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【人】 蜉蝣 アベラルド【チョコラータ:オルサキオット】 「ああ。こちらの新作にご興味が?」 「それは先週発売されたばかりの当店オリジナルフレーバーですよ。 見た目も可愛らしいでしょう?貴女にピッタリですね」 昼下がり。 祭のお陰か客足がいつもより多いこの店で、アベラルドはカウンターに立って接客をしていた。 一つに括った白い髪が、天井に下げられた空調代わりのファンの風に揺れている。 木目調の温もりのある内装が祭の明るい雰囲気によく溶け込んでいて、流れる穏やかなピアノジャズがその午後の時間を彩っていた。 この時間は存外嫌いじゃない。仕事も性に合っていた。 軽い鼻歌でも歌いたいところだが、まあ。 そこまで不真面目でもない。 (26) 2022/08/12(Fri) 23:31:17 |
【人】 蜉蝣 アベラルド>>30 サルヴァトーレ 【チョコラータ:オルサキオット】 「ん、……ああ!signore、どうもこんにちは。 おかげさまで忙しくさせてもらってるよ。ここのチョコラータは上質だから。 いつものなら取っておいてある。貴方が来た時の為にね」 聞き慣れた声が店の音に紛れて聞こえる。 すぐにそちらの方を見ればパッと表情を明るくさせた。 他の従業員に目配せして、すぐあなたの対応に来るだろう。 それから『いつもの』を棚から取り出して、カウンターにことりと置く。 「三日月のジャンドゥヤ、オルセット・マンディアン。 ……ああ、そうだ。今の時期じゃこちらも合わせておすすめしてる。三種のオランジェット」 三日月の形を模した、ナッツの風味が濃厚なシンプルなジャンドゥヤ。 オルセット・マンディアンは小熊の形のチョコにアーモンドやドライフルーツが散りばめられた甘さ控えめなものになっている。 三種のオランジェットは、甘さもオレンジピールの種類も三種全て違っているらしい。 クリアカラーの箱に梱包されたそれは、黄色いリボンを纏って並べられている。 「この暑さじゃ溶けやすい。買うならすぐに召し上がる事をお勧めしますよ」 (48) 2022/08/13(Sat) 19:02:49 |
【人】 蜉蝣 アベラルド>>76 サルヴァトーレ 【チョコラータ:オルサキオット】 「はあい、承りました。 そうですねぇ……その方、紅茶は好きかな」 にこりと笑んで、いつもの商品をレジに寄せる。 それからプレゼントの相談に一瞬考え、思いついたのか一つ質問を。 「茶葉を混ぜ込んだプラリネがあるんだ。 ダークチョコレートを使ってるから、甘さ控えめでさっぱりしてる。香りももちろんいい。 贈答用のラッピングも受け付けてる」 そういいながら棚から出してきたのは、 細長い箱に入ったプラリネだ。包装紙のサンプルも横に並べつつ。 「……そうだな、あとは試食もできる。どうなさいますかね?」 (89) 2022/08/14(Sun) 20:23:41 |
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