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人狼物語 三日月国


68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】

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【人】 尸解仙 キファ

>>297 >>298 ルヘナ

「ああ、でも。
 おまえ、ホワイトボードに『向こう側』での名を
 書いていたな、吾も見かけた」

「もしかしたら。いつかどこかで、
 ”向こう”の二人が出会うことも有るかもしれない」

 例えば、"orion"の記録復元の手段を持つ
 Brachiumに、情報の提示を求めたなら、どうだ。
 そこに、”あの”如月ルヘナの名が書かれていたら。
 可能性はゼロじゃない。 
 
「でも、それは『キファ』と『ルヘナ』に。
 近いようで、きっと遠いのだ。

 どんな事実が暴かれようとも。
 吾にとっての現実は、此処なのだから」

 →
(323) 2021/05/02(Sun) 23:14:33

【人】 尸解仙 キファ

>>297 >>298 ルヘナ

 きっとこの二人の歓談は、
 『舞台』の上にあるものじゃない。

 劇を終えた役者が、楽屋で今までを振り返るような。
 或いは、観客がエンドロールの後に
 シアターで語り合うような。

 そういうものに、似ている。
 時間の流れを噛み締めるのに、きっと必要なことだ。

 二人にはまだ、会うべき人や、
 行くべきところがあるのだろう。

 けれど。今はただ、茶を楽しもう。
 緩慢な時間の使い方も、きっと今の二人には丁度いい。

 →
(324) 2021/05/02(Sun) 23:15:22

【人】 尸解仙 キファ

>>297 >>298 ルヘナ

「うむ」

「吾が淹れるよりも、ずっと美味い」

 これは。──そんな、いとまの話。
(325) 2021/05/02(Sun) 23:16:12

【人】 尸解仙 キファ

>>メレフ

 さて、此処はどこだろう。
 談話室? 或いは、皆で何度も集まった会議室かもしれない。
 どこだって構わない。
 
「わっ」


 キファは、メレフの背に声を掛けた。
 ルヘナリスペクトである。

「やあ、メレフ。数日振りだな」

 エピローグの訪れによって、死した人々は蘇った。
 キファも、その一人である。
(327) 2021/05/02(Sun) 23:28:17
キファは、怒涛の愛の言葉に、両頬を手で押さえた。
(a122) 2021/05/03(Mon) 10:24:23

【人】 尸解仙 キファ

>>329 ハマル

 ざぷり、ざぷり。
 波を掻き分ける音。

 浅瀬から少し遠くで潜ったあなたに、
 白い手が差し伸ばされる。

 それは這い上る亡霊の手でも、なんでもない。
 キファの手だ。
 潜るあなたを、掴み上げる手だ。

「ハマル」

 水面から声が掛かる。

「覚えているとも。おまえの言葉。
 ……ちゃんと、掴んだぞ?」
(356) 2021/05/03(Mon) 10:41:10
キファは、どこかのメレフを鼻で笑った。
(a123) 2021/05/03(Mon) 14:43:06

