 なんて そんな防衛線を引いたのを覚えている ]

[ それからまた少しの間 夕空を見上げた ]
(*109) 2022/01/30(Sun) 2:57:20

【赤】 灯守り 冬至

[ それは 結論も 定義も 意図も無い
 ふっと始めた ただただとりとめのない昔語り ]


  私 生まれつきへんてこな力を持っていて
  そのせいか灯りがすぐに濁ってたんです。

  不思議な力を持っているなんて父も母も思いもしなくて
  私自身明確に理解できていた訳でも無いから
  当然、自分のことを上手く説明できる訳でも無くて

  だから当時は"病弱"と片付けられて
  灯りは弱るばかりで だから早死にするだろうと
  父と母にはとても苦労をかけていました。


[ どんな力なのか。
 訊かれても 訊かれずとも 掻い摘んで話して ]
(*110) 2022/01/30(Sun) 2:57:41

【赤】 灯守り 冬至


 あの日、
 ――晴れた日でした

 冬至域の冬の晴れは本当に珍しくて
 私の調子も良かったから
 両親が散歩に行こうって 外に連れていってくれました


 ……。
 でも 途中、
 隣りを歩いていた父が急に倒れました。

 突然すぎて何がなんだかわからなかったけど
 父の灯りは何時の間にか消えていて
 母は父に縋って ただ泣くばかりで
 私はただ、それを見ているしか出来なくて


 だから 思ったんです

 死なないでほしい、
 戻って来てほしいって。 多分そんなことを
  
(*111) 2022/01/30(Sun) 2:57:58

【赤】 灯守り 冬至


 父の灯りは元に戻りました

 一度は死んだ筈なのに
 母も私も それを知っていたのに。

 ……。
 これは 後になって雪姫様から――
 先代の冬至から聴いた話ですけど

 その日 灯宮に送るはずの全ての灯りが消えて
 新たにともる筈の灯りが全て消えたそうです

 すごいですよね
 それが私の"病弱"の正体でした

[ 小さな笑いを 見上げる夕空にこぼして ]
(*112) 2022/01/30(Sun) 2:58:18

【赤】 灯守り 冬至


 それから少しして、
 先代と蛍が家にやって来て
 私は領域で二人と暮らし始めました。

 二人とも 冬至域の英雄って呼ばれてて
 今も文献に残るくらい凄い人達なんですけど
 すごく良くしてくれて 本当の両親みたいに育ててくれました

 二人が力の使い方を教えてくれて
 灯りも いくらも澱みが薄らいで 本当に、感謝しかありません

 だから 役に立ちたい
 力になれることがあるなら
 二人の為ならなんだってするつもりでした
  
(*113) 2022/01/30(Sun) 2:58:39

【赤】 灯守り 冬至


 先代が亡くなったのは
 私が領域で暮らし始めて 三…四年くらい経った頃です

 先代は強すぎるくらい 強い人でした
 だから 私たちが魂の限界を迎えていたことに気付けたのは
 先代が倒れた それぐらいぎりぎりの時でした

 冬至の能力を使い続けた事が原因だと
 灯守りという立場も 英雄である事も
 知らず知らず重荷になっていて 限界だったんです

 枯草は自分が灯守りを継ぐと言いましたが
 でも 先代はそれを頑なに拒否していて


 ――…だから私が、立候補しました


 私なら その能力を使って灯りが濁っても
 其の澱みを払う能力があるから大丈夫だと伝えました

 形だけの灯守りです
 二人が居れば 大丈夫だと思いました
 だから先代も 枯草も 受け入れてくれました
  
(*114) 2022/01/30(Sun) 2:59:05

【赤】 灯守り 冬至


  灯守りを継いで
  先代の澱みを反転させる

  それで、全て解決するはずでした。
  
(*115) 2022/01/30(Sun) 2:59:18

【赤】 灯守り 冬至


 不幸せやみ幸せひかり
 ――そうして 先代の灯りは消えました。


 結果は 最悪の結末でした

 私は先代を殺しただけじゃない
 枯草の心も 深く  ………深く傷つけた

 何もしない方が余程幸せな終わりだったと
 誰がどう見ても 明らかなほどに。

 どうしてあんな事をしたのか
 あんな事さえしなければ少なくとも
 少なくとも 枯草を追い詰めることはなかった
  
(*116) 2022/01/30(Sun) 2:59:42

【赤】 灯守り 冬至


[ 彼女は口にした。

 本当は今が 辛かったのだと。
 普通に過ごしたい
 枯草と 私と 家族のように生きたい
 枯草と同じように老いながら共に生きて 逝きたいと

 その願いを叶える為に
 彼女の不幸を 幸せに変えた。

 ――違ったのだ。
 何もかも。

 冬至の能力なんて使わずともわかった
 彼女の灯りが消えた時 聡明な只人は私より早く気付いた

 或いは彼女さえ 最期まで気付かなかった本当の願いに ]
  
