情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 瑞野 那岐── ゆくとし、くるとし ── [三月うさぎの店はクリスマスを過ぎた後も忙しく、 年末ギリギリまで店は開いていた。 常連客も大事にすることはもちろん、 従業員も大事にしている店長なので 大晦日と元旦の三箇日だけは店舗が休みになる。 あまりまとめて休みを取れない接客業は 4日間の連休だけでも嬉しい限りだ。] (6) 2023/12/30(Sat) 4:02:30 |
【人】 瑞野 那岐[大晦日の午前中の間には実家に顔を出し、 久々に両親の顔を見た後、 店はどうだ、とか、杏は元気かという話を聞かれ どちらも順調だと伝えた。 なら、恋人はどうだ。と聞かれて 今度は言葉に詰まる。 長らく独り身を続けていた後の 新しい恋人の情報は杏から既に伝わっているらしい。 (性別はまだ知らないようだが。) あー……、と言葉を少し濁しつつも、] (7) 2023/12/30(Sat) 4:03:24 |
【人】 瑞野 那岐優しい人、だよ。 誰かの為にすぐに手を差し出せるような、 ヒーローみたいな人。 [そう笑えば、格好いい人じゃないと母ははしゃいだ。 写真を見せて、と催促する声を 久しぶりの匂いに尻尾を振り続ける飼い犬へ おいで、と促すことで誤魔化して その場はうやむやにしつつ。 いつか母たちにも彼を紹介する日が来るのだろうか。 景斗さん、犬好きだったっけ。] (8) 2023/12/30(Sat) 4:03:48 |
【人】 瑞野 那岐[そんなイレギュラーを味わった後、 午後は年末年始をゆっくりと過ごす為に 両手いっぱいに食材を買い込んで彼の家に向かった。 待って居てほしいと言っていたけれど、 自身も共に過ごすつもりだったのもある。 その時話していた土鍋は既に届いていたから、 使う前に軽く洗って火の通り具合を確かめていた。 今日買った食材の中には、 鍋に使う具材ももちろん買ってある。 今度こそこたつに合う料理になるだろう。] ……──、 [鍋の話を聞いた夜。 子供かと言いたくなるくらいに、彼に身を任せ 世話をしてもらったことを思い出す。] (9) 2023/12/30(Sat) 4:04:33 |
【人】 瑞野 那岐[甘やかして欲しいとは言ったけれど、 甘やかされてだめになる訳にはいかない。 小さく首を振り、いつかの失態を振り払うように。 買い込んだ食料を冷蔵庫へ仕舞い込む。 年越しそばの準備は彼が帰ってきてからにしよう。 それまでに部屋の掃除をして、 早めに風呂に入って。 子供の頃のように夜の番組が始まっても テレビに齧り付いて居られるように。] (10) 2023/12/30(Sat) 4:05:37 |
【人】 瑞野 那岐[アーティストが次々とステージを入れ替わっていく。 ラジオで耳にしたアーティストも居れば、 初めて耳にするアイドルも居た。 まだ彼の出番は訪れていない。 不意にこたつの上に置いていたスマホが揺れる。 考えていたのが伝わったのか彼からだった。 ふ、と笑って短くメッセージ送り返した後、 再び、メッセージが届く。 それは彼と仲がいい友人からだった。>>1:0] 『見てますよ』 『年末にテレビ見てるの久しぶりです』 『順番通りなら、そろそろですね』 ……あ、 [そんな短文を送りあった後、テレビを映した画面が届く。 今、自分自身も見ているものと同じものが映っている。] (11) 2023/12/30(Sat) 4:05:50 |
【人】 瑞野 那岐[大きな画面いっぱいに黒の姿の彼が映る。 何度か見返した、若い頃の彼ではなく 自分自身が知っている”今”の顔をした彼がヒーローの姿で。 ブル、ブル、と手の内で通知を知らせるバイブが 揺れ続けても、暫く画面に魅入ったまま。 すぐに画面は彼を恩人だといったアーティストに切り替わる。 けれど、その後ろに彼が映り込む。 アーティストを見守るように、後ろで。 時に、衣装を翻らせて不敵に笑う姿に。] 『すごいですね、格好いい』 [彼らの出番が終わった頃にようやく遅れて。 葉月さんには返信しただろう。 ヒーローに会えた少年の心を持つアーティストを眺めながら。] (12) 2023/12/30(Sat) 4:06:13 |
【人】 瑞野 那岐[挨拶よりも先にコート姿のままで抱き竦められ その勢いに少し目を見張りながら、] わ、……ぷ、ははっ、 ──おかえりなさい。 格好良かったですよ もう一度惚れ直すくらい。 [興奮冷めやらぬ様子の彼の背に両手を回して、 少し高い目線を見上げる。] (14) 2023/12/30(Sat) 4:06:46 |
【人】 瑞野 那岐誰が見ても憧れのヒーローでしたよ。 おつかれさまでした。 [深く長い溜息は、安堵も混ざっているのだろう。 仮面を外した彼を今は緩く、背を撫でて労うように。**] (15) 2023/12/30(Sat) 4:07:02 |
【人】 瑞野 那岐[先程見ていたテレビの彼と同じはずなのに 眼の前の彼は全く印象が変わって見える。 依頼があった時は渋面を作っていたけれど、 会場で起きた歓声や、あのアーティストの喜びよう、 それに、達成感に満たされた彼の今の表情を見れば 背中を押して良かったように思えた。 準備期間には長く、時間がかかったけれど。 その分も含めたつもりで背を撫でれば、 不意にぐっと彼の腕の力が籠もる。] (19) 2023/12/31(Sun) 0:06:49 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新