【人】 尸解仙 キファ

>>363 メレフ

 キファはむくれた。
 ノリの悪いやつめ。

「人の弱みを弄ぶでない。

 ……存外、平気なものだな。
 いや、寧ろ。この世界の真実を知ったからこそ、
 なんだかすっきりした心地だ」

 意地の悪い問いに、意趣返しをしてやる。

「おまえこそ、お嬢はどうなったのだ。
 全て、”設定”だったそうだぞ?」
(366) 2021/05/03(Mon) 15:31:23

【人】 尸解仙 キファ

>>367 ハマル

「何、おまえに海を見せたかっただけだ」

 恰好を付けた。
 半分ほんとうで、半分嘘。

 最初は、ただの気紛れだった。
 でも、この激動の数日間を過ごすうちに、
 いつしか絶対に違えたくない約束になった。

 年甲斐もなくびしょ濡れになった民族服を
 つまみあげながら、笑う。

「暫く遊んで行くか」

 →
(397) 2021/05/03(Mon) 20:42:03

【人】 尸解仙 キファ

>>367 ハマル

 ──それから二日ほど、海沿いの街に滞在した。
 海岸の朝日は格別で、頑張って早起きして見に行った。
 貝殻を集め、ハマルにネックレスを作って貰ったりもした。

 それから来た時と同じように、
 時間をかけてレムノスの街に戻る。
 何もかもから解放された、きままな旅だった。

 帰ってきたレムノスの街は変わらず賑やかだった。
 けれど以前より、少しだけ寂しかった。

 件のアナウンスから数日が経過していたから。
 もう既に、帰ってしまった旅人も居たのかもしれない。

 →
(399) 2021/05/03(Mon) 20:57:52

【人】 尸解仙 キファ

>>367 ハマル

「頃合いだな」

 星見杯亭の談話室で、
 ハマルと旅の思い出話を語り合っているとき。
 キファはふと、そう切り出した。

「吾はそろそろ、”行く”」

「吾はキファである。
 キファにとっての現実は、此処だった。
 吾は確かに、233年を生きていた。

 ……だが。
 『秋葉義一』には、帰らねばならぬ場所がある。
 『キファ』という人生は、終わるのだろう」

 キファは、覚悟をしている。
 ……それはきっと、”死”程に冷たいものでは、ないのだろう。
 例えるなら、生まれ変わりに近いのかもしれない。

「……最後におまえと、海を見れた。
 約束を全部果たせたのだ。……良かった」

 キファは、にっこりと笑った。
 永い旅だった。
 今度の旅の目的地は、ずっと遠い。
(412) 2021/05/03(Mon) 21:46:34

【人】 尸解仙 キファ

>>386 メレフ

「……無論。
 くく。吾のカマかけも、空振りはしなかったようだな」

 後に続く言葉で、メレフがテスター側であることを
 確信する。

「吾もだ。前世の記憶を取り戻した、という感覚に近いか。
 うむ。おまえがそう思ってくれていて、よかった。
 233年生きた吾の立つ瀬にもなると云うものだ」

 やっぱり似た者同士だったのだろう。
 割り切り方も。”今”の在り方も。

 →
(429) 2021/05/03(Mon) 23:22:55

【人】 尸解仙 キファ

>>386 メレフ

「どうだ。
 こんな神の御業を見せられたんだ。
 ならば逆に、”それに至る手段”も存在するということだ。
 人間が、神に等しき仙人になれるように。

 死者蘇生だって。今では不可能ではあるまい?」

 それは、今あなたの眼前に立つ少女が証明している。
 キファは揶揄うように軽く首を傾げて、
 少女みたいに愛らしく笑って見せた。

「何、これはただの意地悪だ。
 本気だったのだぞ? 吾は。
 敢え無くフラれてしまったが──あぁ、”共同研究”の話だ」

 『別に独り占めになんてしないのに』、そう続ける。
 どうやら少女は、あなたのことを同類として
 結構気に入っていたらしい。

 さて、本題は此処からだ。

「おまえはこれから、どうしたい?」
(430) 2021/05/03(Mon) 23:25:15

【人】 尸解仙 キファ

>>431 ハマル

「うん……、うん」

 ハマルの抱擁を受け入れる。
 背中に手を回す。

 数日振りの抱擁は。
 小さくて、思ったよりも大きくて。
 ……温かかった。

 キファはハマルに、
 ”連絡先”を渡さなかった。
 
 ハマルの前では、ずっと、『キファ』で居たかった。

(441) 2021/05/04(Tue) 0:17:06

【人】 尸解仙 キファ

>>431 ハマル

 ああでも、どうだろう。
