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【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>10 レヴィア 「……吹かしじゃなくて本当にバレてるとはね。 見つからないように結構気を遣ってたんだけど、 この調子じゃ他の連中にもその内見つかるな」 声は扉ではなく、少し離れた箱の影から。 対して大きくもない破損穴から、 窮屈そうに女が姿を現した。 「ま、いいさ。お届けどーも。 ……冷えたコーヒーくらいなら出せるけど?」 この手合いは遠回りだので、露見しにくくはしたはずだ。 自分ならそうする。その労をねぎらうくらいはしてもいい。 ひとまず箱を受け取ろうと両手を伸ばした。 (12) 2022/08/12(Fri) 19:49:32 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>13 レヴィア 「ま、一般人から見つからなきゃどうでもいい。 どんな口説き屋だってわざわざ隠れてる所に来て 蹴られる口実を得たくはないだろうからね」 肩を竦めながらも、箱を抱えて。 がご、と大きな鉄箱を蹴りで退けて、穴の入口を少し広げる。 「逆になんだったら興味があるのさ」 そう呟いて屈んで穴に入り、箱を置くとあなたを招き入れる。 中は廃墟の割には小奇麗で、幾つかの机と椅子がある。 動く事もないはずの歯車たちは錆びも埃もない。 床も入口付近は草が侵蝕していたが、 そこ以外はワックスのきいた床板が張られている。 発電機でも持ち込んでいるのか、壁にはコンセントの口が 幾つもあって、電動ドリルやはんだごてなど 電機工具のコードがいつでも挿せるようにぶら下がっていた。 特に大きな机のひとつには工具箱とノートPCが置かれ、 おまけに分解されたライフルの部品が転がっている。 その机だけ、小型LEDライトの代わりに アンティークのデスクランプが灯されて 柔らかく手元を照らしているようだった。 「適当に座りな。飲み物取ってくる。 ……何かリクエストは?」 興味と、実在性があるかどうかは別として。 (16) 2022/08/12(Fri) 20:44:26 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>18 レヴィア 「奇遇だな、あたいも知ってる」 恐らく同じ顔を思い浮かべた事だろう。 そしてそんな事になればまた口説き文句が増えそうなので、 ストレガは全てを忘れる事にした。 「奇遇その2」 猫、ね。とそれだけ言って、肩を竦めて階上へ向かう。 上は生活空間なのだろう、金属のらせん階段を昇っていった。 ……がちゃ、ばたんという音からして、 どうも冷蔵庫まで持ち込んでいるらしい。 ほどなく戻ってきた手にはペットボトルが2本。 どちらも有名飲料メーカーの、片方はコーヒー、 もう片方は一応アールグレイティー。 その内アールグレイの方を放って寄越した。 「お上品な物は品切れ中でね。 要らなきゃあたいが飲むから適当に置いときな」 言って、自分は作業机の前に座る。 特に何をするでも、言うでもない。 ぱき、と開封の音と喉を潤す音だけが響いた。 (20) 2022/08/12(Fri) 22:16:36 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>43 レヴィア 「最近じゃ未開封でも注射器で毒を入れる、 そんなケースもあるらしいけど?」 欠伸をひとつ、自分もぱきりと音を立てて珈琲を啜る。 猫にはなれない女は可愛くない言葉しか返さない。 「あん?……ああこれか。そうだよ。 アンチ・マテリアルライフル。対物狙撃銃さ。 ……こんなもんで撃ったら人間の形なんて残らないね」 時に戦車の装甲すら貫くと言われる物。 それが分解された姿は中々見る機会もないだろう。 (47) 2022/08/13(Sat) 18:57:56 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>49 レヴィア 「外食不可?そりゃ凄いね。ジャンクフードも チェーンのピッツァも食わない、健康そうで何よりだよ」 普段の食生活がわかるような言葉と共にため息。 難儀な奴、と呟いた。 「簡単ねえ。ナイフを折るのは簡単でも、 ナイフを使えるように錆びさせるのは手間だろうよ。 狙撃の正確性を損なわず威力を下げるのは面倒さ」 言いながら、バラバラのそれらに視線をやる。 「これはあたいの趣味。……つーのは半分冗談。 ただ、あたいが買い付けたってのは本当。 ボス殺しを疑ってんならその答えはNOだって言っとく」 こちらもまるきりいつもと同じ顔、いつもと同じ声。 弁明もなし、返答と結論だけが返った。 (50) 2022/08/13(Sat) 19:56:13 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>53 レヴィア 「お年の割にしっかりしていらっしゃることで」 「あたいは正装は嫌いでね。いきぐるしいだけだ。 