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【人】 客人 ジャヤート[この世界に来て最初に降り立った地は、 長い歴史を持つ映画の都…から少し離れた土地の とある大きな屋敷の庭園内。 そして、この世界で最初に出会った存在は、 とある老人とその孫娘、そしてその番犬だった。] (0) 2023/09/20(Wed) 13:17:01 |
【人】 客人 ジャヤート[その日は日差しの穏やかな春のこと。 いつかの、彼女と出逢ったお茶会の場にも似た その庭では、老人がキャンパスに絵筆を走らせ。 少女が近くに置かれたテーブルに肘をついてぼんやりと レモネードを啜っている。 そんな穏やかな午後のことだった。 突然自分たちの庭先に現れて、そして突然倒れ込んだ私に 彼等は驚きつつも冷静だった。 二人で木陰に私を運び込むと、 冷たい水を絞った布を額に当てたり、水を飲ませたり。 …あのときを振り返ると、私はどうみても不審者だったろうに。 彼らはとても親切に私を介抱してくれた。] (1) 2023/09/20(Wed) 13:18:23 |
【人】 客人 ジャヤート[それから数日、私は彼等の厄介になった。 そしてそのあいだ、私は老人と孫の質問攻めにあっていた。 一宿一飯では足らない恩がある故、 また、辿り着いたこの世界がどんなものかまだ知らない故 私は彼等の質問に隠すことなく答えていた。 自分が嘗て違う世界で魔王と呼ばれるものであったこと。 色々あって故郷を追われ、別の世界へと放浪することになったこと。 そして、その途中辿り着いた世界で出会った女性に もう一度会うために世界を超えて、この世界に辿り着いたこと。 この世界の人間にとって 俄には信じ難い話だったであろう私の話を 彼等は特に否定することなく聞いてくれた。 後々彼等にそのときの話をすると、 「ネタとしてとても興味深かったから」と 二人そろって言われたのを覚えている。 特に老人のほうの食いつきは強く、 此方が困惑するのを見かねた孫娘に何度か窘められたほど] (2) 2023/09/20(Wed) 13:20:12 |
【人】 客人 ジャヤート[私と出逢う数年前まで、 老人は、幾つもの名作映画を世に送り出してきた 敏腕映画プロデューサーだった。 私がこの世界に身寄りも身分もないとわかると、 彼はまず自身の友人夫妻の許へと連絡を取った。 彼らは数年前、事故で娘夫婦と孫たちを一度に亡くしており そんな彼等の許で家族になれという。 …色々と、無理なことをいうと私も思ったものだが、 意外とすんなりと、彼らは私のことを受け入れてくれた。 あとは老人が自身の人脈を駆使して彼方此方に掛け合い。 そうして、私は世間の人々が知る 「ジャヤート=アクタル・ヴァルマ=メディナ」になった] (3) 2023/09/20(Wed) 13:23:00 |
【人】 客人 ジャヤート[それから数年のあいだ日々は慌ただしく過ぎていった。 この世界のことを学ぶため、孫娘と一緒に大学へ通ったり。 その合間、養父の仕事に付き合って、世界各地を回ったりもした。 映画…もとい演じることに興味を持つようになったのは丁度この頃。 大学時代、たまたま演劇について学ぶ授業があった。 自分とは違う存在に成ること、 自分ではない誰かの人生を生きて、そして時に死を迎える。 其処に在るのは紛れもない誰かの人生の集合体/物語であり 嘗て舞台装置だった自分が眩しく見つめていたものそのものだった。 …今の自分は、神々のための物語を紡ぐための存在ではない。 己の意志で舞台に上がり、自身の物語を紡いでいく存在に成れたのだと。 そう、気づいたそのときから、私は演技…もとい 最初に触れた映画の世界に足を踏み入れることになる。 尤も、其処に 「若しかしたら自分が出ている映画を彼女が見てはいないだろうか」 と、そんな打算がなくもなかったけれど。 全ては、あの茶会で出会った彼女と再会するため、 約束を果たすためであったのだけれど…彼女を探す旅は 思いの外難航する羽目になったが。]* (4) 2023/09/20(Wed) 13:23:31 |