 ホワイトボードに記されたハマルの連絡先を、
 このプレイヤーは覚えている。

 だから。"proxy"を脱出した後。
 その記録を確認した『秋葉義一』が、
『日辻春』に連絡を取ることも、あるかもしれない。

 未来の話だ。誰にも予測できない。
 良い意味でも。
 
「吾もだ。
 ──実に好い人生だった!」

 これで悔いなく行ける。
 ”天啓”を得る必要は、もう無い。
 標はちゃんと、ここに在る。

「ありがとう、ハマルよ!
 おまえの旅路に、祝福が有らんことを!」

 →
(442) 2021/05/04(Tue) 0:18:43

【人】 尸解仙 キファ

>>431 ハマル

 それが、お別れの代わりだった。
 「さよなら」は言わない。
 また会う約束をひとつ、交わしたから。

 ハマルの言う通り。
 『キファ』が『ハマル』に会うのは、
 これが最後になるのだろう。

 ……綺麗な海だった。

 233年の人生の中で、一番綺麗な海だった。
 キファは、忘れないのだろう。

 たとえ、生まれ変わっても。
(444) 2021/05/04(Tue) 0:19:32

【人】 尸解仙 キファ

>>386 メレフ

「……半分外れ、半分正解。
 この街に残るか、脱出するかの話だ。
 だが、今の答えで理解した」

 指先で薄翠の髪を弄ぶ。
  
「いや、何。
 同じくらい永きを生きたおまえに、聞きたかったのだ。
 "orion"を出ることは、自らが消えるのと同義よ」

 特に、キファは秋葉義一と完全に意識を切り離していた。
 それでいいと思っている。覚悟だってしているつもりだった。

 明るい別れがモットーだ。
 だから。大好きなサダルにも、
 ヌンキにも、ルヘナにも、話していない。
 これは、境遇の近いあなたにだけ、話すこと。

「寂しいだろ?
 この世界が好きだっただろう?
 おまえにとって、この世界は簡単に諦めきれないほど
 大切なものだっただろう?」

 でも、どうやら。
 存外、自分は未練たらしかったらしい。
 だってまだ、ハマルと海にだって行ってない。
(448) 2021/05/04(Tue) 0:55:28

【人】 尸解仙 キファ

>>450 メレフ

「ノリの悪いやつめ」

 キファはむくれた。

「死ぬことは、……もう、怖くない。
 唯、そうだな。
 慣れ親しんだこの世界との別れが、寂しいのだ」

 キファは仰々しくため息を吐く。

「わからぬなあ。
 それじゃあ、おまえの自我がどこにあるのか
 分かりゃしない。

 だが、そうか。
 おまえにとっては、”この世界”も、”寂しい”も、
 きっと範疇に無いのだろうな」

 同じところを見ているようで、
 きっと遠いどこかを見つめている。
 互いに。
 
「全く、本当に。
 近くて、分かりあえないやつ」
(453) 2021/05/04(Tue) 2:00:27

【人】 尸解仙 キファ

>>454 メレフ

 それはキファにとって、思ってもみない提案だった。
 ……メレフという人間の、コア。

「行く」

 そう答えたのは。
 キファが、”そのもの”だったからだろうか。
 『秋葉義一の死んだ妹』をモデルにしたアバター。
 それが、キファだ。

 見てみたかった。
 人生のほとんど全てを妹に捧げた兄の、生きた証が。

 残された時間は少ないわけではないが、
 多いわけでもない。
 ハマルと旅に出る予定があるのだ。

 向かうとなれば、キファはすぐにでも出発できるだろう。
(477) 2021/05/04(Tue) 14:10:51

【人】 尸解仙 キファ

>>479 メレフ

「……いや、何。あの『等価交換』の祭壇を
 拝めるというのだ。神秘主義者としては見逃せなかろ?」

 冗談めかして、橋の下を潜り抜ける。
 互いに深い理由があるのは、知っている。
 だが、道中を神妙な空気にさせる理由もあるまい。

 そんな風に適当に語り合いながら、
 祭壇へと向かう。

「おお」

 相変わらずの彼の隠蔽魔法の精度の高さに、
 キファは感嘆した。

「入っても?」
(481) 2021/05/04(Tue) 14:43:38

【人】 尸解仙 キファ

>>483 メレフ

 『邪魔するぞ』と、誰にともなく
 投げ掛けた。

「蜥蜴が逆さまに吊られていたりは。しないんだな。
 吾のギルドみたいに」

 言われなければ、『等価交換』とは気づかないだろう。
 そんな、洒落ているただの邸宅。
 その筈なのに、奇妙な郷愁を感じさせるのは。
 数十年、百数年の歴史があるからだろうか。