(*117) 2022/01/30(Sun) 3:00:05

【赤】 灯守り 冬至


[ ――ただ、死にたかったのだ。

 私達との未来よりもこの生から解放されたかった
 生きている事自体が不幸だった 
 だからそうなった。

 だから 誰よりも傍に居て
 誰よりも彼女の幸せを願った彼は
 愚かな私が愚かな力を使うのをやめさせた

 自分との未来ではなく
 死こそを希望と見出していた

 そんな現実を突きつけられて尚
 彼は、私が犯そうとした罪を止めた そんな人だった ]
  
(*118) 2022/01/30(Sun) 3:00:24

【赤】 灯守り 冬至


 ……どうすれば良かったのか

 使わなければ良かった。
 そうすれば枯草を二重に苦しめなかった

 大切な人を殺した存在を
 ずっと、文句も言わずに支え続けて
 どんな想いで、仇と過ごしていたのか

 私はあの二人を 不幸にしただけだった
  
(*119) 2022/01/30(Sun) 3:00:36

【赤】 灯守り 冬至

[ 気付けば 手が震えていた
 握りしめた拳を反対の手で抑えて
 ――目立たぬよう 細い 長い息を吐いた ]


  ……。
  何をすれば 償えるのか
  そんなことを 今も、考えることがあります


  ――…なんて。

  やっぱりこれ お礼にはなりませんね?


[ 暫くぶりに見上げた彼に
 「すみません」と微笑む事は 容易かった。 ]
(*120) 2022/01/30(Sun) 3:01:32

【赤】 灯守り 冬至


[ 苦言――ただの願い。

 あの時 もっと話していたら
 途中ではぐらかさずに、
 蛍の最期までを きちんと話せば
 ひょっとして何かが変わったのだろうか

 否。
 変わることはない

 彼は優しすぎた。
 身を滅ぼすと解っていても
 其処に心があれば 優しく在る人だ ]
  
(*121) 2022/01/30(Sun) 3:01:53

【赤】 灯守り 冬至

[ あの時とて理解していた
 理解して、それ以上を願うだけに留めた
 ただ 頭にともる あたたかな優しさを受け入れて>>3:*98 ]


  ……夕来、訊いてもいいでしょうか


[ 穏やかで のどかな夕景に
 湿っぽい懺悔の結びなど似合わないから ]


  あなたにとって
  " 灯守り "とはなんですか?


[ 雑談の如き気軽さを伴って
 終わりの近い彼とのこの今に 花を咲かせよう ]


           [ ――近付く夜の風は 未だ其処に ] *
(*122) 2022/01/30(Sun) 3:03:06

【人】 灯守り 冬至

  
――冬から春へ


[ 嘗て 冬至域は雪と共に生きていた

 雪の無い日は無く
 冬には家を呑み込まんと堆く聳えた

 雪に覆われ 雪に阻まれ 雪に囲われ
 雪の内に数多の大切なものが失われた

 民は、雪を疎んでいた ]
(298) 2022/01/30(Sun) 23:20:51

【人】 灯守り 冬至

[ 凍え行く民の心に 二人の若者が立ち上がる

 雪に覆われ 阻まれ 囲われ
 数多の大切なものが失われる雪の内

 雪の姫は数多の灯に寄り添った
 民の陽となり、民はその灯に希望を見る
 
 希望に降りかかる闇を
 傍らの剣士が悉く斬り払う

 彼女達は 民達の陽となった ]
(299) 2022/01/30(Sun) 23:20:56

【人】 灯守り 冬至

[ 或る年の春のこと

 常に雪と共に在る冬至域から
 掛け値無く、一切の雪が消えた

 夢でも見ていたかのように
 夢から覚めたかのように

 冬至域に 春の大地が広がった ]
(300) 2022/01/30(Sun) 23:21:01

【人】 灯守り 冬至

[ 其れは毎年訪れた

 前触れはなく
 理由などわからず
 けれど、必ず一度 雪が消えた。

 民は其れを 神の恵みと称した ]
(301) 2022/01/30(Sun) 23:21:06

【人】 灯守り 冬至


              春はまだかな
        もうすぐさ

   そろそろかなあ
                  もうすぐだ


     あ―――…

            ねえ、見て!