【人】 客人 ジャヤートおはようございます、フィエ。 はい、とても美味しそうですね。 [出来上がった朝食に、目を輝かせて微笑む。 手早く着替えを済ませ、手櫛で簡単に髪を整えると、そっと彼女の唇に口づけを落とす。] 飲み物…ではコーヒーがあればそちらを頂きたく。 [夜明けのコーヒーというには、少し陽は高くなっていただろうけれど。 そうでなければ紅茶を、或いはフィエの好きな飲み物を同じく頂こうとするだろう] (9) 2023/09/21(Thu) 16:45:00 |
【人】 客人 ジャヤート…頂きます。 [両手を合わせてから朝食を頂く。 カリカリのベーコンとチーズ入りソーセージの塩気で目玉焼きがとても美味しい。 そういえばこの国では片面の目玉焼きをトーストに乗せて食べる人が一定数いると聞いたことがあるがフィエは食したことはあるのだろうか? もし美味しいのであれば今度試してみることにしよう。 フィエと同じくトーストにマーマレードを塗っていると彼女から声をかけられて] はい。 一先ず連絡はしておいたので先方は問題ないはずです。 (10) 2023/09/21(Thu) 16:45:32 |
【人】 客人 ジャヤート…それと。 昨晩からずっと考えていたのですが。 [少し真剣な顔をするとあらためて彼女に向き直る] 私と、一緒に米国に来てほしい。 今更と思われるかもしれないけれど、 きちんと言葉にしないのは筋が通りませんし 貴女を不安にさせてしまいそうだから。 (11) 2023/09/21(Thu) 16:46:32 |
【人】 客人 ジャヤート私の友に食べることが大好きな御仁がいましてね。 彼には何度か貴女の料理の腕前について 話したことがあります。 今の私の家族や、仲間たちにも貴女や貴女の料理を紹介したい。 [彼女の返事はどうだったか。 何れにせよ、食事が終われば、一緒に片づけと出かける用意を済ませて外へ出る。 その頃には、先程呼んでいたハイヤーがアパートの前の道路に停まって私たちを待っていることだろう] (12) 2023/09/21(Thu) 16:47:03 |
【人】 客人 ジャヤートフィエ。 首飾りと指輪をお借りしますね? [どうして?と問われても 内緒です、と人差し指を唇に当てて悪戯めいて笑うだけだろう。 とりあえず、今は] フィエ、お手をどうぞ。 [にこ、と微笑って彼女に手を差し出すと、そのまま恭しく彼女を車までエスコートする。 そうして二人車に乗り込めば、車は目的地へと出発する。 其れから目的地まではさほど時間はかからなかったことだろう。 辿り着いたのは海の見える丘の上に建つとある高級ホテル。 吹き抜けのロビーを抜けて、硝子張りのエレベーターに乗ってやってきたのはホテルの店舗エリア内にあるドレスと宝飾の専門店。] (13) 2023/09/21(Thu) 16:47:35 |
【人】 客人 ジャヤート貴女は覚えているかわかりませんが、 以前、貴女を飾り立てたいとそう、思ったことがありましてね。 此処は、あちらでの友人が経営している店の支店なんです。 せっかくなのでコネクションを最大限利用させて頂こうと思いまして。 [言いながら、彼女の隣に立つとそっと背中を押す] 色々あるのでじっくりみていきましょう。 試着も仕立て直しも問題ないと先方から許可を頂きました。 [彼女の肩に手を回しながら、近くのドレスに手を伸ばす。 肌色としては原色が合うのだろうけれど、私としては彼女に好きな、気に入ったドレスを着てもらえるのがなにより嬉しいと思う。 特に彼女から何か言われなければ、試しにと、少し離れたばかりのところにかけられている鮮やかなレモンイエローのドレスを手にとって。 どうだろうかと彼女の様子を伺ってみよう]** (14) 2023/09/21(Thu) 16:49:25 |