「否。吾は唯、本当に長生きしたいだけよ。
 その為に選んだのが、神秘的領域だっただけのこと。

 おまえと同じ道を選んだのだ、吾は。
 異なるのは。”誰かの為”ではなく
 ”自分の為”という所だろうな」

 『ほら、はよ見せよ』。そう促す。
 どうやら、キファにも見学したい理由があるらしい。
(484) 2021/05/04(Tue) 15:27:58

【人】 尸解仙 キファ

>>487 メレフ

「良いんじゃないか」

 例え、禁忌だろうと。キファは否定しない。
 同じ言葉でも、全てが明らかになった今、
 持つ意味合いは異なる。
 それでも、否定しない。

「ちなみに蜥蜴は食うぞ。滋養に良いんだ」

 表の瀟洒っぷりとは打って変わって、
 中は静かだった。
 キファが唯の少女であれば、
 心細くなっていたかもしれない。

 『そこ』に辿り着くまで、メレフに着いてゆくのだろう。
(489) 2021/05/04(Tue) 16:13:17

【人】 尸解仙 キファ

>>493 メレフ

 ぴり、と肌を焼く魔力。
 キファは片目を眇めた。
 
 見た目よりもうんと広い屋敷だったらしい。
 かつん、かつん、と湿った石造りの階段が鳴る。
 深層に、近づいていく。

「そうか。どうやら、吾もらしい」
「吾は兄であり、妹だった。……故人だ」

 現実世界では男であること。
 キファは彼の死んだ妹をモデルとした存在であること。
 それを、さしてシリアスな調子でもなく、語って見せた。
 
 ここに来たいと言った理由。
 それは、皆まで言うまい。

「吾は、屍など見慣れている。
 今更驚くこともないさ」
(495) 2021/05/04(Tue) 17:08:08

【人】 尸解仙 キファ

>>501 メレフ

「吾自身だ」

 きっぱりと言い切った。
 それで、キファのスタンスはある程度伝わるだろう。

 ”プレイヤー”にどのような意図があろうが、
 キファはキファである。それを言葉裏に語っている。
 それだけは、伝えておきたかったようだ。

 それから、少しだけ感傷に浸るように黙りこくった。
 蛍のような光を視界に認めれば、こう話しかけて来る。

「随分もったいぶるんだな。
 ……それ程厳重、ということか」

 誰の目にも触れさせないように。
 誰も、眠りを妨げることが無いように。
 再び目覚める時まで。

 ……キファは祭壇の正体に、
 ある程度予想をつけていた。
(502) 2021/05/04(Tue) 18:23:28

【人】 尸解仙 キファ

>>505 メレフ

 少女は小さく声を洩らす。
 予想は、裏切られた。
 想像よりも、『それ』は、ずっと美しかった。

「天国みたいだ」

 この世のものと、すぐには信じられなかった。
 ──否、確かに此処に在る。
 眼前のこの男が、生涯を掛けて作り上げた
 魔法仕掛けの楽園。

 薄暗い地下の奥深くに存在する、
 完全なる、小さな世界。

 →
(508) 2021/05/04(Tue) 18:52:50

【人】 尸解仙 キファ

>>505 メレフ

「愛されているな。
 さぞかし良い夢を見ていることだろうよ」

 少女は否定も肯定も、憐れみも口にはしない。
 だけれど。東から西へと、渡り歩いてきた少女は。
 昔々、鳥籠に居た少女は。
 これから、広大な海を見に行く少女は。

「(少し物足りないな)」

 唯、あなたは聡いから。
 少女の考えていることを、見抜いてしまうかもしれない。
 けれど同時に、それを問い詰めるあなたでもないだろう。

「どうするんだ、此処。
 置き去りにするつもりか」
(509) 2021/05/04(Tue) 18:55:07

【人】 尸解仙 キファ

>>510 メレフ

「断る。人の棺の前で死ぬ趣味は無い。
 それに、吾にはまだ行くべきところが有る」

 即答。
 それから、小さな花に触れた。
 メレフの、妹の為に綴った大切な言葉たちが