好きな物を好きなように食って、その内死ぬさ」 やはり、ここでも獰猛に笑う。 自分の罪に対して罰など知らないねとはねつけ、 欲のままに自由に過ごし、エゴのままにこうして話す。 これに、忌避感などという面倒なものはない。 「そりゃあ出来るよ。 ファミリーの銃を整備するのは誰だと思ってるんだい」 そこには余程自信がある。言いながら珈琲を飲み干して、 幾つかパーツの足りないライフルの傍に空容器を置いた。 「趣味が被らなくていい事もある。 野郎の口説き文句のきっかけにならないとかね。 ん……何の為か。……ちょっとした手品の為、かな」 にひ、と口角をあげる様は、幾らか……年相応に見えた。 (54) 2022/08/13(Sat) 21:00:56 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>55 レヴィア 「ハッ、違いないね。 あたいはあんたを好く奴の方が大変だと思うけど」 整備をしてない手は自由だ。楽しげに、 両手の平を見せてハンズアップ。指先は僅かに黒ずんでいる。 「ちゃんとアジトにも工房はあるさ。ここは秘密の部屋。 それを言い出したら暗殺者だって、アンティークより ナイフと銃に囲まれた家じゃなきゃおかしいだろ?」 部屋のあちこちには必要ない配線や配管が幾つも通っている。 それらにも確かに、幾つか銃のパーツが使われているようだ。 「まあね。顧客の情報も消失させる手品も覚えてるよ」 へらりと笑ってそんな言葉も続けた。 (57) 2022/08/13(Sat) 21:50:00 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>59 レヴィア 「だから大変そうだって言ってんの」 悪びれもせずそう返す。あなたの整った顔と並べば、 人によっては醜いと指を差す者もいるかもしれない。 それでも、これは随分好き放題に生きている。 「いないからそうした方がバレないんじゃないか。 あたいが暗殺者に転向する事があったらそうするか」 そんな事にはならないだろうけど。 ストレガをアジトで見た事があるなら、 その大半は報告をしている姿か、 或いは業務用の大型機械やPCなどを弄っている姿だろう。 アジトの工房もまた、多数の機械に囲まれており、 重要な物以外の多くを上の求めに応じて扱っているようだ。 「世界なんかどうだっていいんだよ、あたいは」 「あたいがしたい事をしてる、それが一番さ。 で、あんたは"こんな世界"以外の道はなかったわけ?」 それこそこれを本業にするとか、と アンティークのデスクランプを示して。 (60) 2022/08/13(Sat) 22:56:42 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>61 レヴィア 自身の指先を鼻に近づけ、スンと鳴らす。 そうしてわざとらしく肩を竦めた。 「コーヒーの匂いしかしないね」 暗にどちらの香りも変わらない、とも。 「まあ好き放題してるんだから、あたいは幸せな方だろうね」 「にしても、……難儀な奴。 別に今から楽しみくらい見つけたって バチ当たらないと思うけど? 現代には便利な箱があるわけだし」 こつ、とノートPCの角を軽く叩いてみせた。 「人殺しだけがしたいなら別にいいけどさ、 少なくとも表の仕事は変えられるでしょ。 グラスハープの演奏家でも、なんだっけ、 あの……東洋方面のさ。あー……猫カフェ? ああいうのとか。やりたい事、ないわけ?」 (63) 2022/08/14(Sun) 0:29:44 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>72 レヴィア 「……。ま、それがあんたの強さなのかもね。 あんたの仕事、見た事ないからわかんないけど。 やりたい事がもし思いついたら教えな。 手伝うかどうかはさておき、見には行くから」 ふ、と笑って立ち上がり、置いていた空き容器はゴミ袋に。 「……あたいがあんたを殺す事があるとすれば、 あんたがあたいに殺してくれって頼んだ時くらいだよ」 「だからそん時はそうしてやる。 代わりに、あんたがあたいを殺す時も あの店で殺してくれない?結構気に入ったから」 店が血で汚れるのは嫌か、と零して、じっとあなたを見た。 (75) 2022/08/14(Sun) 18:44:49 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>79 レヴィア 「死ぬ時には見れそうだね。 まあ死ぬつもりは当分ないけどさ」 「……そんな目するくらいなら断りゃいいのに」 自分で頼んでおいて、鼻を鳴らす。 そうして、去っていく背中を見て、 「…………」 「ヘイ、レヴィア!」 思い出したように、声を投げかける。 「ランプ、光が気に入ったよ。 あんがと。また行く。そんだけ」 それで、今度こそ見送った。 (82) 2022/08/14(Sun) 19:40:36 |
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