【人】 客人 ジャヤート[ホテルに手配を頼んだハイヤーに、 少し戸惑った様子の彼女>>17] 問題ないでしょう。 今のままでも十分、可愛らしいですから。 というのはともかく。 少なくとも、ドレスコード的に問題ないと思います。 [仮にドレスコードに引っ掛かるものがあったとしても それをどうにかするためにいくようなものですし。 仮に格好で相手をとやかくいう店ならば、 私も連れて行こうとは思わないし、別の店を探すことだろう] 風変わりな人ではありますけどね。 とはいえ、店舗には拘るタイプの人ですから 店の人たちも悪い人たちではないはずです。 [新規で店を開くときは必ず現地で面接を行ってから 従業員を選ぶ人だから。 そういう意味でも、この店については信用している] (21) 2023/09/22(Fri) 20:13:29 |
【人】 客人 ジャヤートそうそう、先程貴女を見つけることができたと 友人と両親には連絡を入れておきました。 彼等からは是非、貴女に逢いたいと。 [私が魔王だったという話は 本当にごく一部にしかしていないが。 それでも、一つ映画を取り終えるごとに 暫くの間、姿を消していることは知られているから。 「運命の人」を探していると知っている身内からは 色々な意味で盛大に祝福された] (22) 2023/09/22(Fri) 20:14:20 |
【人】 客人 ジャヤート[さて。 彼女が店員とともに試着室に入ってから十分ほど経った頃。 少し緊張した面持ちで現れた彼女の姿は>>20] ―――…。 [人目がなければ間違いなく抱きしめていたと思う。 そのくらいには、感極まっていた。 表情に出さないようにポーカーフェイスを装いつつ] とてもよく似合います、フィエ。 職業柄、いろいろな女性達を見てきましたが 私は貴女が一番素敵だと思います。 [恋は盲目とか、贔屓目とか そういう言葉があることは知っているけれど。 それがなんだというのだろう。 私にとっては間違いなく、目の前の彼女が一番美しい。 世界中の誰よりも。 そっと恭しく彼女の手を取って。 賞賛の意味を込めて、彼女の指先に口づけを落とす。 それから、首飾りと指輪を取り出すと彼女の首と指に飾れば。 何方も一層、彼女を輝かせた。] (23) 2023/09/22(Fri) 20:15:36 |
【人】 客人 ジャヤート後で、写真を撮らせていただいてもよろしいですか? 友人たちと、今の私の両親が貴女の姿を見たいとのことだったので。 [彼女の許可を得られたならば、 レモン色のドレス姿の彼女の姿をスマートフォンに収める。 送信は後にしておこう。 今は、彼女の姿を自分だけのものにしておきたい。 そんな独占欲を一人満たしつつ] (24) 2023/09/22(Fri) 20:15:47 |
【人】 客人 ジャヤート此方のドレスは購入するとして。 フィエはどのような色のドレスがお好きですか? [小柄な彼女ではあるけれど、スタイル自体はメリハリがあって決して悪いものではない。 デコルテも美しく、胸が開いたものもそれほど貧相にはならないだろう(無論、本人の好み次第だが) また、サイズが合わないドレスも仕立て直したりイメージにあった新しいものを作ってくれるとのことなのでそういうオーダーメイドもきっと楽しいだろう] …と。 申し訳ない、少し舞い上がってしまいましたね。 [こほんと一つ咳払いをして] …少し、早いかもしれませんが。 ウェディングドレスも、此方で見ていきませんか? [先日、此方のブランドの新作発表があった際、そういうドレスの類も何点か発表されていたことを思い出しながら。 今まで縁のなかった場所で一からドレスを選ぶよりなじみのある国でそういうものを選んだほうがよいのではないかと]* (25) 2023/09/22(Fri) 20:16:50 |