      そらが!

  
(302) 2022/01/30(Sun) 23:21:11

【人】 灯守り 冬至


 [ 天は常夜
  世の闇を満たす常夜の天 ]

 [ 地に満ちる白雪
  遍く罪過を覆いたり ]

 [ 見渡す限りに遮るものの無い
  薄暗がりの織りなす地平線 ]

 [ 昇る陽の無い世界に 少女は立つ ]
  
(303) 2022/01/30(Sun) 23:21:27

【人】 灯守り 冬至


       
*


                  
*

       ―――満たせ

               
*

 
*

         
*

  
(304) 2022/01/30(Sun) 23:21:36

【人】 灯守り 冬至

     
*


    空の盃        
*

    渦巻く暗澹 澱む罅

    降り来たる暗夜 遠き彼方に明星
  
*

    蜻蛉 蠍 狼 烏 蝿 驢馬 梟
    澱み塗れた此の闇夜
                     
*

    災禍の夜 罪過の夜
    呵責の夜を寄る辺無き夜を

    満たせ此の夜へ盃一杯 こんこんと

     
*
(305) 2022/01/30(Sun) 23:21:44

【人】 灯守り 冬至


          
*

    古今今昔
    去就の星夜 去来せし月夜
                   
*

    栄枯興亡
    彼我の晴雨
    貴賤 功罪 清濁の万象
                 
*

    遍く果てに利害無き吉凶を
  
*


    苦楽も悲喜も裏表
    天地因果の死生は輪廻也
  
*

               
*
(306) 2022/01/30(Sun) 23:21:52

【人】 灯守り 冬至


      
*


    満たし零るは瑕疵の星
    其の息吹に堕つるは誰が翳星
                
*


          星やこんこん
            雪やこん
     
*

                   
*

    満ちて
          散りて
              
*

  
*


               ――――翳よ明け   
*

  
(307) 2022/01/30(Sun) 23:21:58

【人】 灯守り 冬至


             
*

           
*

        
*
(308) 2022/01/30(Sun) 23:22:04

【人】 灯守り 冬至

  
――小満と


  くふふ。
  とびきり美味しいお菓子といわれたなら
  フェイを頼らざるを得ませんでした

[ 調理場に立つ小満の傍らで
 のんびりと道具を用意していく>>178 ]
(327) 2022/01/30(Sun) 23:51:56

【人】 灯守り 冬至

[ 甘い香りに 一口と味見をねだりながら ]


  あなたの声を聴いていると
  ついと食べたくなっていけませんね
  口がもうすっかりポタージュの口です

  良きチーズとクリームを見繕って
  お邪魔する事にしましょう


[ おつるの持ち帰ったパンプキンパイは
 真澄やむぎとも共に食べる事にして
 今はまだ少し、おあずけの時>>179 ]
(328) 2022/01/30(Sun) 23:52:00

【人】 灯守り 冬至

[ 真澄やむぎは 今何を話しているだろう>>180
 傍ら 軽口の如くに笑ってみせる知己を
 カフェラテをちびりとしながら盗み見て ]


   どうするのです?


[ もう一口 ちびりと喉の奥へとかす ]


  フェイに何かあったら
  いらなくてもよしよししに行きますからね


[ だから好きなように どうすればいい
 足りぬ言葉を繕わぬ 信頼と怠惰を綯交ぜに ] *
(329) 2022/01/30(Sun) 23:52:04

【赤】 灯守り 冬至

  
―――いつか、貴方と見た月


[ 温泉にくゆる月を見上げていた>>*141

 何も無い夜にともるそれは
 そのひと時は 私にとっての陽であった ]


    ?


[ 隣りで 名を呼ぶ声がして
 ふっと見上げた先の満月>>*142 ]
(*150) 2022/01/30(Sun) 23:59:16

【赤】 灯守り 冬至


  ――…そうですね。

[ 小さく笑って また月を見る。

 このひと時が 続いてほしい
 そんな叶わぬ願いを 天にとかしながら ] *
(*151) 2022/01/30(Sun) 23:59:32