 流れ込んでくる。

 ”成程”、と溢した。
 彼の想いを知るには、それで十分過ぎる。

「もう十分なんじゃないか」

「これだけのことを為した。
 人間の一生分では、ゆうに読み切れない
 知識と言葉を寄越した。

 おまえの妹だって、おまえを置いていったんだ。
 許されるさ」

 キファは割り切りが早かった。
 これはこれ、それはそれ、と割り切ることができた。
 感情に囚われることを好まない。
 ……本当は、そうなのだ。
 あなたの前で披露する機会は少なかったが。

 →
(511) 2021/05/04(Tue) 19:47:17

【人】 尸解仙 キファ

>>510 メレフ

「あとはおまえの心次第だ。
 ……まあ、すぐに決断できることでは無いだろうな。
 おまえは今も迷ってる」

 そして、急かす権利も、道理も、
 キファは持たない。

 キファはポケットから鍵を取り出した。
 『運否天賦』ギルド本部マスターキーの合鍵、と説明する。
 書庫から、キファの私室まで。
 全てを調査できる権利があなたに預けられた。

「好きに使え。
 吾が東方を駆け回って手に入れた知識が、そこにある。
 天国に行く方法も。動く死体を作る方法も」

 『あぁでも、使ったものは元の場所に戻しておけよ』
 そう言って、くつりと笑った。

 →
(514) 2021/05/04(Tue) 19:50:34

【人】 尸解仙 キファ

>>510 メレフ

「……見せてくれてありがとう。
 『秋葉義一』が何故このような行為に及んだか。
 少しは理解することが出来た」

 誰ぞの願いを押し付けられた、と思っていた。
 でも。……こんな風に愛されていたのなら。
 まあ、悪くない。
(515) 2021/05/04(Tue) 19:51:07

【人】 尸解仙 キファ

>>532 メレフ

「──うむ、僥倖」

 受け取った鍵を、自分のポケットにしまい込む。
 どうやら、やっぱり”共同研究”は叶わないらしいが。
 まあ、それも良いか。

 ……メレフの言葉を聞いたキファは、
 何故だか、どこか。すっきりとした心持だった。

 それは”メレフ”の肯定であり、
 ”名月 廉”の肯定である。

 →
(535) 2021/05/04(Tue) 21:55:27

【人】 尸解仙 キファ

>>532 メレフ

「きっと、また会えるさ」

 ──それは、誰に向けたものか。
 キファしか知らぬことなのだろう。

 少女は踵を返す。用事は終わりだ。
 兄妹の邪魔をしたくない。それに──
 自らにも、まだやるべきことが残っているのだから。

 さあ、海を見に行こう。

 〆
(536) 2021/05/04(Tue) 21:55:41

【人】 尸解仙 キファ

 ──『運否天賦』はその日、ギルドマスターを交代した。

 然るべき手順の後、キファの一番弟子であるエルが継いだ。
 彼女はだらけ者の先代よりも、しっかり者であった。

 師匠について尋ねると、彼女はこう答える。
「『新たな地に旅立つ』と、書置きが残されてたんです。
 律儀に、彼女本人の印が押された申請書まで置いて有って」
 
『まぁ、部屋は片付けて行って欲しかったですけど』
 そう言って、エルは笑った。
 
 元より、『運否天賦』は中堅のギルドである。
 そのギルドマスターであるキファが持ち込んだ
 『道教』という概念は、レムノスにて密やかに
 認知度を高めつつある。

 キファはこの世界からいなくなった。
 でも、全部が無くなったわけじゃない。

 彼女の痕跡は、この世界に遺り続ける。
 きっとそうやって、未来は紡がれていくのだろう。
(537) 2021/05/04(Tue) 21:57:36
尸解仙 キファは、メモを貼った。
(a174) 2021/05/04(Tue) 21:58:05

キファは、ログアウトした。
(a175) 2021/05/04(Tue) 21:58:51