【人】 客人 ジャヤート[ドレスと、他に装飾品を幾つか選んで購入した後。 ホテルのレストランで食事を済ませてから、再びハイヤーで移動する。 やってきたのは港湾地区。 目的の場所に行く前に、少し買い出しをしましょうと彼女を誘ってショッピングモールへ。 流石にハイヤーで乗り付けるのは目立つだろうとショッピングモールから離れた位置に停車してもらうとそのまま徒歩で買い物に向かう。 食品や酒類を取り扱う店から、調味料の専門店まで。 中には特定の地域の物産を取り扱う出店のような区画もあって、なかなかに興味深い。 私はといえば彼女の好みの酒類を聞き出しては興味深くそれらを眺めたり。 調味料やコーヒー、紅茶の棚を眺めてみたり。 それなりに充実した時間を過ごすことができた] (26) 2023/09/22(Fri) 21:48:01 |
【人】 客人 ジャヤート[買い出しが終われば、戦利品を片手にもう片方の手を彼女と繋いで、近くで待たせていたハイヤーへと戻る。 そして再び走り出すこと数分。 窓を開ければ潮の香りと、遠くに鳴く海鳥の声。 そうして、やってきたのはクルーザーやプレジャーボートが多く停泊している区画。 その中の一隻のクルーザーの下までやってくると] どうぞ、フィエ。 今日は天気もいいですし、 私と一緒に船旅にお付き合いいただけますか? …ああ。此方は養父が日本で購入した船なんです。 養父は映画専門の撮影コーディネーターをしていまして。 操縦も、養父から幾らか手解きを受けました。 尤もハワイで親父に、というわけではありませんでしたが。 ああ、船舶免許はとってありますので、そこはご心配なく。 [本当は、このまま船で彼女を連れ帰りたいところだけれど、それは流石に現実的ではないから。 ひとまず、船に乗り込むとしよう。 ――…晴れ渡った空の向こう、水平線が見える。 青と青が交わるその向こうに、今の私にとっての故郷がある] (27) 2023/09/22(Fri) 21:52:05 |
【人】 客人 ジャヤート[この世界に来てから、彼女が生まれ育った世界の広さに驚かされた。 そして、多種多様な人の在り方にも同じように驚かされた。 多くの出会いがあった。 その一つ一つが、今の私にとってかけがえのないもの。 そして、彼女がいなければ手に入れることの叶わなかったもの。] (28) 2023/09/22(Fri) 22:07:19 |
【人】 客人 ジャヤート[生まれてきた最初の夜のことは、今も覚えている。 真っ暗な闇の中、ただひとり其処に生まれ、そして闇の中「魔王」として終わりなく生き続けることを宿命として定められたそのときのこと。 星は、美しかった。 月の光は柔らかく眠る人の子たちを照らしていた。 それから幾千幾億もの夜を超えて、人の子たちは多くの物語を紡ぎ、短くも燃え盛るように美しく眩しい、その命を繋いでいった。 ―――…そして、私は。 彼等のことを愛していた。 人の子の在り方に焦がれていた。 そして、いつしか人と同じものになりたいと無意識に思うようになっていた。 それに気づかされたのは、皮肉にも元居た世界を追われてから。 彼女と、出会ってからだったけれども。 長く、長いあいだ焦がれ、そして諦めていた私の生は、まだ始まったばかり] (29) 2023/09/22(Fri) 22:10:26 |
【人】 客人 ジャヤート…フィエ。 昨夜話していた私の誕生日ですが。 昨日、というのは駄目でしょうか? [老人と孫娘に関しては、特に老人のほうが出逢った日のことをよく覚えていて、毎年取り寄せた大量のケーキを食べようと呼びつけてくる。 養父母も、その日を誕生日として戸籍上登録しているし、二人とも毎年メッセージと花束を贈ってくれる。 その日のことももちろん、誕生日として認識しているけれど] 貴女とこうして再び出逢うことができて。 私は本当の意味で自分の人としての生を歩みだせるのですから。 [だから、昨日こそが私にとって、人間としての本当の一歩を踏み出した日。 貴女と寄り添って生きるという、夢の続きを紡ぎ始めた日]** (30) 2023/09/22(Fri) 22:12:39 |
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